2024年03月31日
【沖縄リポート】薩摩以来の植民地″ナ高裁を糾弾=浦島悦子
3月1日の地元紙は、辺野古新基地建設の設計変更を巡る代執行訴訟において、最高裁が沖縄県の上告を受理しない決定をした(2月29日付)ことを1面トップで報じた。地方自治法に基づく史上初の代執行にもかかわらず最高裁は審理をすることなく、昨年12月20日の高裁判決(県敗訴)が確定した。
翌2日、辺野古ゲート前で開催された県民大行動(毎月第1土曜日)には、通常より多い千人以上が参加し、怒りの声を上げた。主催者を代表して挨拶したオール沖縄会議の稲嶺進共同代表は「訴えを受け付けさえしない」最高裁を糾弾し、新基地建設を認めない結束を改めて呼びかけた。
デニー知事を支える与党県議団もこぞって参加し、代表して挨拶した上里善清議員は、「1609年の薩摩侵攻から始まった沖縄への植民地支配が今日まで続いている」と指摘した。
国勝訴を見込んでいた防衛省は、既に大浦湾側工事を着工している。県民があきらめるのを待っているのだろうが、軟弱地盤が広範囲に広がる大浦湾の工事がスムーズに進むとは思われない。
私たち地元住民は2月22日、原告30人で「代執行の取り消しを求める住民の訴訟」を那覇地裁に提起した=写真=。この訴訟の被告は国と県双方だ。代執行の性格上、「設計変更承認という行為は県に所属する」として国が逃げるのを避けるために、不本意ながら県も被告とした(沖縄県には事前に了解を得た)が、原告・弁護団内部では「県のかたき討ち」訴訟と呼んでいる。これまでに取り組んできた埋立承認撤回及び、設計変更不承認を巡る住民の抗告訴訟の集大成と言うべき訴訟になるだろう。
2日の県民大行動では、うるま市石川地区に急浮上した陸上自衛隊訓練場計画の撤回を求める地元住民の反対運動の報告も行われた。保革を超えた反対が高まり、ついに県議会で自民党県連が「白紙撤回」を表明し、保守系の中村正人市長も国に「白紙撤回」を要請。うるま市議会も全会一致で断念を要求する見通し。市民総ぐるみの動きは県民を大きく勇気づけている。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年3月25日号
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