2024年09月01日

【沖縄リポート】ダンプ事故隠す警察、マスコミも?=浦島悦子

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 前号で触れた安和桟橋(辺野古への埋立土砂の搬出港)でのダンプによる死傷事故(6月28日)からひと月半。重傷を負った市民女性が奇跡的な回復を見せつつあるのが救いだが、時を経るにつれ、この事故を巡る状況の異様さが露わになってきた。

 まずは警察の動きが見えないこと。死傷事故を起こしたダンプの運転手は逮捕されず、事故現場にいた人の誰も(怪我をした本人も含め)事情聴取を受けていない。現場検証についても、市民団体が辺野古弁護団の弁護士とともに現場検証したという報道の翌日、ようやく警察が動いた。しかし、未だにこの事故についての警察発表はないままだ。
 一方で、SNS等では、抗議市民がダンプの前に飛び出し、それを制止しようとした警備員が犠牲になったという当初の警察発表や、抗議市民を「人殺し」呼ばわりする言説が流布され、沖縄県議会では、先の県議選で多数となった野党・自公勢力が、事故はデニー知事のせいだと吊し上げた。

 このようなフェイクニュースに対し事故の真相を伝えようと、オール沖縄会議は7月18日に記者会見を行い、現場検証と目撃者・関係者への聞き取りをもとに作成した現場の図面を添えて見解を発表したが、県内メディアもその内容をほとんど報道していない。真相は国にとって不利なので、警察もマスコミも含めて隠蔽しようとしているのではないかと勘繰りたくなる。

 私は、この事故及びそれを巡る状況は、当初から違法・脱法を繰り返し、いわば「治外法権」下で行われてきた辺野古新基地建設事業を象徴する事件だと感じている。つまり、ここでは(国家権力の庇護のもとで)何をやっても許されるということだ。
 土砂搬出は現時点ではまだ止まっている。市民らは断続的に安和桟橋前で集会を開き、工事の中止を求めている=写真=。集会では、国が「安全対策」を名目に、機動隊を大動員して市民を現場から排除し、正当な抗議や意思表示を封じ込めようとする可能性についての危惧も表明された。
     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年8月25日号

posted by JCJ at 03:00 | TrackBack(0) | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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