来年は戦後80年、私たちは戦争の犠牲の末に築かれた「平和」を守り、次の世代に引き継いでいけるのだろうか。集団的自衛権の事実上の容認、敵基攻撃能力の保持と防衛費の増額、この10年、軍拡へとひた走る政府の動きに、どう抗っていくのか。
こうした問題意識で5年ぶりにJCJが開いたのが8月17日の8月集会だ。
集会では、全体の問題提起という形で核兵器廃絶国際キャンペーンの国際運営委員・会長でピースボートの共同代表の川崎哲さんが基調講演を行った。続いて元NHKディレクターの大森淳郎さん、若手弁護士の久道瑛未さんを交えてシンポジウムで、いま私たち、メディアに関わる人や市民がこの状況にどのように対抗していくのかについて意見を交わした。(詳細は次号と次々号)
また今回の集会に合わせてJCJでは会員や支部、市民にメッセージを呼びかけ、8つの支部と29人から届いた。メッセージは冊子にして会場で配布するとともにスクリーンにも映し出された。「私たちは命を守り、平和をつくっていくためにペンを取るのだと今こそ再認識したいと思う」「十分に生かしていない『世界の宝・憲法9条』を声を大にして活用しよう」メッセージにはそれぞれの思いがこめられ、ずしりと重い。
最後に集会アピールが読み上げられた。アピールでは「現在のメディアは、権力を見つめ厳しく監視し、政府が隠そうとしていることを明らかにして伝えていくという本来の役割を十分に果たしているとは言えません。」とした上で「私たちはいま日本や世界で起きている「現実」への想像力を働かせ「歴史」から学ぶことによって、政府が着々と進めている軍備拡大、『戦争のできる国』への転換に対して抗っていきます。私たちが誇る憲法をもとに「戦争の準備」ではなく「平和の構築」を目指して。」と結んだ。アピールは大きな拍手で採択され、JCJの戦後80年へ向けたストップ軍拡のキャンペーンのスタートを後押しする形になった。集会はエデュカス東京の会場の参加者が71人、オンラインの視聴者は66人だった。
JCJでは12月にも集会を開き、なぜ戦争を止められなかったかなどについても過去から学び考えていきたい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年9月25日号
2024年10月15日
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