◆出版物販売額1兆5716億
2024年の出版物(紙+電子)販売額は1兆5,716億円(前年比1.5%減)となった。紙の出版物の販売金額は1兆56億円(同5.2%減)。内訳は書籍5,937億円(同4.2%減)、雑誌4,119億円(同6.8%減)。
電子出版は5,660億円(同5.8%増)、内訳は電子コミック5,122億円(6.0%増)、電子書籍452 億円(同 2.7%増)、電子雑誌86億円(同6.2%増)。電子コミックは、コロナ禍前の19年から5年間で倍増となった。
◆文春砲記事の一部修正
文春オンラインに掲載された「週刊文春」編集部のコメントによると、訂正されたのは、昨年12月26日発売号の記事で、「X子さんはフジ編成幹部A氏に誘われた」としていたが、その後の取材により「X子さんは中居氏に誘われた」「A氏がセッティングしている会の‟延長”と認識していた」ということが判明したとしている。
「週刊文春」編集部は次のようにコメントしている。
<これまで報じたように、事件直前A氏はX子さんを中居氏宅でのバーベキューに連れて行くなどしています。またX子さんも小誌の取材に対して、『(事件は)Aさんがセッティングしている会の“延長”だったことは間違いありません』と証言しています。以上の経緯からA氏が件のトラブルに関与した事実は変わらないと考えています>
◆二足のわらじ履く
岩下結(フリー編集者)さんが、19年間も勤めた出版社を昨年秋に退職し、今年4月に京王線南平駅前(東京都日野市)に本屋+カフェ「よりまし堂」を開業する。
その開業に向けた奮闘ぶりを「マガジン9」に、<編集者だけど本屋になってみた日記>というタイトルで、連載している。https://maga9.jp/250115-3/ をクリックして読んでみてほしい。第1回目のさわりを下記に紹介する。
<本の書き手、出版社、書店、取次、読者――みんなが今の構造に限界を感じ、別のあり方を求めているのではないか。一冊一冊がきちんと評価され、大切に読まれる環境はどうしたらつくれるのか……。「編集者でありながら本屋もやる」という二足のわらじを履くことになった身として、この仮説を実証実験するようなつもりで、この連載で本屋開業のプロセスをご報告していきたいと思います。出版や書店に関わる人だけでなく、本が好きな人、自分の地元にも面白い本屋があったらいいなと思う人、みなさんの参考になれば幸いです。>
開業資金をクラウドフアンディングで集めているが、なんと開始から1カ月で目標金額の150万円を達成。さらにネクストゴール200万円を目指す。
協力を申し出る方は、https://readyfor.jp/projects/yorimashi へアクセスを。
◆ICタグで本の在庫管理
講談社、集英社、小学館、丸紅が出資するパブテックスは、書店の在庫をICタグで管理するサービスを始めた。棚に専用のリーダーをかざせば店内の本の在庫が把握でき、棚卸し作業が大幅に短縮できる。今年中に書店100店への導入を目指し、将来は書籍流通の効率化も見込む。
出版社が費用を負担し、本にシールやしおり型の無線自動識別(RFID)タグを取り付け、情報を一括管理するICタグの実証実験を行ったところ、参加店舗では3万冊以上の棚卸しが2人で20分のうちに終わった。ICタグの活用により、店舗ごとの売り上げを通して出荷数量の調節、返品減が見込める。防犯ゲートと合わせて使えば、万引き対策にもなる。
◆雑誌販売3月以降に終了
ローソンは3月以降、国内の一部店舗で雑誌の店頭販売を終了する。ローソンへの雑誌配送を担う日販が、配送業務から撤退するのに伴う措置。対象となる店舗は現在書籍を扱っている、およそ1万3000店のうち約2割にあたる3000店規模となる。
新たな雑誌の購入手段として、ローソンは店内の専用端末「Loppi」を使い、雑誌や書籍を取り寄せるサービスを客に案内したいとしている。コンビニでの雑誌の販売額は減少し続け、ファミリーマートも3月以降、数千店で雑誌の販売を終了する。
◆ノミネート作品決まる
今年で18回目を迎える「マンガ大賞」の1次選考に、97人の選考員が参加し、そこで挙げられた計238タイトルからノミネート作品10点が選ばれた。2024年内に刊行された単行本(最大巻数8巻まで)が選考対象となっている。最終結果は3月27日に発表される。なお「マンガ大賞2024」では、泥ノ田犬彦『君と宇宙を歩くために』が大賞に輝いた。
ノミネート作品(作品名50音順・刊行出版社)
・売野機子『ありす、宇宙までも』(小学館)
・和山やま『女の園の星』(祥伝社)
・田村隆平『COSMOS』(小学館)
・こだまはつみ『この世は戦う価値がある』(小学館)
・六つ花えいこ、白川蟻ん、秋鹿ユギリ『死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)』( アース・スタ ー エンターテイメント)
・泉光『図書館の大魔術師』(講談社)
・まるよのかもめ『ドカ食いダイスキ! もちづきさん』(白泉社)
・城戸志保『どくだみの花咲くころ』(講談社)
・クワハリ、出内テツオ『ふつうの軽音部』(集英社)
・鍋倉夫『路傍のフジイ』(小学館)
2025年02月05日
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