2025年04月06日

【沖縄リポート】運動の抑え込みと県指導を無視=浦島悦子

         
4面 沖縄 宮城島の採石場。石材の搬出に抗議。.jpg
         
 沖縄防衛局は3月4日午前、うるま市平安座島にある沖縄石油基地の民間桟橋から辺野古への埋立土砂搬出を開始した。
 同市宮城島からの土砂搬出が突如始まった昨年11月20日(12月号本欄既報)以降、うるま市島ぐるみ会議を中心とする市民らは採石場入口での抗議行動を粘り強く続け=写真=また、同島からの土砂の搬出港である中城湾港(沖縄市)でも沖縄市民らを中心に現場行動が続けられてきた。

 またもや突然のルート変更は、辺野古への搬入距離(海路)短縮のためだというが、市民の現場行動封じ込め(民間施設には立ち入れない)の狙いはありありだ。沖縄防衛局は、直前の当日朝、沖縄県に変更を通知。埋立承認時の留意事項違反の可能性があるとする県に対し「変更承認は必要ない」と居直っている。
 辺野古新基地建設工事を巡るこの間の防衛局(国)の姿勢は、市民活動の徹底した抑え込みと、沖縄県の指導のあからさまで徹底的な無視だ。昨年6月の安和桟橋での重大死傷事故は、未だに真相究明がされない(重傷を負った市民をはじめ関係者への警察の事情聴取は一度も行われていない)まま、抗議する市民と沖縄県を加害者扱いする言説がふりまかれ、それを口実に現場行動の封じ込め、土砂搬出の拡大が続いている。

 国(自公政権)の最大の狙いは、次期沖縄県知事選(来年秋)で玉城デニー知事を引きずり下ろすことだろう。そのためには、たとえ違法であろうと県の指導は一切無視し、「デニー知事は無力だ」と県民に見せつけ、信頼を失墜させること。

 県のワシントン事務所を巡り沖縄自民党が、県議会の野党多数に乗じて予算審議を拒否し続けたことも軌を一にしている。
 県内市の首長は現在、すべて自公系(うるま市長選挙が4月に行われる)となっており、県議会も野党多数。来年の県知事選で知事の首を挿げ替えれば、あとは国の思うがまま、やりたい放題できる、というのが彼らの目論見だろう。
 そんなことを許すわけにはいかない‼
     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年3月25日号
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック