戦場で取材するジャーナリストが、かつてない数で殺されている。
3月24日、朝日新聞の記者ムハンマド・マンスール氏がガザ地区でイスラエルのミサイルによって殺害された。同じ日にアルジャジーラの記者ホッサム・シャバット氏も殺害された。ニューヨークを拠点とする国際非営利団体「ジャーナリスト保護委員会(CPJ; Committee to Protect Journalists)」は、「二人のジャーナリストが意図的に殺害された可能性」を調査するための国際的な調査を求めた。イスラエルは直ちにこれに応じなくてはならない。
2023年10月から始まったイスラエルによるガザ攻撃で、5万人を超える市民が殺害され、その7割が子供と女性である。イスラエルによって国外のジャーナリストがガザ入りを阻まれる中、ガザのパレスチナ人ジャーナリストがイスラエルのジェノサイドを現場から報じてきた。マンスール記者らはその一員である。
ガザ地区当局によると今年4月1日現在、ガザで死亡したジャーナリストは209人にものぼる。「胸にPRESSと書かれたベストを着用していると、むしろ標的にされやすくなる」という警告もあり、明白な国際法違反である。
どの戦場であっても侵略・加害の側は残虐行為が報じられるのを妨げようとする。
マンスール通信員は殺される直前、傷ついた人々が運びこまれる病院で、医師からこう言われている「イスラエル軍はガザの人たちに安全なところはないと脅かしている。病院も、君ら記者も…」。
侵略者は抵抗する市民を常に「テロリスト」と呼ぶ。記者殺害でも、「彼はハマスの一員だった」と主張する。
それでも世界のジャーナリストは戦場の惨劇から目をそらさない。彼らは、命がけで現場の苦悶を伝えるのは彼らの使命だと信じているからだ。
我々はジャーナリストに対する意図的虐殺行為を決して許さない。
ここにイスラエル政府と軍の記者殺害に抗議し、国際刑事裁判所(ICC)にイスラエル軍の責任の検証を求める。
2025年4月14日 日本ジャーナリスト会議(JCJ)
2025年04月15日
この記事へのトラックバック