2025年06月04日
【支部リポート】北九州 窓口負担の軽減を 医療関係者ら街頭署名=杉山正隆
病院などでの窓口負担の軽減や保険適用範囲の拡大などを求め医療関係者らが4月23日、北九州市小倉北区のJR小倉駅前で署名活動を行った=写真=。福岡県歯科保険医協会と健和会附属大手町歯科診療所が実施し、30分ほどで50筆超の署名が集まった。北九州支部の会員も参加し行きかう市民らと対話した。
中には、「街頭活動に賛同する」と活動に飛び入りで加わる市民も。「高額療養費は重病に陥った人を支援する最後のセーフティネット。一旦、負担増は凍結となったが参院選後に強行されるかも」と医療関係者に話しかけて署名に応じる人もいた。
また、北九州空港や福岡空港、港湾施設などで、海上保安庁、自衛隊、さらには米軍が拠点として利活用する動きや、弾薬庫や防衛基地化が進みつつあり、防衛・軍事費は歯止めが掛からない。一方で、その分、医療など社会保障を削減して費用を捻出しようとする構図が固まりつつある点に懸念する声が多く聞かれた。
「今でさえ、医療・介護の保険料が重いうえ、窓口で3割などを支払わないといけない」「自民や維新、国民民主などは医療費を数兆円削減すると目論むがその分は患者負担が増えることになる」「物価がここまで高騰すると病院に掛かるのを躊躇して我慢し、悪化して駆け込んだ」など悲痛な声が寄せられた。
医療では特に歯科分野で、保険の効かない治療法が多く、自費となることがある。経済的負担が重く困惑したり適切な受診ができないケースが少なくない。この日の活動では「国民皆保険制度」の下、治療費を心配することなく安心して治療が受けられるよう、社会保障の充実を求めた。
参加した歯科医師は「歯周病などと全身疾患とは密接な関係があることが分かっているのに、窓口負担の高さや保険の効かない治療が多く、日本では歯科治療が遅め、遅めになりがち。患者、国民に優しい制度にすべき」と話していた。署名は今国会に提出される。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年5月25日号
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