スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが人権団体と協力して支援物資を届けるためパレスチナ自治区ガザ地区に向かっていた船が、6月9日イスラエル軍に拿捕されました。
6月1日イタリアのシチリア島を出港した、グレタ・トゥーンベリさんらを乗せた船は、食料、乳児用ミルク、医薬品を積み、ガザ地区へ向けて地中海を進んでいました。しかし、ガザ地区周辺の海域はイスラエル軍が海上封鎖をしており、グレタさんらの乗った船を阻止するとしていました。
ガザに向けて船を運航していた団体の声明では「不法に船に乗り込まれ、非武装の民間の乗船者が連れ去られた。粉ミルクや食料、医療品を含む救命用の貨物も押収された」としています。その上でイスラエル側の対応は国際法に違反すると非難しました。
私たち日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、戦前の日本のメディアが軍部と歩調を合わせ、戦争を鼓舞した反省から「二度と戦争のためにペン、カメラ、マイクを握らない」との決意のもと活動をスタートさせました。それは国内だけはなく、世界でも平和を脅かす戦争をなくしていこうという思いにつながります。
グレタ・トゥーンベリさんは「このミッションがどれほど危険でも世界全体が沈黙するほうがはるかに危険だ」「どれだけ不利益であっても、私たちは行動し続けなければならない。行動をやめた瞬間、人間性を失うことになる」と訴えています。
私たちは、この呼びかけに少しでも応えることができるよう声をあげます。イスラエル軍のグレタさんらの拘束に強く抗議し、支援物資をガザ地区へ届けるよう求めます。
ガザ地区ではイスラエル軍の攻撃で今も犠牲者が相次いでいます。地元当局は6月9日、アメリカ主導の財団による食料の配給場所の周辺で、配給が始まってからの2週間で130人以上が死亡したと発表しています。イスラエルに対して一刻も早くガザ地区への攻撃を中止するよう重ねて求めます。
2025年6月10日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)
2025年06月12日
この記事へのトラックバック