2025年07月13日

【再審法改正】開け開かずの扉 超党派議連の改正案、継続審議=古川 英一

 会場のスクリーンに袴 田巌さんと姉のひで子さ んの穏やかな日常のビデ オが映し出され、ひで子 さんが「再審法の改正を 早急にしてほしい。今も 多くの冤罪被害者が苦し んでいる」とメッセージ を伝えた。

 5月26日に東京で開かれた 「再審法の改正をめざ す市民集会」の一コマだ。集会は市民の力で議員立法による国会での再審法改正を後押ししようと開かれた。 冤罪と闘い続けた袴田巌 さんの無罪確定 は、事件発生から実に58 年が経った去年のことだ。 時を同じくして同 年3月国会で、再審法改 正を議員立法で目指す議員連盟が超党派でスター トした。

 静岡地裁の裁判官と して袴田事件の再審決定 を行った弁護士の村山浩 昭さんが講演に立ち、 「裁判は人間が行 うもの、だから誤りがあ る。誤った裁判は放置し てはならず、再審制度は 冤罪を救済する最後の砦 だ。しかし今の制度では 偶然でしか冤罪は救済で きず、法律の改正は絶対 に必要だ。ここで妥協し たら法改正はもっと伸び てしまう」と訴えた。

 一方、法務省は再審法について、有識者 による法制審議会での検討を始め たが、かつて法 制審の委員を務めた映画監督の周防正 行さんは「法務者は時間 稼ぎをして最小限の改正 に食い止めようと、自ら のコントロールの及ぶ法 制審に諮問し、国会から 再審法改正の議論を取 り上げようとしている」 と指摘した。周防さんは「 刑事司法に関する法令こ そ立法府がイニシアチブ を取るべきだ」と呼びかけ 、会場に集まった280人はプラカードを掲げ、「 再審法改正の実現」をアピ ールした。

JCJは緊急講演会

 一方JCJも、再審 法改正への理解を深めよ うと5月31日に、日 弁連で再審法改正の先頭 に立つ鴨志田祐美 弁護士を招き緊急オン ライン講演会を開いた。 鴨志田さんは講演で、▽再 審の裁判では、かつてそ の事件に関与した裁判官 は除斥されること▽再審 請求を受けた裁判所は検察官に証拠等を開示する よう命令すること▽再審 開始決定に対する検察官 の不服申立てを禁止する ことをなどを議員立法による再審法改正のポイントとして挙げた。さらに「司 法の側に冤罪を正面か ら認め、これからどう改 革するかの視点が全く見 られない」と批判。「将来 的には国会に第三者機関 を設置するなど冤罪を検 証する仕組みを作りたい 」と述べた。
 鴨志田さんは 弁護士として活 動を始めた鹿児島で、大ア事件で冤罪を訴え、 再審を求め続けてきた原 口アヤ子さんと出会った。それから約20年、 アヤ子さんは98 歳になったが、いまも「開かず の扉」は開かれていない。

野党6党での提出へ

 再審法改正案は、自民党内での調整がつかず、結局、6月18日に立憲民主党など野党6党で衆議院に共同提出された。今国会で審議入り はできず、継続審議になった。私たちも引き続き注視し、声を 上げなければならない。
       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年6月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 裁判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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