テレビ朝日ホールディングスの定時株主総会は東京・六本木のEXシアターで6月27日(金)午前10時から開かれた。フジ・メディア・ホールディングスの株主総会が4時間超にわたったのに比べ、こちらは80分程度と、大きな揉め事もなく淡々としたものだった。
今年も、市民グループ「テレビ輝け!市民ネットワーク」が株主提案や関連質問を事前に提出。総会は早河洋・テレビ朝日ホールディングス代表取締役会長の議事進行で、会社側からの報告などに続いて、前川喜平・市民ネットワーク共同代表が株主提案について説明した。提案の冒頭、前川氏は早河氏の民放連会長就任に祝意を述べつつ、権力の長期化・固定化が腐敗を招くとして「会長人事も新陳代謝が不可欠」と釘を刺していた。
株主提案は5項目で、放送への公権力介入に対する公表義務、広告と番組の混同の防止、番組審議会委員の任期の制限といった昨年と同一の提案に加え、今年は女性役員比率の向上、積極的な選挙報道を求める提案を行った。いずれも定款変更を求める議案で、会社側(取締役会)はすべてに反対の意を表明している。
質問では、フジテレビ問題で民放各社もそれぞれ社内調査を行った、女性アナウンサーを同席させる“不適切な”会食の実態調査に関するものがあった。テレビ朝日側の回答は「趣旨のわからない会食に参加した、場を盛り上げるように指示された、会食相手から連絡先を聞かれた、という報告はあったが、不適切な言動はなかった」という。「不適切」の範囲が不明な気もしたが、会社側の説明は「当事者が深刻に受け止めた事例はなかった」というものだった。
古賀茂明氏の著書で指摘された、『報道ステーション』に対して官邸から圧力がかけられて人事異動が行われたという疑惑に対しても、会社は昨年同様その事実を否定した。市民ネットワークの梓澤和幸弁護士が会場から食い下がって質問したが、会社側は「古賀氏の著書の記載は事実ではない」と答えるにとどまった。それでも、市民ネットワークの質問には会場から拍手も送られた。
会場から批判の声が上がったのは、議案採決の時だった。早河議長の進行は「会社提案に賛成の拍手、株主提案には反対の拍手」のみを求めるものだった。「株主提案に賛成の拍手も求めるべきだ」との声が会場から上がったが、早河議長は一切黙殺して採決を強行し、総会を終了させた。
総会後の記者会見で、市民ネットワークの田中優子共同代表は「私たちの提案に対して、できない理由を見つけて反対している」と批判。前川氏は「繰り返し提案することで抑止力になっている」と、来年も提案を続けることを表明した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年7月25日号
2025年08月12日
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