◆上半期の出版市場7737億円(2.1%減)に
出版科学研究所は、25年上半期(1〜6月期)の紙と電子を合わせた推定販売金額が7737億円(前年同期比2.1%減)になると発表。内訳は、紙の出版物が4926億円(同5.4%減)だが、出版科学研究所による紙の推定販売金額には、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。
紙の出版物の内訳は、書籍が3132億円(同1.5%減)、雑誌が1795億(同11.4%減)。雑誌は月刊誌(週刊誌以外のすべて、ムック・コミックス含む)が1546億(同9.5%減)、週刊誌が248億(同21.7%減)。月刊誌の内訳は定期誌が約9%減、ムックが約8%減、コミックスが約11%減。
週刊誌が大幅下落しているのは、コンビニ帳合変更時の雑誌販売に伴う返品急増や、「週刊ダイヤモンド」の店頭販売終了や「週刊現代」の隔週刊化など、有力誌の刊行形態変更が相次いだことによるものと分析されている。
電子出版物は2811億(同4.2%増)。その内訳は、電子コミックが2530億(同4.6%増)、電子書籍が238億(同1.7%増)、電子雑誌が43億(同2.3%減)。
電子コミックの伸び率が鈍化。電子書籍はアニメ原作のライトノベルなどが底堅く、写真集は絶好調とのこと。電子雑誌はサブスク会員の緩やかな減少で再びマイナスに転じた。
◆図書館内ショップ「TOSHOP」の実証実験
日販は、図書館流通センター(TRC)と協業し、各地の公共図書館内で本や文具雑貨、地域商材などを販売する図書館内ショップ「TOSHOP(トショップ)」の実証実験を進め、2026年度以降には本格的な全国展開を目指している。公共図書館に行って本を借りるだけでなく、書棚に陳列された本や雑貨や文具も買える仕組みである。
ちなみに愛知県の日進市立図書館では、この「TOSHOP」の実証実験が進んでいる。日本全国で書店がなくなっていく状況の中、読書人口や来館者の増加を狙う新しい取り組みでもある。昨春の出版文化産業振興財団の調べでは、書店が1店舗もない「書店ゼロ」の自治体は約27%に上った。図書館に「モノを買える場所」という付加価値を付け、来館者を増やし読書離れを食い止める狙いがある。
◆小学館「GOAT meets」も創刊
この4月に発表された「本屋大賞」の上位10作品のうち、3作が小学館の作品が占めた。すなわち2位に早見和真『アルプス席の母』、7位に一穂ミチ『恋とか愛とかやさしさなら』、8位に朝井リョウ『生殖記』、3作同時に入るのは初めてだ。
昨秋創刊した文芸誌「GOAT」が大好評、6月には第2号を発売。誌名の「GOAT」は、英語の「Greatest of All Time」のイニシャルからとったもので、「史上最高」を意味する。「小説を、心の栄養に」と表紙に刷り込み、定価は文芸誌では破格の510円。創刊号は雑誌としては稀有の増刷が6刷までいき、5万6千部に達したという。第2号も発売から1カ月あまりで4刷5万5千部と好調だ。
さらに7月24日には、姉妹誌「GOAT meets」も創刊。「GOAT」第2号に収まりきらなかった企画を掲載している。第一特集は、金原ひとみ氏、朝吹真理子氏による「韓国文学を旅する」―芥川賞作家が、イ・ラン氏ら韓国人クリエイター、チェ・ヘジン氏やペク・スリン氏ら韓国人作家と邂逅し、その取材体験を書き下ろし小説として発表する前代未聞の試み。
2025年08月13日
この記事へのトラックバック

