記者志望の学生の就職活動を支援する「就活支援ゼミ」が今期の活動を終え、来春は計47人をメディア業界に送り出すことが決まった(8月10日時点)。
内訳はNHK9人、朝日新聞と読売新聞が各7人、共同通信6人、日経新聞5人など。ブロック紙や地方紙も北海道新聞3人、中国新聞2人、中日新聞、新潟日報、千葉日報などと幅広い。
昨年10月にガイダンスを実施した後、当初は学生を4班に分けて対面ゼミを毎月開き、作文やエントリーシートの書き方、模擬面接などをアドバイス。全国紙の春採用が終わった3月以降は、さらに就活を続ける学生を1班にまとめ、ゼミの開催頻度を高めて集中的に指導を続けた。夏まで地道に取り組んだ学生は、全員が記者としての内定を得ることができた。
今期は「報道実務家フォーラム」との協力態勢を強めて担当講師を増やし、受け入れたゼミ生は77人に倍増した。早めに就活準備に取り組む大学2年生が7人参加し、留年や留学で就活を先送りした学生もいたため、実際に就活に取り組んだゼミ生のメディア業界への就職率は6割を超える。
ただ、裏を返せば3分の1が途中で別業界に進む道を選んでおり、この割合は年々増える傾向にある。新聞社に内定を得たにもかかわらず、商社や金融業界に進む学生もいたし、当初から別業界との掛け持ちで就活に取り組む学生も増えている。記者やメディア業界が花形だった時代は見る影もなく、ネット社会の荒波の中で、記者の仕事に関心を持つ学生を育てる取り組みは、ますます重要性を増している。
会社側の採用活動は前倒しの傾向がさらに進み、3年生の11月に内定を出す新聞社もあった。夏のインターンでめぼしい学生に目を付け、相談会や作文指導と称して接触を繰り返し、面接につなげていく形だ。
採用活動の早期化に合わせて、就活支援も早めてほしいという学生側のニーズは強いが、そのペースに乗るのは気が進まない。早期に内定を取る学生は、我々の支援がなくても就活戦線を乗り切ることができる強者だからだ。
その証拠に、早期内定は少数の優秀な学生に集中する。一方で当たり前のことだが、実際に就職する会社は一つしか選べず、就活を長く続ければ続けるほど、内定を得るチャンスは広がる。
記者を志望する学生が減りつつある中、最も手厚く支援しなければならない学生は、関心はあるけれども支援がなければ内定に手が届かない層であるのは間違いない。
私が最も重視するのは、全国紙の春採用が一段落した後、さらに就活を続ける学生への支援である。面接が不得手でも多少不器用な点があっても、就活で苦労した学生の方が、記者として働き始めた後に活躍する傾向も確実にみられる。
今年も思うように内定が取れず、夏まで就活を続けた学生の悲喜こもごもの場面に立ち会うことができた。それこそが、私が就活支援を続ける原動力になっている。
新聞労連の委員長だった2014年に始めた取り組みも、あっという間に10年の月日が流れた。最近は教え子だった元学生から転職の相談に乗ることも増えた。もはや一つの会社で働き続ける時代ではないが、どのような仕事であっても取材の成果を社会に発信する仕事に関わり続けてほしいと願っている。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年8月25日号
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