2025年10月10日

【ジャーナリスト講座】記者の仕事明かします 講座開幕=猪股修平(ダイヤモンド編集部、JCJ講座卒業生)

 ジャーナリスト志望の学生向けにJCJが主催する「ジャーナリスト入門講座」の第1回が8月30日、東京都千代田区の東京しごとセンターで開講した。対面とオンライン合わせて学生を中心に約30人が参加した。

 初回は記者座談会の(上)で「記者の仕事、明かします。若手・中堅記者による本音トーク」と題し、例年とは一風変わった形式の講座で幕を開けた。ゲストにはMBS毎日放送で記者や人事の仕事を担当した藤澤七海さん、元毎日新聞記者で現在は弁護士ドットコム記者の一宮俊介さんを招き、筆者が司会進行を務めた。
 2020年入社の藤澤さんは神戸支局が振り出し。新型コロナウイルス禍において外来患者を受け入れ続けた医院の活躍を記録したリポートなどを手掛けた。その後、大阪府警キャップとして堺市の公務員の不正をスクープする活躍を見せた。

 報道以外の部署にも勤務した藤澤さんは「ジョブローテーションが前向きな機会としてある。報道の経験が生きることもあり、メディアの立ち位置を俯瞰して見られるようになった」とテレビ局ならではのやりがいを紹介した。

 一宮さんは毎日新聞青森支局を振り出しに、福岡、宮崎など地方でのキャリアを長く歩んだ。東京本社に異動後、支局記者の減員によって地方からの問題提起を全国紙が担いづらくなった点を懸念。記者としての専門性を高めることや家庭との両立を模索した末、現職に移った。
「全く予期していないものに出会って、それを楽しみながら伝えていけるのが記者の醍醐味だ」と業界を走り続ける理由を教えてくれた。
 質疑応答では「過去の取材経験が今の取材に生きているか」「ローカルメディアを受ける際にやはり地元愛が必要なのか」など、様々な切り口の質問が学生たちから相次いだ。この中から将来のジャーナリストが現れることを願ってやまない。

 本講座はマスメディア業界への就職やジャーナリストを目指す学生を対象に「JCJジャーナリスト講座」として2011年から毎年開く恒例のもの。本年からはよりジャーナリスト志望の学生の需要に応えるため「ジャーナリスト入門講座」と改題し、学生と世代が大きく違わない若手、中堅記者を主に講師として招聘する。11月にかけて開く講座は全7回で、すでに例年を大きく上回る40人以上の応募があった。

 実は筆者自身も学生時代に講座を受講していた。記者を目指そうにも、当時は五里霧中だった。それでも今、記者として歩めている。JCJの講座で多くのジャーナリストや同じ志を持つ学生と出会えたからに他ならない。今度は企画側として、ジャーナリストを目指す後輩たちの背中を押し続けられれば幸いである。

 10月の講座予定は@毎年多くの内定者を輩出する元毎日新聞記者・高橋弘司さんによる就活生向け講座「完璧なエントリーシートが内定への“試金石”」が10月4日A災害時の性暴力問題を取り上げた連載「なかったことにしたくない―災害時の性暴力」で疋田桂一郎賞を受賞した神戸新聞の名倉あかり記者の講座が10月25日となっている。
  受講のお申込みはPeatixのページから。https://kouza2025.peatix.com/
         JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年9月25日号
 



posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | お知らせ&行動要請 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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