2025年10月18日

【沖縄リポート】目取真俊さんに嫌がらせ弾圧=浦島悦子

4面_沖縄リポート写真■最終校正済・2025.8.27 沖縄防衛局抗議要請A.JPG

 8月7日、芥川賞作家・目取真俊さんの自宅が沖縄県警に家宅捜索された。沖縄防衛局の被害届を受けた器物(キャンプシュワブ基地のフェンス)損壊容疑だという。
 目取真さんが「損壊」したというフェンスは、経年劣化により鉄パイプは錆び、ネットは破れて垂れさがっているのを、市民が確認している。管理不行き届きを目取真さんに責任転嫁するでっち上げだ。自身のブログで精力的に新基地建設工事の状況や反対運動について発信を続ける彼への嫌がらせ弾圧としか言いようがない。

 これは、前号で報告した安和桟橋死傷事故を巡る動き=被害者を加害者に仕立て上げようとする弾圧と軌を一にしている。報道によると、県警は、重傷を負った女性を「重過失致死罪」の被疑者として起訴を求めているというから驚く。

 安和ではこの事故後も、現場の警備員や防衛局職員がわざと転んで「傷害」事件をでっち上げるなどの弾圧が頻発している。
 8月27日、ヘリ基地反対協議会はこれらの不当弾圧の中止を求めて、その源である沖縄防衛局に抗議要請を行った=写真=。応対した同局の調達計画課課長補佐は、「(安和では)トラックの前に意図的に飛び出す危険な妨害行為が連日繰り返されている」という全く事実に反する見解を、書かれた紙を見ながら繰り返し述べた(彼は現場を見たことがない)。憲法に保障された正当で整然とした抗議行動を「妨害行為」と言いつのり、国策に反対する市民に「犯罪者」のレッテルを張り、反対運動潰しを狙っていることは明らかだ。

 民意(民主主義)を徹底して踏みにじり、法を悪用・濫用し、国民の血税を浪費して、世界に誇るべき貴重な自然を破壊し続けている新基地建設は、「国家犯罪」以外の何物でもない。その犯罪を止めようとする市民が「犯罪者」呼ばわりされる筋合いはない。私たちが反対し、抵抗するのは、戦争や自然破壊という「未来世代に対する犯罪」に加担したくないからだ。
       JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年9月25日号
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 九州・沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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