2025年10月21日

【NHK】次期「会長」は熟議で 局前集会で訴え=河野 慎二

 「市民と共に歩み、自立したNHK会長を求める会」は9日、来年1月に迫るNHK次期会長選任に向けて東京・渋谷のNHK前で集会を開き、NHK経営委員会に「政権に忖度せず、市民・視聴者の声に耳を傾けて次期会長選任を」と呼びかけた。

 集会の冒頭、元TBS「報道特集」キャスターの金平茂紀さんが「イギリスにはBBCという公共放送があり、アメリカの放送局が無視するガザ問題について積極的に報道を続け、世界中の人が見ている」と指摘。「NHKもBBCを手本に、見て良かった、聞いて良かったと思える報道番組を発信し続けてほしい」とエールを送った。金平さんは最後に、「戦時中のラジオ放送のようなことはしないでください。それを言うためにここへ来ました」と、発言を締めくくった。

 「会」の共同代表のひとり丹原美穂さんも岐阜から駆け付け、「NHKは視聴者の受信料に支えられている。その経営基本方針は『公正・公平な報道を誰からも干渉されず、表現の自由を守り、取材の自由を確保する』と定められているはずだ」と呼びかけ、NHKの会長が2006年から6期続けて財界人から選任されている中で「ニュース番組を見て、おかしいと思うことが一杯ある」と、その姿勢を批判。「NHKは自主自立を貫き、公正なニュース報道を行ってほしい」と求めた。

 続いて発言した元NHK職員の小滝一志さんは、「今年7月に『NHKの新会長は政権が決めるのではなく、経営委員会が決める』と古賀信行NHK経営委員長が明言したが、その発言が本当に実行されるのか」。「皆さんと一緒に厳しく見守って行く必要がある」と強調し、「昨年の衆院選に続き、今夏の参院選でも自公政権が少数与党に転落したことで、政府が放送行政を一手に握る現状を独立行政委員会制度に転換させるチャンスが出て来たのではないか」として「放送に携わる皆さんと力を合わせて、今の放送行政を変革して行こう」と、重ねて呼びかけた。

 また、「会」事務局長の長井暁さんは「経営委員会は、(官邸からの)天の声≠待って非民主的にNHK会長を決めるのではなく、候補者が公共放送のトップとしてふさわしい人かどうかを熟議して決めてほしい」と、経営委員会に対する訴えをした。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年9月25日号
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | NHK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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