1年前と同じように、自民党の総裁選がマスコミを総動員して繰り広げられた。新しい総裁に高市早苗氏が選出されたが、「アベ政治」への回帰、さらなる右傾化、放漫財政が危惧される。公明が連立を離脱して政局は波乱含みに。
少数与党で、連立拡大に注目が集まる。高市氏は当初、国民民主に軸足を置いていたが、日本維新の会と連立協議を進める。維新は連立入りを見据えて「副首都構想」骨子案を公表。首都の法的規定もないのに「副首都」法案とは理解に苦しむが、首都機能のバックアップ体制構築などを掲げる。今回の法案には、大都市法による特別区設置を盛り込んだ。大阪市廃止、「大阪都」3度目の挑戦への布石ではないか。連立拡大の動きと「副首都」構想から目が離せない。
半年間にわたる大阪・関西万博へ。会場は大阪湾の人工島・夢洲で、開幕前からアクセスや公災害など危険が指摘されてきた。夢洲リスクが顕在化したが、なんとか閉幕にこぎつけた。開幕当初は低調な出足だったが、何でもありの集客優先戦略により、後半に盛り返してきた。万博運営費の黒字が喧伝されるが、巨額の会場建設費やインフラ整備など、万博収支全体は「大幅赤字」である。
夢洲万博は閉幕しても、終わりでない。海外パビリオン工事費の下請け業者への未払い問題は深刻化している。万博協会はもちろん、国や大阪府市の責任が問われる。閉幕後の解体工事も要注意だ。万博跡地開発が検討されているが、さらなる大阪市の財政負担、環境破壊が懸念される。
朝日新聞9月24日夕刊1面「リングの先にどんな未来が」掲載の写真は、今回の万博を象徴するものだ。酷暑のなか大勢の人が大屋根リングを歩いているが、その先には巨大クレーンが立ち並ぶ。万博会場に隣接した夢洲IRカジノの建設現場である。万博会場が軟弱地盤の埋立地・夢洲になったのは、維新がここにカジノ誘致をめざしたからだ。
万博とカジノを一体とした夢洲開発は、維新がツ―トップの大阪府市「成長戦略」として強行されてきた。夢洲カジノについては住民訴訟が大阪地裁で係争中である。マスコミもポスト万博の夢洲開発を注視してもらいたい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年10月25日号
2025年12月01日
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