2025年12月26日

【NHK】会長「自立的選出」をと訴え 「指名部会」前に行動=河野 慎二

 NHK元職員や視聴者などで作る「市民と共に歩み、自立したNHK会長を求める会」は11日、「政権の指名する会長候補者をそのまま追認する人事は許さない」と訴え、東京渋谷のNHK前での街頭行動に取り組んだ。
 NHK現会長稲葉延雄氏の任期満了は来年1月。会は、安倍政権時の総務大臣で、放送局を「停波発言」で恫喝した高市早苗氏が首相になり、NHK会長人事への干渉が一段と危惧されることからも行動に立ち上がった。

 NHK会長指名を巡っては「6期18年にわたって、誰が選んだかわからない形で財界出身者が会長になっている」(NHKOBの長井暁さん)現実がある。22年の稲葉氏の指名も「岸田首相が水面下で稲葉氏を口説き落とした」と新聞は報じた。
会は今年7月、経営委員会に「政権の意向を忖度せず透明性のある選考を求める」公開質問状を提出。経営委は「特定の個人の意見に左右されることなく、自立的に判断する」と回答してきた。
 それだけに、経営委員会が会への回答を欺くことなく、放送法の精神に則り、権力の介入を許さずNHKの自主自律を貫ける会長を選ぶことがより一層強く求められている。

 一方、NHK前行動に参加したジャーナリストの斎藤貴男さんは、今年8月放送のNHKスペシャル「シミュレーション・ドラマ、昭和16年夏、日本の敗戦」の「歴史修正」問題を報告した。
 番組は、近衛内閣の下、徹底的に日米の戦力を比較、「このまま戦争に入ると日本は100%負ける」という研究成果を発表した「総力戦研究所」の飯村所長と、政府がこれを黙殺し戦争に突き進んだ史実のドラマ化だが、斎藤さんは「飯村所長は研究所員に自由闊達な論議を促したが、ドラマでは非常に冷酷な卑劣漢で、部下に辛くあたり上司の東条英機に忖度する人物と描かれた」。そのため「飯村さん家族が『史実と違う』と、NHKへの訴訟準備を進める」事態となっていることを紹介した。

 斎藤さんは「歴史修正主義はネトウヨの専門と見ていたが、NHKでもまかり通ることを危惧する」「NHKの皆さん、ドラマも報道も志に違いはない。真っ当なジャーナリズムを進めてほしい」「そうでなければ、歴史を勝手に改ざんしようとする政治権力に介入を許す大義名分を与えてしまう。1日も早く信頼できるNHKに立ち戻ってほしい」と締めくくった。
 注目されるNHK経営委員会の次期会長選出指名部会協議は、来月大詰めを迎える。
 長井暁さんも「12月には経営委員会が自立的に選ぶことを期待する」と力を込めた。
           JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年11月25日号 
posted by JCJ at 02:00 | TrackBack(0) | NHK | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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