2026年01月11日

【映画の鏡】取材続けて20年、地方局の底力『負ケテタマルカ‼』命の大切さ訴え、自主上映に挑戦=鈴木賀津彦

【鹿児島テレビ】負ケテタマルカ!!(写真A).jpg
                  c鹿児島テレビ
 
 前号の本欄は「地方テレビ局が底力を発揮」の見出しで広島ホームテレビ制作のドキュメンタリー映画『原爆資料館〜語り継ぐものたち〜』の完成を紹介したが、今月も地方テレビ局が底力を発揮した作品を取り上げ、ローカル局からの新たな奮闘ぶりをお伝えする。

 ドキュメンタリー番組「警察官の告白」など一連の鹿児島県警情報漏洩事件の報道で今年のJCJ賞を受賞した鹿児島テレビが今年、あえて配給の手を借りずに「自主上映」を呼び掛けて「息の長い」上映活動にチャレンジしている映画が『負ケテタマルカ‼』だ。 
 7歳で小脳に悪性腫瘍が見つかった鹿児島市の本田紘輝くん。170万人に1人の確率といわれる難病と向き合い、病院内の学級で絵を描くことに出合う。紘輝くんは問いかける。「何なんだろう、人生って」と。生きることの意味を絵に託した少年と、その家族を追った20年間に及ぶ"命の記録"だ。

 この20年、紘輝くんに寄り添いカメラで捉え続けてきたテレビマンが四元良隆監督だ。「ローカル局が作った小さなドキュメンタリーで少しでも命を救えないか、何があっても生きてほしい、そんな思いを込めました。少年と家族を通して、生きることの意味を問いかけながら、テレビが避けてきた『死』と正面から向き合い『生』を見つめました。悩みに悩みを重ね、観てくれる人を信じて作りました」と語る四元監督。
 
「観てほしい若者たちは単館の映画館に足を運ぶことがほとんどなく、全国上映で伝えても一過性で終わるのではないか」と危惧、新たな発想で拡げていこうと辿り着いた答えが自主上映のカタチだったという。地方局だからこそできる挑戦に注目したい。
        JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号 

posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 映画の鏡 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

この記事へのトラックバック