NHKの次期会長選考を続けてきた古賀信行経営委員長は8日に開いた臨時指名部会で次期会長を井上樹彦副会長(68)をすることを決定した。NHK出身者の会長就任は橋本元一氏(05年から08年)以来で18年ぶりとなる。
井上氏は1980年に入局、14年から16年に理事を務め、23年2月から副会長を務めている。
現会長の稲葉延雄氏(75)が5月に病気を公表、年明けの1月退任が決まって、7月から始まった次期会長の人選は難航した。古賀氏は11月の経営委員会で、内部出身者から選出する方針を固め、12月8日の臨時指名部会・経営委員会開催となった。委員会は異例の長時間審議の末、経営委員12人のうち9人が内部昇格に賛成し、新会長選出に至ったという。
「経営委の古賀委員長は同日夜の記者会見で『根回しなく、全く予定調和のない形であえて進めてみた』と明かした」(12月9付、読売)
NHK会長は橋本氏が退いた08年以降、政権に近い財界出身者の登用が続き、稲葉会長まで6代にわたって金融、商社など異業種出身者が会長に就いてきた。
会長任期は3年で、その度に経営方針が変わる弊害も指摘され、中には「放送の自立」を踏まえず、「政府に協力するのは当然」と職責への自覚を欠く会長の時代もあり、私たちは政権によるNHKへの介入を批判し「市民と共に歩み自立したNHK会長を求める会」の運動を通じて、自主自立、不偏不党のNHKを実現する会長を訴え続けてきた。
新会長となる井上氏は政治部出身。「歴代首相ら多くの政治家と取材などを通じて親交があることから、政治との距離を懸念する声が経営委員の一部や局内にはある」(12月9日付、朝日)と指摘される。
私たちは1月25日(日)、NHK局前集会を開き、井上次期会長に政治との距離を保ち公共放送NHKの運営を進めるよう求めていく。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
2026年01月12日
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