2026年01月15日
【JCJ12月集会】戦後80年からのジャーナリズム 歴史歪曲の誤り糺す 上丸氏 危機招く悪意と「犬笛」 鈴木氏 メディア、コラボ活性化 中川氏=古川英一
戦後80年、節目の年も終わろうとする12月6日、東京・渋谷区でJCJは戦後80年を考える4回目の集会・シンポジウムを開いた。今回は3人のジャーナリストが「戦後80年からのジャーナリズムに求められること」をテーマに報告をし、シンポジウムで話し合った。
3人の報告問題提起
▽元朝日新聞論説委員の上丸洋一さんは「新聞の戦後責任と今ここにある危機」と題して報告。冒頭で、高市政権がせきを切ったように、この80年を大日本帝国に戻そうとしているとして「戦後80年が経って私たちが今いる地点はここなのか」と怒りをこめて語った。その上で戦後の新聞報道が、日本の
戦争責任や、加害者としての立場について、きちんと報道をしてこなかったと指摘し「こぼれ落ちたのは中国へ侵略したことや、他国での死者への想像力だ」と述べた。
▽統一教会問題などを追及している鈴木エイトさんの報告は「メディアとジャーナリズムの可能性」について。鈴木さんはSNSなどネット空間で広がる新聞やテレビなど既成メディアへの悪意が、分断や対立構造を生み出していること。また「犬笛」がネット空間だけではなくリアルにも広がり民主主義への危機を高めていくことを指摘。こうした状況や対立構造を回避しいくためにコミュニケーションの必要性を訴えた。
さらに安倍元首相銃撃事件について、山上被告には「報道では現状は変わらない」という危機感や、絶望があったのではないかとして「メディアが統一教会の問題を取りあげてこなかったことも事件につながったのではないか」とメディアの姿勢について問いかけた。
▽探査報道(調査報道)に特化したTANSAの中川七海さんの問題提起は「『個として立つジャーナリスト』と『コラボレーション』」。中川さんは最初に
「日本には本当のジャーナリズムはあるのか」と投げかけた。かつてはジャーナリズムの「乗り物」としてメディアがあったが、いまはそれが逆転しているのではないかと。そうした中でNGOの調査報道メディアが10年ほど前から世界各地で誕生し、こうしたメディア同士のコラボレーションも活発になっていることを紹介した。
一方で国内メディアとのコラボレーションはなかなか難しく「それは組織に属する中で、個として立つジャーナリストが少ないからではないか、その結果、記事の受け取り手の市民や社会にしわ寄せが来るのではないか。私たちはライバルや仲間が欲しい」と訴えた。
シンポジウムでは
シンポジウムでは、▽戦争報道を巡る戦後メディアの責任▽SNSの選挙への影響の顕在化なども議論。今起きていることを的確にとらえ、深めていく必要があることなどを指摘された。また、最後にジャーナリズムの役割を心に刻み込む決意を込めた集会アピールが確認された。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
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