2026年02月04日

【2月出版界の動き】25年出版市場は4年連続マイナス

◆書籍・雑誌は1兆円割る
 2025年度の紙と電子を合算した出版市場規模は1兆5462億円(前年比1.6%減)となった。出版科学研究所が発表した。4年連続のマイナス。市場規模はコロナ禍前の19年とほぼ同規模となった。
 紙の出版物は9647億円(同4.1%減)となり、ピークの1996年に2兆6千億円に達した市場も、ついに1兆円を割り込んだ。その内訳は、書籍が5939億円(前年と同率)、雑誌が3708億円(前年比10.0%減)。雑誌は月刊誌(ムック・コミックス含む)が3195億円(同8.6%減)、週刊誌が513億円(同17.9%減)。月刊誌の内訳は定期誌が約5%減、ムックが約4%減、コミックス(単行本)が約15%減。
 電子出版物は5815億円(同2.7%増)。内訳は電子コミックが5273億円(同2.9%増)、電子書籍が459億円(同1.5%増)、電子雑誌が83億円(同3.5%減)。
 これまで市場をけん引してきた電子コミックの伸び率が鈍化。各ストアでの割引やポイント還元、期間限定の全話無料施策が活発に行われた影響と推察されている。また電子雑誌は24年にサブスクの値上げでプラスとなったが、25年は会員減により再びマイナスに転じた。

◆「独立書店」支援200店
 トーハンは24年10月から独立書店向けに本を卸すサービス「HONYAL(ホンヤル)」を手がける。本の流通フローを簡略化することで、従来は口座開設に至らなかった少額の取引先とも持続的に取引が可能なスキームだ。すでにホンヤルを利用し50店が開業している。
 小さな店舗で営む「独立書店」が増えるなか、異業種からの参入でも経営ができるように支援するインフラが整ってきた。書籍販売への新規参入を促し、人と本とのタッチポイントを増やすことで、無書店自治体の増加などの課題解決に寄与することを目指す。
 この「HONYAL(ホンヤル)」を発展させるため、28年3月期末までに200店まで増やす目標を公表した。仕入れが月に5万円でもOK とのこと。

◆「ハルメク」書店販売
 定期購読者向けの生活雑誌「ハルメク」は、1月1日〜2月20日の期間限定で、全国の「TSUTAYA」200店舗で、雑誌「ハルメク」の過去号を販売する取り組みを実施。定期購読を中心に展開してきた同社が、全国規模で雑誌を書店販売するのは初めて。新たな読者との接点創出を図る。
 <「ハルメク」バックナンバーフェア>では、25年4月号〜11月号を販売する。通常、送料込みで販売価格880円(税込)のところ、フェアでは送料を除いた720円(同)で販売する。
 「ハルメク」は、「50代からの女性の心豊かな生き方・暮らし方を応援する」をコンセプトにした女性誌。自宅直送による定期購読のみで展開している。販売部数は46万2000部を誇り、50代以上の女性を中心に高い支持を集めている。

◆角川歴彦氏が控訴
 東京地裁は1月22日、東京五輪・パラリンピックのスポンサー選定をめぐる汚職事件で、角川歴彦氏(82)の判決公判を行い、中尾佳久裁判長が同氏に対して「懲役2年半、執行猶予4年」の有罪判決を言い渡した。角川氏はその後、弁護団と会見に臨み、「大変残念です。私の闘いは続きます」と話した。
 弁護士の弘中惇一郎氏は「客観的な裏付け証拠もなく、都合のいい証言を繋ぎ合わせた判決」とし、明日23日に控訴すると伝えた。村山浩昭弁護士は「人質司法、保釈してもらうための表面的な弱い供述をもとに判断されている」とし、元裁判官の立場から「嘆かわしい、必ず正す」と応答した。

◆深沢潮さん提訴
 「週刊新潮」が掲載した高山正之氏のコラムで、作家の深沢潮さんらが名指しで差別を受けた問題をめぐり、このコラムを収録した書籍を刊行するなどした出版社ワックと筆者の高山正之氏を相手取り、深沢さんが660万円の慰謝料を求める訴えを22日、東京地裁に起こした。
 コラムは昨年「週刊新潮」7月31日号に掲載された。1940年、日本が朝鮮人に日本式の姓名に改名するよう強いた政策を引いて<創氏改名2・0>と題し、深沢さんをはじめ俳優や大学教授らの実名を挙げて「日本も嫌い、日本人も嫌いは勝手だが、ならばせめて日本名を使うな」と記した。
 会見した深沢さんは「自分の尊厳が傷つくこと、差別されることを、そのままにしておくつもりはない。放置し続ければ、差別は果てしなく広がっていってしまう」と話している。
posted by JCJ at 01:00 | TrackBack(0) | 出版 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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