全国各地の自衛隊基地で進む長射程ミサイル配備や弾薬庫増設。20年8月、第4次安倍政権下の自民政務調査会「敵基地攻撃能力」提言は22年、岸田政権の「安保3文書」明記で現実化した。「戦争準備」に抗い「戦争させない、平和を守れ」と立ち上がった沖縄、九州、西日本の市民の取り組みを11月号に続き報告する。
【大分】ミサイル配備NO
他国を攻撃する長射程ミサイル配備が予定される陸上自衛隊大分分屯地で、9棟の大型弾薬庫新設工事が始まる11月29日を前に大分市では同月22日、市民が「ミサイル搬入反対!大分総決起集会」に立ち上がった。
会場の大分市コンパルホールに集まった市民は「弾薬庫は軍事施設であり、戦争の火種だ。抑止力というが、弾薬・ミサイルを蓄え、訓練をすることは戦争の準備だ。80年前もう二度と戦争をしないと誓ったはず。戦争は嫌だ!ミサイルも弾薬庫もいらない!戦争を止める」と、参加者一同で集会決議を採択した。
集会後は参加者有志50人が大分駅前に向かい、「やめろ!危険なミサイル弾薬庫」などの横断幕やメッセージボードを手に、街頭行動を展開して通行の市民に訴えた。
市民らは1棟目の第1弾薬庫完工日の12月15日に合わせ集会を開催、デモ行進もした。
【熊本】加害も被害も嫌だ
熊本では11月24日、「戦争だけはしちゃならん!熊本行動」が展開された。県平和委員会など市民団体と「沖縄西日本ネット」が共催した「12式地対艦ミサイル配備絶対反対」集会には約400人が結集した。
沖縄から駆けつけた具志堅隆松さんの講演に続いて、地元や各地からの参加団体の現状報告が行われた。参加者らからは「今や全国に敵基地攻撃能力のあるミサイルが配備されようとしているが、かえって狙われて市民に危険が及ぶ」「加害者にも被害者にもなりたくない。戦争は嫌だ」との声が次々とあがった。
熊本では12月1日、1人の僧侶が「命をかけて戦争に反対する」とハンガーストライキ入り、「戦争やめて」と訴え続けている。また、年明け後の2月には、建軍駐屯地を2000人のヒューマンチェーンで囲む準備を進めている。
【宮城島】不法に土砂運ぶな
辺野古基地建設工事の埋め立て土砂確保で、防衛省は沖縄各地で山を崩し土砂採取を続けている。
現場のひとつ沖縄県うるま市の宮城島では「宮城島の土で戦争基地を造るな」と24年11月、島民が立ち上がった。
島民は現場で「自然を壊すな」と訴え、土砂を満載して出てくる大型ダンプに牛歩で抵抗しわずかな時間とはいえ足止め。反対の意思表示を続けている。また大型ダンプの通行台数も毎日チェックしている。12月2日に、その現場に参加した。
宮城島はうるま市東側の金武湾に浮かぶ周囲12・24qの小さな島だ。両側を挟む平安座島、伊計島とも行き来でき、沖縄本島側との行き来も勝連半島から延びる「海中道路」(平安座島経由)で可能という島は、小山がほとんどで島民(2012年813人)もそこに暮らす。
その島で19年1月から突然、土砂採取が始まった。大型ダンプが島を行き来し、「このままでは山がなくなる」と島民は不安を募らせた。
山から採取した土砂を積んだ大型ダンプが行き来するのは農道だ。その舗装基準で想定された大型車の通行台数は1日15台程度、最大40台未満だ。それがいきなり、とんでもない台数が行き来する場と化した。
工事期間は29年1月10日まで(工事表示)。
「今は1日、200台が普通だ」。「道路が傷み2度も修理した」。「違法が当たり前のこととして通っている」。島民の怒りは収まらない。
【沖縄】遺骨突き上がる思い
沖縄戦遺骨収集ボランティアの具志堅隆松さんにご案内頂き、沖縄最南部・ひめゆりの塔のさらに南に位置する糸満市美和村束辺名(つかへな)で、全身が発掘された戦没者のご遺骨と対面させていただいた。
写真とは違い、実物に向かうと言葉にできない思いが胸を突き上げた。わずか5〜6歩離れた場所にも80年間の野ざらしで散らばる別の人のご遺骨があった。この付近は発掘すればまだご遺骨が出るかもしれないとのことだ。
「死者への供養は戦争をしないこと」
手を合わせる。
戦争をさせてはいけないと強く思った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年12月25日号
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