高市政権は「責任ある積極財政」を掲げ、大型補正予算を成立させ、新年度予算案を編成した。全国紙では財政運営に責任持て(朝日)、市場の信認を得る努力尽くせ(読売)、責任の視点欠く過去最大の予算案(日経)、「責任ある」はどこに行った(毎日)などと、予算案に問題を投げかけた。
わが国の財政は、国債発行を急膨張させ先進国有数の「軍拡国家」、「債務国家」の様相を強めている。高市政権の放漫財政により、長期金利が急上昇し、円安の為替相場で物価高に拍車がかかり、国民は生活難に苦しむ。マーケットからも金融不安の警告が発せられる。
当面する物価高対策、中長期的な財政政策の国会審議が求められるが、高市首相は唐突に、通常国会の早期に衆院解散を独断で決め政局は一気に流動化した。立憲民主と公明の衆院「新党結成」の動きも急浮上した。
今なぜ解散なのか。国民生活より党利党略、大義を欠いた権力の乱用、自己都合解散などと批判の声が上がる。一方、読売社説は衆院解散は首相の「専権事項」で、政策を軽視しているといった批判は当たらないと政権を擁護。高市政権の支持率は依然高いが、首相周辺の政治資金疑惑、自民党と旧統一教会との根深い癒着、さらに「台湾有事」発言以降の日中関係悪化など、課題は山積。国会での厳しい追及逃れのための衆院解散ではないのか。
高市政権は日本維新の会と閣外協力ながら「連立」を組んで成立した。連立合意書には、福祉を削り軍拡国家への政策が満載である。維新は与党となり、大阪でも地方自治を揺るがす動きが急浮上。任期途中で辞職して、解散後の衆院選に合わせて、大阪府市のダブル首長選を実施するという。国政レベルでも「副首都」構想が検討されているが、法案作成に先駆け大阪市廃止・特別区設置の「大阪都構想」への民意を問うという。3度目の住民投票に道を開くものだ。衆院選と同じく、これもやりたい放題の大義なきダブル選である。維新の地方議員の国民健康保険逃れが批判を浴びる中、「批判の矛先をかわそうとの魂胆も透ける」(朝日1月15日社説)。
国内外が揺れ動くなか、地に足をつけた報道を期待したい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年1月25日号
2026年02月19日
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