ブッシュ米大統領は22日に中西部ミズーリ州カンザスシティーで演説を行ったが、その内容は、戦前の日本が大正デモクラシーを経て普通選挙が実施されていたことなどの史実は無視して、戦前の日本を国際テロ組織アルカイダになぞらえるなど、粗雑な歴史観を露呈するものだった。
民主主義など夢にも思っていなかった軍国主義日本は、米国の勝利があって初めて民主化したのであり、「アジアでの勝利」は中東でも出来る、と訴える内容だった。(JCJふらっしゅ:Y記者「ニュースの検証」速報版)
文化的に民主主義が根付かないと思われていた、女性は従順過ぎて政治的独立にはなじまないと思われていた、狂信的な国家神道が民主化を不可能と思わせていたような(野蛮な国だった)日本を、戦争で民主化し、いまや米国のパートナーだとその成功体験を誇張し、自らのイラク政策を正当化する(→東京新聞)。
いわば「イラクだって日本同様、戦争によってなんとかできる」と強調して、ブッシュ政権の泥沼化したイラク政策の失敗を糊塗しようという寸法だ。ブッシュ大統領がこの手の話をするのは、今回が初めてではないが、これまでと比較しても、その論の荒っぽさ、強引さが目立っている。
この件を伝えた記事では、24日付で朝日新聞が報じた「米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視 歴史観に批判」の記事が比較的よくまとまっている。上記の内容のほか、ブッシュ大統領の発言をうけて、米メディアは「日本や韓国は国民が同質的であり、イラクとは違う」「歴史から間違った教訓を引き出している」などと批判を伝えていることも付け加えている。
なお、25日付で朝日新聞、東京新聞が社説で取り上げている。下記を参照されたい。
戦前の日本を相当にこきおろした内容なので、読売新聞や産経新聞の社説はさぞや激しい論駁を掲載するかと思いきや、25日の社説では取り上げていない。案外2紙の「愛国心」もうたがわしいものだったか。「愛国心」とは人に押し付けるもので、自らは持つ必要も無いと考えているような場合には、この手のずさんな演説がブッシュ大統領であろうと、小泉〜安倍首相であろうとおかまいなしか―と、なんだか虚しくなる。ブッシュのイラク戦争を熱烈支持してきた旗を降ろせないでいるだけに、この手の演説も見過ごすほかないのだろうか。
米大統領、戦前日本とアルカイダ同列視 歴史観に批判(朝日新聞)
http://www.asahi.com/international/update/0824/TKY200708240002.html
米イラク政策 単純化が過ぎないか(東京新聞25日付社説)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2007082502043683.html
ブッシュ演説―日本の過去に触れるなら(朝日新聞25日付社説)
http://www.asahi.com/paper/editorial20070825.html
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JCJふらっしゅ Y記者の「ニュースの検証」
小鷲順造
http://blog.mag2.com/m/log/0000102032/
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イヤー社説って、読み比べるとホント、奥が深いですね。d=(^o^)=b
2007年08月25日
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