2007年09月10日

【ちょいメモ】 APEC? OPEC?

 たしかに議長国オーストラリアのハワード首相も、一瞬自分がどこにいるか戸惑ったかも。7日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、ブッシュ大統領がハワード首相への謝辞を述べる中、「素晴らしいOPECサミットのホスト役に感謝する」(→毎日新聞)と発言したからだ。もちろんOPECは石油輸出国機構のこと。【編集部】

 ブッシュ大統領は一瞬の沈黙の後、あわててAPECと言い直したが、後の祭り――会衆の失笑を買ったという(→AFP=時事)。石油と戦争で頭がいっぱいのブッシュ氏にとって、APECもOPECも自分の利害と深くからんでいて、あまり違いはないといいたかったのだろうか。アウン・サン・スー・チー(ミャンマーの民主化指導者)氏の名前は「アウン・スン・サー・チー」、ジェマー・イスラミア(東南アジアのイスラム地下組織名:JI)は「ジェマー・イスライラメイア」(毎日新聞)となったというから、とうてい並みの人間では「太刀打ちできない」ほど、ものごとを混乱させてしまうのがお得意とみえる。

<追記>
 9月25日、国連総会での一般演説で、ブッシュ米大統領が使用した草稿は、国名や人名などを間違わないよう「発音記号」ガイド付きだったと報じられている。ホワイトハウスのスタッフが用意した草稿が、国連のウェブサイトに一時掲載されて明らかになったという(→ロイター通信)。仏大統領「サルコジ」、ジンバブエ大統領「ムガベ」など人名の発音記号、「キルギス」や「モーリタニア」の国名、ジンバブエの首都「ハラレ」の正しい読み方も、いわば「ふりがな」付きというわけ。
 大統領報道官は、その草稿は国連の通訳者のために事前に届けられたものだと説明しているが、シドニーのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)でのスピーチで、APECを「OPEC(石油輸出国機構)」、オーストラリア軍を「オーストリア」軍と言い間違う「実績」をもつブッシュ氏だけに、メディアは大統領報道官の説明をだれも真に受けていないようで、精力的に「よみがな付草稿」の件を報じている。


米大統領、言い間違い連発・中東で頭いっぱい?(日本経済新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20070907AT2M0701707092007.html
ブッシュ米大統領:APECをOPECと言い間違え(毎日新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070908k0000m030061000c.html
【こぼれ話】米大統領、痛恨の失言=APEC裏話 (AFP=時事)
http://news.www.infoseek.co.jp/world/story/20070910afpAFP014184/

ブッシュ大統領、国連の演説草稿は「発音記号」付き(ロイター通信)9月26日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070926-00000627-reu-ent


【Daily JCJ 編集部】

posted by JCJ at 03:30 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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