2008年01月28日

「インサイダー取引」の衝撃=報道局の現場から

 1月17日午後2時すぎ、東京・渋谷の本部に勤めるNHK報道局職員の大多数は「ピーコ」と呼ばれる共同通信の一報アナウンスで、記者らがインサイダー取引を行っていたことを知ることになった。ほぼ同時刻、協会からも職員に局内メールで周知された。
 記者やディレクター、カメラマン、編集などからなる報道局職員は、NHKの報道を支えているという自負があり、協会内では、よくも悪くもエリート意識の強い集団だ。これまでの不祥事についても、主に番組制作局などの職員によるもので、自分たちは、むしろ尻ぬぐいをさせられているという意識があった。しかるに、今回の事態は「身内」の不祥事で、言い訳ができない苦々しさを感じている。(報道局・現役記者)
 導入当初の端末機種名から、通称「5300(ゴーサンマルマル)」と呼ばれている報道情報端末は、ある意味「性善説」に基づいて作られており、情報を共有することによって、いわゆる「受け原稿」や「関連取材」には大いに役立つが、このような悪用の方法もあったのかと、驚きを感じている。

 今回の発覚後、現場では緊急の聞き取り調査が行われた。「あなたは株取引をしたことがあるかないか。あったとすれば、それは勤務時間中か否か。問題となった銘柄を取り引きしたことはあるか」という内容で、上司は本人の弁を信用するしかない。ただ、それ以上の調査はきわめて困難なのが実情だ。

 職員向けに作られた「取材・制作の手引」には、「インサイダー取引」の見出しで、情報をしっかり管理するとともに悪用を禁じる旨、明記されている。しかし、この「手引」を熟読している職員はあまりいないと思う。ただ、これは明文化するまでもなく最低限のモラルであり、職員の質が低下したと指摘されても反論できない。

 今後はBBC等を参考に、ジャーナリズム教育を徹底させることが必要だと感じている。しかし欠員が相次ぐなかでは、それも難しい。上層部は勿論のこと、現場職員の悩みも深まるばかりだ。
posted by JCJ at 01:13 | TrackBack(0) | 放送 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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