大義なきイラク戦争が泥沼化している。ブッシュ大統領は「テロとのたたかい」と標榜し、「勝利」するとの言葉を引っ込めていないが、米軍の「敵」はだれなのか。よく見えていないか、見ようとしていないのではないか。ブルース・ホフマン米ジョージタウン大学教授は、「米軍当局や情報機関の関心はもっぱら敵の指揮官の追捕や米軍部隊の防御に集まっており、目の前の敵を知ろうとしていない」(AFP)と指摘する。
敵の本質、目的、強みと弱点などを無視すれば、米国を敗北に導きかねないというのだ。「アルカイダなどのテロリストや反政府武装勢力は要員を大量動員できるだけでなく、新規要員や必要物資の大量補充能力もあわせもっている。指揮官を狙う現在の手法は通用しない」(同)と語るが、大義なき戦争の「敵」とはだれなのか。「敵」は自分たちではないのかとの疑念、歓迎されない兵士の「敵」はだれなのか。サドル派、マフディー軍との関係正常化の道をなぜ遠ざけるのか。
米国が戦闘行為において「敗北しない」ために「指揮官を狙う現在の手法は通用しない」(同)にしても、なぜ「力による制圧」から駐留米軍は抜け出せないのか。「もぐらたたき」ではなく、包括的、多角的視野を保持した停戦へのステップが進められねばならないだろう。
2008年02月09日
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