2019年03月10日

【今週の風考計】3.10─「ダブル選挙」など、やってる場合か!

■東に「トーケイ不正」の隠蔽あれば、西に「トーリ党略選挙」が現れる。なんと大阪維新の会の府・市両首長は、<大阪都構想>のゴリ押しを狙い、同じ穴のムジナよろしく、府知事・市長を入れ替えて、ダブル選の「党利党略・住民不在・私物化」選挙の奇策に打って出た。
■4月7日に投開票される議会選に合わせて、前倒し実施する。それぞれが同じポストでの出直し選挙では、半年の任期しかないが、ポストを変えてのダブル選で勝てば新たに任期4年が確保でき、<大阪都構想>の再住民投票に向けた、コズルイ作戦が仕組める。

■この<大阪都構想>─すでに4年前、「府と市を合わせてもフシアワセ」と、住民投票で否決されたシロモノ。なのに大阪人らしくもなく、ウダウダとしがみつく。安倍政権も貴重な「改憲勢力」である維新の代表・松井一郎氏の立場を擁護し、ダブル選を容認している。
■だが地元の自民党・大阪府連は怒り心頭だ。ついに対抗馬として俳優の辰巳琢郎氏を知事選候補として擁立する最終調整に入った。

■いま大阪は、6月28〜29日のG20開催、さらには大阪万博の会場建設やその内容をめぐって、大きな関心と議論が沸き起こっている。とりわけ2025年5月3日から6カ月間、大阪湾の人工島・夢洲(ゆめしま)で開催される大阪万博は、会場建設費1250億に運営費830億の経費を要する。「地盤沈下」の激しい大阪経済にとって、その財政負担に耐えられるのか、懸念されている。
■しかも万博会場に併設されるIR複合リゾート施設の内容が問題だ。巨大なカジノ建設が計画されている。このカジノ売り上げ、いわば賭博のテラ銭(客の負ける金額)を年間3800億と見込み、IR全体の年間売り上げ4800億の8割を賄うとしている。
 かつカジノ客の75%は日本人と想定しているから恐ろしい。まさに万博に必要なインフラ整備をカジノ事業者が行う図式が成り立つ。これこそカンジンの問題。(2019/3/10)
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2019年03月03日

【今週の風考計】3.3─<サ行変格活用>で日本と世界を見通す

春はあけぼの。陽はサンサン。スタートした3月にちなんで、今週は<サ行変格活用>で見通してみたい。

まず─4日は「三線(さんしん)の日」、琉球に古くから伝わる伝統楽器「三線」を皆で弾いて、その音色を響き渡らせる。うるま市民芸術劇場で開かれる「ゆかる日まさる日さんしんの日」は第27回を迎える。
 5日は「サンゴの日」、沖縄の美ら海に生きるサンゴ礁が危機に瀕している。恩納村では「サンゴの村宣言」を発し、サンゴ礁の保全・再生へのプロジェクトを推進している。
は7日の「消防記念日」、今から71年前に消防組織法が制定された日にちなむ。春の火災予防運動の締めくくりの日でもある。
は9日の「スロバキア大統領選挙」─1993年にチェコと分離独立したスロバキア共和国はEUに加盟、人口450万、首都はブラチスラヴァ、国家元首は任期5年の大統領アンドレイ・キスカが務める。今度の選挙には出馬しない。15人が立候補、激戦の結果はどうなるか。

は5日の「山本宣治暗殺の日」─ちょうど90年前だ。「やません」と呼ばれ親しまれた労農党の衆議院議員が、国会から帰ってきた神田神保町の宿舎「光榮館」で、右翼に刺殺された。反戦平和を貫き、治安維持法の害悪と官憲の拷問を追及してきた。
 暗殺前日の3月4日には、全国農民組合大会で、「山宣ひとり(反対の)孤塁を守る。だが、背後には多くの大衆が支持している」と演説。翌日、国会で論陣を張るつもりだった。それもかなわず39歳の生涯を閉じた。

最後は─「曽我梅林」、実は陽気にほだされ、2日は梅見に出かけた。御殿場線・下曽我駅から徒歩10分。曽我物語の十郎・五郎の史跡や、梅やみかんの産地として知られる曽我の郷。
 箱根連山を背景に延々と広がる田園風景の中に、十郎や白加賀、紅や白の枝垂れ梅が満開だ。梅が枝に下がる短冊に「白梅に触れて老人光りけり─秋光」の句あり。あいにく富士山は雲に隠れて望めず。素朴な梅香うどんで腹を満たす。満足の一日だった。(2019/3/3)
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2019年02月24日

【今週の風考計】2.24─「三・一独立運動」から米朝会談への歩み

今週は、沖縄・辺野古埋め立ての是非を問う県民投票、東京・半蔵門の国立劇場で開催の「天皇在位30年記念式典」、さらには27日からベトナム・ハノイで始まる米朝首脳会談、そして韓国・ソウルや北朝鮮・平壌での「三・一独立運動100周年記念」行事の共同開催など、あわただしい内外の動きに目が離せない。

とりわけ「三・一独立運動」の内容など知らず、日本とは関係ないと思っている人々が多い。とんでもない。ちょうど100年前の1919年3月1日、朝鮮の学生や民衆5千人が、日本の植民地支配からの独立を目指し、京城のパゴダ公園に集まり「朝鮮独立万歳」を叫んだ。さらに動きは全土へと拡がるに及んで、日本の朝鮮総督府は武力を行使して弾圧、死者6千人・逮捕者5万人の悲劇を生みだしたのである。

「三・一独立運動」の1カ月前、1919年2月8日、 東京でも朝鮮からの留学生たちが、当時にして30年ぶりの大雪に見舞われるなか、東京西神田小川町の朝鮮YMCA会館に集まり、早稲田大学学生だった李光洙(当時26歳)が起草した<朝鮮青年団独立宣言>を採択し、日本政府・各国大使館・朝鮮総督府などへ送付している。
だが「朝鮮独立」はかなわず、その後も日本の植民地支配は1945年まで続いた。さらに5年後には朝鮮戦争が勃発し、朝鮮半島の分断は150年に及ぶ。

こうした歴史に翻弄されてきた韓国・北朝鮮の両国が、27日からの米朝会談によって朝鮮戦争の終戦宣言など、朝鮮半島の統一した平和づくりに向けて、新たな地平に踏み出す道が切り拓かれようとしている。

ひるがえって日本は、どうか。いまだ朝鮮に対する植民地支配や慰安婦・徴用工問題など、侵略の被害にあった朝鮮の人々への心のこもった深い謝罪や清算をしていない。いっそう日韓関係は悪化する中で、安倍政権は「明治150年」を礼賛するだけで、東北アジアの平和構築に背を向けている。(2019/2/24)
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2019年02月17日

【今週の風考計】2.17─小惑星「リュウグウ」についての一夜漬け

5年前に打ち上げられた小惑星探査機<はやぶさ2>が、地球から3億キロ先にある小惑星「リュウグウ」に、22日の朝8時15分ごろ着地する。パネルを広げれば14畳にもなる探査機<はやぶさ2>を、どう着地させるのか、ハラハラドキドキする。

直径900メートルほどの小惑星「リュウグウ」は、周辺温度は100度を超える上に、岩だらけ。そこに「ピンポイントタッチダウン」方式で、岩が少ない6メートル四方の地点を選んで接地し、弾丸を発射。飛び散った表面物質を探査機の採集装置に取り込み、わずか数秒間に0.1グラムのサンプルを採取した後、すぐ離脱するという。そしてホームポジションへ向かった後、今年の12月ごろ地球へ向けて出発し20年末に地球に帰還する計画だ。

老いた身では、寒い夜空を見上げる勇気はないが、太陽系誕生の謎を解き明かす、約290億円かけた壮大なプロジェクト。小惑星「リュウグウ」について、恥ずかしながら、さらに勉強させていただいた。

20年前に発見され、日本で「リュウグウ」と名付けられたソロバン玉に近い形状の小惑星は、地球に接近する軌道を持つ小惑星群のひとつだそうだ。しかも「リュウグウ」は太陽に近い軌道をめぐり、地球の約3倍もの速さで自転しているという。
かつ太陽系が作られたころの有機物や炭素を含む化合物、また水が多く存在し、太陽系の起源や生命誕生の秘密に迫ることが期待されている。まさに貴重な小惑星なのだ。

だが一方、地球に衝突する可能性が大きく、かつ衝突時に地球に与える影響が大きい潜在的に危険な小惑星にも分類されている。孫に教えるための勉強の一文となり、どうぞご容赦を!(2019/2/17)
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2019年02月10日

【今週の風考計】2.10─官邸の報道規制と基地へのドローン規制

★昨年末、首相官邸は東京新聞の記者が、沖縄・辺野古基地の埋め立て区域に「赤土が広がっている」状況について質問したところ、その質問を「事実誤認」と断定し、内閣記者会に記者の質問権を制限するような申し入れを行っていた。
★年が明けて、その内容が明らかになるにつれ、市民団体でも抗議の署名活動が進み、新聞労連も抗議声明を発表、続いてJCJも抗議声明を発表した。

★記者が質問中に、官邸報道室長は数秒おきに「簡潔にお願いします」と繰り返して妨害し、質問内容が事実誤認であるかのような誹謗中傷に近い内容を記した申し入れは、記者への個人攻撃につながる行為であると指摘。報道の自由、取材の自由、国民の「知る権利」に対する攻撃であり、その危険な狙いを糾弾している。
★内閣記者会の毅然とした対応が求められる。だが、動きは鈍い。そこには安倍政権に与する「産経」も所属するので、なかなかまとまらないのか心配でならない。

★10日付の「琉球新報」が<基地にドローン規制 沖縄を狙った報道弾圧だ>と題する社説を掲載している。今国会での成立を目指すドローン規制法改正案について、新聞協会が「自衛隊や在日米軍基地上空のドローン飛行禁止に反対する」旨の意見書を政府に提出したことに賛同しつつ、米軍基地が飛行禁止対象施設に加えられると、最も影響を受けるのは、在日米軍の専用施設の約70%が集中する沖縄の報道機関であることを指摘している。
★立ち入ることのできない米軍基地内で、たびたび起きる米軍機の重大な事故を取材するには、小型無人機ドローンを使っての撮影取材は欠かせない。ドローンの「飛行禁止は沖縄を狙い撃ちにした報道弾圧だ。米軍基地を対象施設に加えてはならない」と。(2019/2/10)
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2019年02月03日

【今週の風考計】2.3─消えた「返せ!北方領土」の裏側にあるもの

7日は<北方領土の日>だが、これまで続けてきた「返せ!北方領土」のタスキもハチマキも、シュプレヒコールも消える。
なんと地元の根室市では、「平和条約の早期締結を」に統一するという。おそらく同日、東京で開催の全国大会でも、今年は「返せ!」の声や文字は、目にも耳にもすることはないだろう。

なぜか。安倍首相のレガシーづくりに貢献すべく、いらぬ忖度がはびこっているからだ。昨年末からロシアとの平和条約締結交渉に前のめりになっている安倍首相のホンネは、「北方四島返還」という従来の政府方針を投げ捨て、択捉島と国後島の返還は断念し、色丹島と歯舞群島の2島「引き渡し」で決着させるという、プーチン大統領とのディールが狙いだ。
6月末に大阪で開かれるG20での首脳会談で決着を目指す。そして成果を誇示して参院選に突っ込む。こんな絵図を描いているのに、国民はおろか北方領土関係者にも、「外交交渉」を理由に口を閉ざす。

7日に国立劇場で開催の「北方領土返還要求全国大会」での安倍首相のスピーチが注目される。「領土問題」の言い回しで、「北方四島返還」のへの字も言わず、あいまいな言辞を弄してウソをつくつもりか。
すでに「日本会議」は、新元号の事前公表に対し、安倍首相に「遺憾」のクレームをつけ、さらにロシアに屈服するなら、右翼だって黙ってはいられまい。

あらためて原点を確認しよう。1855年2月7日、日本とロシアとの間で日魯通好条約が調印され、国後島・択捉島は日本の領土であることが両国間で確認された。だが、1945年8月28日〜9月5日 ソ連が「北方四島」に侵入し不法占領のうえ、そこに居住する日本人1万7千人が、ソ連の命令で強制的に退去させられた。
さらに日本政府は、1951年のサンフランシスコ平和条約で、ソ連の不当な領土併合を認める形で、樺太の一部と国後・択捉両島を含む千島列島を放棄してしまう。こうした歴史的経過を踏まえれば、もともと日本領であった「北方四島」の返還要求は、国際的にも道理ある要求なのだ。(2019/2/3)
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2019年01月27日

【今週の風考計】1.27─鎌倉アルプス山歩きと「実朝暗殺」の縁

ちょうど1週間前、仲間と一緒に鎌倉アルプスを歩いた。北鎌倉駅から建長寺の総門、三門をくぐり仏殿での参拝後、方丈の奥へ進む。
曲折した急な石段を上りきると鎮守府・半僧坊。天狗の像が立ち並び、麓の建長寺のような禅寺とは違う雰囲気を醸し出す。さらに西に張り出すテラスから青空に映える富士山を望む。十王岩から今泉台分岐への山道をたどり大平山の頂上へ。

昼食後、瑞泉寺に向かう。禅宗の高僧・夢窓疎石が開創した瑞泉寺には、鎌倉石の岩盤を巧みに彫った壮大な石庭が広がる。京都の天龍寺や西芳寺(苔寺)の庭も手がけた、日本の中世を代表する禅僧の活躍が思い浮かぶ。残念ながら境内の枝垂れ梅は、いまだ開花せず。
その代わり鳥居わきで河津桜が咲く鎌倉宮に足を延ばし、脇道を通って鶴岡八幡宮へ。夕日に照り映える朱塗りの本宮楼門、そこへと続く石段のわきに、9年前に倒伏した大銀杏のヒコバエから、小さな若芽が芽吹き、今や枝も伸びて参拝客を喜ばせている。

さて1月27日、今から800年前の建保7年1月27日である。鎌倉幕府3代将軍・源実朝が、2尺ほど積もる雪のなかを拝賀に訪れた鶴岡八幡宮で暗殺された。享年28(満26歳)。犯人は自分の兄・頼家の遺児・公暁。八幡宮の石段わきに立つ大銀杏に隠れて機会をうかがっていたと伝わる。

『金槐和歌集』などの歌人として知られていた実朝の死により、京都・朝廷と北条家が執権を握る鎌倉幕府との関係がぎくしゃくし、2年後には「承久の乱」が勃発する。朝廷に君臨する後鳥羽上皇が鎌倉幕府の執権・北条義時を討つべく、兵を挙げる。
しかし敗れた後鳥羽上皇は隠岐に配流され、以後、北条氏一門を中心とする武家勢力の執権政治が100年以上続き、威勢は全国に及ぶことになった。携行していた坂井孝一『承久の乱』(中公新書)を、往復の湘南ライン車内で熟読した。(2019/1/27)
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2019年01月20日

【今週の風考計】1.20─「オリオンビール」と「大同江ビール」の味

●創業60年を迎える沖縄の「オリオンビール」が、野村ホールディングスと米国の投資ファンド・カーライルに買収される─との報道に驚いた。
●買収の理由は、カーライルが持つ海外企業との豊富なパイプを生かし、「オリオンビール」の海外展開を本格化するというのだ。買収額は数百億円規模。地元の沖縄県では断トツの売り上げ。18年3月期の売上高は283億円だった。

●沖縄に行けば「オリオンビール」、Tシャツも星3つにOrionのロゴ入りを着る愛飲者にとっては、「あの地ビールが買収されるのは悔しい」としか言いようがない。日本の地ビールが消えてしまう。
●12年前、ベトナムをハノイからホーチミン市へ、国道1号線沿いに旅する途中、飲んだ「333(バーバーバー)」や「ビア・サイゴン」の味も思い浮かぶ。確か355ml瓶で日本円にして100円ぐらいだった。

●昨年12月に刊行された、文聖姫『麦酒とテポドン』(平凡社新書)にある、「大同江ビール」(テドンガンメクチュ)の記述も新鮮だ。故金正日総書記が「人民に良質なビールを届けよう」との号令で始まったプロジェクトが、いまや北朝鮮を代表するブランドに成長した。
●味は中国の「青島ビール」に似るが、連れ立って飲みに行くビアホールは満員。若い女性も7種類の生ビールを味わう。夏には平壌でビール祭りも開かれる。缶ビールも生産され海外への輸出がもくろまれている。

●文聖姫さんは「北朝鮮は核・ミサイルの開発でなく、自慢の大同江ビールを世界中に輸出できる道を選んでほしい」と締めくくる。日本でも大同江ビールが飲めるよう、1日も早い経済交流の再開、日朝国交回復を願ってやまない。(2019/1/20)
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2019年01月13日

【今週の風考計】1.13─巨大地震が日本列島を襲う確率と危険!

年始早々から地震のニュースに身をすくめた。3日18時ごろの熊本地方地震はM5.5、震源の深さ10km。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公・金栗四三の生誕地でもある、和水町(なごみまち)では震度6を観測した。
この地域周辺には佐賀県の玄海原発2機、鹿児島県の川内原発2機が稼働している。11日にオープンした「日本マラソンの父 金栗四三ミュージアム」も、地震だけでなく原発事故に、いつ被災するとも限らない。

74年前の1月13日には、M6.8の三河地震が発生し、死者2306人・家屋全壊7221戸の大きな被害を出した。日本が敗戦に向かう1945年前後には、南海トラフを震源とする「昭和の4大地震」が連続し、死者1,000人を超える被害を出した。三河地震もその一つである。
17日は阪神・淡路大震災の24年目にあたる。活断層のずれによる地震の規模はM7.3、死者6,434人・家屋全壊104,906戸、8年前の東日本大震災に次ぐ甚大な被害となった。原発事故による被害がなかっただけでも、今から思えば不幸中の幸い、また原発の恐ろしさを再認識させられる。

さて巨大地震が日本列島を襲う可能性はどうか。3・11東日本大地震の震源域周辺の東北沖や房総沖は、いまだに地震が起きやすい状況が続いている。さらに北海道東部の千島海溝沿の地震も発生の確率が高い。いつM7クラスの地震が起きてもおかしくない。
西日本も油断はできない。静岡県から九州沖合にかけて伸びる南海トラフは、M8〜9クラスの巨大地震を起こす。その危機は目前に迫っている。九州の火山にも危険な兆候がある。熊本地方地震で活発化した中央構造線の上にある阿蘇山、雲仙普賢岳も注意が必要だ。もはや、日本に安全な場所などない。研究者や専門家は警鐘を鳴らす。(2019/1/13)
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2019年01月06日

【今週の風考計】1.6─50年前の出来事から新たな気概を汲む!

あけましておめでとうございます。亥年の1年、どうなるかを考えるに、まずは温故知新を旨に、クロニクルを繰った。

50年前の1月16日、チェコスロバキアで、カレル大学の学生ヤン・パラフが、ソ連の軍事介入や「プラハの春」に象徴される改革の後退に抗議し、焼身自殺を図っている。
おなじ50年前の1月18 日、日本では全共闘に占拠・封鎖されていた東大・安田講堂に、機動隊が突入し封鎖解除、ついに東大闘争は潰えた。

一方、和平への動きも加速する。ベトナム戦争終結に向けた交渉が、50年前の1 月 25日からは、アメリカと北ベトナム両代表に加え、南ベトナム政府と南ベトナム解放民族戦線も加わり、4者による拡大和平会談となった。
この年1月20日に就任したニクソン大統領は、こうした状況の下でベトナムからの「名誉ある撤退」を決意した。その下地には「いちご白書」で有名なコロンビア大学の学生闘争のほか、フランス・イタリア・西ドイツ・日本などでのベトナム反戦のスチューデント・パワーがあったのは間違いない。

もう一度、日本にフォーカスしてみよう。50年前の1月6日、沖繩いのちを守る県民共闘会議が、米軍のB52撤去を要求して「2・4ゼネスト」を決定している。9日には国防会議が、自衛隊に配備する次期主力戦闘機F4E(ダグラス社)104機の国産化を決める。
15日、米ロッキード社は児玉誉士夫をトライスター売込みのコンサルタントとして5000万円で契約。7年後の1976年に「ロッキード事件」で明るみにでる。
なんと米国の戦争ビジネスに牛耳られる、今の日本の防衛予算の根源を見る思いだ。歴史に学び事実を明らかにし真実を追求する気概を新たにしている。(2019/1/6)
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2018年12月30日

【今週の風考計】12.30─年末、本田靖春と大江千里に魅せられて

「除夜の鐘」が鳴る前に、後藤正治『拗ね者たらん─本田靖春 人と作品』(講談社)を読み終えた。小生には、戌年の掉尾を飾る感動の本となった。
ノンフィクション作家・後藤正治が類い稀な織職人となって、孤高のジャーナリスト本田靖春の名作を縦糸に並べ、横糸に彼の作品群を編集した伴走者や交友関係を選び、2004年12月4日に閉じる71年の生涯を、縦糸・横糸、縦横にあやつって丹念に織りあげた壮大なタペストリーだ。

本田は、日本が歩んできた「戦後の原液」への思いを胸に、「由緒正しい貧乏人」の目で、社会的事件や人物像の真実を掘り起こし、世に問うてきた。
「スクープ記者の陥穽」を描いた代表作『不当逮捕』の「あとがき」で、本田は、<戦いとったわけでもない「言論の自由」を、(中略)まるで固有の権利のように錯覚して、その血肉化を怠り、「第四権力」の特権に酔っている間に、「知る権利」は狭められて行ったのではなかったか─。>と書いている。

今年は没後14年になる。モリ・カケ問題から、公文書改ざんなど、国民の「知る権利」は、脅かされ続けている。彼の仕事は今でも噛みしめるに充分以上の意味を持っている。

さて最後は、9月5日発売の大江千里のジャズアルバム『Boys & Girls』(Sony Music Direct MHCL30535)も、おすすめである。今や彼も58歳、ニューヨークを拠点に、ジャズピアニストとして活躍、アーティスト活動は35周年を迎えた。あの鼈甲ブチ眼鏡をかけ黒い丸帽子をかぶって弾くピアノが、まるで歌ってでもいるように鳴る。
輝きを放つ新曲「A Serene Sky」や「Flowers」もいいが、やはり彼の代表曲「ありがとう」のジャズピアノに惚れる。末尾ながら、皆さん、よいお年をお迎えください。(2018/12/30)
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2018年12月23日

【今週の風考計】12.23─日本は「毒薬条項」を飲まされるのか

常軌を逸している<恐怖の男─トランプ大統領>は、ついに「毒薬条項」まで日本に飲ませる魂胆であるのが分かった。

年明け1月中旬にも交渉が始まる米日貿易協定(USJTA)では、まず日本製自動車の米国現地での生産増を確実にさせ、検疫の面から農産品に課す日本の高い輸入関税を削減させる。安倍首相は、しきりに「物品」をめぐる協定(TAG)だと強調したが、とんでもない。
通信やサービスから金融分野も含めた包括的な貿易協定の締結に引きずりこむ考えである。日銀の金融緩和為政策にも横やりを入れ、デフレ脱却が目的だとの説明を一蹴するかのように、為替政策への介入までもくろむ。これでは自国の金融政策すら支配されかねない。

恐ろしいのは中国を排除する貿易協定の締結を目指していることだ。9月末に妥結した「米国・メキシコ・カナダの3か国協定」には、中国との貿易協定の締結を難しくする「毒薬条項」が盛りこまれている。トランプ大統領は日米貿易交渉でも、同じように「毒薬条項」を組みこむよう要求する構えだ。
しかし日本は、中国も参加して「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」や「日中韓自由貿易協定(FTA)」を積極的に推進している。これにもトランプ政権は、圧力を加えてくるのは間違いない。いまや日本は通商外交のフリーハンドまで失われ、米中貿易戦争の挟み撃ちに遭う可能性が高くなってきた。

この1年、世界や日本が、トランプ大統領のゴリ押し外交に翻弄されてきた。この情けない事態は終わりにしなければならない。(2018/12/23)
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2018年12月16日

【今週の風考計】12.16─あの本が『日本ウィ紀』と言われる理由

★百田尚樹『日本国紀』(幻冬舎)が、幻冬舎25周年記念出版と銘打ち、11月12日、初版15万部で発売されるや否や、1か月ほどで、5刷、50万部の売れ行き。
★しかし、その記述のズサンさが明らかになり、騒動となっている。Wikipediaなどからの“コピペ疑惑”が、本文やコラムなどの記述に数多くみられ、剽窃ではないかと指摘されている。

★百田尚樹氏も「この本を書くのにね、山のように資料を揃えた。そのなかにはね、そりゃWikipediaもあるよ!」と開き直っている。出典も明示せず、剽窃する感覚には、みな呆れている。本のタイトルも、“日本ウィ紀”“日本コピペ紀”などに変えるべきだと、皮肉られている。
★本書の内容は、従来の保守派や右派の主張をちりばめて叙述したシロモノ。日本は太古からスゴイ民族で、これまでの侵略戦争も戦争犯罪も重大なことではなく、戦後の「東京裁判史観」は荒唐無稽であり、いまこそ素晴らしい日本人の精神を復活させるべきで、とりわけ憲法9条改正は急務である─との主張である。

★『日本国紀』の版元である幻冬舎の見城徹社長は、先日、亡くなった津川雅彦氏や「新潮45」に掲載した差別論文の執筆者・小川栄太郎氏、さらには櫻井よしこ氏などの右派文化人グループとして、百田尚樹氏とともに、有名な安倍応援団の一人であるのは、つとに知られている。11月25日のAbemaTV「徹の部屋」では、見城徹氏自らが百田尚樹氏、有本香氏と鼎談し、本書を絶賛している。
★幻冬舎は、剽窃とも疑われる本を出版しながら、増刷の際に修正や記述を変えたり、引用部分に「 」をつけたりして、ごまかしている。「もし修正したならば修正箇所を公開してほしい」とのフアンからの声には、どうこたえるのか。製造者責任が問われている。(2018/12/16)
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2018年12月09日

【今週の風考計】12.9─ダンプ22万台分の土砂を投げこむ非情

沖縄が緊迫している。政府は14日、辺野古に土砂を投入する。すでに名護市安和にある「琉球セメント」の桟橋から、埋め立て用土砂を運搬船に積みこみ、沖縄本島の北側を回って大浦湾に面する辺野古の最北護岸「K9」に停泊。
運搬船と陸上をつなぐランプウェー台船が用意され、重機を使って運搬船から土砂をダンプに移し替え、辺野古崎近くのキャンプ・シュワブ内にある資材置き場に運びこまれている。

さらにそこからダンプやブルドーザーを使い、南にある辺野古寄りの、護岸で囲われた6.3ヘクタールの海に投入される。必要な土砂の量は131万6500㎥、10トンダンプに換算すると22万台分。1日に運べるのは、せいぜいダンプ200台か。休日なしで運搬しても3年はかかる。
それが14日から延々と続く。待てよ! 辺野古新基地建設に要する埋め立て区域は、全体が160ヘクタール、今回の投入はわずか4%を埋め立てるに過ぎない。全部を埋め立てるとなると、必要な土砂は2100万㎥。

想像もできないような土砂が、瀬戸内海周辺地域からも運ばれ、サンゴ礁の映える青い<美ら海>に投げこまれる。しかも赤土による海の汚染だけでなく、アルゼンチン蟻など特定外来生物が運ばれてきて、その繁殖による沖縄の生態系破壊までが危惧されている。

さらに大浦湾側の埋め立て護岸C1〜3付近には、マヨネーズ並みの軟弱な地盤が深さ40mにわたって海底に堆積していることが分かり、政府は慌てている。地盤改良工事となれば、海底に基礎捨て石を敷き、その上にコンクリート製の箱、なんと長さ52m×幅22m×高24m、重さ7200トンを据える。
加えて大浦湾を北西から南東にかけて、V字滑走路の先端、C1護岸周辺を貫くように、「辺野古活断層」が見つかっている。泣き面に蜂とはこのことか。さらなる地盤改良工事費500億円、土砂調達費1千億円を加えると、総事業費2兆5500億円、普天間基地の代替施設として使えるようになるまでに最短でも13年かかる。

玉城デニー知事が「一日も早い普天間の危険除去が必要だが、辺野古移設では、さらに返還が遅れることが危惧される」と述べ、工事を停止し膨大な予算の投入から引き返すことを説いたのは当然だ。(2018/12/9)
posted by JCJ at 13:08 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月02日

【今週の風考計】12.2─「Forest Light 01」中の<12・8>

年内最後の「Forest Light 01」が7日から始まる。日本の陸上自衛隊と米軍海兵隊との共同演習である。大分県・日出生台演習場を舞台に、米軍輸送機オスプレイとの連携を組み込んだ実働訓練には、陸上自衛隊750人・米海兵隊250人が参加する。
大分県は、沖縄の基地負担軽減のため、すでに13回も米海兵隊の実弾射撃訓練を受け入れている。さらに危険性の高いオスプレイの訓練を追加する事態に、住民の怒りや反対の行動が盛り上がっている。

何あろうこの日、77年目の「リメンバー・パールハーバー」。ハワイ・オアフ島・真珠湾のアリゾナ記念館では、犠牲者追悼式が行われている。ところが日出生台演習場では、日米両国が協働して戦争遂行の訓練をしている。真珠湾を襲った日本軍の空母6隻・艦載機399機への怨念はどうなったのか。

あろうことかトランプ大統領は「F35の大量購入」に感謝の言葉まで述べる事態だ。それもそのはず安倍政権は、すでに最新鋭ステルス戦闘機F35・42機の購入(6千億円)に加え、さらに100機も追加導入(総額1兆円)する。トランプ大統領は真珠湾の怨念どころか、「ディール」の成果に笑みがこぼれるのだろう。
また日本の護衛艦「いずも」(2.6万トン)を、艦載機が発着艦できるようにする空母への改造計画も進む。あの購入すると決めた最新鋭ステルス戦闘機F-35Bが、空母「いずも」に垂直離発着できる。攻撃能力を備えた戦闘機の離発着は、「自衛のための必要最小限度を超える」どころか、「専守防衛」から大きく逸脱する。

米国と日本が主導して、中国を包囲する「インド太平洋戦略」に向けた戦力増強に他ならない。アジア太平洋戦争の口火を切ることになった、<12・8>への痛恨の思いは、日米の為政者にはひとかけらもない。(2018/12/2)


posted by JCJ at 14:27 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月18日

【今週の風考計】11.18─労働法制と「ひんここまつり」の温もり

これほどまでに働く人びとを粗略に扱う政権があっただろうか。国内の労働者であれ、外国人労働者であれ、安い賃金で使いまわし、人権や生存権を踏みにじって恥じない。

裁量労働制や高プロ制の導入など、「働き方改革」と宣うが、サービス残業は野放し、過労死・過労自殺はあとを絶たず、誰のための労働法制なのか。常に経営サイドに有利になるよう、雇用契約の打ち切りなど、自由に調整できるようにするのが狙いだ。
加えて労働力人口の減少を理由に、いま働く外国人労働者128万人に加えて、さらに5年後までに最大34万人を受け入れるという。彼らの社会保障や永住権への対策は、どうなっているのか。無策も極まる。<わが亡き後に洪水は来たれ!〉の安倍政権だ。

23日は勤労感謝の日。制定されて、ちょうど70年になる。「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としている。安倍さんは、どの顔して23日を迎えるのか。
瑞穂の国、たわわに実る稲穂の収穫を祝い感謝する祭りが、伊勢神宮での新嘗祭をはじめ、各地で行われる。お百姓さんと共に、地域の人々が土俗ゆたかに継承してきた祭りには、働くものたちが共有する温もりがある。

岐阜県美濃市の<大矢田神社ひんここまつり>も、その一つだ。500年前から続く五穀豊穣を祈る素朴な人形劇。舞台に登場するのは、籠に紙を貼って顔を書き、着物を着せた案山子のような人形の中に入って、棒を操り演技をする。
ストーリーは、麦まきをしている農民に襲い掛かった大蛇を、スサノオノミコトが退治するという内容。脇で奏でる、お囃子が「ヒンココ、チャイココ、チャイチャイホーイ」と響く。紅葉に色づく山の中腹に設けられた舞台を、見あげる首が痛かったのを思い出す。(2018/11/18)

posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月11日

【今週の風考計】11.11─51年目を迎えるASEAN への期待

シンガボールに熱い視線が注がれている。11日からASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議が開催されているからだ。発足してちょうど51年目、加盟10カ国の人口を合わせると6億人を超え、EU(28カ国)の5億人を上回る。
「アジアのバルカン」とも言われた東南アジアが、平和を守り人々の生活向上を成し遂げてきた、その成果は大きい。しかし中国が南シナ海に人工島を造成している問題で、隣接諸国は緊張の度合いが増している。とりわけ米中間での争いが激しくなれば、その余波はASEANにも及ぶ。

南シナ海の領有権争いに無関係なカンボジアやラオスは親中国の立場をとるが、ベトナムは中国に対して強硬だ。全会一致を原則とする以上、議長国シンガポールの意向を反映して、中国に一定の配慮をして紛争への懸念と国際法を重視する姿勢を打ち出す。
さらに厄介なのは、中国の経済圏構想「一帯一路」がもたらしている悪影響だ。中国からの巨額の借金で苦しむ国が続出している。今年の総選挙でマハティールが首相に復帰したマレーシアは、ついに兆円単位の債務を抱える鉄道建設の中止を決めた。あまりにも中国本位の借款事業への批判は強い。

15日からは東アジアサミットが、同地で開催される。ASEAN10カ国に加えて、日本、韓国、中国、インド、ロシア、豪州、米国などが参加する。その前日14日には安倍首相とプーチン大統領の首脳会談も組まれ、北方四島の帰属と平和条約締結に関する話し合いが行われる。だが、もっと大事なのは、米ロ中の顔色を伺う対応ではなく、東南アジアで果たすべき日本の主体的な役割の発揮である。

18日からは、ASEANに加盟申請しているパプアニューギニアのポートモレスビーで、APEC(アジア太平洋経済協力会議)が始まる。そこにも安倍首相は出席する。外国人労働者の導入・移民政策などに絡む重要法案はどうするの? 盟友・トランプ大統領は、自国の「移民問題」への対応で欠席だ。(2018/11/11)
posted by JCJ at 15:30 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月04日

【今週の風考計】11.4─「外国人受け入れ」に対する右派の困惑

★30年後には、日本の人口が15%減少する。安倍政権は、それに伴う国内の労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切った。
★そのため新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案を2日に閣議決定、今国会での成立を目指す。新たに「特定技能1号」は一定の日本語力と技能があれば5年間の在留を認める。さらに熟練した技能がある労働者は「特定技能2号」とし、家族の帯同と長期の在留を認める。定期的な審査を受ければ事実上の永住も可能になる。

★来年4月からの実施を目指す。まずは深刻な人手不足に悩む介護や農業、建設など14業種で受け入れる。「移民ではない」と強調するが、受け入れ人数に上限はない。2025年までに50万人の外国人労働者を受け入れる方針だ。
★とにかく安い賃金で働かせるのが本音なのだから、「外国人就労者の雇用が切れたり、違法残業が続いたりした時、抗議や暴動など治安が悪化しないか」、さらには「日本人労働者の給与が下げられ、待遇悪化につながりかねない」など、深刻な声が広がる。あまりにも“ご都合主義的な政策”ではないか。

★自民党内や安倍政権を支援する右派組織からも「中国やベトナムなど外国人が日本国内の労働力のカギを握り、日本侵略が進む」と、反対の論調に拍車がかかっている。現に極右団体は10・10「反移民デー」を設け、過激なデモ行動を展開している。

★肝心なのは、外国人労働者といえども、国籍などで差別されるのでなく、労働者としての権利、生活者としての人権が守られなければならない、それが保障されるか、この一点にかかっている。(2018/11/4)
posted by JCJ at 12:13 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月28日

【今週の風考計】10.28─ 牛丼380円と消費税10%の方程式

消費税10%への進軍ラッパが吹き鳴らされた。2%アップで年間5兆円を、来年10月以降、毎年ずっと国民から奪いとる“徴税作戦”である。
しかし、その作戦の必然性が、ちっとも明らかにされていない。これまで消費税率引上げ分は、「社会保障の充実にあて、財政再建に使う」としていたが、いつの間にか「教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保などにも充当させる」と、国民の切実な願いを“人質”にとって、消費税増税の理由付けと使い道の見直しまでする始末だ。

いまだに社会保障はよくなるどころか、負担増・給付減の改悪ばかりが進む。現に、社会保障費の自然増分を5年間で1.5兆円も削り、文教予算も3年連続で削減している。アベノミクスの破たんが現実となり、消費不況が続き、景気回復どころか株の下落から日本経済の失速までが言われだしている。消費税10%の導入は、これに拍車をかける壊滅的打撃となりかねない。

そこへ軽減税率の導入とくる。飲食料品・新聞は8%据え置きの案だ。まずわかりやすい例を挙げよう。スーパーに買い物にいって、総菜売り場に並ぶ牛丼を買って家に持ち帰れば、据え置き8%の消費税だが、レジ脇にあるイートインコーナーで食べれば10%の消費税がとられる。「吉野家」で牛丼を買い持ち帰れば8%の消費税、店内で食べれば10%の消費税がとられる。おかしくない?
蕎麦やピザの出前は8%据え置き、だが弁当の配達は会議室に並べると、配膳・ケータリングとなり10%! こんなバカみたいなマニュアルが国税庁で作られている。さらには中小小売店でクレジットを使った消費者に対しては「ポイント還元」だとか、あの評判の悪い「プレミアム商品券」の配布まで言われだしている。

かつ住宅や自動車などの耐久消費財についても、軽減措置を検討することになっている。もう何のための消費税だ。社会保障を支える財源は、能力に応じて負担する「応能負担の原則」に基くべきだ。(2018/10/28)
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2018年10月21日

【今週の風考計】10.21─海洋プラゴミ1億5千万トンが漂流!

21日からラムサール条約会議(COP13)が、アラブ首長国連邦のドバイで開催される。干潟や湿地を守るにしても、海辺や河岸に広がるプラゴミの山には辟易する。この70年ほどの間に、世界で製造されたプラ製品は85億トン、そのうち65億トンがゴミとして捨てられた。
毎年800万トンが、世界の海に流出し汚染を拡大している。現在、1億5千万トンの海洋プラゴミが浮遊している。プラゴミによる海洋汚染が深刻だ!

プラゴミの中でも、とりわけ問題なのが、破片5mm以下の「マイクロプラスチック」と呼ばれるゴミ。その2割が「人口芝」だというデータもある。これらの破片を、魚や鳥、イルカやクジラが飲み込み、体内に蓄積され摂食障害を起こして、餓死している例が世界中で報告されている。
いったん海に流れ出たプラゴミは回収が困難で、分解されずに200年以上も残存する。このままでいくと、2050年には世界の海洋プラゴミ重量が、魚の総重量を上回るといわれている。

プラゴミの総排出量のトップは中国だが、1人当たりに換算すると、その排出量は米国が1位、2位が日本となる。日本の2016年の排出量は320万トン。しかし日本には、未だに使い捨てプラスチックを国として規制する仕組みがない。
あまつさえ今年6月にカナダのG7サミットで採択された「海洋プラスチック憲章」に、日本とアメリカだけが署名を拒む体たらくだ。この憲章は、2030年までに全プラスチックをリサイクルするか代替可能なものに切り替えることを目指すという内容。拒むとは恥ずかしい限り。
EU 諸国は2020年に使い捨てプラスチックを禁止、世界の60カ国を超える国が規制を導入する。やっと日本も環境省が「2年後にレジ袋を有料化、30年までに使い捨てプラの25%削減」というガイドラインを提示したが、業界からの反発にさらされている。(2018/10/21)
posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする