2019年01月20日

【今週の風考計】1.20─「オリオンビール」と「大同江ビール」の味

●創業60年を迎える沖縄の「オリオンビール」が、野村ホールディングスと米国の投資ファンド・カーライルに買収される─との報道に驚いた。
●買収の理由は、カーライルが持つ海外企業との豊富なパイプを生かし、「オリオンビール」の海外展開を本格化するというのだ。買収額は数百億円規模。地元の沖縄県では断トツの売り上げ。18年3月期の売上高は283億円だった。

●沖縄に行けば「オリオンビール」、Tシャツも星3つにOrionのロゴ入りを着る愛飲者にとっては、「あの地ビールが買収されるのは悔しい」としか言いようがない。日本の地ビールが消えてしまう。
●12年前、ベトナムをハノイからホーチミン市へ、国道1号線沿いに旅する途中、飲んだ「333(バーバーバー)」や「ビア・サイゴン」の味も思い浮かぶ。確か355ml瓶で日本円にして100円ぐらいだった。

●昨年12月に刊行された、文聖姫『麦酒とテポドン』(平凡社新書)にある、「大同江ビール」(テドンガンメクチュ)の記述も新鮮だ。故金正日総書記が「人民に良質なビールを届けよう」との号令で始まったプロジェクトが、いまや北朝鮮を代表するブランドに成長した。
●味は中国の「青島ビール」に似るが、連れ立って飲みに行くビアホールは満員。若い女性も7種類の生ビールを味わう。夏には平壌でビール祭りも開かれる。缶ビールも生産され海外への輸出がもくろまれている。

●文聖姫さんは「北朝鮮は核・ミサイルの開発でなく、自慢の大同江ビールを世界中に輸出できる道を選んでほしい」と締めくくる。日本でも大同江ビールが飲めるよう、1日も早い経済交流の再開、日朝国交回復を願ってやまない。(2019/1/20)
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2019年01月13日

【今週の風考計】1.13─巨大地震が日本列島を襲う確率と危険!

年始早々から地震のニュースに身をすくめた。3日18時ごろの熊本地方地震はM5.5、震源の深さ10km。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公・金栗四三の生誕地でもある、和水町(なごみまち)では震度6を観測した。
この地域周辺には佐賀県の玄海原発2機、鹿児島県の川内原発2機が稼働している。11日にオープンした「日本マラソンの父 金栗四三ミュージアム」も、地震だけでなく原発事故に、いつ被災するとも限らない。

74年前の1月13日には、M6.8の三河地震が発生し、死者2306人・家屋全壊7221戸の大きな被害を出した。日本が敗戦に向かう1945年前後には、南海トラフを震源とする「昭和の4大地震」が連続し、死者1,000人を超える被害を出した。三河地震もその一つである。
17日は阪神・淡路大震災の24年目にあたる。活断層のずれによる地震の規模はM7.3、死者6,434人・家屋全壊104,906戸、8年前の東日本大震災に次ぐ甚大な被害となった。原発事故による被害がなかっただけでも、今から思えば不幸中の幸い、また原発の恐ろしさを再認識させられる。

さて巨大地震が日本列島を襲う可能性はどうか。3・11東日本大地震の震源域周辺の東北沖や房総沖は、いまだに地震が起きやすい状況が続いている。さらに北海道東部の千島海溝沿の地震も発生の確率が高い。いつM7クラスの地震が起きてもおかしくない。
西日本も油断はできない。静岡県から九州沖合にかけて伸びる南海トラフは、M8〜9クラスの巨大地震を起こす。その危機は目前に迫っている。九州の火山にも危険な兆候がある。熊本地方地震で活発化した中央構造線の上にある阿蘇山、雲仙普賢岳も注意が必要だ。もはや、日本に安全な場所などない。研究者や専門家は警鐘を鳴らす。(2019/1/13)
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2019年01月06日

【今週の風考計】1.6─50年前の出来事から新たな気概を汲む!

あけましておめでとうございます。亥年の1年、どうなるかを考えるに、まずは温故知新を旨に、クロニクルを繰った。

50年前の1月16日、チェコスロバキアで、カレル大学の学生ヤン・パラフが、ソ連の軍事介入や「プラハの春」に象徴される改革の後退に抗議し、焼身自殺を図っている。
おなじ50年前の1月18 日、日本では全共闘に占拠・封鎖されていた東大・安田講堂に、機動隊が突入し封鎖解除、ついに東大闘争は潰えた。

一方、和平への動きも加速する。ベトナム戦争終結に向けた交渉が、50年前の1 月 25日からは、アメリカと北ベトナム両代表に加え、南ベトナム政府と南ベトナム解放民族戦線も加わり、4者による拡大和平会談となった。
この年1月20日に就任したニクソン大統領は、こうした状況の下でベトナムからの「名誉ある撤退」を決意した。その下地には「いちご白書」で有名なコロンビア大学の学生闘争のほか、フランス・イタリア・西ドイツ・日本などでのベトナム反戦のスチューデント・パワーがあったのは間違いない。

もう一度、日本にフォーカスしてみよう。50年前の1月6日、沖繩いのちを守る県民共闘会議が、米軍のB52撤去を要求して「2・4ゼネスト」を決定している。9日には国防会議が、自衛隊に配備する次期主力戦闘機F4E(ダグラス社)104機の国産化を決める。
15日、米ロッキード社は児玉誉士夫をトライスター売込みのコンサルタントとして5000万円で契約。7年後の1976年に「ロッキード事件」で明るみにでる。
なんと米国の戦争ビジネスに牛耳られる、今の日本の防衛予算の根源を見る思いだ。歴史に学び事実を明らかにし真実を追求する気概を新たにしている。(2019/1/6)
posted by JCJ at 12:08 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月30日

【今週の風考計】12.30─年末、本田靖春と大江千里に魅せられて

「除夜の鐘」が鳴る前に、後藤正治『拗ね者たらん─本田靖春 人と作品』(講談社)を読み終えた。小生には、戌年の掉尾を飾る感動の本となった。
ノンフィクション作家・後藤正治が類い稀な織職人となって、孤高のジャーナリスト本田靖春の名作を縦糸に並べ、横糸に彼の作品群を編集した伴走者や交友関係を選び、2004年12月4日に閉じる71年の生涯を、縦糸・横糸、縦横にあやつって丹念に織りあげた壮大なタペストリーだ。

本田は、日本が歩んできた「戦後の原液」への思いを胸に、「由緒正しい貧乏人」の目で、社会的事件や人物像の真実を掘り起こし、世に問うてきた。
「スクープ記者の陥穽」を描いた代表作『不当逮捕』の「あとがき」で、本田は、<戦いとったわけでもない「言論の自由」を、(中略)まるで固有の権利のように錯覚して、その血肉化を怠り、「第四権力」の特権に酔っている間に、「知る権利」は狭められて行ったのではなかったか─。>と書いている。

今年は没後14年になる。モリ・カケ問題から、公文書改ざんなど、国民の「知る権利」は、脅かされ続けている。彼の仕事は今でも噛みしめるに充分以上の意味を持っている。

さて最後は、9月5日発売の大江千里のジャズアルバム『Boys & Girls』(Sony Music Direct MHCL30535)も、おすすめである。今や彼も58歳、ニューヨークを拠点に、ジャズピアニストとして活躍、アーティスト活動は35周年を迎えた。あの鼈甲ブチ眼鏡をかけ黒い丸帽子をかぶって弾くピアノが、まるで歌ってでもいるように鳴る。
輝きを放つ新曲「A Serene Sky」や「Flowers」もいいが、やはり彼の代表曲「ありがとう」のジャズピアノに惚れる。末尾ながら、皆さん、よいお年をお迎えください。(2018/12/30)
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2018年12月23日

【今週の風考計】12.23─日本は「毒薬条項」を飲まされるのか

常軌を逸している<恐怖の男─トランプ大統領>は、ついに「毒薬条項」まで日本に飲ませる魂胆であるのが分かった。

年明け1月中旬にも交渉が始まる米日貿易協定(USJTA)では、まず日本製自動車の米国現地での生産増を確実にさせ、検疫の面から農産品に課す日本の高い輸入関税を削減させる。安倍首相は、しきりに「物品」をめぐる協定(TAG)だと強調したが、とんでもない。
通信やサービスから金融分野も含めた包括的な貿易協定の締結に引きずりこむ考えである。日銀の金融緩和為政策にも横やりを入れ、デフレ脱却が目的だとの説明を一蹴するかのように、為替政策への介入までもくろむ。これでは自国の金融政策すら支配されかねない。

恐ろしいのは中国を排除する貿易協定の締結を目指していることだ。9月末に妥結した「米国・メキシコ・カナダの3か国協定」には、中国との貿易協定の締結を難しくする「毒薬条項」が盛りこまれている。トランプ大統領は日米貿易交渉でも、同じように「毒薬条項」を組みこむよう要求する構えだ。
しかし日本は、中国も参加して「東アジア地域包括的経済連携(RCEP)」や「日中韓自由貿易協定(FTA)」を積極的に推進している。これにもトランプ政権は、圧力を加えてくるのは間違いない。いまや日本は通商外交のフリーハンドまで失われ、米中貿易戦争の挟み撃ちに遭う可能性が高くなってきた。

この1年、世界や日本が、トランプ大統領のゴリ押し外交に翻弄されてきた。この情けない事態は終わりにしなければならない。(2018/12/23)
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2018年12月16日

【今週の風考計】12.16─あの本が『日本ウィ紀』と言われる理由

★百田尚樹『日本国紀』(幻冬舎)が、幻冬舎25周年記念出版と銘打ち、11月12日、初版15万部で発売されるや否や、1か月ほどで、5刷、50万部の売れ行き。
★しかし、その記述のズサンさが明らかになり、騒動となっている。Wikipediaなどからの“コピペ疑惑”が、本文やコラムなどの記述に数多くみられ、剽窃ではないかと指摘されている。

★百田尚樹氏も「この本を書くのにね、山のように資料を揃えた。そのなかにはね、そりゃWikipediaもあるよ!」と開き直っている。出典も明示せず、剽窃する感覚には、みな呆れている。本のタイトルも、“日本ウィ紀”“日本コピペ紀”などに変えるべきだと、皮肉られている。
★本書の内容は、従来の保守派や右派の主張をちりばめて叙述したシロモノ。日本は太古からスゴイ民族で、これまでの侵略戦争も戦争犯罪も重大なことではなく、戦後の「東京裁判史観」は荒唐無稽であり、いまこそ素晴らしい日本人の精神を復活させるべきで、とりわけ憲法9条改正は急務である─との主張である。

★『日本国紀』の版元である幻冬舎の見城徹社長は、先日、亡くなった津川雅彦氏や「新潮45」に掲載した差別論文の執筆者・小川栄太郎氏、さらには櫻井よしこ氏などの右派文化人グループとして、百田尚樹氏とともに、有名な安倍応援団の一人であるのは、つとに知られている。11月25日のAbemaTV「徹の部屋」では、見城徹氏自らが百田尚樹氏、有本香氏と鼎談し、本書を絶賛している。
★幻冬舎は、剽窃とも疑われる本を出版しながら、増刷の際に修正や記述を変えたり、引用部分に「 」をつけたりして、ごまかしている。「もし修正したならば修正箇所を公開してほしい」とのフアンからの声には、どうこたえるのか。製造者責任が問われている。(2018/12/16)
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2018年12月09日

【今週の風考計】12.9─ダンプ22万台分の土砂を投げこむ非情

沖縄が緊迫している。政府は14日、辺野古に土砂を投入する。すでに名護市安和にある「琉球セメント」の桟橋から、埋め立て用土砂を運搬船に積みこみ、沖縄本島の北側を回って大浦湾に面する辺野古の最北護岸「K9」に停泊。
運搬船と陸上をつなぐランプウェー台船が用意され、重機を使って運搬船から土砂をダンプに移し替え、辺野古崎近くのキャンプ・シュワブ内にある資材置き場に運びこまれている。

さらにそこからダンプやブルドーザーを使い、南にある辺野古寄りの、護岸で囲われた6.3ヘクタールの海に投入される。必要な土砂の量は131万6500㎥、10トンダンプに換算すると22万台分。1日に運べるのは、せいぜいダンプ200台か。休日なしで運搬しても3年はかかる。
それが14日から延々と続く。待てよ! 辺野古新基地建設に要する埋め立て区域は、全体が160ヘクタール、今回の投入はわずか4%を埋め立てるに過ぎない。全部を埋め立てるとなると、必要な土砂は2100万㎥。

想像もできないような土砂が、瀬戸内海周辺地域からも運ばれ、サンゴ礁の映える青い<美ら海>に投げこまれる。しかも赤土による海の汚染だけでなく、アルゼンチン蟻など特定外来生物が運ばれてきて、その繁殖による沖縄の生態系破壊までが危惧されている。

さらに大浦湾側の埋め立て護岸C1〜3付近には、マヨネーズ並みの軟弱な地盤が深さ40mにわたって海底に堆積していることが分かり、政府は慌てている。地盤改良工事となれば、海底に基礎捨て石を敷き、その上にコンクリート製の箱、なんと長さ52m×幅22m×高24m、重さ7200トンを据える。
加えて大浦湾を北西から南東にかけて、V字滑走路の先端、C1護岸周辺を貫くように、「辺野古活断層」が見つかっている。泣き面に蜂とはこのことか。さらなる地盤改良工事費500億円、土砂調達費1千億円を加えると、総事業費2兆5500億円、普天間基地の代替施設として使えるようになるまでに最短でも13年かかる。

玉城デニー知事が「一日も早い普天間の危険除去が必要だが、辺野古移設では、さらに返還が遅れることが危惧される」と述べ、工事を停止し膨大な予算の投入から引き返すことを説いたのは当然だ。(2018/12/9)
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2018年12月02日

【今週の風考計】12.2─「Forest Light 01」中の<12・8>

年内最後の「Forest Light 01」が7日から始まる。日本の陸上自衛隊と米軍海兵隊との共同演習である。大分県・日出生台演習場を舞台に、米軍輸送機オスプレイとの連携を組み込んだ実働訓練には、陸上自衛隊750人・米海兵隊250人が参加する。
大分県は、沖縄の基地負担軽減のため、すでに13回も米海兵隊の実弾射撃訓練を受け入れている。さらに危険性の高いオスプレイの訓練を追加する事態に、住民の怒りや反対の行動が盛り上がっている。

何あろうこの日、77年目の「リメンバー・パールハーバー」。ハワイ・オアフ島・真珠湾のアリゾナ記念館では、犠牲者追悼式が行われている。ところが日出生台演習場では、日米両国が協働して戦争遂行の訓練をしている。真珠湾を襲った日本軍の空母6隻・艦載機399機への怨念はどうなったのか。

あろうことかトランプ大統領は「F35の大量購入」に感謝の言葉まで述べる事態だ。それもそのはず安倍政権は、すでに最新鋭ステルス戦闘機F35・42機の購入(6千億円)に加え、さらに100機も追加導入(総額1兆円)する。トランプ大統領は真珠湾の怨念どころか、「ディール」の成果に笑みがこぼれるのだろう。
また日本の護衛艦「いずも」(2.6万トン)を、艦載機が発着艦できるようにする空母への改造計画も進む。あの購入すると決めた最新鋭ステルス戦闘機F-35Bが、空母「いずも」に垂直離発着できる。攻撃能力を備えた戦闘機の離発着は、「自衛のための必要最小限度を超える」どころか、「専守防衛」から大きく逸脱する。

米国と日本が主導して、中国を包囲する「インド太平洋戦略」に向けた戦力増強に他ならない。アジア太平洋戦争の口火を切ることになった、<12・8>への痛恨の思いは、日米の為政者にはひとかけらもない。(2018/12/2)


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2018年11月18日

【今週の風考計】11.18─労働法制と「ひんここまつり」の温もり

これほどまでに働く人びとを粗略に扱う政権があっただろうか。国内の労働者であれ、外国人労働者であれ、安い賃金で使いまわし、人権や生存権を踏みにじって恥じない。

裁量労働制や高プロ制の導入など、「働き方改革」と宣うが、サービス残業は野放し、過労死・過労自殺はあとを絶たず、誰のための労働法制なのか。常に経営サイドに有利になるよう、雇用契約の打ち切りなど、自由に調整できるようにするのが狙いだ。
加えて労働力人口の減少を理由に、いま働く外国人労働者128万人に加えて、さらに5年後までに最大34万人を受け入れるという。彼らの社会保障や永住権への対策は、どうなっているのか。無策も極まる。<わが亡き後に洪水は来たれ!〉の安倍政権だ。

23日は勤労感謝の日。制定されて、ちょうど70年になる。「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」ことを趣旨としている。安倍さんは、どの顔して23日を迎えるのか。
瑞穂の国、たわわに実る稲穂の収穫を祝い感謝する祭りが、伊勢神宮での新嘗祭をはじめ、各地で行われる。お百姓さんと共に、地域の人々が土俗ゆたかに継承してきた祭りには、働くものたちが共有する温もりがある。

岐阜県美濃市の<大矢田神社ひんここまつり>も、その一つだ。500年前から続く五穀豊穣を祈る素朴な人形劇。舞台に登場するのは、籠に紙を貼って顔を書き、着物を着せた案山子のような人形の中に入って、棒を操り演技をする。
ストーリーは、麦まきをしている農民に襲い掛かった大蛇を、スサノオノミコトが退治するという内容。脇で奏でる、お囃子が「ヒンココ、チャイココ、チャイチャイホーイ」と響く。紅葉に色づく山の中腹に設けられた舞台を、見あげる首が痛かったのを思い出す。(2018/11/18)

posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月11日

【今週の風考計】11.11─51年目を迎えるASEAN への期待

シンガボールに熱い視線が注がれている。11日からASEAN(東南アジア諸国連合)首脳会議が開催されているからだ。発足してちょうど51年目、加盟10カ国の人口を合わせると6億人を超え、EU(28カ国)の5億人を上回る。
「アジアのバルカン」とも言われた東南アジアが、平和を守り人々の生活向上を成し遂げてきた、その成果は大きい。しかし中国が南シナ海に人工島を造成している問題で、隣接諸国は緊張の度合いが増している。とりわけ米中間での争いが激しくなれば、その余波はASEANにも及ぶ。

南シナ海の領有権争いに無関係なカンボジアやラオスは親中国の立場をとるが、ベトナムは中国に対して強硬だ。全会一致を原則とする以上、議長国シンガポールの意向を反映して、中国に一定の配慮をして紛争への懸念と国際法を重視する姿勢を打ち出す。
さらに厄介なのは、中国の経済圏構想「一帯一路」がもたらしている悪影響だ。中国からの巨額の借金で苦しむ国が続出している。今年の総選挙でマハティールが首相に復帰したマレーシアは、ついに兆円単位の債務を抱える鉄道建設の中止を決めた。あまりにも中国本位の借款事業への批判は強い。

15日からは東アジアサミットが、同地で開催される。ASEAN10カ国に加えて、日本、韓国、中国、インド、ロシア、豪州、米国などが参加する。その前日14日には安倍首相とプーチン大統領の首脳会談も組まれ、北方四島の帰属と平和条約締結に関する話し合いが行われる。だが、もっと大事なのは、米ロ中の顔色を伺う対応ではなく、東南アジアで果たすべき日本の主体的な役割の発揮である。

18日からは、ASEANに加盟申請しているパプアニューギニアのポートモレスビーで、APEC(アジア太平洋経済協力会議)が始まる。そこにも安倍首相は出席する。外国人労働者の導入・移民政策などに絡む重要法案はどうするの? 盟友・トランプ大統領は、自国の「移民問題」への対応で欠席だ。(2018/11/11)
posted by JCJ at 15:30 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年11月04日

【今週の風考計】11.4─「外国人受け入れ」に対する右派の困惑

★30年後には、日本の人口が15%減少する。安倍政権は、それに伴う国内の労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ拡大に舵を切った。
★そのため新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案を2日に閣議決定、今国会での成立を目指す。新たに「特定技能1号」は一定の日本語力と技能があれば5年間の在留を認める。さらに熟練した技能がある労働者は「特定技能2号」とし、家族の帯同と長期の在留を認める。定期的な審査を受ければ事実上の永住も可能になる。

★来年4月からの実施を目指す。まずは深刻な人手不足に悩む介護や農業、建設など14業種で受け入れる。「移民ではない」と強調するが、受け入れ人数に上限はない。2025年までに50万人の外国人労働者を受け入れる方針だ。
★とにかく安い賃金で働かせるのが本音なのだから、「外国人就労者の雇用が切れたり、違法残業が続いたりした時、抗議や暴動など治安が悪化しないか」、さらには「日本人労働者の給与が下げられ、待遇悪化につながりかねない」など、深刻な声が広がる。あまりにも“ご都合主義的な政策”ではないか。

★自民党内や安倍政権を支援する右派組織からも「中国やベトナムなど外国人が日本国内の労働力のカギを握り、日本侵略が進む」と、反対の論調に拍車がかかっている。現に極右団体は10・10「反移民デー」を設け、過激なデモ行動を展開している。

★肝心なのは、外国人労働者といえども、国籍などで差別されるのでなく、労働者としての権利、生活者としての人権が守られなければならない、それが保障されるか、この一点にかかっている。(2018/11/4)
posted by JCJ at 12:13 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月28日

【今週の風考計】10.28─ 牛丼380円と消費税10%の方程式

消費税10%への進軍ラッパが吹き鳴らされた。2%アップで年間5兆円を、来年10月以降、毎年ずっと国民から奪いとる“徴税作戦”である。
しかし、その作戦の必然性が、ちっとも明らかにされていない。これまで消費税率引上げ分は、「社会保障の充実にあて、財政再建に使う」としていたが、いつの間にか「教育負担の軽減・子育て層支援・介護人材の確保などにも充当させる」と、国民の切実な願いを“人質”にとって、消費税増税の理由付けと使い道の見直しまでする始末だ。

いまだに社会保障はよくなるどころか、負担増・給付減の改悪ばかりが進む。現に、社会保障費の自然増分を5年間で1.5兆円も削り、文教予算も3年連続で削減している。アベノミクスの破たんが現実となり、消費不況が続き、景気回復どころか株の下落から日本経済の失速までが言われだしている。消費税10%の導入は、これに拍車をかける壊滅的打撃となりかねない。

そこへ軽減税率の導入とくる。飲食料品・新聞は8%据え置きの案だ。まずわかりやすい例を挙げよう。スーパーに買い物にいって、総菜売り場に並ぶ牛丼を買って家に持ち帰れば、据え置き8%の消費税だが、レジ脇にあるイートインコーナーで食べれば10%の消費税がとられる。「吉野家」で牛丼を買い持ち帰れば8%の消費税、店内で食べれば10%の消費税がとられる。おかしくない?
蕎麦やピザの出前は8%据え置き、だが弁当の配達は会議室に並べると、配膳・ケータリングとなり10%! こんなバカみたいなマニュアルが国税庁で作られている。さらには中小小売店でクレジットを使った消費者に対しては「ポイント還元」だとか、あの評判の悪い「プレミアム商品券」の配布まで言われだしている。

かつ住宅や自動車などの耐久消費財についても、軽減措置を検討することになっている。もう何のための消費税だ。社会保障を支える財源は、能力に応じて負担する「応能負担の原則」に基くべきだ。(2018/10/28)
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2018年10月21日

【今週の風考計】10.21─海洋プラゴミ1億5千万トンが漂流!

21日からラムサール条約会議(COP13)が、アラブ首長国連邦のドバイで開催される。干潟や湿地を守るにしても、海辺や河岸に広がるプラゴミの山には辟易する。この70年ほどの間に、世界で製造されたプラ製品は85億トン、そのうち65億トンがゴミとして捨てられた。
毎年800万トンが、世界の海に流出し汚染を拡大している。現在、1億5千万トンの海洋プラゴミが浮遊している。プラゴミによる海洋汚染が深刻だ!

プラゴミの中でも、とりわけ問題なのが、破片5mm以下の「マイクロプラスチック」と呼ばれるゴミ。その2割が「人口芝」だというデータもある。これらの破片を、魚や鳥、イルカやクジラが飲み込み、体内に蓄積され摂食障害を起こして、餓死している例が世界中で報告されている。
いったん海に流れ出たプラゴミは回収が困難で、分解されずに200年以上も残存する。このままでいくと、2050年には世界の海洋プラゴミ重量が、魚の総重量を上回るといわれている。

プラゴミの総排出量のトップは中国だが、1人当たりに換算すると、その排出量は米国が1位、2位が日本となる。日本の2016年の排出量は320万トン。しかし日本には、未だに使い捨てプラスチックを国として規制する仕組みがない。
あまつさえ今年6月にカナダのG7サミットで採択された「海洋プラスチック憲章」に、日本とアメリカだけが署名を拒む体たらくだ。この憲章は、2030年までに全プラスチックをリサイクルするか代替可能なものに切り替えることを目指すという内容。拒むとは恥ずかしい限り。
EU 諸国は2020年に使い捨てプラスチックを禁止、世界の60カ国を超える国が規制を導入する。やっと日本も環境省が「2年後にレジ袋を有料化、30年までに使い捨てプラの25%削減」というガイドラインを提示したが、業界からの反発にさらされている。(2018/10/21)
posted by JCJ at 10:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年10月14日

【今週の風考計】10.14─異常気象と「羊のゲップ」とパリ協定

★今年の夏は異常だった。6〜7月にかけて北半球を熱波が襲い、世界各地で最高気温が塗り替えられた。日本では7月に観測史上41.1℃の最高を記録し、熱中症が続出した。カリフォルニアやポルトガル、そして北極圏までもが森林火災に襲われた。こうした世界に広がる異常気象は、地球温暖化に起因しているのは間違いない。

★「温暖化もたらす数千万頭のゲップ」と見出しのついた記事に驚かされた。何もとりあえず調べてみると、羊や牛のゲップには、二酸化炭素の25倍にあたる温室効果を高めるメタンガスが含まれ、一頭あたり1日500リットル吐き出すという。
★世界には牛・羊・ヤギなどの反芻動物が31億頭いるので、吐き出すメタンガスの総量は一日1兆5,500億リットル、東京ドーム1250個分に相当する。地球上の温室効果ガスの5%に当たる─こうした事実を学んだ。
★さらに糞尿が発する亜酸化窒素は、二酸化炭素の300倍もの温室効果を発揮し、オゾン層を破壊する原因になっている。オーストラリアやフランスでは、羊や牛のゲップを抑制する研究や対策に懸命である。栄養価の高い飼育肥料が、ゲップの頻発、メタンガスの発生を増進させているとの研究から、配合を変えるなどの対策が取られている。

★のんびり野山を歩き、牛や羊の反芻に見とれていたが、牛のゲップと地球温暖化の不思議なサイクルに、思いを新たにした。年末には「パリ協定」COP24が、ポーランドで開かれる。21世紀末までに温室効果ガスを実質ゼロにする画期的な協定だが、米国トランプ大統領の<脱退放言>は論外としても、他の国でもいかに実施していくか、その詳細な国際ルールが定まらない。
★ようやく日本も「パリ協定」COP24に提出する長期戦略「2050年温室効果ガス80%削減」に向けて議論が始まった。しかし世界に比べ、排出量取引や炭素税の導入など国内の実効力ある政策が、周回遅れである事実は歴然としている。(2018/10/14)

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2018年10月07日

【今週の風考計】10.7─呆れる安倍政権の「性暴力」への鈍感さ

「性暴力を戦争の武器として使うこと」は、10年前に戦争犯罪として禁じられている。だが、いまだに世界の紛争地では、レイプや性被害が後を絶たない。これが、もっともコストの安い「戦争の武器」だからである。

今年のノーベル平和賞が、戦時下の性暴力撲滅に取り組む、コンゴの婦人科医ムクウェゲさんとイラクのナディアさんに贈られた。ムクウェゲさんは、コンゴにパンジー病院を設立し、20年前の第2次コンゴ内戦以来続く、現地での戦乱によりレイプ被害にあった3万人の女性を治療し、その精神的ケアにも当たっている。
同時授賞が決まったイラクの少数派・ヤジド教徒である女性のムラドさんは、「イスラム国」ISに誘拐され性暴力を受けた。ムクウェゲさんと同じように、傷ついた被害女性のため、支援を続けている。また世界中に広がった性被害の告発運動「#MeToo」も、側面から貢献している。

こうしたグローバルな潮流に逆らうような言動が、安倍政権やそのチルドレン・応援組織から噴き出している。「新潮45」を実質的に廃刊に追い込んだ杉田水脈衆院議員も、“「#MeToo」運動はもう辞めよう” “セクハラと騒ぐのは魔女狩り”などと主張していた。この深刻な現実を直視しなければならない。
いま世界から称賛されているムクウェゲさん本人が、2年前に来日しているのを知った。そのさい彼は、「旧日本軍が行った従軍慰安婦問題を<戦時下の性暴力>として言及し、謝罪も含め国家の責任が問われる」と述べている。しかし、安倍首相は「慰安婦問題は朝日の誤報のせい」と開き直る始末だ。

かように性暴力や性被害を矮小化し、さらにはLGBTなど性的少数者への侮蔑、ヘイトスピーチ規制にも鈍感な態度など切りがない。都道府県では初めての東京都・人権尊重条例が、5日に採択された。これにも自民党は反対している。(2018/10/7)

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2018年09月30日

【今週の風考計】9.30─廃刊に追い込んだ2人の男の経歴と感覚

「新潮45」の実質的な廃刊には、大きな疑問がはらんでいる。まずは問題の引き金となった特集「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という企画の成立過程である。

提案は誰がしたのか、6人の編集部員はどんな議論をし、執筆者7人の選定をどう決めたのか、また編集長は企画を決定した後、執筆者の依頼や担当をどう編集者に振り分けたのか。
さらに担当重役には報告したのか、原稿を入手し一読したのちの対応はどうだったのか、執筆者への問いかけや原稿の手直しはお願いしなかったのか、校閲担当者はどう感じたのか、などなど常識上から見ても、湧く疑問や解明すべきテーマは数多い。

執筆者の一人、小川栄太郎氏の経歴や著作は、つとに知られている。右派だからと言って、ここに文字にするのもはばかれる内容の原稿を一読して、これはダメとは思わなかったのか。
「LGBTも私のような伝統保守主義者から言わせれば充分ふざけた概念だからである。満員電車に乗った時に女の匂いを嗅いだら手が自動的に動いてしまう、そういう痴漢症候群の男の困苦こそ極めて根深かろう。再犯を重ねるのはそれが制御不可能な脳由来の症状だという事を意味する。彼らの触る権利を社会は保障すべきでないのか」─痴漢という犯罪を容認しているのも同じだ。

この御仁、安倍首相<親衛隊>の一人。自著『徹底検証「森友・加計事件」―朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』(飛鳥新社刊)は、昨年末、自民党本部が約750万円使って5000部ほど“爆買い”してもらい、自民党所属の国会議員へ1冊、自民党・各都道府県連支部へ100冊ずつ送本された。挨拶状には《ご一読いただき、『森友・加計問題』が安倍総理と無関係であるという真相の普及、安倍総理への疑惑払拭にご尽力賜りたい》とある。
これだけではない。2012年発売の自著『約束の日 安倍晋三試論』(幻冬舎)は、安倍首相の資金管理団体・晋和会によって、総額700万円以上も購入されていた。

さて最後は学研「ムー」の編集部を経て、「新潮45」編集長となった、若杉良作氏の見解だ。新潮社の公式サイトに掲載された一文を、再掲載しておこう。
<編集長から LGBTを利用する野党
 今月号は、特集「『野党』百害」と特別企画「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」を柱に据えた。前者は主要野党議員の採点表みたいなものだが、当然ながら後者と絡み合ってくる。間もなく秋の臨時国会が始まる。「反安倍」なら道理の通らぬことでも持ち出す野党は、この騒動を奇貨として、杉田氏本人の追及や「LGBT差別解消法案」提出に意気込んでいる。
 杉田論文がいかに誤読され、どのように騒動が作られていったかは、この特別企画の七本の論考でよくわかる。うち二本はLGBT当事者からの寄稿だ。ひとりは元民主党参議院議員でゲイであることをカミングアウトした松浦大悟氏。その記事には、バッシングが一部の当事者とそれを利用しようとする者たちが煽ったものであることや、当事者が切実に欲しているものは何か、などが冷静に綴られている。そして野党のLGBT法案には重大な問題があるとも指摘するのだ。野党は決して当事者を代表しているわけではない。>(「波」2018年10月号より)(2018/9/30)

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2018年09月23日

【今週の風考計】9.23─日本列島に「鷹が舞い降りる」!この現実

◆ジャック・ヒギンズ『鷲は舞い降りた』ではないが、日本列島に<鷹(ミサゴ)が舞い降りる>。まず10月1日、米軍の特殊作戦機CV22オスプレイ(日本名:ミサゴ)5機が、東京・横田基地に舞い降りる。
◆この空軍仕様のCV22オスプレイは、敵地に潜入し人質を奪還するなど特殊作戦に従事する要員の運搬に使われる。日本への配備は初めてだ。沖縄・普天間基地には、米軍海兵隊仕様のMV22オスプレイ24機が配備されているが、このオスプレイと違って、CV22オスプレイは、夜間飛行や地形に沿って低く飛ぶ能力が強化されている。

◆横田基地での低空飛行訓練や小銃・重機関銃の射撃訓練が、繰り返されるのは必至だ。墜落の危険や騒音など、周辺の住民にはたまったものではない。すでに宮城県・王城寺原演習場まで、人口密集地帯の上空を飛ぶオスプレイが目撃されている。しかも横田基地には、6年後までに計10機・要員450人の増強配備が企てられている。

◆日本の自衛隊も負けていない。まず米国からオスプレイ17機をセットにして、総額3600億円で購入。1機あたり約220億円だ。これを佐賀空港へ配備する。かつオスプレイの着陸料として年5億円、20年間で計100億円を支払うというのだから呆れる。まずは購入した5機を、11月には木更津駐屯地に暫定配備する。
◆訓練は米軍と一体で、三沢対地射爆撃場(青森県)や陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)・北富士演習場(山梨県)へと、日本列島上空を飛びまわる。

◆昨年9月末の米軍海兵隊オスプレイMV22の重大事故率は、10万飛行時間あたり3.24という、過去最悪の数字である。米軍海兵隊が使う軍用機全体が起こした重大事故率2.72よりも高いのだ。この実態に目を背けて、どうして住民の安全・安心が守れるのだ。3選後の安倍政権、改憲より先にやることがあるだろう。(2018/9/23)

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2018年09月16日

【今週の風考計】9.16─「鶴彬を二度殺させてはならぬ」に共感!

<手と足をもいだ丸太にしてかへし>(鶴彬)─プロレタリア川柳の代表句である。そう田辺聖子さんは『川柳でんでん太鼓』(講談社文庫)で書いている。
鶴彬は治安維持法に問われて東京・野方署に拘留、そこで罹患した赤痢で1938年9月14日に29歳で死去。今年が没後80年となる。

さて1930年代の日本は、軍靴の音けたたましく、1931年9月18日、日本軍は中国の柳条湖で南満鉄線路を爆破。この柳条湖事件は自作自演というのが真相である。そうまでして満州事変の発端を作った。
そして、つい3年前の9月19日、自衛隊の海外での武力行使につながる「戦争法案」を国会で強行可決。この法案は多くの人びとが「違憲」とし、かつ一人ひとりが自分の「意見」を持ち、「異見」を聞くことも大切にするため、<9・19いけんの日>が、平和への思いを忘れない日として誕生した。大切な日である。

20日は自民党総裁選の投票日だ。国民の声には耳を傾けず、コップの中で9条改憲をわめいている。9条3項に自衛隊明記か、2項(戦力を持たない)削除か、どちらにせよ自衛隊を戦争に参加させたい本音は同じ。またまた「安倍一強」政権による改憲策動に拍車がかかる。
明けて21日は国際平和デーだ。世界で起きている戦争や敵対行為を停止する日である。その日はニューヨーク国連本部ビルの平和の鐘が鳴り響く。なんとこの平和の鐘、日本政府が国連に寄贈したものだ。鐘には「世界絶対平和万歳」と鋳込まれている。

おっとっと9条改憲! 真っ向から違反するじゃないか。核兵器完全禁止条約にも背をむけ、「日本を戦争する国」へもっていく。<鶴彬を二度殺させてはならぬ>(高鶴礼子)。(2018/9/16)
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2018年09月09日

【今週の風考計】9.9─今が旬!サンマと鯖≠巡る旨い話

7月8日に解禁された今年のサンマ漁は、8月下旬から9月にかけて漁獲が回復し、水揚げ量は前年同期比140%となった。魚体は脂のノリがよく、去年より10gも重い。
水揚げ回復のおかげで、新サンマ1匹100円の店も現れている。財布を気にせず、秋の味覚が堪能できてうれしい。

有名な「目黒のさんま祭り」は、9日には目黒駅東口で、岩手県宮古漁港のさんまが、16日には西側「田道広場公園」で、宮城県気仙沼漁港のさんまが、それぞれ焼かれ、スダチや大根おろしを添えて、無料で振る舞われる。

青魚のもう一つの代表、鯖にも目を向けたい。サバ缶の人気が急上昇している。国産の大型サバを使う高級ブランド缶詰は、売り上げが前年比150%の伸びを示すという。
サバなどの青魚にはビタミンB12やビタミンD、DHAなどが多く含まれている。健康志向の流れにマッチし、安く購入できて、簡単レシピで美味しく食べられる重宝さが受け、筆者も酒のアテに充てている。

鯖と言えば、神奈川県・三浦観音の先にある地魚店で食べた「松輪サバ」の旨さが忘れられない。今頃から冬にかけて、三浦沖で一本釣りされた鯖は、胴体から尾にかけて黄色い筋が入り、肉づきが良く脂がのっている。炙りと〆のどちらもいける。

つい最近、赤松利市『鯖』(徳間書店)を読み終えたばかり。本書に出てくる「寒鯖のヘシコ」もいい。塩漬けした鯖の半身を、さらに米ヌカや麹・魚汁を入れた木桶で、1年以上も熟成発酵させた、若狭地方や丹後半島の伝統ある保存食である。炙っても切り身でも旨い。さて一気読みした本書、対馬海流に洗われる日本海の孤島を拠点に、鯖の一本釣りに狂奔する荒くれ漁師たちの破天荒な生き様を描いたノアールだ。(2018/9/9)
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2018年09月02日

【今週の風考計】9.2─沖縄はこの国の<民主主義のカナリア>

■8日ナンの日、安保の日、忘れちゃいけない大事な日─今から67年前、1951年9月8日、敗戦国・日本は連合国とサンフランシスコ講和条約を結び日米安保条約に調印した。
■だがそれは対米従属にひた走るスタートの日であった。多くの米軍基地と施設がそのまま残留・存続し、とりわけ沖縄には、日本に復帰した1972年以降も、日本にある米軍基地・専用施設面積の約70%を集中させたままだ。

■「普天間が危険だから、辺野古へ移設だ、危険除去のためには沖縄が負担しろ」これを言っちゃお終いよ。なぜ米国に米軍基地を撤去せよといわないのか。日米地位協定の見直しを提言しないのか。
■それどころか政権は沖縄復興費の支給額を、時の沖縄県知事の基地に対する姿勢で増やしたり減らしたり、傲慢な政治手法を使い「沖縄県民の民意や自己決定権」を踏みにじって恥じない。

■沖縄県が辺野古埋め立ての承認撤回に踏み切ったのは、安倍一強政権が続ける問答無用の「国策」への、痛烈な叛旗である。
■沖縄県民の自由・平等・人権への願いを、本土の私たちが汲みあげねば、「日本の政治の堕落」に加担するのも同じだ。まさに「沖縄はこの国の<民主主義のカナリア>である」(前泊博盛・沖縄国際大学教授)。

■8日から9日にかけて東京・代々木公園では、日中平和友好条約 40 周年を記念するチャイナフェスティバル2018が開催される。9日は朝鮮民主主義人民共和国が誕生して70周年。17日は<日朝ピョンヤン宣言>から16年を迎える。東北アジアの平和友好を視野に入れれば、もう沖縄に米軍基地はいらない。(2018/9/2)

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