2018年02月18日

【今週の風考計】2.18─幕山ハイクと羽生の金メダルと3・11

友達6人と湯河原梅林を見ながら、幕山ハイクを楽しんだ。快晴の空に浮かぶ梅4千本。「紅千鳥」や「白加賀」などの梅が、香りを漂わせながら、もう一杯に赤や白の花弁を広げて咲きほこる。

梅の散策路を過ぎ登山道に入ると、きつい傾斜の木の階段が続く。つづら折りに伸びる山道に、ハーハー息が出る。五郎神社とある標識を超え、しばらく行くと大きな岩に出会う。その平らな面に、「追悼 2011年3月11日 東日本大地震 落石」と記されている。7年目の3・11が近いと思いながら、岩のわきを抜ける。
パッと展望が開ける。眼下に湯河原の街、春霞にけぶる相模灘、初島、ぼんやり大島まで見える。さらに登る。やっと標高625mの頂上。真鶴半島が真下に突き出ている。おにぎりの旨いこと。

帰りは一瀉千里、転ばぬようバランスを保つのが精いっぱい。湯河原駅近くの湯場で汗を流す。その湯上りロビーにあるテレビが、羽生結弦選手の快挙を映している。ソチ五輪に続き、平昌五輪でも金メダル獲得、66年ぶりの連覇だ。数々の試練を乗り越え、今や伝説のスケーターになった。
2011年3月11日、彼は東北高校1年・16歳の時、東日本大震災に遭遇した。被災した自分の家族の苦労と合わせ、「ガスや、電気、水道も止まって大変でした。それ以上に、苦しんだ人たちがたくさんいて、特に津波、原発事故の被害にあった地に行って思った」と、多くの被災者への思いも口にしている。ジーンと胸が熱くなった。(2018/2/18)
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2018年02月11日

【今週の風考計】2.11─籠池夫妻を6カ月も拘留する不可解な理由

■「マンデラ・ルール」とは? 監獄に収容された人たちへの拷問や非人道的な取り扱いを禁じ、定期的に家族や友人との連絡を保障する国際基準である。不条理で苛酷な27年もの長期投獄に屈せず、南アフリカ大統領となった故ネルソン・マンデラさんを讃えて名づけられたという。

■参議院議員の山本太郎さんが、このルールを国会質問で取りあげ、安倍首相に迫る内容が喝采を浴び、広く知られるようになった。「籠池氏と奥様は半年以上にもわたり独房で長期間拘束。総理ご自身が口封じのために長期拘留を指示したなんてありませんよね?」という質問だ。
■これまで安倍首相が「この籠池さん、真っ赤な嘘、嘘八百ではありませんか」と誹謗し、「詐欺を働く人物」とこき下ろす、あの森友学園の前理事長・籠池泰典さんと妻の諄子さんの事態が深刻なのだ。夫妻の勾留が、なんと6カ月に及んでいる。

■検察は証拠品を押収し関係者の聴取を終えたが、完全黙秘を続けている以上、さらに証拠隠滅の恐れがあるという理由で、起訴後も拘留を続けている。いま大阪拘置所に収監されている籠池泰典さんは、窓のない新館の独居房に入れられ、諄子さんは窓はあってもエアコンがない旧館に収容されている。家族との接見もできない。まさに「マンデラ・ルール」に違反しているではないか。
■ひるがえって、森友への国有地売却の橋渡し役を務めたとされる昭恵夫人は平然と海外を経めぐる。しかも音声データがあるにもかかわらず、「私こそ真実を知りたい」と言いつくろい、偽証罪に問われかねない証人喚問に応じない。

■財務省は破棄したはずの資料を、1年近くたってポロりポロりと出してくる。佐川宣寿・前理財局長の国会出席に踏み切り、累を昭恵夫人に及ばさないための戦術との声も挙がる。国民を馬鹿にするな。(2018/2/11)
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2018年02月04日

【今週の風考計】2.4─「使える核」を高く評価する日本政府の感覚

「炎と怒り」に駆られたトランプ大統領は、<脱オバマ>なら何でもあり、ついには「核なき世界」を目指すオバマ宣言まで廃棄した。
「柔軟な核オプションを拡大する」ために、敵国の重要施設を、ピンポイント攻撃できる態勢づくりに向け、使いやすい核の開発に全力を挙げるというのだ。

長崎に投下した原爆の爆発力を、ほぼ4分の1に抑えた小型核弾頭を開発し、水上艦・潜水艦を問わず、搭載した弾道ミサイルに装着する企てだ。核兵器を使う基準についても「国民やインフラ、核施設などへの通常兵器による重大かつ戦略的な攻撃も含まれる」と記し、核が使える機会を拡大させた。
この約20年で世界が保有の核弾頭7万発を、1.5万発まで削減してきた。にもかかわらず「核弾頭を格納庫から運び出し、改良を加え最新モデルにして使う」とは。ICANがノーベル平和賞を受賞するほど、核兵器廃絶の流れは世界に広がる。それに逆らう蛮行そのもの。

驚くのは世界で唯一の戦争核による被爆国・日本政府の態度だ。事前に米国から説明を受けるや、世界のトップを切って「高く評価する」とは、なにごとだ。被爆者・平和団体は「悪魔に魂を売り渡した」と、怒りの声を挙げている。「トランプ大統領は核被害に無知・無関心だ。広島・長崎に来て被爆者の話を聞き、核の恐ろしさを実感すべきだ」と話す。

先月末、人類が滅亡する「地球最後の日」へ残り2分、30秒早める宣告が出された。午前0時と定めた「終末時計」の残り時間は、どんどん短くなり、過去最短となっている。さらにトランプと日本が早めたのは間違いない。(2018/2/4)

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2018年01月28日

【今週の風考計】1.28─不正流出580億が示すズサン管理の実態

「やばいよ、やばいよ」─お笑い芸人の出川哲朗さんも真っ青。年末から「コインチェック」のCMに出演していたからたまらない。持ちネタが現実になってしまったのだ。
「コインチェック」が扱う、仮想通貨<NEM>がハッキングされ、580億円が不正流出した。その原因は、インターネットから隔離して管理する「コールドウォレット」が施されておらず、さらに秘密鍵を複数に分割して別々に管理する「マルチシグ」も使わず、信じられないほどの、セキュリティ保全のズサンによる「やばい」ものだった。

盗まれた<NEM>を追跡捜査しつつ、当面、保有者26万人に日本円で返済するというが、加熱する仮想通貨市場へ冷や水を浴びせた。ビットコインやリップル、イーサリアムなど他の仮想通貨も値下がりし、商品やサービスの決済にも影響が広がっている。
3年前に約480億円分の仮想通貨を消失させた、日本のマウントゴックスは経営が破綻。金融庁も仮想通貨取引所への管理監督を強化し、野放図な開設をストップさせるべきだ。中央銀行の保証がない仮想通貨の取引を禁止、法規制する国や地域も出てきている。

昨年、世界中でランサムウェアやサイバー攻撃による大規模な情報漏えいが起きた。また日本ではマイナンバーに基づく情報管理がいい加減との指摘もある。高い情報セキュリティを確保したシステムの構築が急がれる。
個人・組織を問わず、さまざまな狙いや意図をもって、情報のハッキングやサイバー攻撃にさらされる危険は募る。くしくも2月2日は「情報セキュリティの日」、まず金融庁は肝に銘じよ。(2018/1/28)
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2018年01月21日

【今週の風考計】1.21─「もり・かけ・スパ」三点セットで追求を

▼150日に及ぶ通常国会が始まる。政府は過去最大の総額97兆7千億をこえる予算案をトップに、「残業代ゼロ法案」にも等しい「働き方改革」関連法案を含め、64本の法案成立をもくろむ。
▼9条つぶしの改憲にも拍車がかかる。2月中旬には憲法審査会での議論を始め、年内にも国会発議を目指す方針だ。バラバラと揶揄される野党も、国会審議では足並みそろえ、法案の狙いを明らかにし、国民の負託に応えてほしい。

▼ここにきて急浮上しているスパコン疑惑への解明も、疎かにしてはならない。経産省からの助成金4億円の詐欺で逮捕されたベンチャー企業の斎藤元章社長は、安倍政権の有識者会議の委員を務めていた経歴がある。かつ自社の顧問に月額200万円払って就任していたのが、あの安倍政権と近い元TBS記者の山口敬之氏というから、問題の根は深い。
▼また山口氏の生活拠点である永田町・キャピトルホテル東急にある一室への賃貸料(月額70万円ほど)も負担していたという。山口氏といえば、伊藤詩織さんレイプ事件で訴えられた立場にある人。
▼かつ斎藤氏と共同で立ち上げた財団法人「日本シンギュラリティ財団」は、その事務所の土地家屋の所有者の住所が、山口氏の実家と同じ住所だという。また山口氏は斎藤氏のセミナーにも参加して、彼の実績をほめあげる仲だ。これほどまでの蜜月は何故?

▼「もりそば・かけそばだけでなく、スパゲッティまで出てきた」と、立憲民主党の辻元清美国対委員長は言う。森友学園・加計学園問題に続く疑惑に発展しうる、重要なテーマだ。「もり・かけ・スパ」疑惑の三点セットで追及してほしい。(2018/1/21)


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2018年01月14日

【今週の風考計】1.14─トランプ大統領が、ほんとに「やばい」。

20日に就任1年を迎える米国のトランプ大統領─今なお品格が問われる、呆れた事態が続く。移民政策をめぐり「野外便所のような国の人々を、なぜ米国に受け入れるのか」と発言。
度し難い人種差別の発言に、メキシコのビセンテ・フォックス元大統領は、「トランプの口は世界一汚いケツの穴だ」とツイートした。

さらには以前に性的関係を持ったポルノ女優に対し、「個人的な弁護士を通じ13万ドル(約1443万円)の口止め料を、投票日を控えた昨年10月に支払っていた」とまで暴露される始末。
マイケル・ウォルフ『炎と怒り:トランプ政権の内幕』も、いかにトランプが「無知」で「臆病」かに始まり、トランプ一族と側近たちの確執、「ロシア疑惑」の真相、髪型の秘密までが赤裸々に記され、1月5日の発売から1週間で100万部を超えたという。邦訳版は早川書房から2月に刊行される。

こうした人物が権力を握る米国政権は、オバマ前政権の「核なき世界」という方針を大転換し、核兵器の役割を拡大させ、海洋発射型の核巡航ミサイルを新たに開発し、艦船への配備を計画している。通常兵器に反撃する場合でも核の使用は排除しない方針だという。ノーベル賞を受賞したICANのベアトリス・フィン事務局長は「核兵器が使われる危険性の高い状態」と批判する。

品格の疑われる権力者が<核のボタン>を握っている怖さが身に迫る。現にハワイでは、弾道ミサイル飛来との緊急警報に避難の大騒ぎ。なんとボタンの押し間違いによる誤報!
新しい広辞苑の発売広告にあるコピーじゃないが、まさに「やばい」。そんな米国本土に、初めて日本で生産された最新鋭ステルス戦闘機F35Aを運び、点検確認を受け、航空自衛隊に42機配備する段取り。この配備も米国の<核の傘>を補完するため。ほんとに「やばい」。(2018/1/14)
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2018年01月07日

【今週の風考計】1.7─年始の早々から気がかりな三つの動静

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。さて、年始の1週間、気になって気になって、しまいに腹が立ってきた三つの動静を挙げておきたい。

まずは安倍首相の日々だ。渋谷・富ケ谷に豪邸がありながら、昭恵夫人ともども都心の高級ホテルに連泊しゴルフ三昧、そして昼となく夜となく3つ星クラスの料理店で贅沢な食事。これらの費用は税金から? 昭恵夫人は自宅で朝の味噌汁など作らないのか? もしや森永ビスケットで済ませてしまうのか? 私たち庶民には、すぐに浮かぶ素朴な疑問だ。

二つは、9日に開催される韓国と北朝鮮との高官級会談に対する日本政府の態度である。2年ぶりの対話による南北関係の改善は、北朝鮮の非核化に向けた環境づくりに役立つのは間違いない。大歓迎だ。
だが政府は南北会談を歓迎し成功を祈るどころか、北朝鮮の脅威を「国難」と煽り、制裁・圧力に血道をあげるだけ。北朝鮮にミサイル核の放棄を求めるのなら、まず国連で可決された核兵器禁止条約に賛成するのが先だろう。戦争核による唯一の被爆国・日本が、いまだに反対し続ける態度に、ブーイングの声は世界中に広がっている。
あまつさえ、安倍首相は12日から東欧6カ国を訪問し、「北朝鮮への制裁・圧力強化に向け緊密な連携を強化したい」と意欲マンマンだ。

三つには原発への態度だ。「原発輸出」に拍車をかけ、担う民間企業には、巨額な銀行融資が可能となるよう、政府保証まで与えて厚遇する。10日には小泉・細川元首相らが、脱原発運動を積みあげてきた成果を踏まえ、「原発ゼロ・自然エネルギー基本法案」を発表する。22日に召集の通常国会に提出するという。世界から拍手や歓迎の声が挙がるだろう。安倍首相、少しは煎じて飲んだらよい。(2018/1/7)
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2017年12月31日

【今週の風考計】12.31─ウオッチ・ドッグとして歩んでいきたい

ゆく年くる年、酉が飛び立ち、戌が走ってくる─使い納めとなる年賀52円はがきに、「9条が正念場、懐憲ストップ! 力を合わせよう」と認め、投函する。

このほど組まれた防衛予算を見れば、背筋が寒くなる。なんと5兆2千億、6年連続の増額、過去最高となる。弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の導入だけではない。射程千キロに及ぶ巡航ミサイルを、ステルス戦闘機に搭載するシステムの予算化まで図る。
加えて護衛艦<いずも>を「攻撃型空母」へ改修する計画だ。空母化すれば米軍のステルス戦闘機F35Bが垂直のまま離着陸できる。まさに「専守防衛」どころか「敵基地攻撃能力」を持つ兵器の導入と活用のオンパレードじゃないか。憲法9条2項「戦力の不保持」を踏みにじる“戦争予算”と言っても過言ではない。

政官歩調を合わせ、南スーダンPKO部隊に派遣された自衛隊の「日報隠し」に始まり、<モリ・カケ>疑惑にはフタをし、「ご意向や忖度」にキュウキュウとする。国会では「共謀罪」法を強行可決し、準備・計画・未遂の行為まで処罰する。政治権力にとって、目障りな人々や組織を監視・処罰する法律に一変するのは必定だ。
あらためてJCJは、「忠犬ポチでなく、ウオッチ・ドッグ」に徹したい。しかも市井に暮らす人びとの心に寄り添い、危険を嗅ぎとったら鋭く吠える役目を果たしたい。

お年玉は、初読みにおすすめの一冊、ボストン・テラン『その犬の歩むところ』(文春文庫)をあげよう。犬も人間も等しく翻弄され過酷な目に遭うが、互いに助け合いながら逆境を克服していく感動の物語だ。(2017/12/31)
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2017年12月24日

【今週の風考計】12.24─心残りの<'17読書回顧─おすすめ3冊>

わが機関紙「ジャーナリスト」<書評欄>を担当して10年。今年も掲載できなかった良書は数多い。とりわけ小説や境界領域の本は採用できず、無念の思いがよぎる。

濯ぐ意味もこめ<おすすめ3冊>を挙げておきたい。まずは文藝賞を受賞した若竹千佐子さんの小説「おらおらでひとりいぐも」。東京新聞「本音のコラム」で斉藤美奈子さんの紹介エッセイを記憶し、河出書房新社から刊行されるのを待って購読した。
夫をなくした悲しみを超え、残りの人生は自分なりに生きようと、新たな「老いの境地」を描く。遠野地方の口承文芸にも通じる会話文と地の文章が重なり合う叙述に圧倒された。

実は、このタイトルが、宮沢賢治「永訣の朝」にある<Ora Orade Shitori egumo>に由来しているのを知った。以来、宮沢賢治の詩集を引っ張り出して読み直し。続けて『銀河鉄道の夜』も再読。
そんなところへ門井慶喜『銀河鉄道の父』(講談社)が目に留まり一気読み。人間・宮沢賢治を、父・政次郎の視点から、その家族と紡いだ日常生活を通して描き出す。これまで政次郎について書かれた本は一冊もない。著者がコツコツと調べ続けて完成させた、賢治一家の再発見となる稀有な物語である。

最後は伊沢正名『葉っぱのぐそをはじめよう』(山と渓谷社)。ノグソを続けて43年、「糞土思想」が地球を救うと述べる著者は、ノグソは人が自然と共生する最良の方法だという。その熱い想いが80種以上の葉っぱのカラー写真と共鳴して響き合う。
山に行けば<お花を摘みに行ったり、雉撃ちに行く>のはよくある事。また『うんこ漢字ドリル』(文響社)が累計281万部の時代、決してビロウな本だと忌避してはならない。(2017/12/24)

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2017年12月17日

【今週の風考計】12.17─いま<第九>が担わされた運命を考える

◆今日はベートーベンの誕生日。1770年12月17日ボンで生まれ、1827年3月26日ウィーンで死去。没後190年を迎える。あの<第九>は、ほぼ耳が聞こえなくなった54歳のときに作曲された。
◆日本では年末になると、<第九>の第4楽章「歓喜の歌」が、よく演奏される。欧米では祝典や歴史的な行事の際に演奏され、年末は関係ない。第二次世界大戦後の1951年7月29日、フルトヴェングラーがバイロイト音楽祭で指揮した記念碑的演奏は、今でもLPやCDのロングセラーになり、筆者も愛聴している。

◆なぜ日本では年末恒例となったのか。それは1943年、東京音楽学校(現在の東京芸術大学)の上野奏楽堂で行われた、12月の学徒壮行音楽会での<第九>演奏といわれる。学徒出陣のため12月に卒業繰り上げとなった学生たちを激励するためであった。戦後も1947年12月30日には、同じ場所で戦没学徒兵を追悼する演奏会を行っている。

◆「レコード芸術」12月号で、等松春夫氏が「大日本帝国と≪第九≫」と題して、時の政局との関係を紹介している。皇紀は2600年の昭和15年(1940年)、大政翼賛会が設立され、愛国精神の高揚を図る数々の大イベントの締めくくりとして、大晦日の午後10時半、ローゼンシュトック指揮・新交響楽団(NHK交響楽団の前身)がスタジオから実況放送をしている。
◆そして「戦時下の3年8カ月の間に<第九>の演奏は全国各地で22回にも上り、多くの青年たちが『歓喜に寄せて』に送られて戦地へ向かい、そして還らなかった。…大日本帝国にとって、<第九>とは『マルスに招かれたミューズ』だったのであろうか。」と結ぶ。

◆いま国会では、まさにローマ神話の軍神「マルス」が徘徊しているだけに、うかうかしてはいられない。(2017/12/17)
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2017年12月10日

【今週の風考計】12.10─福島・原発事故が残す尽きない危険!

6年9カ月前、福島第一原発3号機は核爆発を起こし、最大で毎時2千ミリ・シーベルトの放射線量を放出、甚大な被害をもたらした。
いま廃墟となった原子炉建屋内にある貯蔵プールから、使用済み核燃料566本を、来年6月ごろには取り出せるよう準備が進んでいる。ドーム型の屋根が設置され、収納容器を吊り上げ地上までおろすクレーンは長さ約17m・重さ約90トンに及ぶ。

しかし、取り出したはいいが、どこで処理するのか、何も決まっていない。1号機・2号機の使用済み核燃料の取り出しに至っては、「2023年度を目途」にというだけ。タービン建屋内の復水器にたまった高濃度汚染水の抜き取りも、やっと18日に終える。その汚染水の合計1700トン、セシウム137濃度は5億ベクレル/ℓという。貯蔵するタンク850基はもう満杯。しかもそのうち約730基が、あの製品データ改ざん事件を起こした神戸製鋼の部品が使われている。漏れださないとも限らない。

原発事故による汚染など、福島県内の指定廃棄物は17万2千トン。それを埋める最終処分場が富岡町に設けられ、搬入が始まった。今後、6年かけてこの最終処分場に集約される。ただし、県内の除染で出た汚染土や10万ベクレル/sを超える廃棄物については、10月に稼働したコンクリート構造の中間貯蔵施設(双葉町・大熊町)に、最長30年間、保管される。
その後、県外で最終処分する方針だが、具体策は決まっていない。なし崩しに福島県外7県の汚染土47万㎥が持ち込まれてしまうのではないかと、住民の不安は尽きない。(2017/12/10)
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2017年12月03日

【今週の風考計】12.3─「日本維新の会」と<加計マネー>疑惑

「日本維新の会」の足立康史衆院議員は、11月30日の衆院憲法審査会で、またまた朝日新聞を名指しして「捏造、誤報、偏向のオンパレード」と、何ら具体的な根拠も示さず、誹謗中傷きわまる暴言を吐いた。さらに憲法改正国民投票について、「最近のマスメディアの偏向ぶりを見るにつけ、マスメディアを正すか、信頼度を引き下げることに取り組むことが、国民投票に必要な環境整備だ」とまで述べた。

足立議員は11月12日、朝日新聞の<加計問題>に関連する社説を巡って、ツイッターに「朝日新聞、死ね。」と投稿した御仁。10月23日投票の衆院選で小選挙区では落選したが比例復活して現在3期目。元通産・経産官僚。国会の場でも、加計疑惑を追及する立憲民主党など3党の議員の名前を挙げ、あっせん収賄罪に該当する「犯罪者」とまで発言、謝罪に追い込まれた。

ここにきて、足立議員が所属する「日本維新の会」に、<加計マネー>疑惑が浮上してきた。加計学園の加計孝太郎理事長と息子で副理事長の加計役氏から、片山虎之助・共同代表に政治献金がなされていた事実が、日刊ゲンダイの調べで発覚した。
なるほど、それで「日本維新の会」の各議員は、国会で<加計問題>を追及しないのか。納得。加計学園が運営する岡山理科大学獣医学部は、愛媛県今治市から37億円の土地を無償譲渡され、その上に県と市から96億の建設補助金まで得て開設される。この財源はすべて税金だ。もし経営破綻したら責任は誰がとるのか。

「認可したから終わり」では済まない。加計理事長以下、関係者を全員、国会に呼んで、徹底して国家戦略特区諮問会議の真相を解明すべきだ。(2017/12/3)
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2017年11月26日

【今週の風考計】11.26─DVと性暴力による被害救済へ法改正を

◆1960年11月25日、ドミニカ独裁政権と闘ったミラバル姉妹が殺害された。その日を「女性に対する暴力撤廃の国際デー」と定め、12月10日の「世界人権デー」まで、16日間、世界中でキャンペーンが張られている。

◆さて日本での女性に対する暴力の実態はどうか。日本では3日に1人、妻が夫によって殺され、成人女性の3人に1人がドメスティックバイオレンス(DV)被害を体験しているといわれる。現に、昨年1年間のDVは6万9908件(10.7%増)と最多を更新し、13年連続の増加である。

◆だが、DV被害から逃れるための一時保護所・シェルターへの入所率は33県が40%未満、秋田県は入所率が5.8%と全国で最も低い。「夫の暴力で骨折させられても一時保護所に入れなかった」との証言が複数ある。
◆さらに首を絞められた痕や殴られた痕がある女性は入所しやすいが、精神的に追い詰められるモラルハラスメントなどは、見た目では分からないので、相談員の判断任せ。かつ相談員の「生活保護や児童扶養手当のために偽装離婚したいんでしょう」といった、心ない言葉に深く傷つくケースも多くある。
◆若い世代での「デートDV」も深刻だ。10代カップルの3組に1組で起きている。ストーカー被害は2万2737件、4年連続で2万件を超え前年比3.5%増だ。

◆安倍政権は「すべての女性が輝く社会」をうたうが、日本は国際社会から「女、子どもが家の中で殺される危険の高い社会」だと批判され、DV加害者を処罰するよう法律の改正が求められている。DV防止法が制定されて16年、我が国はDVと性暴力による被害救済の面で、国際的にも最後進国となっている。(2017/11/26)
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2017年11月19日

【今週の風考計】11.19─世界から日本へ、218もの人権改善勧告

国連の人権理事会が、日本の人権状況に関して、約5年ぶり3回目の定期審査を行った。このほど世界106カ国から出された218の勧告が報告書にまとめられた。多かったのが人種や男女差別、性や地域少数者への差別をなくす取り組みへの勧告だった。

特筆すべきは、沖縄の人々の人権や社会権の保障を促す勧告が、初めて盛り込まれたことである。翁長・沖縄県知事が国連で訴えた「基地押し付けの構造的差別や人権侵害」、また山城博治議長の長期拘束への異常さなど、世界が認識したからである。
慰安婦問題では中国や韓国などから「深く謝罪し、被害者に補償せよ」との勧告が出されている。福島第一原発事故に関連して、被災者の命を守る措置を拡大し、子どもが放射線被ばくによって受ける被害の大きさについて、正確な情報を学校教材に記載するよう求めている。

メディアに関連するテーマでは、「報道の自由」が萎縮しないよう、特定秘密保護法の法改正などを求める勧告、また政府によるメディア規制が、放送法4条を恣意的に使って、進められていることが批判され、この放送法第4条の「廃止」とともに、独立した第三者による監督機関の設立を求める提起が米国から出された。
いまやテレビでは安倍政権を代弁するかのようなコメンテーターばかりが重宝され、放送メディアは完全に腰砕け。政権が何も言わなくとも勝手に忖度し、自主規制に走るという体制が完成してしまっている。公権力のウォッチ・ドッグ=監視役としての「報道の自由」が阻害されている。

これらの勧告に、どう日本政府は対応するのか。受け入れるのか否か、来年3月までに態度表明しなければならない。またも木で鼻をくくったような弁明を繰り返せば、物笑いの種になるだけ。(2017/11/19)
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2017年11月12日

【今週の風考計】11.12─国民の血税を勝手にプレゼントするな!

「税を考える週間」があるとは知らなかった。国税庁は11日から17日までキャンペーンを張る。アクセスしてみると<租税の意義、役割や税務行政の現状について、より深く理解し…、自発的かつ適正に納税義務を履行していただく…>とある。

ちょっと待てよ。確か国税庁トップは、あの佐川宣寿さんではなかったか。国会で「森友問題」をめぐり厳しく追及された財務省理財局長、ご当人である。「森友」への国有地払い下げに関し、「書類や記録は廃棄済み、電子データも復元できない」と公言し続けてきた。
その御仁が栄転し、国税庁長官に就いている。記者会見も開かず、国民に謝罪するどころか、自分は書類を廃棄しておいて、納税者には書類は隠すな!では、誰がまじめに「納税義務を履行して」いけるか。

このほど会計検査院は「森友」への国有地払い下げ6億円の値引きは、過大であったと指摘した。値引きした6億円の損失を血税で穴埋め!冗談じゃない。
安倍首相も同じ穴のムジナだといいたい。トランプ大統領の娘イバンカさんが来日するやいなや、「イバンカ基金に約57億円拠出する」とブチあげた。自分の財布でもないのに、「国民の血税」を使って、勝手にプレゼントする。「いい加減にしてくれ」との声が広がる。

さらに「米国から導入するF35Aや新型迎撃ミサイルに加え、イージス艦の量・質も拡充したいので、さらに武器購入を増やしていく」と、シンゾーはドナルドに尻尾を振る。霞が関も永田町も国民の血税を、なんと心得る!(2017/11/12)
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2017年11月05日

【今週の風考計】11.5─読書しない高校生へ、この漫画は逃すな!

▼「読書週間」が始まっている。70回目を迎える。だが電車の中はスマホばかり。全員が指操作に夢中の車両もマレではない。▼高校生が本を読まない割合は57.1%、5人中3人が本をまったく読まない事態だ。読書時間が世界1位のインドでは週10.7時間、日本はその半分以下の週4.1時間である。もはや読書習慣すらない。

▼出版界の現状にも反映する。今年の出版物の販売金額は1兆4千億円前後と予測される。 1996年のピーク時の2兆6563億円に比べれば、この20年間で販売額は半減してしまった。加えて雑誌の売り上げは前年比マイナス14.1%に加え、返品率は最悪の40%を続けている。深刻な事態となっている。
▼書店数も半減し1万店を割るのも近い。書店がゼロの自治体・行政区は420にものぼる。全体の2割に及ぶ。町の本屋さんがつぶれているからだ。嘆くだけでは能がない。じゃあ、どうするか。

▼80年前の1937年に刊行された吉野源三郎『君たちはどう生きるか』を、マガジンハウスが漫画化して刊行した。発売して2カ月で33万部の売り上げを示すヒット作になった。いまなお売れ続けている。先月25日に「異例の10万部重版」(8刷)を決めた。8刷分は11月6日から市場に投入される。
▼読み継がれてきた名著を、新しい感覚で一工夫しての刊行が、若い世代にアピールした好例である。はじめから読書が嫌いなのではない。58回を迎える神田古本まつりも、東京・神保町で開かれている。この宝の山から、名著を新たに掘り起こし復活させるのもいい。(2017/11/5)
posted by JCJ at 12:22 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月29日

【今週の風考計】10.29─ジャーナリスト殺害事件と「産経抄」

去る16日、マルタ島の女性記者ダフネ・カルアナガリチアさんが、移動中の車ごと爆殺された。彼女はタックスヘイブンに関わる「パナマ文書」の調査報道に参加していた。また同国ムスカット首相の妻が、パナマに会社を設け資産を隠していた経緯も追求していた。

この事件を、なんと19日の産経新聞1面コラム「産経抄」が、「日本の新聞記者でよかった、と思わずにはいられない」と書いた。江川紹子さんは、ツイッターで「人でなし、とはこんなものを書く人のことを言うのだろう。人の無残な死を、同業の者として、まずは悼むということが、せめてできないのだろうか」と。同感。

24日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが会見し、同業ジャーナリストが自分に加えた性暴力被害の実態を明かし、日本の司法・社会システムのありかたについて課題を提起した。

ジャーナリストへの脅しや殺害の脅迫、そして暴力は世界中に広がっている。この10年だけでも800人近くが死亡している。7割近くは「銃撃戦や危険な取材活動によって命を落としたのではなく、むしろ政府の腐敗、犯罪、麻薬取引、反体制派の活動を取材した報道内容に対する<報復>として殺害されている」という。かつ犯人は見つからず、見つかっても処罰されず、放置されている。
こうした事態を解決するため、国連は11月2日を「ジャーナリストへの犯罪に対し、不処罰をなくす国際デー」と宣言。今年は4年目となる。世界各地のジャーナリストに安全な環境を整備し、表現の自由を守り人権を前進させ、民主主義を強めるアクションプランを展開している。「産経抄」の筆者も煎じて飲むとよい。(2017/10/29)
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2017年10月22日

【今週の風考計】10.22─没後80年の中原中也と<私はもう、嘘をつく心には倦き果てた!>

22日は、詩人・中原中也が没して80年。そして今年、生誕110年になる。青春の切なさや人生の悲しみを詠む詩が多い。<思へば遠く来たもんだ 十二の冬のあの夕べ…>を始め、<汚れつちまつた悲しみに…>など、今でも口ずさむ。自分の悲しみと響き合い、ひたひたと心に染みてくる。

だが忘れてならないのは、死の前年に起きた2・26事件や戦争へと傾斜するキナ臭い世相に、オノマトペや擬態語を混ぜ込みながら、「時代に抗する道化の精神」を、詩に結晶させてきた中也の感性である。佐々木幹郎『中原中也』(岩波新書)を読んで教えられた。

「嘘つきに」と題された詩がある。<私はもう、嘘をつく心には倦きはてた。/なんにも慈むことがなく、うすっぺらな心をもち、/そのくせビクビクしながら、面白半分ばかりして、/それにまことしやかな理窟をつける。…私はもう、嘘をつく心には倦き果てた!>─オッと待って、これは中也の自戒じゃない。当時の軍と議会の馴れ合いがはびこる世相に向けた痛烈なプロテストだ。そう捉えたい。

さて今の日本、何が起きているか。神戸製鋼では自社製品の品質保証データを改ざんし、日産自動車では安全点検の不正、116万台のリコールという前代未聞の事件が起きている。東芝の粉飾会計から商工中金の不正融資まで、まさに嘘のカタマリじゃないか。いやいや永田町・安倍政権が進める国会運営も、嘘と詭弁とごまかしのオンパレード。PKO日報隠し、「森友・加計」疑惑、出した資料はすべてスミヌリ、一つも明らかになっていない。まさに政官財の嘘つきトライアングル。本当に<嘘をつく心には倦き果てた!> (2017/10/22)
posted by JCJ at 07:38 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年10月15日

【今週の風考計】10.15─炎上CH53Eヘリとストロンチウム90

◆沖縄県東村の私有牧草地に墜落し、大破・炎上した米軍ヘリコプターは、6月に久米島空港へ緊急着陸したヘリと同一機。◆このCH53E大型ヘリには、放射性物質が収納されている。7枚の回転翼ブレードを持ち、それぞれの根元付近に、放射性物質ストロンチウム90が入った計器を備える。空洞になっている回転翼ブレード内の圧力変化を、飛行中でも常に検知し、劣化や氷結による亀裂などの異常が発生していないか確認している。

◆13年前、沖縄国際大に墜落したヘリも、今度の事故と同系のCH53Dだ。回転翼などからストロンチウム90が検出されている。

◆いま事故機体のストロンチウム90が飛散した現場周辺では、不安が広がる。事故後、現場で消火作業にあたった国頭消防隊員も「被曝したのでは?」と、精神的な不安や緊張にさらされている。
◆現場の西約300メートルの地点3カ所で、放射線調査を実施した矢ヶ崎克馬琉球大名誉教授は、「1u当たり81ベクレルのベータ線が検出された」という。人体にはほとんど影響がないレベルというが、牧草地の所有者は、これから刈り入れする牧草や飼育している豚50頭の出荷に影響が出ると心配する。

◆沖縄防衛局と県は、現場への立ち入りを申請している。だが<日米地位協定>に阻まれ、日本政府や沖縄県の調査は拒否され、またも泣き寝入りが強いられるのは必定だ。沖縄から基地をなくせ! まさに総選挙の争点、やまとんちゅうの一票が問われている。(2017/10/15)
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2017年10月08日

【今週の風考計】10.8─核廃絶に背を向ける被爆国・日本の悲劇

ICAN、YOUCAN、All Together CAN!─と叫びたくなるほど、反核団体「ICAN=核兵器廃絶国際キャンペーン」の10年に及ぶ活動に、ノーベル平和賞が授与され、うれしくて嬉しくてたまらない。北朝鮮やイランの核開発が深刻化する今、「核兵器が使われれば人類は破滅的な結末を迎えると注意を喚起し、核兵器禁止条約の実現にむけて、果たしてきた画期的な努力」が高い評価を受けた。広島と長崎への原爆投下から70年以上、いまだに1万5千発の核兵器が世界に存在し、核保有9カ国は廃棄への願いを踏みにじり続けてきた。

今年7月の国連では、加盟193カ国のうち122の国と地域が賛成し、核兵器禁止条約が採択された。その中心的な役割を担ったのがICANだ。唯一の戦争による被爆国日本との関係も深い。日本の被爆者団体と連携しながら、核兵器禁止条約制定に向けたキャンペーンを展開してきた。まさに被爆者とICANの共同受賞といってよい。

だが日本政府はコメントすら出さない。被爆国の政府が、米国の「核の傘」の下にあるという理由で、条約制定の会議や交渉にも参加しない。いまや核廃絶に向けた議論をリードするどころか、被爆者からも各国のNGOからも信用されなくなっている悲劇、それこそ深刻な問題だ。あまつさえ安倍首相は、北朝鮮の脅威を「国難」といいつのり、核ミサイルの廃棄に向けて対話を促すどころか、圧力と制裁ばかりを口にして、自分の政権延命をもくろむ総選挙に血道をあげる。掲げる公約には、「核廃絶」の文字はどこにもない。(2017/10/8)

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