2020年11月22日

【今週の風考計】11.22─武蔵野の湧水が作り出す美しい景観を堪能

「小春日和」とはいえ、歩くと汗ばむほどの陽気。この週末、東京郊外にある庭園を訪ねた。
 一つは滄浪泉園。JR武蔵小金井駅南口から連雀通りを西へ、高等学校の前に入口がある。武蔵野・国分寺崖線の「ハケ」という立地特性を活かし、湧水を取り入れ深山の趣そのまま生かした、実業家・波多野承五郎の別荘庭園だ。
まだ青いモミジで覆われた門をくぐり、丸石がびっしり敷き詰められた道を行くと、視界が開け東屋に着く。そのわきに水琴窟がある。ツクバイから湧水を柄杓で掬い足元の石積みにかける。キンコンと余韻を残して響く。

さらに急な細い道を蛇行しながら下ると、ブナやケヤキ、アカマツ、モミジなどの樹木の間から、きらめく水面が見えてくる。こんこんと湧く武蔵野の清水を湛え、モネが描く水連の池を思い出させる。
 クヌギ、コナラ、シイの黄色い葉が、木漏れ陽を浴びてキラキラ光りながら池面に散っていく。周辺の高い樹木の間からもれる光が、何本もの細い柱となって天から差し込んでいるような幻想にかられる。
 ふと高校生時代に取り組んだメルヘン劇、フーケーの「オンディーヌ」がよみがえり、妖精が躍っているような気配に、あたりを見回してしまった。

モミジが真っ赤に色づくのは、あと2週間後だという滄浪泉園を後にして、脇の坂を南へ下り、右折すると新小金井街道にぶつかる。目の前に「大勝軒」の看板が。あの元祖つけ麺で有名な店。すぐ飛び込む。懐かしい「特製中華そば」が空腹を満たす。
 午後は野川沿いの遊歩道を、ゆっくり西へ西へと歩く。カモが5匹ほど川べりで水遊び。しばらくすれば東経大の構内にある新次郎池、だがコロナ禍で閉鎖。がっかりしながら国分寺方面へ。

二つ目は殿ヶ谷戸庭園。大正時代に江口定條が<随♂>と名づけ、三菱財閥・岩崎彦弥太が別荘とした近代日本庭園だ。高低差を楽しむ回遊式林泉庭園と茶室<紅葉亭>がある。
 これまた国分寺崖線の「ハケ」を活かし湧水を取り入れた「次郎弁天池」の周辺には、モミジの木が多い。色づくと圧倒されるような景色が、高台にある<紅葉亭>から眺めると、眼下に広がるという。だが、またまたモミジは青いまま。
さらに武蔵国分寺跡に向かう道の周辺には、「お鷹の道」や「真姿の池」があり、湧水「ハケ」が群がる名所となっている。ここにも足を延ばしたいが、もう疲れた。またの機会に譲ろう。(2020/11/22) 写真:滄浪泉園内にある湧水池

滄浪泉園内にある湧水池.JPG
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2020年11月15日

【今週の風考計】11.15─コロナ・ワクチンへの過剰な期待に潜む陥穽

■国内のコロナ感染者が、新たに1日1700人を超え、週末3日連続で過去最多を更新し、全国で11万8千人・死者1900人となった。コロナ感染拡大「第3波」の襲来に他ならない。
 冬の乾季が進むにつれ、感染者の受け入れや重症者の病床確保など、医療体制のひっ迫は深刻な事態をもたらす。「Go Toトラベル」の中止も含め、拡大防止への対策が急がれる。

■ここにきてコロナ・ワクチンへの期待が急速に高まる。米国のファイザー社が開発しているワクチンの治験結果が公表され、有効性がはっきりしたという理由で、その輸入も含め、菅首相が「来年前半までに全ての国民に提供できる数量を確保する」と宣言した。
 すでにワクチン購入費として予備費から6714億円の支出を閣議決定している。ワクチンを国の全額負担で接種できるよう予防接種法改正案も審議入りした。
■とりわけ頭痛や倦怠感、筋肉痛など副作用のリスクと予防効果との兼ね合いが重要な課題であるだけに、「安全性、有効性が確認され、承認されたワクチンについて、本人の意思に基づき接種してもらう」との厚労省の考えは、大切にしたい。

■現在、世界では合計200種類以上のワクチンの開発が進んでいる。そのうち40種類ほどが人間を対象とした治験の段階に入っている。だが安全性に関しては100パーセントの保証は、いまだ一つとしてない。
 かつワクチンの保存はマイナス70℃の環境が必要なため、保管・運搬などに困難が生じやすく、どこでも接種できるかとなれば、そう容易ではない。
■ワクチンを接種したからといって、体内に免疫ができるまでには6週間ほどかかる。ワクチンが実用化されても、ソーシャルディスタンスを保ちマスクの着用は続けなければならない。世界中で効果を発揮するには、数年かかるという。

■いま米国は、コロナ感染者が1日に16万人を超え1080万人、死者は24万人にのぼる。世界で最悪のコロナ汚染国だ。
 その原因を作ったトランプ大統領が、大統領選での敗北は認めず「ワクチン配布」を声高に叫んでいる。ただし民主党知事のニューヨークは除くなどと、ここにも党派対立・差別を持ち込む始末だ。
■国民皆保険の「オバマケア」の廃止を説く張本人であるトランプ大統領が、コロナに感染し治療に要した費用は総額10万ドル(約1000万円)にのぼるという。
 米国民は高い治療費の支払いに苦しんでいる。トランプ大統領だけは国費で治療とくれば、誰だって頭にくるのは間違いない。敗北の要因の一つであるのは間違いない。(2020/11/15)
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2020年11月08日

【今週の風考計】11.8─羽田増便でオスプレイとの衝突・落下事故の危険!

米国から海兵隊型オスプレイ17機も爆買い″し、陸上自衛隊に配備される同機の試験飛行が始まった。
 千葉県・木更津の駐屯地に暫定配備されている2機のうち1機が、駐屯地上空でホバリングを行い、10日からは駐屯地の外に出て東京湾や相模湾の上空で飛行モードへの転換、さらに来年1月からは関東一円での本格的な操縦訓練が展開される。
 かつ木更津駐屯地にオスプレイ17機がそろった場合、離着陸回数は1日に15回、年4500回となる見通しだという。騒音だけでなく、増便となる羽田発着の飛行機とのニアミスや落下事故の危険性は、いやがうえにも増す。

もともと陸上自衛隊のオスプレイ17機は、長崎県・佐世保にある相浦駐屯地に設けた「水陸機動団」すなわち自衛隊版海兵隊と連携し、「南西諸島」への出撃に一体となって活用する計画に組み込まれ、佐賀空港への配備が前提だった。
 しかし地元との協議が整わず、まず2機を木更津駐屯地に5年という期限付きで暫定配備した。
 佐賀空港は自衛隊とは共用しないことが明記され、かつノリ養殖にかかわる有明海に面し環境汚染・海への墜落など、事故への不安は尽きない。佐賀空港へのオスプレイ配備もかなわず、木更津に恒久配備となる危険性は高い。現に整備能力を3倍、格納庫も倍贈、10機は配備できる体制を整えている。

そもそもオスプレイは陸上自衛隊に必要不可欠な装備なのか。木更津から2000キロも離れた「南西諸島」へ出撃するには、厄介な空中給油が必要になる。災害地への救援にというが、プロペラの風害などで、吊り下げ救助はできないといわれる。
 しかもオスプレイをめぐる重大事故は数知れず、原因も解明されていない。米国では「ウィドウ・メーカー」(未亡人製造器)の汚名が付けられている。だからこそ米国以外の世界の国々は、オスプレイの購入には踏み出さないのだ。
 なんと日本だけが前トランプ大統領に媚びてオスプレイ17機を爆買い″した。購入費は部品なども含め計約30億ドル(約3600億円)、世界の笑いものになっている。

自衛隊のオスプレイだけが問題なのか。いや日本の空を支配している米軍のオスプレイこそ重大だ。米軍は空軍・海軍・海兵隊用の各種オスプレイを、沖縄・普天間飛行場に海兵隊型24機、東京・福生にある横田基地に空軍型5機、さらに5機を追加して配備する。海軍型オスプレイも神奈川県・厚木基地に配備するという。
 先月下旬には、横田基地から米軍オスプレイに自衛隊幹部が塔乗し、四国沖の海上自衛隊の護衛艦「かが」に着艦し、日米共同統合演習「キーン・ソード」に参加している。
 事故も多発している。普天間基地を飛び立ったオスプレイが、空中給油訓練中にプロペラが破損して海岸に不時着・大破した。伊計島の海岸にオスプレイが落とした重さ13キロもある部品が漂着。
 横田基地でもオスプレイからの降下訓練でパラシュートが住宅地域の施設に落下、潜水用の足ヒレが福生市の牛浜駅の駐輪場近くに落ちている事故が続く。さらに横田基地から三沢基地へ飛来するオスプレイの数は、19年夏までの1年間で計40回、しかも米軍からの通告は一切ない。

東京23区を含む首都圏上空に、米軍優先の「横田空域」がある。そこをわが物顔に安全性に疑問があるオスプレイが飛び交う。日本の航空機は、米軍の許可なしには飛べないため、東京上空は超過密状態だ。
 そこへ羽田空港の増便により、ますます騒音は増え、落下事故や空中衝突の危険が高まる。日本にはオスプレイはいらない。(2020/11/8)
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2020年11月01日

【今週の風考計】11.1─核廃絶に向けて75年─実る人類史の成果に乾杯!

3月3日の「スーパーチューズデー」から、ちょうど8カ月、トランプ対バイデンの決戦は、この3日に決着がつく。米国のコロナ感染者908万人・死者23万人、世界最悪の状況でも、トランプ大統領は手立てをとらず、バイデン候補へ罵詈・雑言の攻撃を浴びせ続けてきた。
あげくに落選しても結果を認めず、裁判に持ち込む事態まで予測されている。急きょ強引に連邦最高裁判事にバレット氏を送り込んだ結果、最高裁は保守派が3分の2を占める。
 最後のあがきに翻弄され、ホワイトハウスは大混乱に陥るのは間違いない。民主主義の根幹が崩れた米国などあてにせず、世界は平和に向けて大きなうねりを作りだしている。そこに目を向けよう。

核兵器禁止条約の批准が50カ国・地域に達し、史上初めて核兵器を禁止する国際条約が、来年1月22日に発効する。
 広島・長崎への原爆投下から75年を経て、「非人道性」や「核なき世界」を訴え続けてきた被爆者の願いが、条約誕生への原動力となった。さっそく政府に対し条約への署名・批准を求める署名活動が全国各地で展開される。

第2次大戦直後に設立された国連は、1946年1月10日、初の総会で採択した第1号決議が「核兵器など全ての大量破壊兵器を各国の軍備から廃絶すること」を求める内容であった。
 決議を提案したのは米国、ソ連、英国、フランス、中国、カナダの6カ国。当時、唯一の核保有国だった米国でさえ、広島・長崎の非人道的な被害を目の当たりにして、核廃絶を求めたのだ。
その後、米ソ冷戦など東西の緊張から、核兵器の開発が加速し、2020年1月現在、核兵器保有数は米国6185、ロシア6500、英国200、フランス300、中国290、世界全体で1万3400にまで膨れあがった。

核廃絶という目標はどうなったのか。1970年3月に核不拡散条約(NPT)が発効したものの、すでに核を保有していた米国、ソ連(ロシア)、英国、フランス、中国の5カ国は除外し、以外の国には「原子力の平和利用」を除いて、核保有を禁止にした。
この核をめぐる不平等がネックとなり、NPTは30年後になって、核保有国に「自国の核兵器の完全廃絶を達成する」よう、明確な約束を求めることとなった。それでも核拡散の状況は改善されず、かつ米国・ロシア・中国は核兵器を改良し質的な核軍拡に突き進んでいる。
 実戦配備に適した核の小型化によって、核使用の脅威は高まっている。米国とロシアの中距離核戦力(INF)廃棄条約も失効するなど、核なき世界は遠のくばかりだ。

だが核兵器禁止条約が発効すれば、核保有は「国際法違反」となり核廃絶への圧力となるのは確実である。
 日本政府は「唯一の戦争被爆国」でありながら、米国の「核の傘」に身を委ね、「橋渡し」役などと詭弁を弄し、核兵器禁止条約に背を向ける。国際的にも見放されるのは間違いない。(2020/11/1)
posted by JCJ at 07:46 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月25日

【今週の風考計】10.25─ベラルーシの「勇気ある女性」3人とタイの「黒シャツ」3本指

ロシアとポーランドに挟まれたベラルーシ共和国の首都ミンスクで、ルカシェンコ大統領の選挙不正を糾し退陣を求める大規模デモが、10週連続して日曜日ごとに開かれ、数万人が参加している。
 治安部隊が浴びせる放水やゴム弾にもめげず、「白・赤・白の旗」を掲げ、「パルチザンの行進」と名づけたデモが繰り広げられている。日本でも連帯のデモが始まった。
いま66歳のルカシェンコ大統領は、1994年に就任以来、この8月には不正選挙で6選を果たし26年間も君臨する。
 「ヨーロッパ最後の独裁者」が組閣する「残忍な政権」の弾圧に抗し、人権擁護と民主化を追求している活動には頭が下がる。
 EU議会は、活動のリーダーであるチハノフスカヤ氏、支援するノーベル文学賞受賞者アレクシエービッチ氏、当局に拘束された音楽家コレスニコワ氏らに、人権擁護に貢献した人に贈る「サハロフ賞」を授与した。「勇気ある女性」3人である。退陣に応じなければ26日からはゼネストに入るという。

眼を東南アジアに転じよう。タイでもプラユット首相の退陣と民主化を求めるデモが拡大している。
 これまた66歳のプラユット首相は、2014年の軍事クーデターを主導し、昨年3月の総選挙で民政に移行したとはいえ、そのまま首相の座につき政権を維持している。
 だが経済の低迷は続き格差は拡大し、さらに野党「新未来党」への解党命令や市民に対する軍兵の無差別殺害事件も起き、バンコクでは連日、2万人規模のデモが続いている。
とくに注目されるのは、「黒シャツ」を着た若者たちが3本の指を掲げ、これまでタブーとされてきた王室批判、すなわち王室関連予算の透明化や不敬罪・最長15年の禁錮刑の見直しなど、王室改革を求める行動にまで踏み込んでいる点だ。
ワチラロンコン国王は68歳、ドイツの高級ホテルを借り切って「ハーレム」を作り、若い女性20人ほどと一緒に暮らしている。全て税金で賄われている。
 しかも国民投票で承認された新憲法案を拒否し、政府に条文の修正を要求するなど、政治への介入は度を超す。国民からの信望は薄れる一方。王室改革を求める声が大きくなるのも無理はない。

アフリカでも大西洋・ギニア湾に面したナイジェリアで、汚職撲滅や市民の安全を求めるデモの隊列に、治安部隊が発砲し死者は50人を超す。長期に市民を虐待してきた警察の特殊部隊(SARS)への怒りは頂点に達し、2週間ほど前から各地で大規模なデモが行われていた。
 デモの拡大を受け、第2次ブハリ政権は首都ラゴスに無期限の都市封鎖を発令した。その数時間後、平和的なデモをしていた約1000人に向けて、またも武装した男たちが発砲した。
政権による人民弾圧に限らず、イエメン内戦、ナゴルノ紛争など、やっている時か。いまやコロナ感染者は世界で4220万人・死者114万人。全てが協力して、コロナウイルスと闘うのが先だろ!(2020/10/25)
posted by JCJ at 09:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月18日

【今週の風考計】10.18─菅政権1カ月:<2人の杉田>が象徴する監視・差別の怖さ

首相動静によると、朝は6時45分から官邸内を散歩。1時間後には永田町のホテル内レストランで首相好みの有識者と朝食懇談。そして昼も夜も連日、赤坂や紀尾井町の料理店で政官財の関係者と会食。午後9時前後には議員宿舎に帰宅。
 会食や面会で確認された民間人は70人を超えるという。だが9月16日の就任会見から、1カ月たっても記者会見は開かず、所信表明すらない。18日からはコロナ感染者が日本の4倍35万人もいるインドネシアなど、4日間も外遊する。

この間にやることがエゲツナイ。日本学術会議が推薦した名簿を「見ていない」のに、6人を任命拒否。政府方針に異を唱えた学者を排除し、憲法が保障する「学問の自由」を侵害する暴挙に手を染める。
 首相は「総合的、俯瞰的に決めた」と、説明にもならぬ説明ではぐらかす。あげくに自民党は「任命拒否」から目をそらすため、学術会議の制度見直しに論議をすり替える。
 政権の意に沿えば重用し、盾突けば冷や飯を食わせる―安倍政権下での強権的な手法まで、菅首相は「継承」する。森友問題の再調査は拒否。桜を見る会は中止する一方、サクラ疑惑にはフタをする。

その陰で動く、官邸内に君臨するもう一人の人物の存在がクローズアップされた。杉田和博官房副長官である。学術会議105人の推薦名簿から排除する6人を選別、任命拒否の筋書きを用意し、決裁前に菅首相に報告、名前は確認されていたことが明らかとなった。
杉田官房副長官は、東大法学部卒、警察庁で警備・公安畑を歩み警備局長を務めた“公安のドン”といわれるエリート。2012年の第2次安倍内閣が誕生と同時に官房副長官として官邸入り。菅政権誕生後も引き続き同ポストを務めている。
官房長官時代から官僚支配に力を注いできた菅首相だが、その中心的役割を担ったのが、杉田官房副長官である。2017年からは官僚人事を掌握する内閣人事局の局長も兼務。これまでに公安警察を使って官僚を監視下に置いてきた。
 さらには政権と敵対するメディアや政権批判の学者・知識人にも、介入の隙を伺い監視の目を光らせている。代表的なのがNHK「クローズアップ現代」のキャスター降板事件だ。また東京新聞の望月衣塑子記者の身辺を、公安が探っていたというのも有名な話。

さてもう一人、杉田姓を持つ人物がいる。自民党の杉田水脈・衆議院議員である。女性の身でありながら、女性への性暴力に関連し「女性はいくらでもウソをつける」と発言し、総スカンを食らっている。
 これまでにも性的少数者のカップルに「生産性がないから問題だ」などの差別発言や伊藤詩織さんへのバッシングを繰り返してきた。
 杉田議員は、17年総選挙に際し安倍首相の推薦で「維新」から自民党に鞍替えし、比例中国ブロック単独候補に格上げして当選。
「性暴力の根絶」を掲げる菅政権・自民党にもかかわらず、女性への差別発言を繰り返す自党の議員に、厳しい対応するどころか、「本人の言葉づかい」の問題と矮小化する。
 さらには「フラワーデモ」主催団体が13日、杉田議員の議員辞職などを求める13万6000筆の署名すら、受け取りを拒否する始末。
 <2人の杉田>が示す、国民に対する監視と差別を放任する仕組みは、はからずも菅政権の本質をあぶりだしている。(2020/10/18)
posted by JCJ at 07:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月11日

【今週の風考計】10.11─「レジ袋」有料化が招いた思わぬ波紋からの考察

「かごパク」なる困った事態が起きている。7月1日から「レジ袋」が有料化となったせいか、スーパー備え付けのかごに、買った品物を入れたまま、かごごと持ち帰る事例だ。
 とりわけカートに乗せて駐車場まで運び、自分の車に乗せて帰ってしまう人が多いという。店長は頭を抱えている。
そういえばスーパーのレジで精算後、そばのカウンターで、マイバックに入れ直す場面を見ていたら、ホルダーに巻かれた無料の「ポリ袋」を適当に切り、その中に生鮮食品を入れるだけでなく、缶詰やカップ麺まで一つ一つ「ポリ袋」に入れる御仁がいる。
 さらには「ポリ袋」だけ、ぐるぐる巻きとって持ち帰る主婦もいる。「レジ袋」が家庭内になくなったため、この無料の「ポリ袋」を生ゴミの収容に使うのだという。まさに庶民の知恵だ。

「レジ袋」を有料化したのは、プラスチックゴミを減らすためである。日本では年間900万トンのプラごみが発生し、再利用や焼却などの処理に苦しみ、プラスチック製品の生産削減が進む。
 世界全体では、プラごみが海に年間800万トンも流れだし、ストローを鼻につまらせて苦しむウミガメやビニールを飲みこんだセグロカモメが見つかり、また魚の内臓に蓄積された微小プラなど、生態系や漁業に深刻な悪影響を及ぼしている。
これまで先進国から排出されたプラごみは「リサイクル資源」として、主に中国に輸出されてきたが、3年前に中国は輸入を中止した。
 代わりにベトナムやマレーシアへ輸出先が変わったものの、すぐに各国の処理能力が限界に達し、洗浄・選別が不十分なまま海などに捨てられる事態となっている。日本は昨年90万トンものプラごみを輸出している。

少しでも事態を改善するため、このほど「バーゼル条約」が改訂され、来年1月から運用されることになった。「バーゼル条約」は、有害廃棄物の輸出入を制限する法的拘束力のある国際条約で、1989年に採択されている。
この条約にプラごみを新たな対象に加え、海外輸出を規制する。とりわけ汚れたプラごみ─飲食物や泥・油が付着し分別・粉砕処理もされず、リサイクルしにくい弁当容器やペットボトルなどは輸出ができない。
 だが、この「バーゼル条約」にはプラごみ排出1位の米国が加盟していない。輸出削減にどこまで効果があるか、不安も広がる。
さてさてスーパーなどで、私たちが無料をいいことに無制限に巻き取る「ポリ袋」、これもまた自然には分解しないプラごみと同じもの。
 ただ「ポリ袋」は、燃やしても有害ガスは発生しないとはいえ、「レジ袋」はいらないと断って「ポリ袋」を乱用すれば、結局はプラごみを増やしている事実には変わりがない。よくよく考えて使おう。(2020/10/11)
posted by JCJ at 08:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年10月04日

【今週の風考計】10.4─学術会議6人の任命拒否は、菅首相の赤狩り″だ!

「ガースー」といわれる菅首相が、1月も経たずに、6人の赤狩り″に着手! 憲法23条に手を突っ込み、強権政治をスタートさせた、この怖さ! 「しんぶん赤旗」(10/1付)がスクープした日本学術会議・新会員6人の任命拒否は、前代未聞の暴挙だ。

日本学術会議は210名の会員(任期6年)によって組織され、3年ごとに半数が改選される。今年は半数改選の年で、8月末には同会議が責任をもって新会員105人を選考し、総理大臣に推薦、そのまま任命されるのが常識だった。2004年度以降、新会員が任命されなかったケースは一度もない。
ところが内閣府は、菅政権発足後の9月24日、同会議から提出された推薦名簿から6人を外した案を用意し、それを受けた菅首相は、28日に99人の任命を決裁したという。任命拒否の理由や経緯についてはダンマリだ。
 任命を拒否された6人は、安倍政権が強行した安保法制や共謀罪、辺野古新基地建設などに対し、その学問的な見識や研究から、反対の意見を表明してきた。それを理由に任命しないのだとすれば、憲法第23条が保障する「学問の自由」を侵害するのは明白である。

安倍政権の7年8カ月、集団的自衛権の行使容認に向け内閣法制局長官の交代、黒川検事長定年延長など、人事に介入して強引に政策を進めてきた。安倍政権時の9月2日ごろにも、内閣府は内閣法制局に、学術会議の会員任命に関する法解釈を巡り、問い合わせをしている。
 その時々の政府の都合で、法解釈を変えてしまう手法を、菅政権でも継承し、「学問の自由」を踏みにじる暴挙へと、その本質をむき出しにした。
「学問の自由」を保障する憲法23条は、明治憲法時代に起きた滝川事件や天皇機関説事件など、学者の研究や論説が国家権力に侵害された歴史を踏まえて作られている。
 これを冒してでも、政府に批判的な学者は狙い撃ちで排除し、さらには組織に対しても、研究活動の萎縮や忖度を浸透させる効果も視野に入れる、その悪どさは極まりない。
 現に日本学術会議は2017年3月、軍事研究には手を染めないとの新声明を出すなど、軍事技術の開発に科学者の協力を求める安倍政権に釘を刺していた。政権の意に添わない同会議は目の上のタンコブ、掣肘したくてたまらないのがホンネ。さっそく同会議の人事に介入してきたのだ。

菅首相が記者会見したのは、就任した9月16日以降、2週間で2回の計40分だけ。学術会議6人の任命拒否についても理由など記者の質問には答えないまま。
 その一方、これまで記者会見は、「新型コロナの感染防止策」を理由に1社1人の参加制限を設けているにもかかわらず、テレビ・新聞19社の首相番記者60人とオフレコ朝食会を、3日・10日の2回も計画している。3日は、都内・渋谷のレストランで記者(朝日新聞、東京新聞、京都新聞は欠席)と90分ほどパンケーキを食べながらオフレコ懇談会を開いた。
 また首相補佐官(年収約2300万円)に、柿崎明二・共同通信社前論説副委員長を起用した。裏で繋がる政治記者を側近に引き立てるなど、メディア支配の巧妙さはズバ抜けている。
こうして「官僚・メディア・学者の支配が進むうちに、私たち一般市民も『怖いからデモやSNSの政府批判をやめよう』という空気になりかねない」と、社会全体の萎縮を指摘する学者の発言は、傾聴しなければならない。(2020/10/4)
posted by JCJ at 07:51 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年09月27日

【今週の風考計】9.27─今こそ必要なコロナに立ち向かう世界の連帯

◆新型コロナウイルスの感染者が、中国・武漢で最初に見つかってから9カ月が経過した。武漢で何が起きていたのか。1月20日に都市封鎖令が出されて以降の状況を伝えるドキュメントが刊行された。
◆方方『武漢日記─封鎖下60日の魂の記録』(河出書房新社)である。一気に読んだ。
 武漢に住む65歳の高名な女性作家が、自身のブログで武漢の実情を、当局の手で削除されたり、中国の極左分子「ネトサヨ」から攻撃されたり、様々な圧力や妨害にもめげず、日記の形で綴った感動にあふれる書だ。
 ⾝近な⼈が次々と死んでいく悲惨な状況、医療現場の疲弊と焦燥、とりわけ殉職医師・李文亮への思い、事実を隠ぺいした当局者への怒り、メディアの怠慢など、著者の目線の厳しさが、ひしひしと伝わってくる。
 武漢だけで感染者5万人、死者3800人という深刻な結果となったが、それに立ち向かった庶民の苦労や悲哀へ注ぐ目線は極めて温かい。

◆いま武漢はコロナ感染が収束し、10月1日から8日までの「国慶節」の連休には、武漢の名所「黄鶴楼」への旅行が人気トップだという。中国内を6億人も移動するが、コロナ感染拡大の懸念はないのか。いま中国全体で感染者9万人・死者4700人に上るというのに。
◆さらに深刻なのは世界全体で感染者3257万人、死者98万人を超えたことだ。感染者が最も多いのは、先進国ナンバーワンの米国で703万人、2位インド590万人、3位ブラジル468万人となる。上位3カ国に世界の感染者の54%が集中する。
 しかも米国は死者が20万人を超え、今もなお1日に新規感染者が5万人もふえ、かつ1日に960人近くが死亡するという、世界各国の中でも最悪の事態が続いている。

◆だがトランプ大統領は、国連総会の演説で「武漢肺炎によるパンデミックを引き起こした原因は中国にあり、責任を取らせねばならない」と激しい言葉で各国に同調を促した。
 その背景には、トランプ大統領が11月3日の選挙で再選を狙うため、感染防止対策を軽視した責任を中国に転嫁し、自らの「コロナの影響は大きくない、8月にも沈静化する」との発言を取り繕うためといわれている。
◆75周年となる国連のグテーレス事務総長は「コロナの感染拡大は医療危機、経済不況と大量失業、さらに人権侵害という脅威を同時にもたらしている」と述べ、危機打開に向け各国に結束と連帯の必要性を訴えた。
 自国第一主義による他国非難や経済制裁をやめるよう促し、さらにはコロナ・ワクチンの自国向け独占取引・ウラ取引など、いわゆるワクチン国家主義へ警鐘を鳴らした。

◆いま欧州ではコロナ感染がフランスやスペインで1日に3万人の規模で増え、集会や外出の禁止など、再規制に躍起となっている。
 ところが菅政権は「Go Toキャンペーン」を拡大し、さらに全世界から外国人の入国受け入れを決めた。当面は3カ月以上滞在する医療従事者、スポーツ選手、留学生などに限るとはいえ、解禁で感染拡大の危険が強まるのは火を見るより明らかだ。止めたほうがいい。(2020/9/27)
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2020年09月20日

【今週の風考計】9.20─コロナ禍で進む「ふるさと納税」の歪み

コロナ禍での「ふるさと納税」が、菅義偉首相の誕生により再び注目を集めている。この制度は、菅氏が総務相時代の2007年に制度創設を表明し、翌年からスタートさせた。2012年には官房長官に就任、その3年後には税額控除を倍増させた。

「ふるさと納税」は、自治体に寄付すると、額に応じた魅力あふれる返礼品がもらえる。かつ自己負担の2000円を除いた寄付金は、そのまま住民税から控除される。寄付をすればするほど寄付者が“もうかる”仕組みだ。
 現に高額所得者が、自分の住んでいる自治体には税金を払わず、地方から贈られる高級和牛やカニなどを堪能している。こんな不合理がまかり通るようになった。居住する地域の医療や図書館など、公共施設の運営に要する税を負担しないとは。
 日本に在住している外国人が、子供を日本の学校に通わせながら、「税金は母国に払う」と言ったらどうするか。
 まさに「ふるさと納税」は税制度の根幹を揺るがしている。

今や寄付額は08年度81億円から18年度は395万人が5127億円まで急増し、税金の控除額は3265億円に達した。こうなると各自治体は、何が何でも寄付額を増やそうと、自治体間での返礼品競争が激しくなる。
 地方の特産品どころか、アマゾンのギフト券を返礼品として配る大坂・泉佐野市も出てきた。事実上の現金還元だ。
 最近では長野県御代田町が、町内の遺跡から出土した縄文土器の実物大レプリカを、「ふるさと納税」の返礼品にした。5万円以上の寄付が前提にもかかわらず即完売。神奈川県南足柄市への寄付額が2019年は27億円、前年の約8倍に激増した。これも丹沢山系の水を利用したビールを返礼品に加えたためである。

財政が逼迫している地方の自治体には、「ふるさと納税」は降ってわいた財源、よだれが出るほど欲しい。地方自治体間で「ふるさと納税」の取り合いである。「地方創生・産業振興」への取り組みなど、すっ飛んでしまう。
その一方、「ふるさと納税」に流れて税収が減った、首都圏を中心にした自治体の悲鳴は深刻になるばかり。東京・渋谷区は26億円もの住民税が流出する、いわば“ふるさと納税貧乏”状態だ。同じ杉並区では2019年度25億円近くの財源が流出した。
 コロナ感染拡大に対応しての緊急な財政支出がかさみ、そのうえ税収が減れば、道路や公園など公共空間や施設の維持・管理は滞る。街灯の電球が交換されなくなり、廃棄物の収集回数は減るなど、深刻な事態が進む。

コロナ禍で巣ごもり需要による「ふるさと納税」の伸びが目立つ背後で、所得の高いものほど税額控除が大きくなる矛盾、そして自治体間の無用な競争をあおり、<税の応益負担>へ不信が募る、ここに目を向けなければダメ。(2020/9/20)
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2020年09月13日

【今週の風考計】9.13─憲法の「非戦・平和主義」を骨抜きにしてきた7年8カ月

<最後っ屁>とはいうが、安倍首相が放ったのはイタチよりひどい。あと7日もない首相の座から「敵基地攻撃能力」の保有を促す談話を発表した。自民党内の討議も経ず、閣議決定もなし。自民党内ですら「辞めていく首相が方針を決めるのはおかしい」と、反発の声が出ている。
これまで政府は、「敵基地攻撃能力」について、憲法上は保有を認められるが、専守防衛の観点から政策判断として持たないとの立場を維持してきた。
 こうした方針を大転換させる談話で、よしみを通じるとはいえ、次期の「菅政権」に年内という期限付きで政策決定を求めるのは言語道断だ。
 「ミサイル反撃」と言うが、他国の領域を標的にする兵器の使用は、専守防衛を逸脱するのは明白なうえ、先制攻撃にもなりかねない。まさに憲法9条が死滅する。

「ミサイル反撃」への対応にしても、まず他国から発射されるミサイルを正確に予測し把握せねばならず、宇宙空間での監視が不可欠。そのため早期警戒衛星の打ち上げが必要になる。日本が独自に持つと年間850億円かかる。さらなる地対空誘導弾パトリオットの拡充も迫られる。
いま防衛省が準備している「敵基地攻撃」の一つには、北朝鮮や中国、ロシア沿岸部に到達する射程500キロの弾道ミサイル「スタンド・オフ・ミサイル」(ノルウェー製)がある。それを2022年3月までに購入し、航空自衛隊のF-35Aステルス戦闘機に搭載して運用する計画だ。
 これも専守防衛との整合性について議論を尽くさずに導入を決定した。
さらに敵基地のレーダーや通信などの防空網をかいくぐって攻撃するには、電子戦機やステルス戦闘機が必要になる。電子戦機もステルス戦闘機も1機100億円。その維持費や要員の訓練なども含む経費を考えれば、年5兆円の防衛予算が、さらに拡大の悪循環に陥る。

安倍政権の7年8カ月、日本の安全保障を脅かす暴挙が、どれだけ繰り返されてきたか。
 2014年4月には「積極的平和主義」の名の下、武器輸出の禁止を解除。7月には憲法解釈の変更で、集団的自衛権の行使容認を、国会での議論を経ずに、閣議決定で一方的に決定した。翌年9月には学者や国民の反対にもかかわらず、安保関連法を強行採決で成立させた。
 自衛隊が地理的な制限もなく海外に派遣される攻撃部隊と化し、米軍との一体化が加速、憲法の「平和主義」が骨抜きにされた。
その間、トランプ大統領のご機嫌を伺い、兵器の爆買いに奔った。核兵器禁止条約には背を向け、「東アジア平和共同体」構想など視野にもない。
 安倍政権の一強支配による権力行使の7年8カ月は、日本を「戦争する国」へと歩ませる道程だったといっても過言ではない。(2020/9/13)
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2020年09月06日

【今週の風考計】9.6─またも「大阪都構想」を住民投票に付す愚の行き着く先

◆人口270万の大阪市をつぶし、4つの特別区に分割する「大阪都構想」が、5年前に住民投票で否決されたにも関わらず、再び是非を問う住民投票が、18歳以上の大阪市民を対象に11月1日に行われる。公明党は都構想に反対してきたが、大阪府内で得た4議席に、維新が対抗馬をぶつけると脅し、無残にも賛成に転じたためだ。
 コロナ禍が拡大する中、なぜ今再び? の疑問や批判の声は大きく広がる。

◆北区、中央区、天王寺区、淀川区に分割される特別区といえども、その業務遂行には、膨大なコスト・経費がかかる。そのうえ大阪市という大きな財源を背景に実施してきた独自の住民サービスが、維持できなくなる危険は大きい。
 これまで大阪市は、18歳までの医療費助成、地下鉄・市バスの敬老パス、ひとり親家庭への医療費助成、新婚・子育て世帯向けに分譲住宅の購入には利子補助など、数多くの住民サービスを実施してきた。それが脅かされるのだ。
◆「水道」「消防」「都市計画」にかかわる権限も全て府に奪われ、特別区の住民の生活環境の保全が危うくなり、経済政策と連動した税収確保にも大きな影響が出てくる。
 「介護保険」についても、その事務作業は「府」と「特別区」に分けられないので、年間予算6400億円、400人の職員を抱える「一部事務組合」を新設して、そこで一括して担うというのだ。こんなムダはいらない。
◆国からの地方交付税も、4つの「特別区」それぞれが必要経費を算出して交付を受けるのではなく、今後も「大阪市」が存続しているとみなして計算し、大阪府が交付を受けるという。これでは「特別区」が実際に必要とする額には、200億円も不足するといわれる。

◆特別区の区役所はどこになるのか。はじめは4つの特別区に新庁舎を設置するとしていたが、600億円も必要となり、公明党の要望を受け、いまの大阪市役所・中之島庁舎を北区とともに合同で使う案が浮上した。淀川区の職員は8割、天王寺区の職員は5割が、中之島庁舎へ通い、間借りして仕事をこなすことになる。
 行政サービスは、「ニア・イズ・ベター」が鉄則だが、災害時の復旧・復興の拠点ともなる市役所が、そばにないとなれば、住民の不安は増すばかりだ。住民の住む自治体の区域外に本庁舎がある例は、鹿児島と沖縄の離島だけ。

◆「大阪都構想」の問題を深く掘り下げるオンライン講演会が開催されます。ぜひ参加を!
JCJオンライン講演会:大阪都構想 七つの大罪
日時:9月13日(日)午後2時〜3時30分
講演@「大阪都構想、七つの大罪」ジャーナリスト・幸田 泉さん
講演A「維新の歴史と大阪のたたかい」大阪市をよくする会・中山直和さん

参加費:500円

【参加ご希望の方は https://peatix.com/event/1606843をパソコンなどで開きpeatixを通じてお支払い手続きをしてください。講演前日の9月12日にZoomのURLをメールでお送りします】
(JCJ会員とメディアを考える会・大阪の会員は無料。onlinejcj20@gmail.comに別途メールで申し込んでください)
主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)関西支部、メディアを考える会・大阪
お問い合わせ:03・6272・9781(JCJ事務所) または090・6673・7377(清水)へ

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2020年08月30日

【今週の風考計】8.30─黒人銃撃と「自警団」そして関東大震災・亀戸事件

米国のウィスコンシン州ケノーシャで、23日、黒人男性が警官に背後から至近距離で7発もの銃撃を受け、半身不随の重傷となった事件は、またまた大きな波紋を広げている。
 28日には、キング牧師が「私には夢がある」と演説したワシントン大行進から57年を迎え、一連の黒人銃撃に抗議し「人間の権利と平等と融和」を訴える数千人規模の大集会が、ワシントンで開かれている。
プロテニスの大坂なおみ選手は、ツイッターで「私はアスリートである前にひとりの黒人女性です。(中略)警察の手により黒人が虐殺され続けるのを目にすることは、正直言って吐き気がします」と、内外に訴えている。
 彼女は、5月25日の警官によるフロイドさん殺害事件への抗議デモにも参加し、これまで熱心に黒人差別に対するプロテストと思いを発信している。

ところが25日の夜、米国ケノーシャでの抗議デモに参加した市民が、なんと17歳の白人の少年にライフル銃で撃たれ、2人が死亡、1人が重傷を負った。
 少年は、警官にシンパシーを寄せるだけでなく、地元の白人中心の武装組織「自警団」と一緒に行動していたという。1月にはアイオワ州でのトランプ大統領の集会に出かけ、最前列に座ってエールを送るなど、熱烈なトランプ支持者だという。
 17歳の少年までも銃口を人に向ける現状に、米国社会の病巣の深刻さが際立つ。
しかし、トランプ大統領は、現地に州兵の派遣を表明、大統領選に向けて支持拡大の「法と秩序」の維持を掲げ、黒人差別への抗議デモと警官・「自警団」との対立をあおり、市民を分断し「憎悪の連鎖」に巻き込む危険を、ますます拡大させている。

日本はどうか。「自警団」といえば、いま日本の各地に「コロナ自警団」がはびこっている。コロナへの恐怖心に付け入り市民を相互監視、自粛に従わない人や休業しない店舗、さらには感染者を「コロナをうつす加害者」扱いして責める。この「コロナ自警団」が、正義の鉄槌を下すとばかりに攻撃衝動を発散している。
 政府・自治体にとって「コロナ自警団」は、行政の怠慢は棚上げし、かつ上からの行動規制は推進してくれる、まさに一石二鳥の存在だ。

思い出してほしい。今から97年前の9月1日、関東大地震が発生、その直後から「朝鮮人が暴動を起こした!」「井戸に毒を入れた」などの恐怖をあおる流言が意識的に拡散され、多くの朝鮮人が虐殺された事態である。
 政府や警察みずからデマを広げ、<不逞鮮人の襲来>に備えて、在郷軍人・青年団・消防団を中心に「自警団」を組織するよう促した。その数は関東一円で3000とされる。
 国の「お墨付き」による「自警団」は、棍棒・竹槍・日本刀・鳶口・猟銃などで武装し、通行人を検問、朝鮮人とみるや迫害・虐殺した。2日夜から3日にかけての蛮行はすさまじい。犠牲者は数千人に及ぶ。
9月3日になると、さらに「不逞鮮人を煽っているのは主義者だ」のデマが流される。市民の同調圧力にも助けられ、警察と軍は大手を振って、社会主義者を一挙に根絶やしにする作戦に出る。
 東京・南葛飾地域の労働組合青年幹部ら10人を、相次ぎ亀戸署に留置、軍に引き渡してのち、5日未明、近衛師団の騎兵第13連隊の兵士によって刺殺された。「亀戸事件」である。

米国であれ日本であれ、昔も今も「自警団」が組織されるとき、それを権力者や警察が利用する恐ろしさは、十二分に認識・警戒しておかなければならぬ。(2020/8/30)
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2020年08月23日

【今週の風考計】8.23─国債乱発! コロナ後にくる財政破綻の危機

コロナ感染拡大による経済の停滞・混乱は深刻さを増し、倒産や失業は増える一方だ。今年4〜6月期の国内総生産(GDP)は、年率換算で−27.8%、戦後最悪のマイナス幅となった。世界を見ても今年の経済成長率は−5%、落ち込みは「大恐慌以来最悪」になるという。

一方で、株価は上昇を続け「コロナ長者」まで生まれている。実体経済とかけ離れた“危うい株高”を支えているのは何か。安倍政権の国債乱発と日本銀行・黒田東彦総裁による国債「買い支え」策にある。市場には「経済が悪化しても日銀が支えてくれる」との期待があるからだ。
 もともと日銀は、国債の買い付けが禁止されている。ただし特別の事由がある場合、国会の議決を経たときは許されている。この「禁じ手」を使って、日銀は国債を無制限に買い続けている。
証券会社が利子もつかない国債を買うのは、金利が上がった際には、「日銀トレード」という日銀への転売で、利ざやが稼げるからという。
 加えて日銀は上場会社の投資信託(ETF)を年間12兆円も購入し、社債の買い入れ枠も3倍に増やし、株価の下落を食い止めている。
 この安倍・黒田二人三脚の「財政ファイナンス」が、株価の下支えをしているのだ。

いまや日銀は「通貨の番人」として「政府からの自立」という矜持や使命まで投げ捨て、せっせと市場を通じて国債を大量に購入し、政府の借金を肩代わりする組織となり下がった。
 2020年度に発行する新規国債だけ見ても、過去最大の90兆円になる。国の歳出額の半分以上が国債で賄われている。世界各国も国債を発行しているが、国内総生産(GDP)の40%前後にとどまる。だが日本は突出、なんとGDPを大きく上回る120%も発行する異常な事態だ。
その国債を日銀が買ってくれるのだから鬼に金棒、国債が「打ち出の小槌」となっている。加えてコロナ感染「第2波」のまっただ中にいる現在、人々の生活を支える給付金や休業補償などへの再対応が急がれ、政府の国債発行や日銀の国債「買い支え」の弊害を指摘する声は、ほとんどない。

国債は、歳入不足の穴埋めに発行する国の借金証書。現在、借金額は1千兆円、驚異的な水準に達している。赤ちゃんから老人まで、国民一人あたり900万円の借金をしている勘定だ。いつ借金を返すのか、何ら明らかにされていない。
しかも日銀が、国債1千兆円の半分500兆円を所有している。日銀こけたら、国債もパー、国家財政の破綻へと行き着く。2009年ギリシャ危機の悲劇を、将来世代へおっかぶせる無責任は許されない。
 政府のコロナ対策の補正予算58兆円にも“厳しい目”が必要になる。1兆7000億円もの支援事業「Go Toキャンペーン」のズサンさ、不必要・不透明な事業への中止など、野放図な国債発行による財政出動はストップ!(2020/8/23)
posted by JCJ at 07:49 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月16日

【今週の風考計】8.16─リムパックから馬毛島へ─「積極的平和主義」の欺瞞

◆戦後75年、「終戦の日」戦没者追悼式での安倍首相の式辞には、戦争への「深い反省」はない。さらに、これまで盛り込まれていた「歴史と向き合う」趣旨の文言まで削除してしまった。加えたのが「積極的平和主義」なる文字。この正体がクセモノダ。

◆15日が明けるや否や自衛隊と米軍の合同軍事演習が始まる。「リムパック2020」だ。17日から31日まで、米国ハワイ沖で行われる。世界的なコロナ感染拡大を踏まえ、中止に傾いていたのが、米海軍への安倍政権の強力な働きかけで開催されることとなった。
◆日本からは、海上自衛隊のヘリコプター空母「いせ」とイージス駆逐艦「あしがら」に加え、搭載航空機2機、隊員約550人が参加し、対空戦、対水上戦、対潜戦訓練などを行う。しかしコロナの影響は甚大で、実施期間も3分の1の2週間に短縮され、参加国も10か国を下回り3分の1となる。
 自衛隊員のコロナ感染不安も募る。さらに肝心の米海軍にしても、演習の中心となる航空母艦が参加しない。それでも「積極的平和主義」の実践に、自衛隊を参加させたい狙いが透けて見える。

◆「リムパック」参加だけではない。防衛省は鹿児島県・種子島から西12キロほど離れた東シナ海上の馬毛島に新基地を作ると公表した。米軍空母に艦載する戦闘機の離着陸訓練を行うため、馬毛島に滑走路2本を新設し、かつ自衛隊基地の施設配置案も提示した。
 自衛隊員150〜200人の常駐を前提に、F35B戦闘機や輸送機オスプレイの訓練を想定している。
 8月中にも地元説明会を開く予定で、秋にはアクセス評価の手続きに入り、早期着工を目指す。工期は4年程度を見込み、早ければ6年後には米軍と自衛隊との共同訓練が始まる。
 この米軍空母艦載機の離着陸訓練(FCLP)とは、地上の滑走路を甲板に見立てて、空母からの離着陸をスムーズに行う訓練である。今から9年前、太平洋の硫黄島で実施している米軍のFCLPを、馬毛島に移す共同文書が交わされたことに始まる。

◆昨年11月、トランプ大統領にせかされたのか、安倍政権は馬毛島の大部分を所有し、かつ島内での違法な開発・森林伐採が指摘されている会社と、急きょ評価額45億円の3倍を超える160億円で買収合意した。
 これまた「森友学園への国有地払い下げ」の逆バージョンばりに、なぜ3倍も高い買収額、すなわち国民の税金を支払ったのか、その算定根拠や経過は闇のまま。

◆国会も開かずダンマリ、安倍政権の無責任体質は底なしだ。コロナだけではない。辺野古新基地の海底にある軟弱基盤へのズサンな対応といい、秋田と山口での「イージス・アショア」の配備撤回、敵基地攻撃能力の保有を検討するなど、説明責任を果たさず、地方自治をないがしろにするのは許されない。
 しかも「積極的平和主義」なるフレーズで、憲法にも関わる国の安全保障政策を決めるなど、思い上がりも甚だしい。(2020/8/16)
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2020年08月09日

【今週の風考計】8.9─見上げてごらん、コロナ禍の夏の夜の天空を。

この5日、明るい星のように光る球体が、19時45分ごろ西の低空から浮かびあがり、3分後の49分には南西45度の天空で最高点に達し、19時51分ごろ南の低空へ移動し消えた。わずか6分のドラマを、東京郊外の自宅の2階ベランダから、孫と一緒に見つめた。
 地上から約400kmの上空に建設された実験施設・国際宇宙ステーション(ISS)が、地球を周回する光跡である。ISSはサッカー場くらいの大きさを持ち、約90分で地球を一周している。残念ながら我がカメラでは、その光る球体を撮ることができなかった。

天空に関心が及ぶこの1週間、6日の広島・9日の長崎に投下された原爆を思い、「キノコ雲」と「黒い雨」の怖ろしさを噛みしめる。
 75年前の8月6日午前8時15分、米軍が広島市にウラン235原子爆弾を投下。上空 580mで爆発、市街3分の2を破壊し56万人が被爆、年末までに14万人が死亡した。
 そして3日後の8月9日午前11時2分、米軍は長崎市にプルトニウム239原子爆弾を投下。上空 500mで爆発、市域は半分が破壊され、年末までに7万人が死亡した。
 唯一の戦争被爆国である日本政府は、核兵器禁止条約の批准すらしない。核保有国では核軍拡が進む中、「橋渡し」などの詭弁で逃げるとは何事か。

35年前の8月12日午後6時56分、日本航空123便が御巣鷹山に墜落、乗客乗員520人が死亡、生存者4人。事故は、ボーイング社による後部圧力隔壁の修理が不完全なため損壊し、操縦ができなくなり墜落したといわれる。だが今もなお事故原因や墜落への疑問・謎は尽きない。
 今年の8月12日は深夜から13日の未明にかけて、北東の空にペルセウス座流星群が放射状に流れ星を光らせる。哀悼の光だろう。
また16年前の8月13日、宜野湾市の沖縄国際大学構内に、米軍普天間飛行場に所属するCH53D大型輸送ヘリが墜落・炎上した。飛散したヘリの破片は多くの民家や車両などに被害を与えたが、死者が出なかったのは奇跡というほかない。
 いまだに米軍ヘリや戦闘機の不時着・炎上・部品落下などの事故が、後を絶たない。重大な問題は、事故現場が日本の民間地にもかかわらず、日本の捜査権が及ばない、まさに「治外法権」がのさばっている実態にある。

コロナ禍の暑い夏、天空を見上げながら、「キノコ雲」や山のかなたに消えた機影、そして落ちてくる米軍機や部品に思いを広げる。そうだ! これらは自然災害じゃない、まさに人災だ! その現実のむごさに、鳥肌が立つ。(2020/8/9)
posted by JCJ at 07:55 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年08月02日

【今週の風考計】8.2─米国が求める<ジャガイモ協定>は拒否せよ!

コロナ禍の中、家での飲食が多くなった昨今、ご飯のおかずは肉ジャガ、酒のつまみにポテサラ、TVを見ながらポテチと、ジャガイモをお供にすることが増えた。それにしても長梅雨・日照不足により野菜が高騰、ジャガイモ1個で100円とは恐れ入る。
 そんなところに「生食用バレイショ 米国が輸入解禁要求」という見出しに目がいった。「赤旗」(8/1付)の4面最下段である。紙智子参院議員と農水省とのやり取りを読んで、にわかに興味を覚え、少し調べてみた。

まずは「生食用バレイショ」が気になる。「バレイショ」は「馬鈴薯」だと気づく。ジャガイモの形が馬につける鈴に似ていることから名づけられたという。だが「生食用」が分からない。
 ジャガイモには生食用と加工用があるのだ。料理や自家製コロッケに使うジャガイモが生食用で「男爵」や「メークイン」、筆者の好きな「インカのめざめ」などがある。加工用ジャガイモは主にポテトチップスに使い、「トヨシロ」や「スノーデン」などの種類があるそうだ。
これら日本のジャガイモ総生産量は240万トン、消費量は1人1年あたり25s、世界平均で32.4s、ベラルーシは171.2kgだから意外に少ない。

ジャガイモは連作ができない。生育が悪くなるうえに病害や寄生虫が発生しやすくなる。とくにジャガイモシロシストセンチュウにかかると、広く伝染し深刻な被害に遭う。このセンチュウは地中で増殖し、10年以上も生存し続け根絶が難しい。
そのため日本では、植物防疫法の指定種苗とされ、検疫を受けていないジャガイモの直接持ち込みは禁止とし、1950年以降、ジャガイモがかかるシロシストセンチュウが米国で発生していることを理由に、米国産の生食用ジャガイモの輸入を禁止してきた。この間にも米国産ジャガイモの輸入をめぐる攻防は続き、押し込まれる事態が進んできた。
ついに2017年9月、安倍政権は米国トランプ大統領の圧力に負け、アイダホ州産の加工用ジャガイモの輸入を、シロシストセンチュウ侵入リスクの低下を理由に解禁した。

さらに米国はこの3月末、生食用のジャガイモまで輸入解禁を求める要請を日本政府にしてきたのだ。もし輸入を認めれば、ジャガイモの国内生産への影響やシロシストセンチュウの流入リスクなど、計り知れない被害が出るのは明らかだ。
 ジャガイモ生産者だけでなく消費者・国民に知らせず、トランプ大統領の再選目当ての支持者向け<ジャガイモ協定>に屈服するのは断じて許されない。(2020/8/2)
posted by JCJ at 07:38 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月26日

【今週の風考計】7.26─「陸・海・空」から宇宙へ拡大するミサイル防衛の怖さ

★政府は、4500億円もの巨費を投ずる迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の配備計画を断念した。設置予定の秋田県からの強い反対に加え、検討すらしていなかったブースター落下の危険、さらにこれを統御する追加改良への疑問が募り、すでに米国企業に支払った200億円は戻らないのを承知で決断した。
 しかし自民党と安倍政権は転んでも只では起きない。ミサイル防衛を巡り「敵基地攻撃能力」の保有や「陸・海・空」のみならず宇宙にまで広げる軍事計画へと、議論を加速させている。9月にも国家安全保障会議(NSC)で方針をまとめるという。
★計画断念に至る経緯も検証せず、いきなり「敵基地攻撃能力」の保有に奔るとは呆れる。自民党内からは「自衛反撃能力」と言い換え、「専守防衛」の範囲内と強弁し、本質を隠ぺいする姑息な動きも強まっている。

★とりわけ北朝鮮の軍事動向に対応する議論は、危険きわまりない。北朝鮮の弾頭ミサイルは日本全域を射程に収め、発射台つき車両に搭載のうえ地下施設に収容されている。
 すでに数百発は保有し、短時間で発射できるよう実践配備している。さらにミサイルの種別や運用方法も多様化し、同時発射能力や奇襲能力などを高めているという。
 日本による「敵基地攻撃能力」の保有が、北朝鮮のミサイル発射を抑止する保障など一つもない。かえって日朝間の緊張を高め戦争誘発へと導きかねない。
★来年3月には海上自衛隊イージス艦8隻の態勢が整う。防衛省は、さらに2隻増やす検討に入った。日本海に2隻配置し展開すれば、日本のほぼ全域に飛来する北朝鮮からの弾道ミサイルを迎撃できるという。本当かいな。
 しかも2隻で計4千億円の建造費と600人の乗組員が必要となる。コロナ第2波の襲来で未曾有の規模の財政支出が必至、かつ景気低迷が続く中で、さらなる予算計上が許されるのか。訓練も含め600人の乗組員の確保だって、ただでさえ自衛隊員の募集がままならない中で、本当に可能か。

★防衛省は、さらに中国海軍の尖閣諸島への接近など、中国の軍事攻勢に神経をとがらせている。中国は日本を射程に収める弾道ミサイルの増強や宇宙空間での軍拡、マッハ5を超える極超音速ミサイル兵器の開発に傾注している。
 そこで防衛省は、コロナで緊急事態宣言が出されている5月18日、航空自衛隊に部隊員20人の「宇宙作戦隊」を創設した。東京・府中基地を拠点に、将来100人態勢を目指し、昨年末に発足した米国の「宇宙軍」と連携を強めている。
★背景には宇宙空間に広がる中国・ロシアの軍事的脅威がある。航空自衛隊「宇宙作戦隊」が取り組む、人工衛星の防衛や衛星キラーおよび発射ミサイルの早期探知などは、宇宙空間で展開される米・ロ・中の軍事作戦に巻き込まれる危険は大きい。
 いや防衛省は積極的に、電磁波を使って他国の衛星通信を妨げる装備の開発や日本独自の宇宙監視衛星の打ち上げすら計画している。安全保障の基本方針である「専守防衛」を踏み外すことに、つながりかねない。
★安倍首相に問う、コロナ禍の中、1か月以上も記者会見すら開かず、国民の前から雲隠れしている陰で、憲法「九条」をぶち壊す策動をしているとは、どういう神経か。(2020/7/26)
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2020年07月19日

【今週の風考計】7.19─コロナ第2波のなか「Go Toトラベル」強行の愚

「東京外し」でコロナが収まるの? 経済が活性化するの? 「Go Toトラベル」が「Go Toトラル」に陥るのが関の山。政府はコロナ第2波が急拡大しているさなか、1か月も前倒しのうえ22日から始める。あるネット調査では「今はどの地域でも実施すべきではない」が81%を占める。

東京を除外したからといって、コロナ禍が解消されるわけじゃない。東京のコロナ新規感染者数は、この17日には1日当たり過去最多の293人。この数字に注目が集まるが、日本全国に目を向ければ、直近の1日当たり新規感染者数は662人、4月10日の600人を超えている。
今もなお首都圏や地方の都市部を中心に感染が広がっている。夜の街でのクラスター(感染集団)発生に加え、エピセンター(感染集積地)まで形成されている。かつ感染者の半分近くが感染経路不明とくるから恐ろしい。
 コロナ感染の不安を抱え、行く側も受け入れる側も疑心暗鬼での観光旅行なんて、消費喚起どころか、名所を楽しく歩くこともままならない。

4月7日に閣議決定した「Go Toキャンペーン」は、「感染症の拡大が収束し、国民の不安が払拭された後」に実施するとされていた。感染が収まってもいない状況で、1兆3500億円もの税金を投入して「Go Toトラベル」を始めること自体が大間違い、即刻中止すべきだ。
 もともと「Go Toキャンペーン」は、官邸の<アベトモ補佐官>が発想し、経産省や財務省の<安倍ライン>で練り上げられたシロモノ。まさに安倍政権の側近官僚の手で、1兆7000億円もの巨額予算が、費用対効果の点検もなく計上されたのである。
感染を防ぎながら、経済を回す状況をつくり出すには、まずPCR検査を大規模に実施し、感染者の把握、隔離・療養に全力を挙げ、職場や学校・家庭での感染リスクを低くするのが先決だ。
 コロナ第2波が来て、東京の医療現場は逼迫の状況を加速させている。軽症者の宿泊施設の確保もままならない。まずそこへの集中した支援、資金援助も含めた対策が緊急ではないか。

いま世界はコロナ感染が、米国・ブラジル・インドなどで急拡大し、感染者は1400万人、死者は59万人を突破。1日の新規感染者は23万7千人に上る。「パンデミック」は深刻化の一途をたどっている。
 日本は「間違った方向に」舵を切っている。世界から「マスク2枚と10万円の国」と揶揄されるうえに、さらに「Go Toトラベル」などで騒いでいる時ではない。日本も全世界の英知に参加・協力して、コロナ感染症の対策に全力を挙げるときだ。(2020/7/19)
posted by JCJ at 08:00 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年07月12日

【今週の風考計】7.12─大雨が続く中、一輪のバラとダンディと宮沢賢治

この1週間、降り続いた雨が小止みとなり、家の周りの花々を見てきてほしいと妻にせっつかれ、重い腰をあげた。
 まずはベランダの手すりにかけたプランターを眺めると、アイビーゼラニウムが赤や白の房状の花を元気に広げている。枯れた花殻を摘み取る。レトリスに絡む朝顔は紫の大輪を、誇らしく5つも葉の陰から浮かびあがらせている。

庭に下りてバラに目を凝らせば、バラの若い葉裏に黒い1センチほどのシャクトリムシが付いている。コンチクショウとつぶやきながら、ワリバシで摘まんではサンダルの足で踏みつぶす。
 これは「ヨトウガ」の幼虫で、新芽は食いつぶし、蕾だって中を通り抜けながら食べるので、花が咲くと穴が等間隔に開いて、無残な姿になっている。頭にくる。
3年前に河津町のバガテル・バラ園で購入した「伊豆の踊り子」が、輝くような黄色の花弁を開く。ピンクの大輪「プリンセス・ドゥ・モナコ」や名前は忘れたが白いバラも開花している。ベゴニアやマリーゴールドも色鮮やかだ。
 小さな鉢に植えた赤いミニバラの中から、一輪の花が咲く一枝をハサミで切り、部屋に戻って備前焼の小さな一輪挿しの花瓶に投げ入れる。テレビ台の前の床には、これまた紫色のちっこい花をつけたセントポーリアの鉢がある。やっと腰を下ろし、テーブルの上に広げた朝刊のまわりが、いやに明るく見える。

さて紙面に目を通しながら聴く今日のCDは、ヴァンサン・ダンディ「フランスの山人の歌による交響曲」OP 25、デュトワ指揮・モントリオール交響楽団(DECCA430 278-2)である。コロナ禍の中、毎朝、適当に選んでクラシックを聴く。
 ダンディが毎年夏を過ごした、フランス中部山岳地方セヴェンヌの山々を望む土地ペリエで耳にした牧歌が、主題に充てられている交響曲。35歳の時に作った独奏ピアノが入る珍しい曲だ。ホルンやフルートなど管楽器が多彩に使われ、さわやかなメロディが心地よい。
どこかで聞き覚えのあるメロディ、気になって調べてみると、4年前に亡くなった富田勲の「イーハトーヴ交響曲」(DENON COGO62)、まさに宮沢賢治へのオマージュの中で、多く使われているのが分かった。
 筆者には「フランスの山人の歌による交響曲」の第3楽章が、とりわけ印象に残っているので、「イーハトーヴ交響曲」にある、宮沢賢治作詞・作曲の<剣舞/星めぐりの歌>を聞くと、オオそっくりだと声が出てしまう。

それにしても宮沢賢治という作家は多才である。自ら楽曲づくりも手掛け、作詞は25曲以上、うち8つは作曲もしているとは驚きだ。ダンディの交響曲だって聞いていたに違いない。富田勲の「イーハトーヴ交響曲」には、宮沢賢治の作詞・作曲が3つ入っている。聴いてほしい。
 さらに付け加えれば、賢治は旅好きだった。梯久美子『サガレン』(KADOKAWA) は、宮沢賢治が亡き妹トシの魂を探して、サハリン(樺太)を旅する姿を丁寧に追っている。(2020/7/12)
posted by JCJ at 08:52 | 【今週の風考計】 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする