◇報道の自由度、日本66位
国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は21日、2020年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち日本は66位(前年67位)だった。日本の状況について、東京電力福島第一原発といった「反愛国的」テーマを扱ったり、政権を批判したりする記者がSNS上で攻撃を受けていると指摘した。新型コロナウイルスの感染が広がる状況については、ウイルスの脅威を利用して「平時ではできないような規制を課している」国があると指摘。中国(177位)やイラン(173位)で大規模な検閲が行われたと指摘した。(「朝日」4月22日付ほか)
◇コロナ禍の「報道危機」調査
新聞や放送、出版などメディア関連労組でつくる「日本マスコミ情報労組会議」(MIC)は21日、「報道の危機」をテーマにしたアンケートに寄せられた報道関係者の声を公表した。新型コロナウイルスをめぐっては、「感染防止を理由に対面取材が難しくなり、当局の発信に報道が流されていく恐れがある」といった声が上がっている。新型コロナウイルスをめぐる報道環境については、「会見がかなり制限され、入ることさえできなくなったものもある」「現場取材や編集などを対面で行えない」との指摘や、「3密」がそろった場所での取材を不安視する声が寄せられた。(「朝日」4月22日付)
◇「桜」扱うNHK番組、放送直前差し替え
社会の多様性をテーマに、障害や差別の当事者らが意見を発信するNHK・Eテレのバラエティー番組「バリバラ」の午前26日の午前零時からの再放送が、放送直前に別の内容に差し替えられていたことが同日、分かった。当初は首相主催の「桜を見る会」のパロディーなどを盛り込んだ回を予定していたが、実際に放送したのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け障害者たちの生活支援を巡って議論した回。番組の公式ツイッターには「圧力をかけられたと、あらぬ疑いをかけられぬ」との声も寄せられたが、番組を制作したNHK大阪放送局の広報部は「コロナ感染の現状を鑑みて再び伝えるべき内容と判断した。圧力などはない」としている。内容の変更は放送30分前に番組サイトで告知された。(「東京」4月27日付ほか)
◇新聞協会、民放連がWG初会合
日本新聞協会と日本民間放送連盟は7日、新型コロナウイルスを理由とした医療従事者らへの差別や偏見について考える合同ワーキングループ(WG)の初会合を開いた。両団体に差別や偏見防止策の方策を共に検討するよう求める要望書を送った京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授ら専門家8人もウェブ会議で参加した。会合では、専門家から「最も感染リスクの高い医療従事者や医療施設に関する報道で医療従事者の家族が差別、偏見を受けることもある。改善策を考えたい」との意見が出た。報道機関側からは「医療関係者に対する非難や中傷は許容できないとの立場で報道している」などの声が上がった。両団体は差別や偏見を防止する取り組みの一環として今月末までで共同声明を発表する意向を示した。(「毎日」5月8日付ほか)
◇「#桁検察庁法改正に抗議します」、著名人ら380万以上投稿
会員制交流サイト(SNS)のツイッター上で9〜10日にかけ、検察庁法改正に抗議意欲を示す市民や野党議員、著名人のツイートが相次ぎ、一時約380万以上を記録した。検察官の定年を延長する検察庁法の改正部分を含んだ国家公務員法改正案を巡っては、検察庁の独立性が安倍政権にゆがめられないと懸念する声が出ている。(「神奈川」5月11日付ほか)
編集部
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年5月25日号
2020年05月28日
2020年05月13日
【メディア気象台】 4月初旬から中旬=編集部
◇データ通信量、4割増加
新型コロナウイルスの感染拡大で、データ通信量が急増している。国内通信大手によると、3月下旬の通信量(日中)は2月比で最大4割増。世界でも同様にデータ通信量が膨らんでいる。外出自粛でテレワークが広がり、企業の利用と動画配信サービスが増えている。外出抑制に加え、遠隔授業の本格運用が始まれば、通信ネットワークの停滞懸念が強まりそうだ。(「日経」4月4日付)
◇公演中止・延期5678件
新型コロナウイルスの影響でコンサートや演劇など文化芸能分野の5678件が中止・延期となり、チケット代の払い戻しなどの損失額が3月中旬時点の推計で522億円に上ることが9日分かった。国内主要21団体で構成する文化芸術推進ファーラム(東京)が3月17日時点での損害額と以降の見込みを集計した。公演自粛の動きはその後も広がっており、さらに膨らむ見通し。(「神奈川」4月10日付ほか)
◇「知る権利」守れ、質疑時間確保を〜新聞労連が声明
新聞労連は7日、緊急事態宣言下での市民の「知る権利」を守るために政府や報道機関に対策を求める声明を発表した。記者会見では、質疑権と安全性の両立が重要であり、十分な間隔を空けて取材ができる会見場に移すことやネットを活用した質疑も求めている。多様な角度からの質疑がいっそう重要になっており、「大本営発表」一色に染まった戦前の過ちを繰り返さないためにも、質疑時間を十分に確保することを訴えている。政府内の会議については、会議録の作成と早急な公開を強調。NHKが首相や都道府県知事の指示を受ける対象となることについて、報道機関への過度な介入に反対し、批判的な言説を封じることや報道自粛要請には連帯して抗議しようと呼び掛けている。(「しんぶん赤旗」4月10日付)
◇会合も会見もネットで〜与野党手探り
新型コロナウイルスの感染拡大で、与野党も密閉、密集、密接の「3密」回避を本格化させている。議員同士や有権者らとの接触を避けつつ機会を確保しようと、インターネットを用いた会議や記者会見などを試行。新型コロナ禍で手探りの政治活動が続く。(「朝日」4月10日付)
◇4閣僚会見、半減を撤回
内閣府は10日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令を受け、武田良太防災担当相ら4閣僚が個別に週2回実施している閣議後記者会見を1回に減らすとした官邸記者クラブ「内閣記者会」への提案を撤回した。記者会は週2回を継続するよう要望していた。会見数削減の対象となっていた閣僚は、武田氏のほか、衛藤晟一沖縄北方担当相、北村誠吾地方創生担当相。内閣府は8日、感染予防や職員のテレワーク推進などを理由に削減を提案した。記者会は「宣言が発令されている時こそ、閣僚の発信は重要だ」と反論していた。(「東京」4月11日付ほか)
◇在宅で通信量、平日昼2割増
総務省は10日、新型コロナウイルス感染拡大を受けたテレワークの広がりでインターネットの通信量が増えていることの対策を議論する官民協議会を設立すると発表した。総務省によると、企業が在宅でのオンライン会議を行っている影響などで平日昼間の通信量は平時に比べ約2割増加している。通信量のピークとなる夜間に変化はない。緊急事態宣言の発令で通信需要の伸びが継続することが予想されるため、迅速に対応できる体制をつくる。(「東京」4月11日付ほか)
編集部
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年4月25日号
新型コロナウイルスの感染拡大で、データ通信量が急増している。国内通信大手によると、3月下旬の通信量(日中)は2月比で最大4割増。世界でも同様にデータ通信量が膨らんでいる。外出自粛でテレワークが広がり、企業の利用と動画配信サービスが増えている。外出抑制に加え、遠隔授業の本格運用が始まれば、通信ネットワークの停滞懸念が強まりそうだ。(「日経」4月4日付)
◇公演中止・延期5678件
新型コロナウイルスの影響でコンサートや演劇など文化芸能分野の5678件が中止・延期となり、チケット代の払い戻しなどの損失額が3月中旬時点の推計で522億円に上ることが9日分かった。国内主要21団体で構成する文化芸術推進ファーラム(東京)が3月17日時点での損害額と以降の見込みを集計した。公演自粛の動きはその後も広がっており、さらに膨らむ見通し。(「神奈川」4月10日付ほか)
◇「知る権利」守れ、質疑時間確保を〜新聞労連が声明
新聞労連は7日、緊急事態宣言下での市民の「知る権利」を守るために政府や報道機関に対策を求める声明を発表した。記者会見では、質疑権と安全性の両立が重要であり、十分な間隔を空けて取材ができる会見場に移すことやネットを活用した質疑も求めている。多様な角度からの質疑がいっそう重要になっており、「大本営発表」一色に染まった戦前の過ちを繰り返さないためにも、質疑時間を十分に確保することを訴えている。政府内の会議については、会議録の作成と早急な公開を強調。NHKが首相や都道府県知事の指示を受ける対象となることについて、報道機関への過度な介入に反対し、批判的な言説を封じることや報道自粛要請には連帯して抗議しようと呼び掛けている。(「しんぶん赤旗」4月10日付)
◇会合も会見もネットで〜与野党手探り
新型コロナウイルスの感染拡大で、与野党も密閉、密集、密接の「3密」回避を本格化させている。議員同士や有権者らとの接触を避けつつ機会を確保しようと、インターネットを用いた会議や記者会見などを試行。新型コロナ禍で手探りの政治活動が続く。(「朝日」4月10日付)
◇4閣僚会見、半減を撤回
内閣府は10日、新型コロナウイルス特措法に基づく緊急事態宣言の発令を受け、武田良太防災担当相ら4閣僚が個別に週2回実施している閣議後記者会見を1回に減らすとした官邸記者クラブ「内閣記者会」への提案を撤回した。記者会は週2回を継続するよう要望していた。会見数削減の対象となっていた閣僚は、武田氏のほか、衛藤晟一沖縄北方担当相、北村誠吾地方創生担当相。内閣府は8日、感染予防や職員のテレワーク推進などを理由に削減を提案した。記者会は「宣言が発令されている時こそ、閣僚の発信は重要だ」と反論していた。(「東京」4月11日付ほか)
◇在宅で通信量、平日昼2割増
総務省は10日、新型コロナウイルス感染拡大を受けたテレワークの広がりでインターネットの通信量が増えていることの対策を議論する官民協議会を設立すると発表した。総務省によると、企業が在宅でのオンライン会議を行っている影響などで平日昼間の通信量は平時に比べ約2割増加している。通信量のピークとなる夜間に変化はない。緊急事態宣言の発令で通信需要の伸びが継続することが予想されるため、迅速に対応できる体制をつくる。(「東京」4月11日付ほか)
編集部
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年4月25日号