2020年05月26日

【焦点】 大量返品を危惧 コロナで追いうちの中小出版社=橋詰雅博

 人口減、書店の激減、消費税率10%の値上げによる出版不況は、コロナ禍で既存の書店の臨時休業や営業時間の短縮でより深刻になっている。コロナで追いうちをかけられた出版社は、どんな状況なのだろうか。
 所属する団体のアンケート調査に応じた中小出版社10数社の回答の集計表では、リモートワークを実施している社は70〜80%。売り上げは前年同期比(3月と4月の2カ月間)で30〜50%減だ。手元資金でどのくらい経営を維持できるのかの問いに対して3カ月が最も多い。つまり6月以降、経営危機に陥るというわけだ。印刷物が事業の中心である会社は打撃が大きい。
 この団体の世話役は「イベントのチラシや旅行関係のフリーペーパーなどの仕事がなくなったからです。開店休業¥態と言っても過言ではありません」と話す。ほとんどの会社は持続化給付金など公的資金を受ける申し込みを済ませている。これによってなんとか危機を乗り切ろうとしている。
 ある出版社の幹部社員はこうつぶやく。
「取次会社から書店への配本にブレーキをかける要請はなかった。5月分の返品はこらからですが、大量に戻ってくるのではと心配です。恐怖を感じています」
 中小出版社がバタバタ潰れたら、日本の出版文化は先細る。
橋詰雅博
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2020年05月15日

【焦点】 マスクなしの経営陣に驚く 株主総会で=橋詰雅博

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 東証一部上場企業の株主総会に出席した。3月末のことで、4月7日の緊急事態宣言の発令前だからまだ新型コロナウイルス感染が本格化していない状況だが、総会はどうなっているのか興味があったので、今年は出た。
 事前に株主には新型コロナ感染防止への対応についてと題したハガキが届いた。それには@当日のご自身の体調をお確かめのうえ、マスク着用、会場各所のアルコール消毒液の使用等、ご協力の程お願い申し上げますA混雑緩和の観点から、ドリンクコーナーの設置及びご来場の際のお土産については、今回は中止とさせていただきますと書かれていた。
 会場は都内一流ホテルの大ホールで、ホテルマンによると800人くらい入るそうだ。会場に入る前、両手をアルコール消毒した後、体温を測るサーモグラフィーカメラの前を通る。おそらく37・5度以上と検知されると入場を断られるのだろう。  
 感染防止に協力した後、受付を済まし、会場へ。ガラガラで両側2席を空けて着席。マスクをしているスタッフの方が目立つほど株主は少なかった。僕が尋ねたスタッフは、出席した株主は100人に満たないと返事した。
 ひな壇にそろった10数人の経営陣を見て少し驚いた。全員、マスクをしていなかったからだ。予想を裏切る光景。議長役の社長は、役員は事前に十分に体調をチェックしているので、本日はマスクはしていませんと述べた。株主にマスク着用を強いておきながら一方でこうしたやり方にやや不満を抱く。
 社長はコロナ禍の対応のため遠距離通勤の社員を対象に職場に近いホテルの部屋を用意していると話した。ここの企業は医家向け製薬会社を傘下に持っているので、コロナ感染防止対策事業ついて質問する株主が多かった。
 何か具体的なプランを持っているのかと僕の質問に対して、議長が指名した製薬会社社長は診断できる検査キットの輸入を検討していますと答えた。企業秘密があるのだろうから公の場では明快な事は言えないのは分かるが、あまり納得できなかった。ちなみにスタッフは株主の発言が終わるたびにマイクをアルコール消毒液で拭いていた。
 毎年6月下旬に集中する株主総会だが、今年はそろえる書類などが準備できず延期する企業も少なくない。ネットを活用したバーチャル株主総会も登場した。コロナ禍で株主総会も状況が一変だ。
 橋詰雅博
posted by JCJ at 08:51 | 焦点 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする