2023年03月17日

【JCJオンライン講演会】22年度JCJ賞受賞記念 ネアンデルタール人は核の夢を見るか 〜核のゴミ≠ニ科学と民主主義 講師:HBC・北海道放送 報道部デスク 山ア裕侍さん 26日(日)午後1時から3時

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 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる核のごみ。北海道寿都町と神恵内村では、全国初の核のごみに関する文献調査が行われている。人口2700人余の寿都町では、調査を巡って、町民は賛成・反対で二分された。取材班は、この町の動きを2年以上にわたって継続取材、そこから浮かび上がってきたのは「核のごみ」という日本全体の問題を小さな町に押し付けるこの国の構造だった。
 北海道放送は2020年度にも「ヤジと民主主義」でJCJ 賞を受賞、山アさんは、この時も番組の制作に携わっている。北海道で起きている問題から日本の民主主義の在り方を問い続けている山崎さんに、番組作りの狙いや、タイムリーな問題になっている放送法の公平性についての政治介入の問題についても語っていただく。

■参加費:500円
当オンライン講演会に参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0326.peatix.com/)で参加費をお支払いください。

(JCJ会員は参加費無料。jcj_online@jcj.gr.jp に別途メールで申し込んでください)

主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)03-6272-9781(月水金の13時から18時まで)https://jcj.gr.jp/

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2023年03月11日

【JCJ神奈川支部 オンライン講演会】ヘイト批判報道――スラップ訴訟を闘って 講師・石橋 学さん(神奈川新聞 川崎総局編集委員)19日(日)14:00〜16:00

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 在日コリアの人たちへのヘイト問題を果敢に報じている神奈川新聞の石橋学記者。その石橋記者の記事で名誉を棄損されたとして、石橋記者に損害賠償を求めた裁判が、横浜地裁川崎支部で続いていた。訴えたのは日本第一党とのつながりが強い、いわゆるネトウヨの人物。
その判決が1月31日にあり、記事についての名誉棄損の請求は棄却されたが、一部、石橋記者の発言について15万円の賠償を命じる不当判決となった。
 JCJ本部はこの裁判に2021年3月、「スラップ訴訟と闘う神奈川新聞・石橋記者を全面的に支援する」との声明を出している。
 JCJ神奈川支部では裁判の結果を受け、石橋記者にヘイトについて、この裁判で感じたことや明らかになったことを語ってもらう。

【講師の略歴】
 石橋 学(いしばし・まなぶ)
 1971年東京生まれ。94年に神奈川新聞社に入社。報道部、運動部などを経て2018年から川崎総局編集委員。連載「時代の正体」で2016年度JCJ賞、2020年度新聞労連ジャーナリズム大賞を受賞。

★参加費:500円
当オンライン講演会に参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0319.peatix.com/)で参加費500円をお支払いください。(JCJ会員は参加費無料。jcj_online@jcj.gr.jp に参加希望と書いて、メールをお願い致します)

主催: 日本ジャーナリスト会議(JCJ)神奈川支部 
    お問い合わせ: 080‐8024‐2417(保坂)
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2023年03月07日

【JCJオンライン講演会】政府のメディア戦略の現状とマスメディアの機能不全─映画『妖怪の孫』公開直前、内山雄人監督が語─12日(日)午後2時から4時

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 「彼がもたらしたのは美しい国か、妖怪が棲む国か?」、こんな問いかけで故安倍晋三元首相の政治に切り込んだ政治ドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が3月17日から公開されます。菅義偉前首相を捉えた前作『パンケーキを毒見する』を手掛けた監督の内山雄人さんは、安倍元首相やその背景を改めて検証することで、今の自民党や政権が果たしてどこに向かおうとしているのかを見極めようとしたと話しています。安倍政権が選挙に強かった背景にあったメディア戦略やマスメディアの機能不全、そして作品に込めた思いなども含めて、公開を目前に、内山監督に語ってもらいます。


■内山雄人監督談:
この映画を見ることによって、今の自民党のやろうとしていることの背景や大きな狙いが見えて来るのではないか。直截な批評をする気はありません。岸田政権にどれほど安倍さんが影響を与えているか、与え続けているか? 昨年末から今年にかけて、「丁寧な説明」とはかけ離れた強硬な政策決定ばかりが続き、安倍さんすら決断しなかったことが次々と実現されようとしている。まさに歴史の転換点と言ってもいいでしょう。マスコミもこの異常な事態に客観的な視点で大きく伝えているとは言えません。私は今、本当に危機感を感じています。ルールの破り方、物事の進め方など安倍さんを見ることで今の自民党政権のやり方が見えると思います。背景にあるものは何か。この映画を見て知って欲しい。

■内山監督プロフィール:
1966 年 8 月 24 日生まれ、千葉県出身。早稲田大卒業後、90年テレビマンユニオンに参加。93年「世界ふしぎ発見!」でディレクターデビュー。情報エンターテインメントやドラマ、ドキュメンタリー等、特番やレギュラー立ち上げの担当が多く、総合演出を多数行う。インタビュー取材、イベント、舞台演出、コンセプトワークも得意とする。主な作品に、2001 年 12 月〜日本テレビ「歴史ドラマ・時空警察」Part1〜5 監督&総合演出、2006 年〜09 年日本テレビ「未来創造堂」総合演出、2010〜15 年日本テレビ「心ゆさぶれ!先輩 ROCK YOU」総合演出、2015〜20 年 NHK プレミアム アナザーストーリーズ「あさま山荘事件」、「よど号ハイジャック事件」、「マリリン・モンロー」、「ドリフターズの秘密」、「立花隆 vs 田中角栄」などがある。『パンケーキを毒見する』(21)で映画初監督を果たす。

■『妖怪の孫』3月17日(金)より新宿ピカデリーほか全国公開。
 3月17日公開!『妖怪の孫』公式サイト (youkai-mago.com) ※予告編をご覧いただけます

企画:河村光庸 監督:内山雄人 企画プロデューサー:古賀茂明 
ナレーター:古舘寛治 音楽:岩代太郎 アニメーション:べんぴねこ

2023年/日本映画/カラー/ビスタ/ステレオ
製作:「妖怪の孫」製作委員会 
制作:テレビマンユニオン 
配給:スターサンズ
c2023「妖怪の孫」製作委員会

■参加費:500円
講演会参加希望の方はPeatix(https://peatix.com/event/3523199)で参加費をお支払いください。

(JCJ会員は参加費無料。jcj_online@jcj.gr.jp に別途メールで申し込んでください)

■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
    03-6272-9781(月水金の13時から18時まで)
      https://jcj.gr.jp/
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2023年02月24日

【お知らせ】JCJ賞受賞者と学生がコラボ 2月にはJPOT新冊子が完成=古川英一

 JPOT(東海ジャーナリズムプロジェクト)は東海大学文化社会学部の羽生浩一教授のゼミで、学生たちはJCJ賞の受賞者のスピーチを聞いて、取材して、自分たちの意見をまとめて毎年1冊の冊子を作り上げていく。その活動の中から学生たちにジャーナリズムの鼓動や社会の動きを感じてもらおうという狙いだ。2016年に共同プロジェクトとしてスタートし、JCJからも元記者のメンバーが中心になってデスク役を務めている。
 2022年は6つの受賞作品と特別講演について1年生から3年生まで7人が参加して(4年生もサポート)、9月の贈賞式以降、受賞者への取材を行った。今回の受賞作は地方からの発信が多かったため、ZOOMでの追加取材や、中には長野まで出かけて話を聞いた学生もいた。そして毎月2回ZOOMでデスクも含めた編集会議を行い、年末までほぼ3か月かけて冊子をまとめていった。

  取材して原稿を書くのは初めてという学生もいて、デスクとのやりとりに、めげることなく何度も書き直し、自分の気づきを文章に刻んでいった。沖縄の2紙を担当した学生は「沖縄の犠牲によって今の私たちの生活が成りたっているのかと思うと、沖縄が直面している問題に無関心ではいられない」と記した。また「将来メディアの仕事につけたなら、どうすれば関心のない人にも届くか、どうすれば自分の事として考えてもらえるかを常に意識したい」と意気込みを書きこんだ学生もいる。
 
 冊子では毎回、学生が自分たちで決めたテーマで座談会を行っている。今回は大賞の「教育と愛国」についてだ。日頃キャンパスではなかなか話題にできないような問題を本音で語り合った。「正しい日本人像を教育でどうこうしようというのは違うのではないか」という指摘や、ドイツの教育について調べてきた学生は「加害の歴史を乗り越えて二度と繰り返さないという意識があると思った」と語る。こうして学生たちの問題意識が高まっていくのを見ることができ、この中から、ジャーナリストを目指す人が出てくることを期待したい(これまでに何人かが記者のへ)。
 JCJ賞のジャーナリストと学生とのコラボレーション、来月には冊子をお届けできると思う。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年1月25日号
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2023年02月20日

【お知らせ】3月5日(日)午後2時から4時 22年度JCJ賞受賞記念 土の声を「国策民営」リニアの現場から =信濃毎日新聞取材班

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  2022年度JCJ賞受賞者によるオンライン講演会第3弾 日本列島の中央部の自然体系と地形、風土を大きく傷つけながら強行されているリニアモーターカー建設プロジェクト。総工費約7兆円のうち約3兆円を政府が財政投融資で貸し出すという、「国策民営」の事業だが、長野など関係県や市町村にも大きな負担を押し付けられている。その必要性、有効性からも、地元住民などの根強い反対運動が続く。
 86%がトンネル工事の同プロジェクトでは、残土の処理や運搬など「土」の処理が、大きな課題になっている。この「土」に焦点を充てながら、報道機関がとかく及び腰だったリニア問題に、正面から切り込んで取材を重ねた現場の生の声を、 信濃毎日新聞の記者の方々に語っていただく。

■講師:信濃毎日新聞「土の声を『国策民営』リニアの現場から」取材班のみなさん    
     島田 誠さん(信濃毎日新聞報道部部次長)    
     青木 信之さん(信濃毎日新聞報道部記者)    
     前野 聡美さん(信濃毎日新聞報道部記者)
■開催日時:3月5日(土)14:00〜16:00(zoomにてオンライン)

★★★参加費:500円
当オンライン講演会に参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0305.peatix.com/)で参加費をお支払いください。
(JCJ会員は参加費無料。jcj_online@jcj.gr.jp に別途メールで申し込んでください)
  主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
    03-6272-9781(月水金の13時から18時まで)
       https://jcj.gr.jp/
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2023年02月08日

【JCJ声明】岸田政権の「戦後・安保政策大転換」に抗議し、安保3文書、軍拡予算の撤回と、国会解散・総選挙を求める

 岸田内閣は昨年12月「国家安全保障戦略」など「安保3文書」、前年度から約1.4兆円増額した防衛費を含む23年度予算案を決定。首相は、記者会見で「戦後安保政策の大転換だ」と強調し、1月の米国ジョンズ・ホプキンス大学大学院での講演では「吉田元首相の日米安保条約締結、岸首相の安保条約改定、安倍首相の平和安全法制策定に続く歴史上最も重要な決定」と述べた。

 岸田政権は、日本国憲法の下で確認し続けてきた「専守防衛」の原則まで投げ捨て、敵基地攻撃を目的とした武器を保有しようとし、防衛費をGDP1%以下とすることで「軍事大国」とならず、「武器輸出3原則」で「死の商人」にはならない」と決意してきた国の形「戦争をしない平和国家」を、公然と「戦争する国家」へと変えようとしている。

 さらに、戦後日本の科学技術政策が民主的・平和的に進められるべきだとした日本学術会議の再編や、国際的にも最大の福島第一原発事故の諸問題や核廃棄物の処理が全く進んでいない中での原発再稼働・新設、核燃料再処理や核融合の計画再開をもくろむなど、不条理な政策転換を、国会の閉会中を狙って進めてきた。
  特に私たちは、ロシアのウクライナ侵攻や台湾有事への懸念を利用した危機宣伝、税か国債かという先走った財源論、なじみのない軍事用語の乱用などによって岸田内閣が国民をごまかし、民主主議に反して独裁的に進めていることを許すわけにいかない。

  このことは、問題の重要性にも拘らず、メディアの報道を不十分にする結果を生み、事実は報じられても、その意味や問題点は見過ごされ、国民は事実上、置き去りにされている。私たちはかつての戦争の時代、最初は軍部と軍拡を批判していた新聞が、やがて国民を戦争に駆り立て、動員していった事実を痛恨の念と共に忘れることはできない。「再び戦争のためにペンを、カメラを、マイクを取らない」と誓って再スタートした日本のジャーナリストは、こうした事態を放置するわけにはいかない。
  私たち日本ジャーナリスト会議は、いま、日本国憲法のもと「真実の報道」を貫き、戦争に向かう道を阻止することを決意し、安保3文書、軍拡予算の撤回と岸田内閣の退陣、国会解散・総選挙を求める。

2023年2月6日
 日本ジャーナリスト会議                     

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2023年01月19日

【緊急お知らせ】Peatixの受付一時停止と、オンライン講演会の今後の対応について

 JCJオンライン講演会「タリバン政権の現状と故中村哲氏のレガシー〜アフガン取材報告」に申し込みいただき、ありがとうございます。
 開催日の1月21日が迫ってまいりましたが、日本ジャーナリスト会議(JCJ)事務局で本講座を担当する者の事情で、急きょPeatixでの参加申し込みが不可能な事態になりました。
オンライン講演会は参加費を取らずに無料で開催することにし、参加者にご迷惑をおかけしますが、予定通りの21日の日程で無料開催しますので、ご理解ください。
 既に手続きいただいた参加費については、返金させていただきます。「チケット代」の返金はPeatixから行います。
 返金手続き等を含め、今回の対応に問い合わせなどがありましたら、JCJ運営委員の鈴木宛にメールsuzukikatsuhiko514 @gmail.comでご連絡ください。




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2023年01月12日

【JCJオンライン講演会】1月21日(土)午後2時から4時 タリバン政権の現状と故中村哲氏のレガシーアフガン取材報告 講師:ジャーナリスト・高世 仁さん

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 アフガニスタンは米軍が撤退するなか2021年8月にイスラム主義組織タリバンが権力を奪取。「イスラム法の下、女性の権利を尊重する」の約束を反故にし、女性の教育・就労などの権利を制限する措置をとっている。
 国際社会は経済制裁を科し、干ばつも相まって未曽有の危機がアフガンを襲う。国連機関は、この冬、アフガン国民の半数が深刻な食糧難に陥ると警鐘を鳴らしている。
 そんなアフガンで明るい材料は、3年前に凶弾に倒れた医師の中村哲さん(享年73)の遺志が現地の人々に受け継がれ、水利事業をもとに農村振興をはかる「緑の大地計画」が継続・発展していることだ。
 22年11月に現地取材をしたジャーナリストの高世仁さんが今のアフガンを報告。タリバン政権に対する日本の向き合いかたを提言する。
【講師の略歴】
高世 仁(たかせ・ひとし) ジャーナリスト。日本電波ニュース社特派員として東南アジアに10年駐在、報道部長を経て1998年退職し、テレビ番組制作会社「ジン・ネット」を設立。会社代表として報道・ドキュメンタリー番組をプロデュース、自らも取材にあたる。2020年2月以降はフリーランスとして活動している。著作に『拉致―北朝鮮の国家犯罪』(講談社)、『チェルノブイリの今―フクシマへの教訓』(DVD出版、旬報社)など。
★参加費:500円 https://houkoku.peatix.com/を通じてお支払いください。

【なおJCJ会員は参加費無料。onlinejcj20@gmail.com に別途メールで申し込んでください。この機会にJCJ会員になることを希望する方も同アドレスにご連絡をください。JCJはジャーナリズムに関心のある市民の方々も会員になることができます。詳細はホームページをご覧ください】

主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ) 電話03・6272・9781(月水金の午後1時から6時まで)
    メール office@jcj.gr.jp    ホームページhttps://jcj.gr.jp/
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2022年12月30日

【声明】JCJ広島支部 違憲の「安保3文書」の閣議決定に抗議し白紙撤回を求めます  

 岸田文雄首相率いる政府は12月16日、今後の外交・防衛政策の指針となる「国家安全保障戦略」及び「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」の「安保関連3文書」を閣議決定しました。これには「敵基地攻撃能力」の保有が明記されており、それを「反撃能力」と言い換えたところで、国際法の禁じる「先制攻撃」になる危険性を消し去るものではなく、戦後日本の国是として堅持してきた憲法9条に基づく「専守防衛」から逸脱するものと言わざるを得ません。
 加えて、その費用を含む今後5年間の防衛費を総額43兆円と現行計画の1.5倍以上に増額し、財源を法人、所得、たばこの3税の増税で賄うとして、東日本大震災からの復興に使うための復興特別所得税の流用まで盛り込んだばかりか、戦時国債の発行で軍事費を担保し戦争の遂行に繋がった教訓から戦後は“禁じ手”とされてきた防衛費に充てる国債発行にも手を付けるなどというのは、コロナ禍や物価高騰に苦しむ国民の生活をさらに圧迫するもので到底看過できません。

 岸田首相自身が言うように、まさに「戦後の安全保障政策の大転換」です。それが国民的議論はおろか、国会での審議もないまま、一片の閣議決定で実行に移されてよいのでしょうか。衆院広島1区選出の首相の地元紙、中国新聞は17日付の社説で「平和憲法をゆがめるな」と題し、「国民の理解と合意を欠いたまま防衛力強化に突き進むことは許されない。平和国家の岐路である。まずは国会で徹底的に議論するべきだ」と説きました。
 他の地方各紙からも厳しい批判の社説掲載が相次ぎました。全国紙も、例えば朝日新聞は「首相は会見で、防衛力強化は『国民の協力と理解』なしには達成できないと述べた。ならば、来年の通常国会を始めとする開かれた場で、自分の言葉で説明を尽くし、必要な見直しを躊躇すべきではない」、毎日新聞は「平和国家としてのあり方をなし崩しに変え、負担を強いる。それでは、新たな安保戦略に対する国民の理解は得られまい」と指摘しています。

 多くの有識者からも疑問や批判の声が上がっています。そのうち、憲法や国際政治学者、ジャーナリスト、市民団体代表らでつくる「平和構想提言会議」(共同座長=青井未帆・学習院大教授、川崎哲・ピースボート共同代表)は、政府の安保戦略への対論としてまとめた提言「戦争ではなく平和の準備を―“抑止力”で戦争は防げない―」の中で、こう述べています。
 「政府・与党は『抑止力を高める』とするが、実際には戦争のリスクを高める。北朝鮮の核ミサイル開発、中国の軍備増強や海洋進出は重大な問題だが、日本の対応策が軍備増強や攻撃態勢強化ばかりなら、平和的解決は遠のく一方だ。今日の軍事的緊張がエスカレートすれば、戦争は現実となる。東アジアにおける戦争は世界の経済、食料、環境に壊滅的な影響をもたらす。軍事的な『勝利』の想定に意味はない。軍事力中心主義や『抑止力』至上主義は極めて短絡的で危険だ。抑止力は、武力による威嚇に限りなく近い概念。安保論議の中心に据えられている状況は憂慮すべきだ。持続可能な安保のため、抑止力の限界を認識し『抑止力神話』から脱却しなければならない」と。
 岸田首相にはぜひ重く受け止めてほしい提言です。

 私たちの所属する日本ジャーナリスト会議(JCJ)は戦後、「再び戦争のためにペン、マイク、カメラを取らない」と誓って創設したものです。とりわけ被爆地ヒロシマで活動する私たちは、戦争と平和、被爆者や核兵器をめぐる問題には常に重大な関心を抱き、意見表明や論考の掲出、情報の発信などに努めてきました。それだけに、今回の安保3文書の閣議決定は内容においても手続きにおいても平和憲法を踏みにじるものであり、断じて容認できません。再びこの国をあの戦争の惨禍をもたらす道へと向かわせる岸田内閣の愚挙に抗議し、白紙撤回を求めます。

 2022年12月26日
       
日本ジャーナリスト会議(JCJ)広島支部

なお 広島支部は声明を出した翌27日に岸田首相の広島事務所に声明文を届け、地元秘書に対し岸田首相が当該3文書について再考し、当地の有権者、とりわけ被爆者の願いに応える賢明な判断をするよう強く要請し、その旨首相に伝えるよう申し入れました。
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2022年12月16日

【お知らせ】12/20 NHK西口で街頭宣伝します〜透明性の欠如、視聴者・市民無視の NHK会長選びに抗議します〜

「ともにつくろう! 自由で独立したNHKを!」―主催・市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会
 日時 2022年12月20日(火)12:00〜13:00 場所 渋谷・NHK放送センター西口

 <リレートークメンバー> 
丹原美穂氏(兼開会あいさつ・市民とともに歩み自立したNHK会長を求める会共同代表)
池田香代子氏(ドイツ語翻訳家)
永田浩三氏(武蔵大学教授・元NHKプロデューサー)
大崎雄二氏(法政大学教授・元NHK記者)
 <メッセージを寄せる人>
小林緑氏(元NHK経営委員・国立音楽大学名誉教授)
大貫康雄氏(元NHK記者〔ヨーロッパ総局長〕)

「公共放送NHKのトップがこんな選ばれ方でいいのでしょうか?」
 私たちは11月4日、NHK経営委員会に対して、時の政権に媚びない姿勢を明確に打ち出し、日本国憲法・放送法の精神を踏まえた前川喜平氏(元文部科学事務次官)を次期会長に推薦してきました。
 しかし、NHK経営委員会は12月5日、委員12人の全員一致でNHKの次期会長に稲葉延雄氏(元日本銀行理事)を選出したと発表しました。経済界出身会長が6人続くことになります。

 記者会見で「(経営委員の)誰が稲葉氏を推薦したかは答えられない」と森下経営委員長が回答を拒否(12月6日毎日)しました。「会長の選定は『ブラックボックス化』しすぎている。視聴者に問われても説明できない」というNHK職員の批判を裏付けました。
 さらに「政府高官によると首相は水面下で稲葉氏に接触して口説き落とした」(12月6日読売)との報道があります。「経営委員会は政府の意向の追認機関か」とその自主性、自律性をも疑わせるものです。
 私たちは、従前にも増して経営委員会の運営及び新会長選考過程の不透明さに抗議するとともに心底からの怒りを表明し、今回の次期会長決定の発表を撤回することを要求するものです。

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2022年12月10日

【オンライン講演会】JCJ賞大賞映画「教育と愛国」を語る――監督・斉加尚代さん(毎日放送ディレクター)12月18日(日)午後2時から4時まで

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下記は映画「教育と愛国」予告編のURLです。
https://youtu.be/HlCTKXvRm-o
 子どもたちが通う学校では、どのような教科書が使われ、どのような教育がなされているのか。政治が、時の権力者が、自分たちの好む教育を押し付けてくる。不都合な歴史や出来事には触れず、それとなく隠し、まるで「なかったこと」のようにする。その流れが行き着く先は、戦前的な空気の醸成だろう。
毎日放送(MBS)ディレクターの斉加尚代さんは、道徳の教科書で「パン屋」が「和菓子屋」に書き換えられたニュースに接し、そこから敏感に教育の異変を感じ取った。
 12月8日は、日本が米国ハワイの真珠湾を攻撃し、無謀な戦争を拡大した日である。77年前の出来事は決して過去のことではない。
講師紹介・斉加尚代(さいか・ひさよ)さん
1987年に毎日放送(大阪)に入社。報道記者を経て2015年からドキュメンタリー担当ディレクターに。作品に「なぜペンをとるのか〜沖縄の新聞記者たち」「沖縄 さまよう木霊(こだま)〜基地反対運動の素顔」「教育と愛国〜教科書でいま何が起きているか」「バッシング〜その発信源の背後に何が」(18年)などがある。近著に『何が記者を殺すのか〜大阪発ドキュメンタリーの現場から』(集英社新書)。
★参加費:500円  下記PeatixのURLをクリックしてお支払いください。
https://kyoikutoaikoku.peatix.com/   @参加券の枚数を選ぶA支払いをカードかコンビニ払いかなど選ぶB初めての方は氏名、メルアドを登録し、パスワードなど設定、という手順です。
【JCJ会員は無料。別途、onlinejcj20@gmail.com にメールで申し込んでください。この機会にJCJ会員になることを希望される方も、その旨を明記して上記メルアドにメールをお送りください】
主催:日本ジャーナリスト会議(略称JCJ) 電話03・6272・9781(月水金の午後1時から6時)ホームページ  https://jcj.gr.jp

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2022年11月15日

【お知らせ】夏のジャーナリスト講座終わる テーマを持ち続けて 問題解決できた事例も=須貝道雄

 JCJ夏のジャーナリスト講座は9月10日、朝日新聞福島総局の滝口信之記者を講師に迎え、「福島を取材する」の題でオンライン開催した。
 滝口記者は福島県出身で2014年に朝日新聞に入社。故郷で起きた原発事故に関する取材が将来の目標だった。大津、千葉、東京本社社会部と異動し、その間は警察取材に全力をあげた。「いつかは福島で取材したい。そのためには目の前の事件取材で力をつけ、認めてもらうことが第一」と考えた。
 一方で、関心あるテーマの「福島」「沖縄」について、警察を回りながら、機会を見つけて取材した。「原発事故からの避難者は各地どこにでもいる。その集まりなどに出かけ、記事にした」。千葉時代には沖縄のメディアで働く千葉県出身記者を訪ね歩いた。松戸市で育ち、琉球朝日放送で活躍したフリージャーナリスト、三上智恵さんにインタビューもした。「やりたいテーマにこだわりを持ち続けることが大事」と語った。
 
最終講座は対談
豊富な経験語る

 講座最終回の9月17日はフリージャーナリストの幸田泉さん(大阪)と宮崎園子さん(広島)の対談。二人とも元全国紙記者で、経験を積んだ立場から「報道の意味・役割」を考察してもらった。
幸田さんは広島支局時代の話をした。取材後に、帰る車を運転しながら大粒の涙を流したという。被爆資料として知られる「滋君の弁当箱」のことだ。
 1993年に米国スミソニアン博物館から弁当箱の貸与依頼が来ていた。広島の原爆資料館は反対があるからと貸与を拒否した。「なんで?」と思った幸田さんはだれが拒否しているのか、資料館に尋ねた。それは86歳になる滋君の母親だった。車で母親宅に向かった。
 爆心地近く、弁当箱は白骨化した滋君のおなかに抱え込まれていた。中身は黒焦げ。「最後に弁当も食べられんと殺された」と話す母親。「見世物にするのはやめて」と言った。こうした複雑な思いを持ちつつ、遺族は遺品を原爆資料館に寄せている。記事にすると、学校の教材に使いたい、俳句を詠んだなど大きな反響があった。
 「記者は問題提起はできても、問題解決はできないのでは?」という問いが受講生からあった。宮崎園子さんは朝日新聞記者時代に大阪で書いた記事を「小さな問題解決の例」として紹介した。
 2011年にテレビの地デジ化が実施された時だ。大阪・あいりん地区の公園にあった街頭テレビが見れなくなると心配された。ビール片手に阪神戦を見るのを楽しみにしている「おっちゃんたち」はどうなるのか。
 宮崎さんはテレビを管理する西成警察署などを取材し、困っていることを記事にした。すると警察署に現金6万円が届いた。他にも寄付が20件以上集まり、地デジ対応テレビを置くことができた。「問題提起が出発点となり、困りごとの解決につながる」と宮崎さんは話した。
  須貝道雄
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年10月25日号
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2022年10月29日

【オンライン・シンポジウム】統一教会の実像に迫る―メディアはどこまで伝えて来たか―11月13日(日)14:00〜16:00 金平茂紀さん、鈴木エイトさんら3人が出演

 安倍元首相銃撃事件を機に統一教会の闇が次々明るみに出され、ジャーナリスト、メディアの追及が続いています。統一教会解散命令を求め、霊感商法対策弁護士連絡会が声明を出し、元二世信者らがネット署名を開始、臨時国会で野党の追及も始まりました。
 取材の最先端で活躍するジャーナリスト3人に、これまでに明らかにされた統一教会の実像をさらに掘り下げていただき、自民党と統一教会の癒着解明、統一教会解散、被害者救済など今後の問題解決に向け、メディアや市民の課題は何かを考えます。 オンライン申込者には後日録画配信あり

<パネラー>
金平茂紀さん(兼司会) ジャーナリスト 早稲田大学大学院客員教授
鈴木エイトさん ジャーナリスト
藤森 研さん JCJ代表委員

★参加費800円
申し込みはPeatixのhttp://ptix.at/Ney6Pdをクリックしてください。 

主催 NHKとメディアの今を考える会
(問い合わせ先)
丹原美穂 t.miho@galaxy.ocn.ne.jp 090-8955-6050 
小滝一志 kotaki@h4.dion.ne.jp 090-8056-4161

賛同団体 NHKとメディアを語ろう・福島 日本ジャーナリスト会議 日本ジャーナリスト会議東海 放送を語る会 メディアの今を考える市民の会・ぎふ
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2022年10月27日

【オンライン講演会】『ルポ・収容所列島』を取材して――精神医療の今に何を見たか――11 月6日(日)午後 2 時から 4 時まで

                              
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 私的な事ですが、実は息子が統合失調症の疑いで精神科病棟に1カ月ほど入院したことがある。面会時に目の当たりにした患者の扱い方の様子から、米映画『ミッドナイト・エクスプレス』で描かれたトルコの精神科病室のシーンを思い出した。医師の指示通りに3カ月もいたら息子はふぬけになると思い、強引に退院させた。『ルポ・収容所列島 ニッポンの精神医療を問う』を読んで、その時の異様な光景が記憶によみがえった。本書で取り上げた強制的に精神科病院に移送する民間会社の存在にも戦りつした。人権侵害も甚だしい精神医療の実態を共著の 3 人が冷静かつ怒り込めて語る。(主催スタッフの一人より)
講師:風間直樹さん(『週刊東洋経済』編集長) 井艸恵美さん(東洋経済記者)辻麻梨子さん(Tansa リポーター)

★参加費:500 円=Peatix で参加費をお支払いください。
【Peatix での参加費の支払い方法】
(1)https://syuyojyo.peatix.com/ をクリックする
(2)参加券を求める (3)支払いをカードかコンビニ払いにするかなどを選ぶ(4)初
めての方は途中、氏名、メールアドレスを入力し、独自のパスワードの設定をします。
(5)支払いを済ませた方に講演前日・11 月5日までに Zoom で視聴できるURLをメール
で送ります。
【JCJ会員は参加費無料。onlinejcj20@gmail.com に別途メールで申し込んでください】主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)電話 03・6272・9781(月水金の午後 1 時から 6 時まで) メール office@jcj.gr.jp
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2022年10月21日

【お知らせ】JCJ「夏のジャーナリスト講座」

 夏のジャーナリスト講座は8月21日に「作文術」をテーマに東京新聞の野呂法夫編集員が、同28日に「通信社と海外特派員」の題で共同通信の岩橋拓郎記者がオンラインで講義をした。

カンカラ作文術の
7原則を踏まえて
 ▼野呂法夫・東京新聞編集委員 私は青森県生まれで、同郷の板画家・棟方志功が「わだばゴッホになる」と言って上京したのにならい、「わだば新聞記者になる」と決め上京した。作文の書き方は毎日新聞・山崎宗次氏が塾長の「山崎塾」で学んだ。山崎氏はNHKドラマ「事件記者」のモデルになった人だ。
 山崎氏が提唱したのはカンカラ作文術。「カンカラコモデケア」の7原則を踏まえ作文を書くべしと教わった。
 カンは感動、感銘。読み手に感動を与える切り口を考える。カラはカラー、色彩感覚。文中に青や赤といった色を入れる。コは今日性。今、なぜ取り上げるのかを書く。モは物語性。論文ではだめだ。デはデータや数字。説得力が増す。ケは決意。結論で自分はどうしたいのかを書く。アは明るさ。暗い内容の文でも、どこか明るさを感じさせること。アは愛、味、遊びと考えてもいい。例えば犯罪加害者を切り捨てるのではなく、背景にある貧困問題や虐待にも目を向ける愛がほしい。
 新聞社の就職試験で課される作文は「私はこんな人物です」と自己をアピールする場だ。自分の「売り」は何か、自身を見つめ、つくっていく必要がある。様々な問題の現場に出かけ体験ルポを書く、あるいは講演会に出て多様な言説から何かヒントをつかむのもいい。それらが「売り」につながる。
 誰もが思いつくような切り口は避けて、自分だけのオリジナルな内容の作文を書くこと。論より実体験が大切。決意も肩肘張らず、さわやかにロマンあふれるようにしたい。

海外支局では驚き
と新鮮さ忘れずに
 ▼岩橋拓郎・共同通信記者 2016年9月から4年8か月間、マニラ支局長を務めた。共同通信は世界41か所に70人強の特派員を配置し、大半が1人支局だ。マニラも1人支局で、年間の3分の1は東南アジアなどに出張する。タフさが必要で「原稿より健康」が大事になる。
 海外取材で重要なのは、任地国の事情に通じつつも驚きと新鮮さを忘れないことだ。プロであるとのちょっとしたプライドを持ちながらも、その国の住人と比べたら「素人」であり、やはり「お客さん」であると自覚する謙虚さが欠かせない。
その土地のことを「知っているつもり」になると、記事が書けなくなる。「あー、あのことですか。よくある話ですよ」といった感覚になり、日本人から見たら驚くことを見過ごす恐れがある。
 マニラでは自分にしか書けない記事を書くため、可能な限り現場に出かけた。赴任直後の16年末には、フィリピン・中国間で領有権を争っていたスカボロー礁へ木造の漁船をチャーターして出かけた。ルソン島から約200`の沖にあり、片道20時間かかった。そこで漁民を取材し、中国公船を撮影。ひざ下まで水につかりながら、スカボロー礁の上を歩いた。
 17年2月にマレーシアの空港で起きた北朝鮮の金正男氏殺害事件では、独自ネタとして日本政府が正男氏の指紋を捜査当局に提供したとのニュースを報じた。
 フィリピンの人たちは人生に固定的なレールを敷かず「生きたいように生きている」。同調圧力も感じない。LGBTにも寛容だ。「大人だな」との印象を持っている。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年9月25日号
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2022年09月26日

【お知らせ】JCJ「夏のジャーナリスト講座」開く

JCJは7月16日から7回シリーズで学生向けに「夏のジャーナリスト講座」を開いている。最初の3回分をまとめた。
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米軍基地は生活の
場と隣り合わせ
▼明真南斗・琉球新報記者(7月16日) 沖縄には31の米軍専用施設があり、総面積では県内の8%を占め、生活の場と隣り合わせだ。沖縄に7割が集中する米軍基地は日本の安全保障を語る以前に、身近な暮らしの問題である。
宜野湾市にある普天間飛行場そばの普天間第二小で体育の授業中、米軍ヘリの窓が落下し、奇跡的に被害はなかった。学校の抗議に対し、沖縄防衛局は体育場に防護用の屋根を設置した。ヘリや飛行機が通過するたびに児童が屋根の下に逃げる日常光景はおかしい。
いま防衛省を担当しているが、全国紙の記者は沖縄の民家で銃弾が見つかっても被害がないなら問題にもしない。地元支局の記者のやるべきことで、自分らには関係がないといった印象だ。
航空機の泡消火剤問題では、発がん性の有機フッ素化合物PFOSなどの血中濃度が高いことが宜野湾市民を対象にした京都大の調査で判明し、健康問題でもある。沖縄戦などの歴史問題も含め、基地集中の不条理を指摘し、弱者に寄り添って報道し、伝えていくことが地元紙記者の使命と考えている。
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聞き取りを重ねて
励まされ連載執筆
 ▼河原千春・信濃毎日新聞文化部記者(同24日) 長野県佐久市出身の女性史研究家、もろさわようこさん(97)の生き方を書いた『志縁のおんな もろさわようことわたしたち』(一葉社)を昨年末に出版した。もろさわさんが佐久市に作った「歴史を拓(ひら)くはじめの家」を2013年に取材したのをきっかけに聞き取りを重ね、その言葉に自分が励まされたことから、19年には連載記事「夢に翔(と)ぶ――もろさわようこ94歳の青春」を執筆した。
 代表作『おんなの戦後史』などを著した女性史研究の先駆者で、フェミニズムにも多大な影響を与えてきたもろさわさんは、長野、沖縄、高知に拠点をつくって生活の場を移しながら、女性や部落問題、沖縄などでの差別に目を向けて行動している。
「人の取材をしたくて地方新聞社への就職を選んだ」という河原さんは、受講者の質問に、「スペシャリストよりもジェネラリストになる」ことをテーマに、舞台演出家の串田和美さんを取材すべく準備を進めていることなどを紹介、文化部記者の仕事ぶりを具体的に話した。
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事故か 自殺か
スマホの落とし穴
 ▼小松玲葉・TBS報道局社会部記者(同30日) 入社して4年目、現在は警視庁記者クラブで仕事をしている。新人の時は、房総半島を襲った台風の被災地を取材。自宅2階を吹き飛ばされた小谷登志江さんの姿を追いかけ、ドキュメント「それでも、ここにいたい〜3度の台風に遭って」をつくった。
 警察取材では鉄道駅での自殺、転落事故のニュースが多い。警察の広報文を読み「何かおかしくない?」という疑問を大事にしている。その一つが21年1月に東京の東武東上線・東武練馬駅で起きた踏切事故だ。31歳の女性が遮断機が下りた踏切内で立ったままスマホを見ていて、電車にはねられ死亡した。
 警察は事故か自殺かわらないと発表していた。当時の記録映像から、警報音が鳴る中、女性はスマホを見ていて、踏切外にいた10人近くもみなスマホに目を落としていた。「危ない」と声をかける人もいない。これは自殺ではなく、女性は踏切の外にいると勘違いしていたのではないか。現場を踏査し、報じた。スマホ時代の落とし穴として大きな反響があった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年8月25日号
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2022年09月14日

【JCJ声明】安倍元首相の「国葬」に反対する――世界の人たちに向けてアピール

 私たち、日本ジャーナリスト会議(略称JCJ)は第2次世界大戦後、「再び戦争のためにメディアは協力してはならない」と決意して生まれた、ジャーナリストとそれを支持する市民の組織です。私たちはいま、安倍晋三元首相の「国葬」を日本政府が実施することに反対しています。「国葬」に法的な根拠がなく、市民に弔意を強制する行事であり、思想信条の自由など民主主義のルールに反するからです。
 しかも安倍晋三元首相は、極右の反社会的団体である旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と濃密な関係にある人物でした。霊感商法などで人々を苦しめた旧統一教会。それに関係した政治家を国が多額の公費で顕彰することに、違和感を抱く人たちは数多くいます。私たちは以下の 4 点を世界の人たち、ならびに世界のジャーナリストに知っていただきたく、声明をまとめました。この声明は日本外国特派員協会、国境なき記者団ならびに関係する各国在日大使館あてに送るほか、在京の日本メディアにも送付します。

1:「国葬」は、明治憲法下において天皇の勅令「国葬令」に基づき実施されてきました。敗戦後、日本国憲法成立に伴い、「国葬令」は 1947 年に失効しました。現在、国葬を実施することにも、その経費を全額国費から支出することにも法的な根拠はありません。「国葬」は立憲主義に反します。

2:「国葬」の最大の問題は、国民に対して特定の個人に対する弔意を事実上強制することにあります。国費でまかなうため、国民は税負担も強制されます。法的根拠があいまいなまま行われた吉田茂元首相の国葬(1967 年)では、全国でサイレンが鳴らされ、娯楽番組の放送が中止されました。悪しき前例があります。

3:安倍元首相の政治は、日本国憲法を壊すことに力を注いだ約 9 年間でした。私たちの日本国憲法は、アジア太平洋地域で 2000 万人とも推計される犠牲者を出した日本の侵略戦争の反省から生まれました。同第9条は、国際紛争解決のための「戦争を放棄」し、「陸海空軍その他の戦力」の不保持と、「交戦権」の否定を定めています。この平和路線を捨てて、憲法条文の勝手な解釈によって集団的自衛権の行使を法制化し、アジアや中東で米国と一緒に「戦争ができる国」へと変容させたのが安倍元首相です。米国との「核共有」にも言及するような、危険な道を開いた政治家の遺志を「国葬」を通じて持ち上げ、継承しようとする岸田政権に反対します。

4:安倍元首相の「国葬」については、日本国民の世論も否定的です。共同通信の調査では、国葬に賛成45.1%に対し、反対は53・3%、毎日新聞調査でも賛成30%に対し反対53%。読売新聞調査では国葬実施を「評価しない」が56%を占め、「評価する」38%を上回り、NHK調査も「評価しない」が50%で、「評価する」が36%です。世論は国葬実施を支持していません。

日本ジャーナリスト会議は、「国葬」が上記のような問題をはらんでいることを世界の人々に知ってほしいと願っています。各国政府には、民主主義のルールに反した「国葬」の実情を確認し、賢明な判断をされることを訴えます。
2022 年 9 月 12 日
日本ジャーナリスト会議(JCJ)



We Oppose the State Funeral for Former Prime Minister An Appeal by the JCJ to the World

The Japan Congress of Journalists (JCJ) opposes the Japanese government’s decision to hold a state funeral for former Prime Minister Shinzo Abe. The JCJ was established in 1955 as an organization of journalists and citizens determined that media must never cooperate with any war effort.
The former prime minister had strong ties with the Unification Church, one of the antisocial organizations, presently known as the Family deration for World Peace and Unification. Many citizens in Japan are strongly opposed to the idea of honoring him through the use of public money.
Listed below are four points we would like to convey to the world.

1. In Japan of the past a State Funeral had been held based on “the state funeral decree” issued by the emperor. In 1947, after the defeat in World War II the “state funeral decree” was declared null and void. Today no legal basis to conduct a state funeral exists.

2. The biggest problem of a state funeral is to oblige people to hold a sense of mourning for a specific individual. The people are to be forced to shoulder the tax burden as well.

3. The politics by former Prime Minister Abe for nine years had been to destroy the Japanese Constitution. He abandoned the road of peace diplomacy, legalized the right of collective selfdefense through arbitrary legal interpretations, and altered Japan into “a nation which can fight a war” with America in Asia and the Middle East. We oppose the Kishida administration that praises and carries on such a dangerous desire through the holding of a state funeral.

4. Public opinion in Japan has been negative about a state funeral for Mr. Abe. According to the survey by Kyodo News Service, while 45.1% supported a state funeral, 53.3% were against it.
The survey by The Mainichi Shimbun showed that 30% favored the state funeral while 53% said they were against it. The survey by The Yomiuri Shimbun found 56% of the respondents said it is not appropriate, exceeding the 38% who said it is appropriate. According to the NHK survey, 50% of respondents said they "do not appreciate" and 36% said they "appreciate." Public opinion does not support the implementation of a state funeral.

We sincerely hope people of the world will understand that the planned state funeral for Abe has such problems. We call on the governments of other nations to understand that the funeral violates the rules of democracy and ask them to make a wise judgement.
Sept. 12, 2022
Japan Congress of Journalists (JCJ)


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2022年08月30日

【お知らせ】「安倍国葬」強行は民主主義の汚点!〜メディアはさらに明らかにせよ!自民党・「旧統一教会」癒着の全貌〜9月5日(月)午後7時から9時

 安倍元首相銃撃事件でパンドラの箱が開きました。メディアの追及によって反社会的宗教団体「旧統一教会」と自民党・政界との癒着が次々明らかにされています。しかし、事件が参院選投票日直前でもあったため大手メディアは、「宗教団体」「特定の団体」などと報じ、しばらく「旧統一教会」の名称は伏せられていました。また銃撃事件発生前は「旧統一教会」に関する報道がほとんどなく、「空白の30年間」がメディアにはありました。そして今、岸田内閣は根拠法もなく、憲法に保障された「思想・良心の自由」を踏みにじり、弔意と「安倍礼賛」を強要する国葬を決行しようとしています。
 このシンポジウムでは、二人のジャーナリストと「旧統一教会」の霊感商法・高額献金による被害者救済に取り組んできた弁護士をパネラーに迎え、銃撃事件・国葬報道はこれでよかったのか、「旧統一教会」と自民党・政界の癒着はどこまで明らかにされ、これからの報道に何が求められるかなどを議論します。

<日時>9月5日(月)午後7; 00〜9:00 オンライン(後日、録画配信あり)

<パネラー>
金平 茂紀 ジャーナリスト・早稲田大学大学院客員教授(兼司会)
有田 芳生 ジャーナリスト・前参議院議員
山口  広 弁護士・全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人

★参加費:800円
参加ご希望の方はネットのPeatixで参加費をお支払いください。
(1) https://againstkokuso.peatix.com/ をクリックする
(2) 参加券を求める
(3) 支払いをカードかコンビニ払いにするかなどを選ぶ
(4) 初めての方は途中、氏名、メールアドレスを入力し、独自のパスワードの設定をします。
(5) 支払いを済ませた方にシンポジウム前日・9月4日までにYouTubeで視聴できるURLをメールで送ります。
主催 NHKとメディアの今を考える会 
問い合わせ=小滝一志 kotaki@h4.dion.ne.jp 090-8056-4161
協賛 NHKとメディアを語ろう・福島 日本ジャーナリスト会議 日本ジャーナリスト会議東海 放送を語る会 メディアの今を考える市民の会ぎふ
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2022年08月26日

【お知らせ】第 65 回JCJ賞贈賞式 記念講演 「何のために報じるのか」 講師:上西充子さん (法政大学キャリアデザイン学部教授) 9 月 24 日(土) 午後 1 時から2時

2時から5時・贈賞式  会場:東京の全水道会館・4 階大会議室 (会場からオンラインでも発信します) 「何のために報じるのか」。ジャーナリストの皆さんはこの問い に何と答えるでしょうか――。
 法政大の上西充子教授は根源的な 問題を提起する。 「『知る権利』に応えるため」? けれど、「知る」ことの先に何 を想定しているでしょうか。それとも、「事実を伝えるため」? とはいえ、伝える事実も 選択されています。あるいは、「権力監視のため」? けれども、権力監視はジャーナリス トだけが独占的に担うものではありません。国民も権力監視を行います。そのために必要な 情報を報道は伝えているのか。 以上のような考察をする上西さんが、報道に携わる人たちに託す期待、願いとは何か、講 演でたっぷりと語っていただく。

【上西充子さん・略歴】法政大学キャリアデザイン学部教授。専門は労働問題・社会政策。 国会審議を解説つきで街頭上映する国会パブリックビューイングを 2018 年 6 月に始めた。 「ご飯論法」で 2018 年の新語・流行語大賞トップテンを受賞。著書に『呪いの言葉の解き かた』(晶文社)、『国会をみよう 国会パブリックビューイングの試み』(集英社クリエイテ ィブ)、『政治と報道』(扶桑社新書)など。 【第 65 回JCJ賞は 9 月初めに発表の予定。式では受賞者によるスピーチがあります】
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2022年08月23日

【お知らせ】「安倍国葬」強行は民主主義の汚点!〜メディアはさらに明らかにせよ!自民党・「旧統一教会」癒着の全貌〜9月5日(月)午後7時から9時

 安倍元首相銃撃事件でパンドラの箱が開きました。メディアの追及によって反社会的宗教団体「旧統一教会」と自民党・政界との癒着が次々明らかにされています。しかし、事件が参院選投票日直前でもあったため大手メディアは、「宗教団体」「特定の団体」などと報じ、しばらく「旧統一教会」の名称は伏せられていました。また銃撃事件発生前は「旧統一教会」に関する報道がほとんどなく、「空白の30年間」がメディアにはありました。そして今、岸田内閣は根拠法もなく、憲法に保障された「思想・良心の自由」を踏みにじり、弔意と「安倍礼賛」を強要する国葬を決行しようとしています。
 このシンポジウムでは、二人のジャーナリストと「旧統一教会」の霊感商法・高額献金による被害者救済に取り組んできた弁護士をパネラーに迎え、銃撃事件・国葬報道はこれでよかったのか、「旧統一教会」と自民党・政界の癒着はどこまで明らかにされ、これからの報道に何が求められるかなどを議論します。

<日時>9月5日(月)午後7; 00〜9:00 オンライン(後日、録画配信あり)

<パネラー>
金平 茂紀 ジャーナリスト・早稲田大学大学院客員教授(兼司会)
有田 芳生 ジャーナリスト・前参議院議員
山口  広 弁護士・全国霊感商法対策弁護士連絡会代表世話人

★参加費:800円
参加ご希望の方はネットのPeatixで参加費をお支払いください。
(1) https://againstkokuso.peatix.com/ をクリックする
(2) 参加券を求める
(3) 支払いをカードかコンビニ払いにするかなどを選ぶ
(4) 初めての方は途中、氏名、メールアドレスを入力し、独自のパスワードの設定をします。
(5) 支払いを済ませた方にシンポジウム前日・9月4日までにYouTubeで視聴できるURLをメールで送ります。
主催 NHKとメディアの今を考える会 
問い合わせ=小滝一志 kotaki@h4.dion.ne.jp 090-8056-4161
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