2017年05月21日

【今週の風考計】5.21─いまや世界が危惧する「共謀罪」を廃案に!

◆「共謀罪」が強行採決された。人の「内心」を探るには、日常的に市民や団体を監視し、メールやSNS・ LINEの盗み読みは不可欠。捜査機関は盗撮、密告奨励、スパイ潜入など、あらゆる手法を使うにきまっている。◆さらには別件で逮捕し、留置場という「代用監獄」で長期勾留、執拗な自白の強要、証拠のねつ造へとエスカレートするだろう。◆ここに一冊の本がある。藤原聡・宮野健男『死刑捏造─松山事件・尊厳をかけた戦いの末に』(筑摩書房)だ。24歳の若者が別件逮捕され、自分の留置場に送りこまれた前科5犯の警察スパイから「自白」をそそのかされ、殺人犯にデッチあげられた。死刑が確定。だが獄中29年の闘いで、証拠とされた血痕が、警察の捏造であるとされ、無罪を勝ちとる軌跡を追うドキュメント。◆共著者の一人・藤原聡さんは「足利事件の無罪といい、袴田事件の冤罪も含め、死刑まで捏造して、無実の人間がズタズタにされる悲劇を繰り返してはならない。今も代用監獄での取り調べ・自白の強要が続き、捜査や刑事司法の在り方が問われている」と言う。さらに無実なのに虚偽自白した事例の研究では「取り調べが6時間を超えると虚偽自白が増える」という報告もある。◆昨年10月に逮捕され、5カ月も長期勾留された沖縄平和運動センターの山城博治議長は、6月中旬にスイスのジュネーブで開かれる国連の人権理事会で、「表現・内心の自由」が侵害されている実態などについて発言する。◆また国連特別報告者ケナタッチ氏は、「共謀罪」がプライバシーや表現の自由を侵す危険を指摘する書簡を、安倍晋三首相宛てに送り、回答を求めている。いまや世界が危惧する「共謀罪」を廃案に追いこもう。(2017/5/21)
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2017年05月14日

【今週の風考計】5.14─限りなく不透明な「共謀罪」法案の罪と罰

「共謀罪」法案の強行採決を許すな! 疑問は解明されず、ごまかし答弁の30時間で採決する暴挙に怒りが湧く。「共謀罪」にいう「団体の性格」「準備行為」とは何か。判断するのは誰か。「一般人」に及ばないという根拠は? 疑問は限りない。「共謀罪」で処罰するには準備行為が必要となるが、どんな行為が該当するのか。実は捜査当局の判断・解釈に委ねられる。まず逮捕し、代用監獄で長期拘留のうえ自白の強要、証拠のねつ造など、恣意的な捜査・検挙による事件は、これまでに数多くの事例がある。最近でも、風力発電所の建設に反対する一般市民を警察が監視する大垣事件が起きている。現職の刑事が情報収集を目的に忍びこみ、内容を電力会社に提供していた。このように市民運動がターゲットになりうる。またメールやLINE の盗み読みも進むだろう。いったん「共謀罪」の仕組みを作ると、捜査機関は結果を出そうと、任意捜査から盗聴・密告奨励、挑発など、成績主義に走るのは目に見えている。その結果、さらに冤罪事件が発生しかねない。いまの日本の刑法では、犯罪が成り立つのは「着手したが完遂できなかった」事実が必要となる。「計画」だけでは犯罪にはならない。だが「共謀罪」が成立したら、「未必の故意」の黙示的「共謀」まで含まれてしまう。<森友疑惑>が象徴するように、「空気」「忖度」が行われる日本の社会では、「共謀」の適用範囲が極めて大きくなる危険性をはらんでいる。ところが日本の政治家が関係する犯罪は、なんと「共謀罪」の適用対象から、ちゃんと外されているのだ。(2017/5/14)
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2017年05月07日

【今週の風考計】5.7─「メガソーラー発電」の思わぬ落とし穴

この連休の一日、伊豆高原を旅した際、立ち寄った蕎麦屋の主人から、反対署名への協力を依頼された。伊豆高原・大室山の下にある八幡野地区で、民間企業による大規模なソーラーパネル発電が計画されているのだ。事業面積 100 万m2以上(東京ドーム 20 個分以上)の広大な敷地を所有し、そこに植生する森林の半分を伐採し、ソーラーパネル12 万枚を設置し、最大出力43メガワットを発電するという。とうぜん山肌は露出し、工事中であれ建設後であれ、雨水・土砂などは側を流れる八幡野川に入り、そしてダイビングポイントである八幡野の海に流れこむ。ただでさえ台風や大雨の際には、大量の泥水が流れこむ八幡野川に、このソーラー開発によって、さらなる土砂が流れこめば、高い透明度を誇る城ヶ崎海岸エリアの海は、長期にわたって茶色く濁り、沈んだ泥が、海の生態系に大きな影響を及ぼすのは明らかだ。反対する地元の漁師や住民、ダイバー・環境保護団体などが反対署名や抗議の行動に起ちあがっている。いま自然エネルギーの利用を謳い、大規模なソーラーパネル発電施設が建設・計画されている。だが、この施設は建築物に該当しない。許可なしで建設できる。そのため地域住民には知らされないまま、工事が始められ、「ある日突然ソーラーパネルが並んでいた」という深刻なトラブルが、日本各地で多発している。メガソーラーは20年も経てば機能しなくなり、そのまま設備が放置され廃棄物となる。どう処理するのか。建設・廃棄も含め法規制が必要になっている。(2017/5/7)
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2017年04月30日

【今週の風考計】4.30─問われる「報道の自由・メディアの責任」

◆70年を迎える憲法記念日の5月3日は、「世界報道自由デー」でもある。「国境なき記者団」が、2017年<報道の自由度ランキング>を発表した。日本は180カ国・地域中で72位。52位のイタリアに抜かれ、主要先進7カ国(G7)では最下位だ。日本は7年前の11位から低下が続く。◆とりわけ安倍政権になってから、メディアへの介入が強まり、かつメディア側での自己規制が進んでいる。さらに安倍政権は「共謀罪」の導入に躍起となっている。内心の自由を侵し、メール・SNSなどが盗み見され、報道や表現の自由が脅かされる。まさに戦前の「治安維持法」の復活だ。許してはならない。◆あらためて「世界報道自由デー」の意義をかみしめたい。この日は、世界中の報道の自由を評価し、メディアの独立を脅かす事態に対抗し、職務中に命を落としたジャーナリストの業績を称える日となっている。◆1987年の朝日新聞阪神支局襲撃事件で記者2人が殺傷されて、ちょうど30年がたつ。一連の事件は2003年に完全時効となったが、いまも真相は闇のままだ。私たちもメディアやジャーナリストへの脅迫・暴力に屈することなく、報道の自由を守るために奮闘したい。◆その一環として、JCJも共催の「ヘイトスペーチとメディアの責任─メディアリテラシーの可能性」をテーマに、シンポジウムが開かれる。6日(土)14:00〜 法政大学市ヶ谷キャンパス・ボアソナードタワー3F マルチメディアスタジオ。ぜひ参加を。(2017/4/30)
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2017年04月23日

【今週の風考計】4.23─NPO「げんきな図書館」が撤退した理由

4月、新入生には図書館が身近になる。学校であれ地域であれ、図書館は知的好奇心や情報サービスを充足させてくれる重要な文化施設。その図書館が危機に見舞われている。とりわけ公立図書館が深刻な事態だという。行政が責任を持つのでなく、運営すべてを民間業者に、安い金額で丸投げする指定管理者制度の導入による弊害が生じている。事業者の利益優先・経費削減が進み、低賃金雇用、知識・経験を備えたスタッフの不足、利用者へのサービス欠如、図書選定の偏りなどなど、本来、図書館が果たすべき役割まで放棄する始末。業務委託の場合でも同じ危機が生まれている。「出版ニュース」4月下旬号に、<NPO 法人げんきな図書館が図書館業務からの撤退を決めたわけ>と題する一文が寄せられている。都内の2つの自治体から5つの図書館業務を委託され、13年も続けてきたが撤退やむなしとなった。理由は、ある自治体が図書館10館の一括業務委託を、プロポーザル方式(提案評価方式)で選考し、委託参考価格は約3億円の内容で公募した。しっかり運営するには、まずスタッフ120人(うち責任者45人)が必要となる。最低賃金の保障・社会保険の支払いなどを計算すると、あまりにも参考価格が安すぎる。しかも今後3年間、初年度の額で据え置き、さらに減額もあるとなれば、人材の確保や育成は無理で、負のスパイラルに陥るだけ。「真面目に、やってられない!」のが正直なところだろう。やるとすれば「安かろう悪かろう」のタテマエで、図書館の果たす尊い使命など、そっちのけ。現に委託を勝ち取った民間会社は、驚くほどの低賃金で働かせている。ああ、図書館が泣いている。(2017/4/23)
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2017年04月16日

【今週の風考計】4.16─<武田氏滅亡>の背後に「あの男」がいた

やっと平山雄『武田氏滅亡』(角川選書)を読み終えた。長篠の戦いから滅亡までの7年間を検証した750ページの大作である。圧巻は九章、木曽義昌の離反から1カ月足らずのうちに一気に崩壊していく過程の、そのスリリングな記述に圧倒された。それにしても武田勝頼は、こうも家臣に裏切られていくのか。穴山梅雪といい、小山田信茂といい、彼らの散々な内通や謀反に翻弄され、滝川一益にまで、勝頼は天正10年3月11日の最期を、献上してしまう始末だ。その背後には、ほぼ80日後、明智光秀の謀反による<本能寺の変>で横死する「あの男」がいた。いまに戻ろう。民進党が離党者の続出・離反に、戦々恐々だ。誰が離党するか疑心暗鬼の状態が続く。都議選では、民進党の公認候補36人のうち10人が離党届を提出している。長島昭久衆院議員まで離党届を出す事態では、さらに都議の離党は加速する。「公認候補はゼロになる。お尻に火がついた」と危機感は募り、「もう都議選は崩壊だ」とまで言われる。民進党の応援部隊「連合東京」まで、小池百合子都知事の率いる地域政党「都民ファーストの会」と政策合意し、支援する方針を決めた。公明党に遅れじと、<小池ヒーバー>に便乗しようというのか。民進党は、離反や野合に翻弄されず、本丸に向かって市民との共闘を進めるべきだ。いま国会では「共謀罪」の導入に向け、安倍政権は強行マル出しの審議を仕掛けてきている。桜の下で呵々大笑している「あの男」を、これ以上、喜ばせてはならない。(2017/4/16)
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2017年04月09日

【今週の風考計】4.9─出版界と愛書家を襲う6つの激動の波

★先日、「出版界の動向を予測する」と題した、星野渉(「文化通信」編集長)氏の講演を拝聴した。とりわけ深刻な問題として6つのポイントを挙げ、詳述された内容に衝撃を受けた。★1つは、出版物流の危機である。運転手不足やマージンの低さがネックとなり、書店やコンビニに本を配送できない事態が生まれている。運賃を2倍の要求に、どう取次や出版社が応えるのか、激しい攻防が予測される。★2つはアマゾンが出版社との直接取引で仕入れた書籍をネット販売し、かつ重版未定の本でもプリント・オンデマンドで、1冊から注文に応ずるなど、書籍流通の見直しが起きている。3つは雑誌の電子化・デジタル化が加速し、コンテンツもネットやイベント、通販などと連携したサービス提供にシフトするという。4つは紙媒体のコミックが激減し、電子版コミックが1460億円(前年比+27%)の売り上げ、急速に伸びている。★5つは書店の統廃合が進行する。トーハン・日販の2大取次による書店系列化のあおりを受け、1万4千軒の本屋さんが半減の7千軒になるといわれる。いま日本全国で2割の自治体が、新刊を扱う書店ゼロだ。町の本屋さんは消えるのみ。★6つは出版社のコングロマリット化・再編に向けた動きが顕在化する。KADOKAWAは、所沢市に図書館・美術館・博物館を融合させた文化コンプレックスを建設する。また蔦屋書店などを経営するCCCグループが、徳間書店を子会社化して、CCCの映像・音楽事業と連携した出版物の刊行を手がける。この激動に愛書家の不安は尽きない。(2017/4/9)
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2017年04月02日

【今週の風考計】4.2─「労基法」を骨抜きにする「働き方改革」

1947年4月7日、労働基準法が公布された。今年は70年を迎える。この記念すべき日の10日前、政府の「働き方改革実現会議」が、「労働法制史上の大改革」と謳う11項目にわたる実行計画を決定した。時間外労働では「月平均80時間以内」、繁忙期は「月100時間未満」、「年720時間」としている。だが休日の労働は除外してしまったため、毎月80時間・年間960時間まで、残業させることができる内容だ。もっとも危惧していた<過労死ライン>を超える残業時間を認めてしまったのだ。しかも自動車運転業務、建設業、医師の3業種は、施行後5年間は残業の上限規制が適用されない。とりわけ過労死の多い運転業務こそ、速やかに厳しい規制をかけるべきだ。長時間残業で注意力・判断力の鈍った運転手の操縦するトラックが、街中を走る危険性を想像してほしい。EUでは、次の始業までの休息時間を連続11時間とする「勤務間インターバル」も、日本では企業の恣意的裁量に委ねるだけ。その一方、「残業代ゼロ」法案については、早期成立を明記する厚かましさだ。肝心の「同一労働同一賃金」は、企業が判断する能力や貢献度に照らし「違いに応じた支給」を是認し、真っ向から退ける。最低賃金は1000円を目指すものの、「年3%程度」アップに傾注し、数年後までにと先送りする。地域格差の是正など視野にない。個人で請け負った仕事を自宅でこなす「非雇用型テレワーク」は、労働法の適用から外れた低賃金就労を加速させると反対の声が大きい。だが政府は促進の旗を振る。ことほどさように全て、改革どころか「労基法」の改悪を狙うものだ。(2017/4/2)
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2017年03月26日

【今週の風考計】3.26─国の道徳観を押しつける小学・教科書検定

来年4月から、小学校に入ったとたん、ピカピカの1年生から卒業する6年生まで、特別の教科と位置づけた「道徳」のお勉強をさせられる。その道徳教科書を検定する文科省が、申請のあった8社・66冊への検定結果を公表した。244件の検定意見がついたが、出版社は全て修正に応じた。「節度・節制」「規則の尊重」「感謝」「礼儀」などの項目を学ばせる記述が、不十分かつ不適切との指摘が目立ったという。たとえば「伝統と文化の尊重、国や郷土の文化と生活を愛する態度」の記述が不十分として、パン屋のイラストを和菓子屋にし、アスレチックの遊具で遊ぶ公園を、琴や三味線などの和楽器を売る店に差し替えたという。高齢者への「感謝」については、「しょうぼうだんのおじさん」を、敬老の意味をこめて「しょうぼうだんのおじいさん」に、ネームもイラストも変えたという。 「家族愛、家族生活の充実」も、ひとり親家庭の増加、虐待を受けている子など、子どもを取り巻く家庭環境は複雑だ。そういう子どもにとって、父母・兄弟姉妹そして祖父母までいる家庭を前提にされれば、「あなたの家庭はダメなんだよ」と、教科書を通して決めつけられるような気持ちになるのは、当然ではないか。学ばせる内容を22項目にもわたって、こと細かく定めた結果、教科書の内容が画一的で、まさに国が良いと判断した道徳観を、教科書を通して押しつけるものとなっている。まさに政府の考える道徳理念のマニュアル化でしかない。(2017/3/26)
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2017年03月19日

【今週の風考計】3.19─証人喚問で「アベ友内閣」の体質を暴け!

★注目の「証人喚問」が連続する。都議会では築地市場の豊洲移転を巡り、「百条委員会」が歴代市場長4人を喚問した。★総額860億にまで膨らんだ土壌汚染対策費。だが東京ガスの負担は78億、1割にも満たない。かつ都は「瑕疵担保責任」まで放棄している。こんな不明朗な土地取得でも、当時の市場長は適正な交渉だったと主張している。今でも有害物質「ベンゼン」は、環境基準の百倍を超える量が検出されている。★19日には用地買収交渉のキーマンだった浜渦・元都副知事、20日には石原・元都知事を喚問する。「担当部局や都議会が決めた。私は直接かかわっていない」では済まない。★23日には国会でも、「森友疑惑」について、籠池理事長の証人喚問が行われる。土地取得の経緯、政治家の口利き、寄付100万円の受領、昭恵夫人のメールなど、さまざまな疑惑にどう応えるのか。トカゲの尻尾ならぬ、「カゴイケ切り」で済ませてはならない。払い下げ当時の責任者だった財務省理財局長をはじめ、関係役人の証人喚問は不可欠だ。★さらに幼稚園の教育方針・教育内容も問われなければならない。実は安倍首相と籠池理事長を結びつけたのは、ともに信奉するカルト的右翼組織「日本会議」である。「教育勅語」礼賛、愛国心教育のすすめ・憲法改正など、全国に運動を広げる。★しかも「アベ友内閣」は、稲田防衛相をはじめ、閣僚20人のうち19人が「日本会議」議連派で占める。「日本会議」と歩調を合わせ、ともに愛国心教育を推進しているのだ。この「アベ友内閣」の体質にメスを入れなければ、「教育勅語」が復活してしまうのは必定だ。(2017/3/19)
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2017年03月12日

【今週の風考計】3.12─言葉を使い分け「疑惑」を隠す政治家の質

東に「豊洲問題」があれば、西に「森友疑惑」がある。どちらも土地が、産廃と疑惑の金で「汚染」されている。東の「豊洲」は、産廃で汚染された東京ガス跡地を、水面下で汚染処理の範囲を決め、1589億円で買収した。その疑惑に対し、石原元都知事は、責任転嫁に終始。都議会・百条委員会の質疑が要になっている。西の「森友」は、都合の良い条件を丸のみさせ、国有地を9割引きで買い受けた疑惑でまみれている。そこにはまさに「特別の力学が働いた」のは明らかだ。だが、にやにやしながら財務相は「厳正に処分しており公正です」を繰り返し、理財局長は「交渉の記録は破棄してございます」の一点張り。「疑惑」隠しに懸命だ。安倍首相は昭恵夫人の行動は「私人」を連発し、疑惑に関しての国会質問にも、まともに答えず、質問そのものを否定する。そして、「名誉毀損」「誹謗中傷」「捏造」「レッテル貼り」といった強い言葉で、議員を威嚇する。さらには「森友疑惑」から目をそらし、局面展開を図るべく、南スーダンPKOからの撤収を、6年目の<3・11東日本大震災>の前日にぶち上げる。その理由も、戦闘激化による南スーダンの治安悪化、PKO5原則に抵触するためとは言わず、5年目の区切りとごまかす。 3・11追悼式では「原発事故」の文言すら式辞で使わない。もう言葉を巧みに使って政権の狙いを隠し、都合のいいように世論を誘導する政治言葉を多用する確信犯だ。まさに<巧言令色鮮なし仁>。(2017/3/12)
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2017年03月05日

【今週の風考計】3.5─福島原発処理費21兆を捻出するカラクリ

満6年になる<3・11フクシマ>─いまも流出する放射能汚染水は1日200トン。トリチウムを含む高濃度汚染水に、除染処理中の汚染水まで加えると、なんと100万トンが福島原発構内のタンクに貯蔵されている。山野の木を切り倒し、地面を「フェーシング」舗装した敷地に、1000基のタンクが林立する。周辺は場所によって放射線量が大きく変わる。炉心溶融した原子炉建屋の近くでは、毎時300マイクロシーベルトを超える。20キロ離れたJヴィレッジ建屋内は毎時0.07マイクロシーベルト。ところがイチエフから北西24キロにある浪江町赤宇木は、被災地の中でも放射線量が高い。現在も「帰還困難区域」に指定されている。3日の放射線量測定値は、毎時3.335マイクロシーベルトを示し、他の「南相馬0.08、いわき0.07」と比較しても、格段に高い。廃炉や賠償の道筋も見えない。経産省が算定した福島原発処理費11兆円が、3年もたたずに21兆5千億円に膨らむ。しかも、今回の算定には炉内にある廃棄物(燃料デブリ)の処分費は含まれていない。かつ21兆円のうち2兆4千億円を、送電網を利用する際に徴収する託送料金から捻出するという。原発を持たない新電力にも適用される。すなわち国民の電気代に上乗せして徴収するというのだ。国会での法律改正も必要とせず経産省の省令で実施できる。まさに東京電力の賠償責任を不問にし、消費者に負担を強いるのは大問題だ。6年たっても…いや、いつまでたっても駄目な政府ね。(2017/3/5)
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2017年02月26日

【今週の風考計】2.26─6年目、誰のための震災復興事業か?

★1933年3月3日、マグニチュード8.1の大地震が発生。岩手県釜石市の東方沖200キロを震源とする「昭和三陸地震」は、地殻変動による大津波をもたらし、死者・行方不明3064人という甚大な犠牲者を出した。★この教訓から、総工費1200億円の巨費を投じ、水深63メートル、 世界最大の「釜石港湾口防波堤」がつくられた。しかし、6年前に起きた3・11東日本大地震による津波は、いとも無残に「釜石港湾口防波堤」を破壊した。★震源地が3つもある連動型地震のため、発生した津波は広範な海域を、高さや速度を増しながら、連続して河川や内陸を襲った。そのため市街地での被害が拡大したのは記憶にも新しい。★いま東日本の被災地復興はどうなっているのか。総額32兆円をつぎ込んで、巨大防潮堤や高台造成など、大規模な土木事業が次々に繰り広げられている。復興に向け住民が参加しての町づくりどころか、政府主導の復興事業が、被災者・被災地の生活や成業を阻害してはいないか。★漁師は海辺に住めず、高台の家から通勤して漁業に従事し、子供は漁業の現場を見ることもなく、漁業の継承が危ぶまれている。かつ巨大防潮堤は景観を損ない、リゾート地としての復活は絶望的だ。★今なお避難生活を続ける人は、13万人を超える。3年が限度といわれる仮設住宅に10万人が居住している。心身ともに疲れた人々へのフォローはどうなっているのか。被災者医療費・介護保険料の免除、子どもの医療費助成などは自治体任せ。本来、国が責任を持ち全額負担すべきではないか。(2017/2/26)
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2017年02月19日

【今週の風考計】2.19─介護保険改悪を“成果”と自慢する感覚

武家・町人91万人が住む江戸の町は、意外や長寿の町。年寄りの介護にあたる「介抱人」お咲は、その誠実さが評判で引っ張りだこ。三日泊まり込み・一日休みの介護仕事はきつい。朝井まかて『銀の猫』(文藝春秋)に描かれる主人公・お咲は、自分が会得した「生き生き楽楽・介抱」のノウハウを、多くの人に伝えたいと思い、『往生訓』の刊行にも協力する。読んで、ほっくり心が温まる。さて、いまの日本はどうか。要介護・要支援認定者は、昨年末で約631万人。9年後の団塊世代が75歳以上になる2025年には、716 万人となる。介護職員38万人が不足するという。介護の現場では、低賃金・重労働・高齢化が進み、介護職を希望する人は少ない。平均収入は月額22万円。全産業平均を10万円近く下回っている。また難しい国家資格を取得しても、賃金に反映されない。3人に1人は3年以内に辞めてしまう。人手不足による職員の介護スキルや介護サービスの低下も問題になる。合わせて新人が定着しないため現場を支える職員が高齢化している。まさに現場に3重苦が襲う。介護保険が始まって17年。その内容は改善どころか改悪が進む。要支援者向けの訪問・通所サービスを保険給付から外し、利用料2割負担へ引き上げたのに加え、さらに一定の所得以上の人には、利用料を3割負担にする法案が閣議決定されている。毎年2200億円の 「社会保障費の増加を抑えることが、経済成長に寄与する」とまで明言し、削減を“成果”と自慢するに及んでは、もう言語道断。(2017/2/19)
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2017年02月12日

【今週の風考計】2.12─呆れる「安倍ファミリー」の劣化と見識

安倍首相・トランプ大統領のハシャギぶり。「相性がいいんだ」とは言いえて妙。ともにウソや恫喝で政治を操るテクニックは同じ。トランプ氏が恫喝で買収したフロリダの豪邸「マー・ア・ラゴ」の夕食会で、安倍首相は昭恵夫人と共に、日米の「蜜月」を誇示する。明けてゴルフ場で両首脳はハイタッチ。その合間の密談、かつ2度目の夕食がクセモノ。「おべっか」を使う安倍首相が「日本の公的年金を米国のインフラ投資に献上」とまでバラされた、カモネギ外交・貢ぎ物外交に終始するのでは、目も当てられない。マティス国防長官と稲田朋美防衛相の会談でも、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル」を、自衛隊に導入するとまで約束した。その稲田防衛相は、南スーダンの戦況は「憲法9条のうえで問題」になるから、戦闘でなく「武力衝突」という言葉を使ったという。この呆れる弁明。さらに安倍首相・昭恵夫人が名誉園長・校長に就く、学校法人「森友学園」をめぐる疑惑も看過できない。4月に開校する「瑞穂の國記念小學院」の用地獲得に向け、近畿財務局へ働きかけ、国有地を異常に安い価格で得た疑惑である。この学園理事長は、憲法改正を求める「日本会議」大阪の役員で、田母神俊雄、櫻井よしこ、百田尚樹といった右派文化人を招いて講演会を開催し、幼稚園では日の丸の旗を振らせて<同期の桜>を歌わせるので有名だ。昭恵夫人の見識が問われる。文科省のあっせん天下りといい、金田法務相が、「共謀罪」を法案提出まで話題にしないよう、マスコミを使って恫喝する始末。この「安倍政権ファミリー」は退くのが「ファースト」。(2017/2/12)
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2017年02月05日

【今週の風考計】2.5─何よりも永田町からヘイト言辞をなくせ

●現行のヘイトスピーチ対策法には、どのような言辞や表現がいけないか、明確な定義がない。そのため憲法が保障する表現の自由を盾に、ヘイト行動や言辞が、充分に規制できずにきた。●自治体の当事者も、集会やデモでの公共施設の使用を不許可とする判断が難しく、対応に苦慮してきた経緯がある。これに応えるべく法務省は、基本的な解釈をまとめ、「不当な差別的言動」の具体例を明示した。●具体例では「〇〇人は殺せ」「〇〇人を海に投げ入れろ」といった脅迫的言動や、ゴキブリなどの昆虫や動物に例える著しい侮辱、「町から出て行け」「祖国へ帰れ」「強制送還すべきだ」などの排除をあおる文言が当てはまるとした。さらに「〇〇人は日本を敵視している」などのように、排斥の意図が明確であれば該当すると明示した。●「触るなくそ。どこ、つかんどんじゃボケ。土人が」「だまれ、こら、シナ人」などのヘイト暴言は、いまでも記憶に新しい。沖縄・東村高江の米軍北部訓練場周辺で、大阪府警の機動隊員が、工事に抗議する市民に対して吐いた言葉だ。●さらには沖縄・北方担当相までが「『土人』が差別だとは断定できない」とうそぶいた。この鶴保庸介大臣のヘイト言辞・人権感覚に、どう法務省は対応するのか。トランプ大統領の排他的・差別的な大統領令がハビコっているだけに、まずもって日本の法務省から差別抑止に向け範を示すべきではないか。(2017/2/5)
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2017年01月29日

【今週の風考計】1.29─まず大阪から「教育無償化」に踏み出せ!

トランプ大統領とそっくりな人が、日本にもいる。そう橋下徹氏である。大阪府・市の首長を経て丸9年。ツイッターでの「指先介入」は健在だ。「いよいよ安倍首相が教育無償化に乗り出した。教育大国日本へのスタートだ」と息巻き、「トランプ大統領と伍していくには、日本も原子力潜水艦を保有すべき」と語る。おいおい、<衣の下から鎧が見える>じゃないか。現に、国会では「日本維新の会」所属の重鎮議員が、安倍首相に「カジノ解禁法」成立へのお礼とばかりに、「教育無償化」の導入をテコに、憲法改正を要請している。さらに「トランプ大統領が更なる負担を求めてきたら、防衛費の見直しも検討すべき」と、GDP1%枠の規制ハズシを促す。とりわけ安倍首相は、「日本維新の会」代表でもある大阪府知事の松井一郎氏が、これまでに「9条も見直していくべきだ」と表明しているのを、強力な援軍にして、9条改定・国防軍創設に執念をみせる。「教育無償化のための改憲」という主張には、9条改憲の呼び水・先導役を買って出るコズルイ狙いがあるのは見え見え。まず大阪から、教育無償化に向けて一歩踏み出しらよい。松井氏自身が「自治体の予算でもできる」と、言っていたではないか。この12日には、中学1・2年生を対象に2回目の「チャレンジテスト」を実施した。これは「点数至上主義」に走り、テスト漬けにするだけ。その歪んだ教育行政は、多くの人々が即刻中止せよと声を挙げている。テストにかける経費を教育無償化の財源に充てたらよい。(2017/1/29)
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2017年01月22日

【今週の風考計】1.22─おお怖ッ、トランプ大統領の「人差し指」

批判には耳を貸さず、相手を声高に指弾するトランプ新大統領が、右手「人差し指」を突き出す映像を見ると、背筋が寒くなる。そこには相手を敬う「リスペクト」など、かけらもない。斜め上に挙げる「ヒトラーの掌」を思い浮かべてしまう。支持率は40%といわれる。現に、反トランプ・抗議デモ「女性のワシントン行進」には、<NO! ストップ トランプ/ペンス ファシスト政権>のプラカードを掲げ、50万人が参加する事態となっている。移民やイスラム教徒、女性などへの侮辱発言や排他的な主張を繰り返してきたトランプ氏が、いくら就任演説で「米国を再び偉大な国にする。ワシントンから皆さんに権力を移す」と叫んでも、誰も信用しない。当然だ。トランプ新政権は大富豪、ゴールドマン・サックス、将軍からなる「3G」の閣僚で占める。まず始めたのが、オバマ前政権が進めた医療保険制度改革(オバマケア)を撤廃する大統領令への署名だ。保険の加入者数を大幅に拡大したオバマケアが、どれだけ高額医療費の支払いを緩和し、健康が損なわれる事態を改善したか。偉大なレガシーへの「リスペクト」すらない。メキシコからの不法移民を防ぐためと称し、費用113億ドル(1.1兆円)もかけて「メキシコ国境の壁」を建設するなど、愚の骨頂。さらには「メキシコへ工場を移転する企業には35%の<国境税>を課す」と、内外の企業を恫喝する。メキシコ、カナダと結んだ北米自由貿易協定(NAFTA)すら見直して、高率関税を課す政策へと大転換する。まさに世界を敵に回しても、「米国第一主義」へと突っ走る。<ワシントンの独裁者>は、ご免こうむる。(2017/1/22)
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2017年01月15日

【今週の風考計】1.15─「デモはテロ」の発想と共謀罪の怖さ

▼安倍政権は、20日から始まる通常国会に、3度も廃案になった「共謀罪」法案を、性懲りもなく提出する。詐欺や窃盗、道交法・公選法違反など、676の犯罪に適用される。▼実行していなくとも、居酒屋での冗談・怪気炎が、共謀の準備とみなされ、「共謀罪」が適用されるやもしれない。「共謀準備」とは、どんな行為をいうのか、676の犯罪に則して、一つ一つ明確に定義できるのだろうか。警察官のさじ加減や袖の下によって「共謀罪」か否かの判定が下されたら、たまったものではない。▼もともと犯罪は実行された行為をもって成立し、準備段階での話し合いなどは処罰しない─この近代刑法の根本原則が覆される、最も危険な法案だ。▼犯罪の計画や相談をしただけで処罰するには、警察や国家は、日常不断に国民を広く監視していなければならない。「デモはテロ」と発言するような政治家の発想ならば、シールズや<原発NO!>活動のメンバーへの盗聴や盗撮、パソコンの押収もありえよう。▼沖縄の辺野古基地・ヘリパッド建設に反対する運動にも、「共謀罪」の適用はあるだろう。現に沖縄平和運動センターの山城博治議長らは逮捕・起訴され、80日以上も拘束され続けている。「共謀罪」で立件の予行演習か? 勘繰りたくなる。▼さらに、その共謀罪が適用される刑罰の内容が過酷だ。実行してもいないのに、話し合っただけで5年の懲役・禁固。しかも自白・密告を奨励している。▼「内心の自由」「個人の尊厳」など、憲法に保障された基本的人権が、権力によって不断に脅かされる。テロ対策に名を借りた、戦前の「治安維持法」の復活に他ならない。(2017/1/15)
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2017年01月08日

【今週の風考計】1.8─3万5千歩の日野<七福神めぐり>

松も取れない陽光まぶしい一日、東京・南多摩の日野「七福神めぐり」に挑戦した。まず多摩モノレール・万願寺駅を降り、徒歩10分で土方歳三の墓がある「石田寺」へ。「せきでんじ」と読み、子孫繁栄や健康長寿をつかさどる<福禄寿>が鎮座する。続いて国道20号バイパスを渡り「安養寺」へ。<毘沙門天>をまつる。浅川にかかるふれあい橋から、南西の方向に雪を頂いた富士山が、青空を背にくっきりと映える。高幡不動駅の手前にある坂を「高幡不動・金剛寺」へ。境内は参拝の人であふれ、出店からの呼び声が飛びかう。学問や芸術などをつかさどる<弁財天>をまつる。合格祈願か、若者が多い。参道の開運そば屋で昼食を済ませ、京王線に乗り百草園駅で下車。千年の古刹「真照寺」へ。あかがねの屋根・木の香も匂う小ぶりの堂内に<恵比寿天>が起ち、大きな鯛を右手に微笑んでいる。2駅戻って南平駅から一番橋で浅川を渡り、樹齢百年という梅の木がある「延命寺」へ。まさに長寿をつかさどる<寿老尊>が佇立する。裏道をたどり徒歩15分、「善生寺」につく。巨大な自然石のうえに<大黒天>がまつられる。さらに裏山からは大仏が見下ろしている。ようよう陽も傾き、河原沿いの広場から挙げた連凧をしまう一家の姿が目に入る。徒歩40分、平山橋を渡り最後の「宗印寺」。曹洞宗の禅寺。腹デップリ、福耳たらした<布袋尊>が細目で笑っている。その石造に結ばれた赤白の紐を握る。よい年を! と願う布袋さまの気持ちが伝わってくる。心落ち着く1日、万歩計の数字は35383とあった。(2017/1/8)
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