2024年12月04日
【フォトアングル】衆院選投開票日前日、野田代表最後の訴え=10月26日、池袋駅西口、伊東良平撮影
異例の短期決戦となった衆議院選挙の投開票日前日、東京10区の池袋駅前には立憲民主党の野田佳彦代表が最後の応援に立ち、政治とカネの問題が最大の争点として、「裏金政治を続けるのか根絶させるのか、政権交代をして裏だらけの政治を終わらそよう」と訴えた。街頭には多くの聴衆が集まり、大きな拍手が寄せられた。野田代表は演説後には選挙カーを下りて聴衆の中に入り、前列に並んでいた人たち一人ひとりに握手をしながら支持を呼び掛けた。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年11月25日号
2024年11月01日
【フォトアングル】「自民党政治を終わらせよう」と訴える=9月19日、港区・西新橋付近 伊東良平撮影
戦争法廃止と裏金政治を終わらせようと、9月19日に東京・日比谷野外音楽堂で集会が行われ、2700名の人たちが参加した。ステージはフェミニストグループの歌と踊りに始まり、立民・社民・共産などの政党代表やジャーナリストの有田芳生さんなどが登壇して「自民党政治を終わらせよう」と声を張り上げて訴えた。集会の後,新橋・銀座方面から鍛冶橋まで40分間デモ行進をして街を行く人たちにも呼び掛けた。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年10月25日号
2024年10月14日
【日韓学生フォーラム】幌加内で現代史学ぶ ダム工事の犠牲者追悼=古川英一
日韓の学生、若手記者らが現場を歩く9回目の日韓学生フォーラムは8月下旬の北海道、札幌から北へバスで4時間あまり。車窓に広大な青空と小さな花を咲かせているそば畑が広がる幌加内町の人造湖・朱朱鞠湖を訪れた。
今は観光スポットの湖は戦時中に雨竜ダムがつくられた工事で210人が犠牲になった。うちの45人は朝鮮半島からの人で、その多くが強制連行された人たちとされる。
隣の深川市の住職、殿平義彦さんたちのグループは、今から30年近く前、朱鞠内で遺骨の発掘を始め、後に日韓などの学生も参加して2001年までに合わせて23人分を発掘した。
「かつてあたり前の言葉として使われていた『強制連行・強制労働』を今、マスコミはほとんど使わない。報道が政治的状況、権力者の意向で変わってしまう。」殿平さんの指摘が響く、共同墓地で、フォーラム参会者25人は墓標に手を合わせた=写真=。
朱鞠内にはもう一つの碑がある。1959年、同地の小学校で人形劇を披露していた深川西高校のボランティアサークル「あゆみ会」の活動を北海道新聞が「共産党の触手が伸びている」など、事実ではない報道をし、リーダーの2年の生徒が抗議の自殺をした事件の慰霊碑だ。
道新OBでJCJ北海道支部代表委員の高田正基さんは碑前で「学生は激しい新聞批判を残して亡くなった。だが道新は1人の若者を死に追いやった責任は取っていない。新聞記事は人を殺すことも救うこともできる」とメディアの責任の大きさを訴えた。
九州から参加した学生は「今の学生はSNSばかりだか、現場に行ってみることの大切さがわかった」と話した。また韓国からの参加者も「現場で学び、僕ら若者が次の世代につないで行きたい」と語った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年9月25日号
2024年10月06日
【フォトアングル番外編】=憲法9条を守る運動の緊急交流会開く=9月28日、横浜・かながわ県民センター 伊東良平撮影
自民党総裁選で石破茂氏が選ばれ、10月1日に首相に選出された。総裁選に立候補した9人全員が改憲を叫ぶ中、9条かながわの会では9条の最大の危機として、9月28日に横浜市で「憲法9条を守る運動の緊急交流会」を開催した。
共同代表で弁護士の岡田尚氏は、2014年の集団的自衛権行使容認の閣議決定から10年。急激な戦争への下り坂でブレーキなき暴走が続くとして、「新しい石破政権のもとで改憲発議の可能性がある。世界は再び戦争と紛争の時代の中で、これまで何度も改憲の危機を乗り越えてきたことに自信と確信を持とう」と発言。
憲法を守ることはあくまでも手段であって、「目的は戦争をなくして平和な社会を維持することで、九条の会運動もその中にある」と結んだ。
2024年09月30日
【フォトアングル】朝鮮人犠牲追悼式典「語り継ぐことが責務」と実行委員長=9月1日、墨田区・都立横網町公園、伊東良平撮影
関東大震災のあった9月1日、台風10号による雨が時折降る中で、朝鮮人犠牲者追悼式典が東京両国の横網町公園で行われた。台風の影響で規模を縮小して実行委員の人たちとメディア関係者で開催したが、周りには一般の市民も集まり式典を見守った。小池百合子都知事は今年も追悼文を出さず、宮川康彦実行委員長は挨拶の中で「子孫や周りの人に語り継ぐことが我々の責務」と述べた。読経と鎮魂の舞の後、舞踊家など代表4人が献花を行った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年9月25日号
2024年08月29日
【フォトアングル】「平和コンサート」で望月衣塑子さん講演=7月27日・武蔵小金井、伊東良平撮影
9条の会・こがねいなどが母体となる多摩Pacemの会が主催する「平和チャリティコンサートin多摩」が7月27日に小金井宮地楽器ホールで開催された。コーラス「平和を願う歌」に続いて東京新聞の望月衣塑子さんが講演を行い、防衛費の拡大や武器輸出などで戦争容認に突き進んでる、歯止めになる道を選ばないといけないと話し、米大統領選ではZ世代をはじめ新しい動きが始まっているとして、ハリス氏への期待を述べた。また年内に総選挙が行われる可能性にも言及した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年8月25日号
2024年08月19日
【フォトアングル番外編】日本に避難中のウクライナの子どもたちの絵を展示=8月9日・東京都美術館で伊東良平撮影
「すべてのいのちを大切に 平和の壁に花一輪を 日本を戦争する国にさせない」を合言葉の第72回平和美術展が今年も開催された。
「虐殺の街」「ガザの子どもたち」「銃を放とう 花持とう!」など戦争や平和をテーマにした作品が数多く並んだが、その一角に日本に避難しているウクライナの子どもたちの絵のコーナーがあった。東京近県で避難しているウクライナの人は約600人、その子どもたちが自国の歴史や文化などを学ぶ日曜学校が川崎にあり、今回は4歳から10歳までの児童が「ウクライナの平和を祈る」というテーマで絵を描いた。
2024年08月02日
【フォトアングル】蓮舫氏の最終街宣、熱気は凄かったが‥‥=7月6日・新宿駅東南口、伊東良平撮影
7月7日に投開票が行われた東京都知事選は小池都知事が3選を果たした。写真は投票前日の7月6日夜に新宿で行われた蓮舫氏の最終街宣。駅前を埋めた溢れんばかりの聴衆に最後の訴えをアピールして盛り上がった。熱気が凄く、若い人たちが多く参加してこれまでとは違う雰囲気で、支援者が投票を呼び掛けて各地で展開した「ひとり街宣」の方たちも見受けられ選挙結果に期待が高まった。しかし無党派票を石丸伸二氏に多く持っていかれての敗北。今回はネットやSNSの連動が投票効果をより上げることも実感したが、「ひとり街宣」など今後に繋がる運動のあり方も提起した選挙戦であった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年7月25日号
2024年07月16日
【トピックス】鹿児島県警・内部通報と「情報源暴き」=萩山 拓(ライター)
◆県警・不祥事の3カ月
鹿児島県警の元巡査長による捜査資料漏えい事件の発生から、すでに3カ月以上が経過する。県警は4月8日、県警に批判的な報道を続けるニュースサイト運営者を漏えい事件の関係先として家宅捜索し、パソコンのデータを押収し、その内容をもって巡査長を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕した。
この捜索で得た関連資料や証拠を基に、さらに前県警生活安全部長も漏洩容疑で逮捕した。こうし漏洩事件が起きる背景には、県警トップの事件もみ消し・隠蔽の動きに対し、不満が県警内に充満していたと考えられる。
現に逮捕された当事者からは、「資料を公表して県警内の体質を変えたかった」と、動機の説明がなされている。
◆踏みにじる「情報源の秘匿」
しかも県警が行ってきた一連の捜査は、極めて異常なやり方だといわざるを得ない。パソコンのデータを始め、メールや携帯でのやりとりなど、捜査・検索・閲覧の範囲そして押収は通常の限度を超えている。
こうした捜査に対して、新聞社の「社説」および新聞労連や出版者協議会を始め、メディアにかかわる多くの組織や有識者が、鹿児島県警による異様な「情報源暴き」に抗議の声を挙げてきた。
そこには「捜査権の乱用」のみならず、「情報源の秘匿・保護」や「表現・報道の自由」が脅かされる重大な危険がはらんでいるからだ。民主主義社会では許されない権力の暴走を感じ取ったからに他ならない。
◆公益のための内部通報
この暴走をくい止めるため、東京都の出版社「リーダーズノート出版」の木村浩一郎社長は、鹿児島県警トップの野川明輝本部長らを、特別公務員職権乱用などの罪に当たるとして告発した。ところが鹿児島地検は7月5日付で、野川本部長らを嫌疑なしで不起訴処分とした。
しかし同社長は、地検の不起訴処分は不当だとして、7月10日、鹿児島検察審査会へ審査を申し立てたと明らかにした。「不法・不当に当該報道機関の強制捜査を行った疑惑があり、強制捜査は取材源の秘匿に関わり、日本国憲法にも違反する」うえに、「地検の捜査は短期間で不十分だ」という世論もあるとしている。
とりわけ逮捕された前生活安全部長は「県警本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとしたことが許せなかった」「書類を送れば積極的に取材してくれると考えた」と述べているだけに、隠された組織内部の腐敗を告発しようとする公益通報の意図が明確である。こうした事情をどう汲みあげるのか、これからの審査が注目される。
鹿児島県警の元巡査長による捜査資料漏えい事件の発生から、すでに3カ月以上が経過する。県警は4月8日、県警に批判的な報道を続けるニュースサイト運営者を漏えい事件の関係先として家宅捜索し、パソコンのデータを押収し、その内容をもって巡査長を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で逮捕した。
この捜索で得た関連資料や証拠を基に、さらに前県警生活安全部長も漏洩容疑で逮捕した。こうし漏洩事件が起きる背景には、県警トップの事件もみ消し・隠蔽の動きに対し、不満が県警内に充満していたと考えられる。
現に逮捕された当事者からは、「資料を公表して県警内の体質を変えたかった」と、動機の説明がなされている。
◆踏みにじる「情報源の秘匿」
しかも県警が行ってきた一連の捜査は、極めて異常なやり方だといわざるを得ない。パソコンのデータを始め、メールや携帯でのやりとりなど、捜査・検索・閲覧の範囲そして押収は通常の限度を超えている。
こうした捜査に対して、新聞社の「社説」および新聞労連や出版者協議会を始め、メディアにかかわる多くの組織や有識者が、鹿児島県警による異様な「情報源暴き」に抗議の声を挙げてきた。
そこには「捜査権の乱用」のみならず、「情報源の秘匿・保護」や「表現・報道の自由」が脅かされる重大な危険がはらんでいるからだ。民主主義社会では許されない権力の暴走を感じ取ったからに他ならない。
◆公益のための内部通報
この暴走をくい止めるため、東京都の出版社「リーダーズノート出版」の木村浩一郎社長は、鹿児島県警トップの野川明輝本部長らを、特別公務員職権乱用などの罪に当たるとして告発した。ところが鹿児島地検は7月5日付で、野川本部長らを嫌疑なしで不起訴処分とした。
しかし同社長は、地検の不起訴処分は不当だとして、7月10日、鹿児島検察審査会へ審査を申し立てたと明らかにした。「不法・不当に当該報道機関の強制捜査を行った疑惑があり、強制捜査は取材源の秘匿に関わり、日本国憲法にも違反する」うえに、「地検の捜査は短期間で不十分だ」という世論もあるとしている。
とりわけ逮捕された前生活安全部長は「県警本部長が県警職員の犯罪行為を隠蔽しようとしたことが許せなかった」「書類を送れば積極的に取材してくれると考えた」と述べているだけに、隠された組織内部の腐敗を告発しようとする公益通報の意図が明確である。こうした事情をどう汲みあげるのか、これからの審査が注目される。
2024年07月07日
【フォトアングル】第18回市民パネル展、視覚障害者教育協会会長がトーク=9日、浦和市、浦和コムナーレ、酒井憲太郎撮影
アジアとともにをメインテーマにした戦後79年パネル展実行委員会主催による、手づくりパネル展が6月7日(金)〜9日(日)の3日間開かれた。参加した埼玉の十団体のテーマは九条俳句、ヘイトスピーチ禁止条例と多様だ。最終日に、アジア視覚障害者教育協会会長青木陽子さんが「日中における草の根交流」をテーマのトークをした。参加者は25名
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年6月25日号
2024年06月10日
【フォトアングル】護憲大集会に3万2千人集まる=3日、東京・江東区の有明防災公園、酒井憲太郎撮影
平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会主催の第10回2024憲法大集会が開かれ、主催者発表で3万2千人が集まった。参加者は「守ろう!平和・いのち・くらし」「武力で平和はつくれない」「憲法いかす政治を!」のプラカードを掲げ、壇上の立憲民主党、日本共産党、れいわ新選組、社民党の野党国会議員たちと声を揃えて「とりもどそう憲法いかす政治を」とアピールした。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年5月25日号
2024年05月14日
【フォトアングル】最高裁の不受理に抗議 代執行許さず=2日、最高裁西口で、酒井憲太郎撮影
辺野古基地の工事設計変更で、国が県に代わり執行するとの決定に反対する沖縄県の訴えを、最高裁が上告を受理しないと決定したことに抗議する最高裁前行動が行われた。「埋め立て許さない」の横断幕を掲げ、「代執行訴訟の最高裁による上告不受理を許さないぞ」「沖縄の民意を踏みにじる代執行を許さない」などとシュプレヒコールに80名が参加した。主催は戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会など三団体。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年4月25日号
2024年04月02日
【フォトアングル】裏金議員追及の緊急行動=3月1日、東京・国会正門前、酒井憲太郎撮影
裏金問題の究明が続く中、さようなら自民党政治と銘打った裏金議員の説明責任を問う緊急行動が国会前で展開された。学生、高校生、大学教授が発言し、野党議員としては、立憲から枝野、社民から福島、共産党から山添・伊藤とマイクを握った。発言の合間に「裏金作る政治家いらない」「岸田は辞めろ」「さよなら自民」「うちらは見てるぞ」のコールが打楽器とともに響いた。参加は1800人以上と主催者発表。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年3月25日号
2024年03月14日
【フォトアングル】ガザ戦争、即時停戦を=1月21日、東京・新宿、酒井憲太郎撮影
新宿東口アルタ前では、「ガザの虐殺すぐやめろ」「イスラエルは虐殺やめろ」とシュプレヒコールで訴える集会が開かれた。「岸田内閣打倒」などのリレーアピール後、「ガザ大虐殺やめろ!」の横断幕を掲げて、新宿駅一周のデモ行進を行なった。主催の改憲・戦争阻止!大行進東京によれば、参加者は二百七十名。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年2月25日号
2024年02月18日
【フォトアングル】逆転敗訴 福島原発東京控訴審「不当判決」と弁護団=12月26日、東京高裁前、酒井憲太郎撮影
福島から東京へ避難した住民47人が損害賠償を求める福島原発被害東京訴訟の控訴審判決では2018年の1審判決で認めた国側の責任を認めなかった。弁護団は「国の責任否定 不当判決」と抗議の意思表示をした。2022年最高裁は判決で国の責任を認めなかった。その誤りを正すのではないかと期待されたが、結果は最高裁のコピペと言われるものだった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年1月25日号
2024年01月21日
【フォトアングル】安保法制成立以来、96回目の19日行動=東京・衆議院第2議員会館前、酒井憲太郎撮影
2015年9月19日安保法制強行成立以来、廃止を求めて96回目の19日行動。主催は戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会と、9条改憲NO!全国市民アクションで「パレスチナに平和を!軍拡増税反対!辺野古新基地建設反対!改憲発議反対!」をテーマに千百名が集まった。「11月19日は沖縄で1968年にB52が墜落した日」だと、参院会派、沖縄の風の高良鉄美参議院議員が報告した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年12月25日号
2023年12月06日
【フォトアングル】作家の澤地久枝さん「戦争前夜の方向に向かう」と訴える=3日、東京・国会正門前、酒井憲太郎撮影
日本国憲法公布が1946年11月3日。それから77年。国会前は憲法改正反対の声が響いた。国会正門前行動「アベ・スガ・キシダ政治を許さない」は200人が集まった。呼びかけ人の澤地久枝さんは=写真=「憲法9条をまもろう」のプラカードを掲げ、「どんどん戦争前夜の方向に向かう」「日本の政治はますます悪くなると思う。そうならないように頑張っていきましょう」と訴えた。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年11月25日号
2023年11月02日
【フォトアングル】アジア圏の人的交流イベントが高円寺で=10月1日、東京・杉並区、酒井憲太郎撮影
中国・広州、香港、台湾、韓国などアジア圏を中心とした人の交流を目的とする高円寺番外地と称するイベントが9月22日から10月1日まで、東京・高円寺周辺で開かれた。期間中に、ライブ、DJイベント、展示などで盛り上がる。最終日は全部に反対するアジア粗忽者一揆開催として高円寺中央公園に集合。トラック荷台で演奏しながらのバンドが先頭を切り、参加者が続いて行進。来年は台湾で開催。
2023年10月11日
【フォトアングル】韓国舞踏家が鎮魂の舞を奉納=1日、東京都墨田区・横網町公園、酒井憲太郎撮影
1923(大正12)年9月1日の関東大震災から100年になる。虐殺された多数の犠牲者を追悼する朝鮮人犠牲者追悼式典(同実行委員会主催)が行われた。浄土真宗の僧侶による読経に続き、白いチマチョゴリを着た韓国伝統舞踊家金順子さんが追悼碑の前で鎮魂の舞を奉納した。各界からの追悼に、フォトジャーリスト安田菜津紀さんのメッセージも述べられた。今年もまた都知事からの追悼文は届かなかった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号
2023年10月08日
【日韓学生フォーラム】韓国戦後史の現場を訪ねる ノグンリと済州島へ ジャーナリストを目指す若者=古川英一
「歴史は止まっているのではなく。現在も動いている」日本と韓国の学生たちを前に、韓国・済州島の姜市長は穏やか口調で語った。相互の国の歴史を学び、交流し合う「ジャーナリストを目指す日韓学生フォーラム」の8回目が8月末に4泊5日、韓国で行われた。
フォーラムは現役や0Bの記者など有志が立ち上げJCJのメンバーも加わっている。今年で7年目を迎え、今回は、賛同してくれた韓国記者協会が韓国の戦後史の現場を訪ねる企画を考え、約30人が参加した。
まず訪れたのはソウルからバスで約3時間、南下したところにある老斤里(ノグンリ)。ここでは朝鮮戦争勃発当初の1950年7月に、米軍によって400人もの住民が虐殺されたとされる。当時のままの鉄道の跨線橋には、銃弾のあとが生々しく残され=写真=、生き延びた83歳の男性の「撃たれるとわかっていても空腹で食べ物を求めて出てきた人を銃撃した」という証言に学生たちは言葉を失ったようだった。またこの事件は親米的な軍事政権が続いていた韓国では封印され、その事実を明るみにしたのはそれから約50年後アメリカのAP通信の報道によってだった。ノグンリ国際平和財団の鄭会長は「真理と真実、強い人ではなく弱い人のための、ジャーナリストになってほしい」と呼びかけた。
続いて訪れたのは済州島。観光地として人気が高くソウルからの飛行機も観光客で満員。しかし、この島こそ多くの住民が犠牲になった戦後史の現場だ。済州島4・3事件は、1948年、済州島で左翼の人たちと米軍政下の政府が衝突、以後数年にわたり多くの島民が殺害された。平和公園には、犠牲者1万5千弱の名前が出身地ごとに刻銘されている(実際にはその倍近くの人が犠牲になったという)
慰霊の塔の前で全員で黙とうをした。済州島では、このほか、旧日本軍が本土襲撃に備え、7万人を集結させた飛行場の跡地や、現地住民が避難した洞窟などに足を運んだ。
現地の人たちの話を聞き、歩いて、フォーラムの参加者が確認したのは、こうした事件は日本の植民地支配がなければ起きなかったこと、だからこそ日本人として無関心であってはならないということだった。参加者の一人は「この2つの事件を伝えていく当事者になった」と決意を語った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号