2016年11月06日

【今週の風考計】11.6─TPP強行・「パリ協定」軽視のツケ

タイラバヤシかヒラリンか─こんな落語を思い出すほど、8日投票の米国大統領選に臨む両候補、TPPへの態度については同じ。どちらも反対・離脱、言い方の違いでしかない。だが安倍政権はTPP批准に向け、農家や国民の不安は募るのに、冗談・軽口を繰り返す農水相は放置し、強行採決へ突っ走る。肝心かなめの米国議会は、審議すらしていない。参加12カ国を見ても批准した国はゼロ。いまや失効の公算が大。なぜ安倍政権は、大事な「パリ協定」の批准すら後まわしにして、TPPを急ぐのか。国会軽視・政権のオゴリからくる暴走としか言いようがない。COP22が、7日からモロッコ・マラケシュで始まる。各国の削減目標をどう評価し、実行状況をどう検証するか、「パリ協定」のルール作りに向けた議論が始まる。日本はオブザーバーでしか参加できない。大失態の極みだ。国際的評価は地に落ち、各国の利害がぶつかる交渉の場での存在感は、低下する一方だ。ただでさえ石炭火力発電のトップセールスに傾注し、国内でも新増設計画を進める日本政府には、温室効果ガスの排出削減に向けた「本気度」が、世界から疑われる事態に至っている。唯一の被曝国でありながら、核兵器禁止条約の交渉開始を定めた決議案にも、日本は反対票を投じた。国際社会から「核廃絶にも温暖化対策にも後ろ向き」と見なされたツケは大きい。(2016/11/6)
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2016年10月30日

【今週の風考計】10.30─「NMN」に群がるハゲタカ・ビジネス

●「NMN」が注目されている。国内でも「NMN」を人間に投与し、安全性や効果の有無を調べる臨床・人体実験が始まり、すでに3カ月が経過しているからだ。●生物体内にある「ニコチンアミド・モノヌクレオチド(NMN)」という物質は、老化を抑えるサーチュイン遺伝子を活性化させ、酸素消費量やエネルギー代謝をよくすることが、マウスの動物実験から判っている。●生物の臓器を修復し若返らせる上で重要な「NMN」は、年を経るにつれ減少する。そこで「NMN」を補充してやり、サーチュイン遺伝子を活性化させてやれば、人間の寿命が100歳以上に延びると言われている。●「NMN」は若返り特効薬として、ガン免疫薬「オプジーボ」0.1g73万円ほど高額ではないが、研究用の試薬品とはいうものの0.1g4万円、一般ユーザーには「NMN」を高配合したサプリメントが1g1万円で売られている。しかし、その効能や安全性については疑問も出ている。●なんとGoogleまでが、製薬メーカー・アディマブを1千万ドルで買収し、遺伝子研究の世界的権威ボットステイン博士を招聘。<カリコ>と呼ぶプロジェクトを立ち上げ、「NMN研究開発」に注力している。30兆円の延命マーケットを狙い新規参入を図る。ああ、なんでも商売。(2016/10/30)
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2016年10月23日

【今週の風考計】10.23─民意に背く「電力総連」の神経

いまも鳥取地震が収まらない。12年前の10月23日、新潟県中越地震が発生し、死者68人・総額3兆円の被害を出した。さらに3年もたたずに中越沖地震が起き、柏崎刈羽原発4基が緊急停止した。いま東京電力は全11基の原発が停止中。そのうち7基が柏崎刈羽原発にある。敷地内には20本以上の断層がある。それが「活断層」か否か、原発再稼働のカギを握る。原子力規制委員会は「活断層ではない」とする東電の評価を了承し、再稼働の審査を加速させた。飛びあがって喜んだのは東電と「電力総連」。そこに冷や水を浴びせたのが新潟県知事選挙、再稼働反対の米山隆一さんが大差で当選したからだ。自主投票だった民進党の国会議員も、次々と米山さんの応援に駆けつけ、民進支持層の85%が米山さんに投票した。野党と市民の共闘が、60年続いた保守県政にクサビを打ち込んだ成果は大きい。だが先の参院選挙で3選を果たした民進党・小林正夫議員、実は「東電労組・電力総連」の丸抱え、2650万円の献金を受けている。世論調査で示された原発再稼働反対57%という民意に背き、国会では電力自由化や発送電分離への懸念を示す質問を連発。さらに原発再稼働や原発輸出を督促し、電力会社擁護の姿勢を露わにしてきた。「原発ゼロ」へ、小泉元首相は「直ぐに」。ドイツは2022年、台湾は2025年までに。小林正夫議員は属する民進党の「2030年代に原発ゼロ」政策すら反故にする気か。(2016/10/23)
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2016年10月16日

【今週の風考計】10.16─ある奇縁、アンジェイ・ワイダを悼む

9日、アンジェイ・ワイダが90歳で逝去した。その2週間前、ポーランドの旅に向かう筆者は、ワルシャワ行きの飛行機内で、ワイダ監督「カティン」の日本語字幕ビデオにクギづけになっていた。そして彼が体調不良で入院していたころ、クラクフの街にいた。暑い陽ざしのなか、ヴァヴェル城の前、ヴィスワ川に沿う遊歩道を<竜の像>に向かって歩いていた。少し行くと、両手が刻印されたレリーフが、路面に貼りつけてある。「ROMAN POLANSKI 2015」と記されている。ポランスキーは、ワイダの映画デビュー作「世代」に俳優として出演し、「戦場のピアニスト」を作り、今やポーランドを代表する監督だ。続いて「ANDRZEJ WAJDA 2012」と記された、ワイダの手形がある。何か不思議な出会い。そういえばワイダ監督「灰とダイヤモンド」の主人公マーチェクを演じたズビグニェフ・チブルスキーの肖像レリーフも、彼の地元ヴロツワフの百年記念館へ通ずるフィルム保存館の壁に貼ってあった。39歳の若さで鉄道事故により急逝。あの映画の最後のゴミ集積場でのシーンは忘れられない。
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2016年10月09日

【今週の風考計】10.9─世界に広がる「ホロコーストの根」

★先月末、行きたかったポーランドを旅し、アウシュビッツ=ビルケナウ強制収容所を訪ねた。ガイドの中谷剛さんから、ナチス・ドイツ軍によって、ユダヤ人ら130万人が虐殺された収容所内の遺品の数々、拷問部屋、ガス室、死体焼却炉などについて丁寧な解説をいただいた。★単に過去の「負の遺産」として捉えるのでなく、いま世界に広がる不寛容、難民排斥、「イスラム国」のテロ、さらにはイスラエルのガザ地区侵攻やパレスチナ問題にまで、ひいては日本の憲法論議や国会運営など、傍観していればホロコーストの根につながっていくと指摘する。自分のありようが重く問いかけられ、身が引き締まった。★9月28日、イスラエル前大統領ペレス氏が93歳で逝去した。ポーランドからイスラエルに移民し、パレスチナ和平に尽力した功績で94年にノーベル平和賞を受賞した。★ワルシャワに戻ると、ドイツ軍に戦いを挑んだ<ワルシャワ蜂起>の敗北の日、1944年10月2日、その日を忘れるなと、72年後の当日、年配の人たちと青年がプラカードなどを掲げ市街をパレードしている。タイミングの良い出会い。通訳の説明がありがたかった。★さらに翌日3日、「中絶禁止法案」に反対する、黒い服に身を包んだ若い女性らが、「ブラックマンデー」と名付けるデモをしている。現場の熱気たるや、ものすごい。「ジェンドブリー」(こんにちは)しか言えないもどかしさ。いまポーランドは、若い世代が立ち上がっている。頼もしい。(2016/10/9)
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2016年10月02日

【今週の風考計】10.2─「103万円の壁」と「夫婦控除」

1日から、一定の条件はあるものの、パートやアルバイト、派遣・契約社員・嘱託など、学生を除く短時間労働者にも、健康保険・厚生年金保険が適用される。保険料は勤め先と折半で、11月の給与から天引きされる。病気やケガなどで支給される「傷病手当金」に加え、老後の年金額が増え遺族保障も得られるなど、メリットは大きい。しかし、自分の月収と新たな保険料負担額を比べ、損か得かを考えるのは避けがたい。夫の扶養に入り保険料は無料、会社からも扶養手当をもらい、かつ配偶者控除を受けたほうがよい。「103万円の壁」は超えないよう、労働時間を調整する─こうした事態は続くだろう。そこで政府は、もっと女性が社会に出て長く働けるためと称し、「夫は仕事、妻は家庭」を前提にした「配偶者控除」は廃止すべきだという。その代わり妻の年収に壁を設けず、夫婦合わせた所得から一定額の「夫婦控除」をしたあと、源泉徴収する案が検討されている。だが再来年1月にも導入をもくろむ、この新制度は、夫が納税者である専業主婦や年収「103万円」以下のパート主婦は、配偶者控除の減税がなくなる。また年収「106万円」を超えると、保険料負担がのしかかるだけでなく、配偶者控除も失ううえに、夫の勤務する会社からの扶養手当まで支給されなくなる。まさに新たな「増税」制度に他ならない。用心、要心。(2016/10/2)
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2016年09月25日

【今週の風考計】9.25─「バハマ文書」が明かす税逃れの実態

「バハマ国」って、どこにある? パナマ運河を渡りカリブ海に入り、キューバの北に散らばるサンゴ礁の群島。合わせた面積は日本の福島県ほど。人口は約38万人、ほぼ愛知県豊橋市と同じ。だがタックスヘイブン、すなわち税逃れ・所得隠し、マネーロンダリング(資金洗浄)などの便宜が得られる国として世界に名をはせる。そこで展開された記録、いわゆる「バハマ文書」の全容が、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)の共同作業により、22日に公開された。バハマに設立された実態のない幽霊会社17万社に関わる130万件の電子ファイルだ。そこには1990年以降に設立されたペーパーカンパニー、所得隠し・税逃れの政治家や役員・株主の名前などが記されている。日本に関連する80の法人名も挙がる。4月の「パナマ文書」公開に続いての快挙だ。「パナマ文書」では、世界で21の租税回避地に21万社のペーパーカンパニーがあるという。企業・個人あわせて47兆円もの税逃れ。日本だけでも5兆円、消費税2%分に当たる税が回収できていない。これもすべて大企業と大金持ちが、所得隠しのためにタックスヘイブンを利用し、税逃れをしているからだ。当然、そこには犯罪組織の資金も眠っている。さらにジャーナリストによる分析と解明の共同作業に期待したい。(2016/9/25)
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2016年09月18日

【今週の風考計】9.18─稲田朋美防衛相の「コズルイ感覚」

●“ウルトラ右翼”稲田朋美防衛大臣から目を離すな。安倍首相の肝いり、当選4回で2度目の入閣、出世街道まっしぐら。●新閣僚のうち保有資産はトップ。総資産1億8千万円。防衛関連企業の株も夫の弁護士・稲田龍示名義で、三菱重工・川崎重工・IHIなど1万7千株、三菱電機2千株、日立製作所3千株を保有する。●15日にはアメリカで講演し、「南シナ海」では、日本の海上自衛隊と米海軍の共同巡航訓練を行い、ベトナムやフィリピンに軍事支援を強化すると述べた。●「日本会議議連」の政策審議副会長を務め、これまでに憲法9条を変えて国防軍の創設を主張し、「国民は国のために血を流せ」と発言。「戦争法」が成立した昨年も、女性誌のインタビューで「男子も女子もみんな自衛隊に体験入隊すべき」と言い、今年5月には「(安保法は)愛する人を守るために必要です」と吹聴している。●ところがカネには汚い。彼女の資金管理団体「ともみ組」の収支報告書を見るとよい。なんとそこに添付された領収書のうち、政治資金パーティーに支出した260枚・520万円分の領収書が偽造だった。白紙の領収書に、後から勝手に手書きで記載したという。これまで大量の缶ビールやアイス、カップラーメンなども「事務所費」として計上し、政治資金で賄っている。●こんなコズルイ感覚で、南スーダンPKOに自衛隊員を派遣し、「新たな英霊」を誕生させるなど、断じて許されない。(2016/9/18)
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2016年09月11日

【今週の風考計】9.11─拡散するテロと「9・11」

「9・11アメリカ同時多発テロ」から15年。いまも世界各地でイスラム過激派によるテロが続く。その源は「9・11」にある。アメリカは首謀者・アルカイダのオサマ・ビン・ラディン引き渡しをはじめ、タリバン政権の崩壊をめざしアフガン戦争へと突入した。さらにイラクのフセイン政権を倒すため、「大量破壊兵器の保有」をデッチあげ、イラク戦争まで始めた。結果的にはイスラム教スンニ派の征伐、そして過激派の台頭、世界へのテロ拡散─こうした悪循環に帰着した。フセインの死刑執行後10年、いまだにイラクは内戦状態にある。イラク政府軍は、米軍の空爆支援を受け、もとはアルカイダ系・反米勢力の拠点であり、スンニ派の「IS」が支配していたファルージャを奪還したという。だが無差別空爆による市民への被害は甚大だ。政府軍と一体となったシーア派民兵の暴虐ぶりも目に余る。スンニ派との宗派間争いは激しさを増す。イスラム教徒の「大巡礼」(ハッジ)が、サウジアラビアのメッカに向け、10日から始まった。サウジアラビアは、スンニ派の盟主を自認する国。隣のイランはシーア派を国教とし、この1月にサウジアラビアと国交断絶のうえ、「大巡礼」への参加を禁止した。宗派間の争いと両国の対立は、ペルシャ湾岸を襲う「台風」のように、イスラム教徒の連帯や信仰を強める「大巡礼」にまで、暗い影を落とす。(2016/9/11)
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2016年09月04日

【今週の風考計】9.4─「パリ協定」とハイドロフルオロカーボン

連続の台風襲来は、甚大な被害を日本列島各地にもたらした。これも地球の温暖化に起因する。ついに米中首脳が「パリ協定」を批准した。世界の温室効果ガスの4割を排出する2国が、2020年以降の地球温暖化に、どう対処していくか、新たな枠組みへと踏み出し、その具体化に向け大きく前進した意義は大きい。強力な温室効果を引き起こす「代替フロン」の削減でも、「モントリオール議定書」にある目標値の改定を目指し連携していく。「モントリオール議定書」には、オゾン層を破壊するフロン類の製造を、1995年から禁止、2020年に全廃の目標を掲げている。これまで私たちの身の回りでは、冷蔵庫・エアコンなどの冷媒に使われ、スプレーに詰めるガスや発泡剤などに利用されてきた。国際的な取り決めにより、日本でも12年前からフロンの製造を大幅に削減している。だが産業界は、オゾン層を破壊しない「代替フロン」・ハイドロフルオロカーボンなどを開発し、急速に普及させてきた。だがフロンは、「代替フロン」であれ、もともと温室効果を持っている。しかも、この「代替フロン」は、同量でも、CO₂排出による温暖化に比べ、その数百〜数千倍もの温室効果をもたらす副作用がある。2020年の東京五輪には、フロンを完全に「アンダーコントロール」していると約束して。(2016/9/4)
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2016年08月28日

【今週の風考計】8.28─「共謀罪」行きつく先は治安維持法

★リオ五輪・閉幕の日、土管から飛び出した「マリオ」ならぬ安倍晋三首相。この8分間のパフォーマンスに税金12億円を投入! ああ「もったいない」。★それどころか安倍首相は「ゴジラ」さながらに、とつぜん鋭い歯をむき出し、カギ爪を上にあげ、私たちの前に立ちふさがり始めた。★「共謀罪」の導入だ。改憲勢力3分の2をバックに、「共謀罪」創設法案を9月の臨時国会に提出する。10年以上も前、小泉政権が3度にわたって国会に提出したが、廃案となった法案を、4年後の東京五輪を視野に、テロ対策強化を名目にして復活させる。だが今でもテロ行為を未然に防ぐ法律はある。こじつけだ。★もともと犯罪行為は、具体的な実行によって、被害や危険が生じた場合に罪が問われる。「心の中で思い、皆で話しあったこと」を理由に処罰はできない。ところが今回の「共謀罪」は、沖縄の新基地反対や脱原発などの市民団体が、「路上にシットインして警察車両を止めよう」と話し合い、何らかの準備をすれば、組織的威力業務妨害を適用し処罰されかねない。★さらに警察は犯罪の相談や合意を証明するために、室内盗聴や監視カメラの設置など、日常的な監視を続けるだろう。このあいだの参院選で、大分県警・別府署が民進党選挙事務所の敷地に、隠しカメラを設置していた事件でも証明済み。「共謀罪」が創設されれば、対象犯罪は600以上、限りなく恣意的に運用されかねない。(2016/8/28)
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2016年08月21日

【今週の風考計】8.21─青森で自衛隊の軍事訓練が始まる

17日間の夏休みを取り、財界人や閣僚らと9回のゴルフで英気を養った安倍首相は、リオ五輪が終わったとたん、稲田朋美防衛相に「戦争法」の初適用に向け、陸上自衛隊第5普通科連隊(青森)に、軍事訓練を始めるよう指示。11月にも南スーダンPKOに派遣する準備に入った。訓練は演習場内に宿営地を再現するなど、「駆け付け警護」「宿営地の共同防護」に遭遇する緊迫した場面を想定し、武器使用や警告射撃の手順など、実戦訓練するという。いま南スーダンでは、元反政府勢力のトップだった副大統領が、隣国コンゴへ逃れるなど政情不安が続き、再び内戦状態に発展しかねない。武器使用など新任務の伴う自衛隊員が、まさに「殺し、殺される」危険にさらされるのは、目に見えている。この訓練を始める第5普通科連隊は、八甲田山・雪中行軍で200名の死者を出した歴史を持ち、今でもその行軍訓練は続けられている。その部隊を暑いアフリカの南スーダンに派遣する。それもそのはず1年前の9月17日、特別委員会で「戦争法」案を強行可決した先導役、あの佐藤正久・参議院議員、俗称<ヒゲの部隊長>の出身部隊だ。しかも自衛隊のゴラン高原PKOやイラク復興支援では、派遣部隊の隊長を務めてきた以上、なんとしても「戦争法」の初出動に関わりたいのだろう。(2016/8/21)
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2016年08月14日

【今週の風考計】8.14─「日本会議」の全国キャラバン、要注意!

71回目の終戦記念日を迎える。1年前の8月14日、安倍首相が発した<戦後70年談話>は、どうなったか。謳われた「不戦の誓い」は、見るも無残な状況だ。「違憲」と決めつけられた「安保法案」を、談話発表の1カ月後には強行可決した。駆けつけ警護と称し、海外で武力行使ができる自衛隊へと変質させた。在任中の「改憲」を目指し、憲法9条2項「戦力および交戦権の否認」を破棄し、国防軍の設置をもくろむ始末だ。衆参両院で改憲勢力が3分の2を占める。この絶好機を逃すまいと、閣僚20人のうち19人を、「日本会議」議連・<みんなで靖国神社に参拝する会>などに加わる、改憲・「靖国」派で固め、9条の骨抜きにまい進する体制を築いた。「日本会議」などに所属する国会議員は、衆参合わせて281人・4割を占める。小池百合子・新都知事も、「日本会議」議連に所属し、改憲を目指す自民党員。東京都の<非核都市宣言>決議など、一顧だにしない。「日本会議」は、国家神道の復活を目指し、教育の国家統制、日の丸・君が代の法制化、夫婦別姓反対、天皇の国家元首化など、<戦前回帰>の運動を、草の根から組織してきた。「天皇生前退位は国体の破壊に繋がる」と猛反発する。さらに9月から、改憲に向けた全国キャラバンを始めるという。この<闇の組織>に要注意!(2016/8/14)
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2016年08月07日

【今週の風考計】8.7─ヘリパッド建設は「沖縄いじめ」そのもの

★6日の夕方、テレビをつけると、TBSの金平茂紀さんが、沖縄県・東村高江に入り、ヘリパッド建設に反対する住民の抗議行動を、リアルに伝えている。安倍政権がとる沖縄への対応や行動は、「いじめの構造そのもの」とのコメントが胸を打つ。★いま高江では、オスプレイ用のヘリパッドが2カ所建設され、残る4つの建設を進めるため、N1裏にある抗議拠点となる住民テントを撤去すべく、機動隊が入ると緊迫している。★3年前、私たちJCJも高江の現場に足を運び、オスプレイの騒音や熱風被害、墜落の危険性を学び、やんばるの森に棲む生物種の貴重さについても、在住のミュージシャン・石原岳さんから話を聞いた。いま彼がリリースしたCD『Yoru no Kazoku』を聴いている。虫の音、川のせせらぎ─どれも音楽の源、そして高江の宝。実感する。★高江は森がきれいだから蚊が出ない。オオシマゼミが羽化し、リュウキュウハグロトンボが飛ぶ。パソコンの後ろの壁にかかるカレンダーは、沖縄・浜比嘉島出身のカメラマン・アキノ隊員(本名:宮城秋乃)が撮影した<高江の森の小さな命>で編成されている。沖縄のチョウチョに人生を捧げ、沖縄の自然を守るため、ヘリパッド建設反対に全力を挙げるという。(2016/8/7)
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2016年07月31日

【今週の風考計】7.31─植村裁判が明かす「週刊文春」の罪と罰

暑い週が始まる。今晩にも新しい都知事が決まる。明けて1日、臨時国会が召集され、3日に内閣改造と自民党役員人事。幹事長ポストをめぐり、思惑がらみの駆け引きが激しい。5日にリオ五輪開幕。だがドーピング問題でシコリが残り、開催国ブラジル・ルセフ大統領の弾劾法廷の行方も定かならず。6日は広島原爆の日。安倍首相は「非核3原則」堅持を、最初から挨拶で入れるか注目だ。みな、それぞれに問題ぶくみ。そして鳥越俊太郎さんを、選挙期間中に、性犯罪に関与したかのように煽った「週刊文春」の罪も見逃せない。人権侵害・名誉棄損も平気、メディアの矜持もない。これまでにも「週刊文春」は、25年前に元朝日新聞記者・植村隆さんが書いた、元従軍慰安婦の証言記事を「ねつ造」と非難した。それを機に、退職して北海道に住む本人と家族に対し、殺害をも明示する酷い脅迫が相次いだ。植村さんは名誉回復を求めて、「週刊文春」を発行する文藝春秋社と大学教授・西岡力氏を名誉棄損で訴えている。その口頭弁論が8月3日(水) 午後3時から、東京地裁の103号法廷で開かれる。さらに午後4時15分から、近くの弁護士会館で報告集会&シンポもある。ぜひ参加を。(2016/7/31)
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2016年07月24日

【今週の風考計】7.24─斉藤茂男さんが縁の不思議な出会い

7月18日午後2時過ぎ、買い物帰りの道筋に当たる、東京都・小平霊園内で、偶然にもJCJ代表委員だったジャーナリスト・斉藤茂男さんのお墓を清掃する婦人に遭遇した。前々から、ここが斉藤家の墓所とわかっていた筆者は、近寄って尋ねると、彼女は未亡人であると応え、「とうに13回忌は過ぎましたが、お盆なので草取りをし、お線香をあげに」と話してくれた。都知事選挙に立候補した鳥越俊太郎さんは、斉藤茂男さんを心から尊敬し、今でもJCJ会員として頑張っておられる旨、近況を話すと、嬉しそうに何度も頷いた。この出会いに触発されたのか、2週間前、これも偶然にブックオフで見つけ、108円で購入した石川達三『生きている兵隊』(中公文庫・初版)を読み通した。雑誌「中央公論」に発表当時、検閲を考慮し伏せ字にされた箇所を傍線で引いて復活した復元版。中国侵略に走る日本軍の南京虐殺を描いたルポルタージュ文学の傑作である。この中公文庫は、1999年7月18日発行と奥付にある。不思議にも享年71でなくなった斉藤茂男さんの四十九日にあたる。そして石川達三のご子息・石川旺(上智大学新聞学科名誉教授)さんが、今月の機関紙「ジャーナリスト」に、大手新聞の参院選挙・世論調査のずさんさに関して、コメントを寄せてくれている。この不思議な出会い、これも斉藤茂男さんが縁だ。(2016/7/24)
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2016年07月17日

【今週の風考計】7.17─鳥越俊太郎さんを、東京都知事に!

●私たちは、全力で応援します。鳥越さんはジャーナリストとして、事実をつかむ力、真実をかぎ分ける力は抜群。●彼がキャスターを務めていたテレビ番組で、<桶川ストーカー殺人事件>の深層を追う一連の報道は、「真実の追求と権力の監視を実践し、報道の信頼性を高め、報道被害の救済でも成果をあげた」として、2001年度の日本記者クラブ賞を受賞している。●その後も報道一筋。近年は、安倍政権の暴走を批判し、特定秘密保護法や「戦争法」に、法案が提出される前から反対してきた。改憲勢力が国会で3分の2を占めるいま、さらに日本をキナ臭さくさせていいのか。●日本の首都・東京で、平和と民主主義を守る運動の先頭に立ち、私たち日本ジャーナリスト会議の集会やシンポジウムにも、積極的に協力してくださり、「マスコミ9条の会」の呼びかけ人でもある。住んでよし、働いてよし、環境によしの実現に向け、大きく連帯の輪を拡げよう。●都知事選に絡み、売らんかな丸出しの週刊誌が、タメ記事を流しても、いっさい惑わされず、マスゾエ都政の「公私混同」、政治とカネをめぐる不祥事での混乱にピリオドをうち、都民による都民のための都政に転換しよう。このビッグチャンスを確実なものにしよう。(2016/7/17)
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2016年07月10日

【今週の風考計】7.10─「戦場のピアニスト」が泣いている

NATO首脳会議が、ポーランドの首都ワルシャワで行われた。「ワルシャワ蜂起」にまつわるソ連への怨念を乗り越え、東西冷戦が終結した後、EU諸国が参加する初めての重要な会議で、「第2のベルリンの壁」を設けるような決定をするとは何事か。「ロシア包囲網」の構築を目的に、ポーランドとバルト三国に4千人規模の多国籍軍部隊を、来年から派遣するという。合わせてミサイル防衛システムの拡充、サイバー空間の集団防衛など、新たな「鉄のカーテン」を引く時代へ、逆戻りする重大な決定をした。なぜポーランドが? わずか1カ月前、ポーランドは同国史上最大規模のNATO軍事演習「アナコンダ」を、自国の1万2千の兵士に加え、24カ国から2万人の兵士と戦闘車両3千台・艦船12隻を集めて実施したのだ。ポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛地・カリーニングラード州の人々にも、不安や孤立の波が押し寄せるだろう。これでは、ショパンのみならず「戦場のピアニスト」が泣くのも無理はない。同時に開催された<対抗サミット>「戦争とNATOにノー」が言うように、「軍拡対応でなく対話と国際的連帯で平和を」でなきゃダメ。(2016/7/10)
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2016年07月03日

【今週の風考計】7.3─参院選に臨む宗教界の新しい姿勢

10日投票の参院選、カギは「憲法」にある。誕生して70年になる日本国憲法を守るのか、変えるのか。自民・公明両党は争点隠しに躍起となっている。選挙後に主権者の判断を仰がない「改憲」政策を強行するのは許されない。こうした「国民主権」を踏みにじる安倍政権のやり口に、宗教界でも生長の家は<「改憲」を急ぐ政党、および「戦争法」に賛成した政党とその候補者を支持しない>と表明している。続いて立正佼成会も賛意を表し、投票にあたって「いま一度、『信頼』できる政治を取り戻すために、私たちは主権者として、仏教徒として、この選挙に真摯に臨んで参ります」と<私たちの切実>と題する声明を発表した。それに引き換え、創価学会は公明党の支援部隊として、ひたすら安倍・自民党に追随し、集団的自衛権行使容認の閣議決定から「戦争法」の強行採決まで立憲主義を蹂躙しても、「下駄の雪」のようにくっついて離れない。いまチマタでは創価学会婦人部平和委員会編纂『まんが・わたしたちの平和憲法─平和への願いをこめてジュニア版』(第三文明社)の描く世相が、いまの安倍政権とそっくりだと、話題になっている。<「この道しかない」の先にどんな地獄が待っているか。公明党、学会員は今こそ、このマンガを熟読した方がいい>(日刊ゲンダイDIGITAL・6月30日付)という指摘には頷く。(2016/7/3)
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2016年06月26日

【今週の風考計】6.26─シルクロード経済圏構想とアベノミクス破綻

◆中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は25日、初の年次総会を北京で開いた。◆世界を震撼させた英国の<EU離脱>を尻目に、アジア各国に加え英国、フランス、ドイツなど欧州主要国を含む創設メンバー57カ国、新たに参加を希望する24カ国の代表が出席した。日本は参加していない。◆中国が提唱する「一帯一路」の実現に向け、パキスタンでの高速道路建設事業、タジキスタンの道路建設事業などに、既存の国際金融機関と協力して3.3億ドル、さらに単独でバングラデシュの電力網整備事業に1.7億ドルなど、計5億ドル(約500億円)を融資する。年末までに参加100カ国、融資額12億ドルを見込む。◆中国から中央アジア・中東を経てヨーロッパへの鉄道を敷設する<陸路のシルクロード>、中国からインド洋を経由してペルシャ湾と紅海に至る<海のシルクロード>、この2つの交易路を整備する壮大な構想の一環だ。◆日米が主軸となるアジア開発銀行(ADB)は、そのお株を完全に奪われ、アジアでの日本包囲網が作られつつある。いまアベノミクスは円高株安に翻弄され、中国にもアジア経済圏のイニシアチブが握られ、もう土壇場・崖プチに立たされている。(2016/6/26)
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