2017年08月30日

≪支部リポート・香川≫「美ら海を未来へ」上映 高松空襲跡地を歩いた=刎田鉱造

5面 香川支部.jpg 毎年高松空襲の7月4日から8・15にかけてはJCJ香川支部にとって一番やりがいのある出番の時期です。今年38回目を迎える「8・15戦争体験を語るつどい」の実行委員会の一員として「沖縄の現在(いま)と私たち」に取り組みました。映画「美ら海を未来へ」上映とトークのつどいです。
 辺野古・高江の米軍新基地建設反対ドキュメンタリー作品で、香川在住の中井信介監督を囲んでのトークは時間を忘れさせる盛り上がりでした。

 3月に沖縄旅行した高校生が作文を読み上げました。「私にとって戦争は社会で習った昔あったことでしたが、米軍の攻撃の中で、がま(洞穴)で自爆に追い込まれる人々のことを資料館で知りました。平和の日々の大切なことを多くの人に伝えていく」と、沖縄で見たことを訴えました。
 辺野古埋め立て用の土砂をとる小豆島の闘いが映画で紹介されています。この島からも土を運ばせない運動にかかわる人が参加、「島でもぜひ上映したい」と話しました。
 感動が広がる中、「戦争を止めるためにできることはなにか」と中井監督がまとめました。

 7月4日、高松空襲の日は「第28回高松空襲跡を歩く」でした。中心商店街、丸亀町の広場に集まってちょうど高松空襲展を開いていた「たかまつミライエ」5階の「平和記念館」まで約1・2キロを、午後6時から1時間かけて歩きました。約80人が参加して途中、空襲当時、路面電車の「出晴(ではれ)停留所」跡に近い八坂神社で犠牲者に黙祷。ここでは南新町にあった田中産婦人科で被災した体験者が、手から先を失い焼け跡に立っていた観音像の話をしました。
 平和記念館は戦時下と戦後の高松の生活、核兵器廃絶、平和への取り組みなどを常時展示している市の施設です。昨年12月にリニューアルオープンしました。  

 参加した若い女性は「戦争はいけないという思いが伝わってきました。私たち若い世代も戦争を考えなくてはいけない」と述べました。
(香川支部)
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《焦点》2017年度JCJ賞を獲得した「日米合同委員会の研究」の著者・吉田敏浩さん=橋詰雅博

 2017年度の日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞の出版部門でJCJ賞を獲得したのは、「日米合同委員会の研究」(創元社)だ。

その著者でジャーナリストの吉田敏浩(59)さんは1966年にビルマ(現ミャンマー)北部のカチンなど少数民族が自治権を求めた生活と文化を取材した「森の回廊」(NHK出版)で大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。他に「密約 日米地位協定と米兵犯罪」(毎日新聞社)などの著書がある。現在、立教大大学院特任教授も兼ねている。

 吉田さんは1952年に発足した「日米合同委員会」について2008年から調査してきた。同委員会は、日本の外務省北米局長などエリート官僚6人と、米国の在日米軍司令部副司令官など7人の合計13人で構成される。毎月2回開く会議では、米軍の基地使用や軍事活動の特権、米軍関係者の法的地位などを定めた日米地位協定の解釈と運用を協議している。

 「合同委員会の議事録や合意文書は原則非公開。このため省庁や最高裁などの秘密資料・部外秘資料、在日米軍の内部文書、米国政府の解禁秘密文書などを入手して調べたところ、米軍優位を保障する数々の密約があることが分かりました」

 「裁判権放棄密約」もその一つ。米軍人・軍属・それらの家族が関わった犯罪事件で、日本にとって著しく重要な事件以外は、日本側は裁判権を行使しないとしている。

「密約は米軍に事実上の治外法権を認めたものです。日本の主権を侵害している。安倍政権は、この問題に手をつけて、真の主権回復を目指すべきだ」


 
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2017年08月27日

【今週の風考計】8.27─東芝の「泥沼」に続く、もっと重大な危機

WH買収からWDへ売却─東芝の哀れな結末である。11年前、6200億という破格の値段で、米国原子炉メーカー・ウエスチングハウス(WH)を買収した。それが「躓きの石」となって、経営危機に陥ったあげく、ついに米国の半導体大手ウエスタンデジタル(WD)連合に、大切な「東芝メモリ」を2兆円で売却する。

いま<東芝問題>で問われなければならないのは何か。「原子力立国」を謳い、原発の国内増設・海外への輸出拡大プランを、国策として推進した安倍政権の責任である。とりわけ<3・11フクシマ>後も、経産省がとり続けた原発政策の罪は重い。

「国策」の泥沼による悲劇は、なにも東芝だけではない。「アベノミクス」そのものも「泥沼」じゃないか。安倍政権の言いなりになる日銀<黒田バズーカ>は、異次元緩和政策をブッパなして4年以上が経つ。物価上昇2%は幻と消え、発行国債の4割も使って日銀が購入する、上場株の異常な「爆買い」は拡大する一方だ。保有額は時価ベースで16兆円に上る。

日銀が日本企業の独占株主となり、経営を支配しかねない異常事態だ。これを見越してコバンザメのように、ついて離れない投資家や便乗する銀行も出てきている。現に不動産取引のJリート市場は、日銀が年920億円も買い増しをしている結果、地方銀行は低金利のあおりを回収しようと、販路を求めてJリート市場へのノメリコミが進む。いまや新バブル状況となり、コケた時の経済不安が言われている。まさに「アベノミクス」が始まって10年、10年周期の経済大変動が近い。(2017/8/27)
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2017年08月25日

《編集長EYE》 築地ブランドはよみがえれない

 東京都の小池百合子知事は、豊洲に市場を移転させた後、築地跡地を売却せず、5年後をメドに再開発し、「食のテーマパーク」にする方針だ。これは「築地ブランド」を守るためだと説明するが、築地ブランドとは何を指すのか。市場関係者は、それは「築地の魚」を指すという。築地の魚というだけで値段は高めだが、消費者は納得する。だから築地の魚というブランドを残したいため2つの市場の併存を小池知事は思いついたのだろう。

 築地の魚が世間から高く評価されるようになったのは、品質を見抜き、それに応じた値段を設定する目利き≠ノ優れた仲卸業者いたからだ。仲卸は卸業者から鮮魚などを買い、それを小売店や飲食店など「買い出し人」に売るのが仕事。

 築地で30年、鮮魚を扱う仲卸として働く東京中央卸売市場組合長の中澤誠さんは、こう言う。

 「かつて沖縄のマグロが高額でセリ落とされたことがある。ブロンド力のない生産者でも築地に持ち込めば、仲卸業者がちゃんとした値段をつけて買ってくれるという信頼性が広まった。従って漁師は『いい魚をとろう』とする。出荷する際もぞんざいに扱わない。目利きができる仲卸業者が取引する値段に信頼を置くから築地にいい魚が集まる。これが『築地の魚』というブランドが生まれた背景です」

 市場と言えば、威勢のいい掛け声が場内に響きわたるセリをイメージするが、築地では現在その割合は1割程度。卸業者と仲卸業者が話し合って値段や量を決める相対取引がメインだ。

 「仲卸はこの鮮魚ならこの値段であの小売店が買ってくれると頭で思い描きながら取引する。セリが少なくなっても、目利きの重要性は変わらない。しかし、土壌汚染の無害化ができない豊洲に市場が移転すると、豊洲を嫌う仲卸業者や小売店の廃業は続出します。移転した時点で、築地ブランドは消えます」(中澤さん)

 小池知事が守るといった築地ブランドは甦れない。

 橋詰雅博(JCJ事務局長も兼ねる)



※JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年8月25日号
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2017年08月20日

【今週の風考計】8.20─共謀罪の導入と「エックスキースコア」

19日に行われたJCJ賞贈賞式の記念講演で、小笠原みどり氏は「監視社会とメディア」と題し、衝撃的な報告をされた。その内容を多くの人と共有したい。米空軍横田基地で09年から2年間勤務していたエドワード・スノーデンが暴いた文書の中身である。アメリカ国家安全保障局(NSA)は、60年以上にわたり違法な監視システムを、日本にも秘密裏に導入し、私たちの日常生活に関わる全ての情報や通信を盗聴し収集してきた事実である。

しかも日本政府は、これら米国の施設や運用を財政的に支援するため、膨大な金額を負担してきた。その見返りにNSAは、ネット上の電子情報を幅広く収集・検索できる「エックスキースコア」、別名<スパイのグーグル>といわれるシステムを、防衛省情報本部電波部に提供している。東京の米軍横田基地に諜報活動の通信機器を修理・製造する施設を造る際、7億円の建設費を日本側が負担したという。ここで製造されたアンテナなどの機器は「アフガニスタンでのアルカイダ攻撃を支えた」と記載されている。

また沖縄にある米軍の諜報・通信施設「象のオリ」を、キャンプ・ハンセンに移設する600億円の費用も、日本は全額負担している。しかもスノーデンは「秘密保護法は実はアメリカがデザインした」と証言しているように、共謀罪法を始め、安倍政権の異常ともいえる数々の監視法制の強行は、日米両政府の共通目標なのだ。不都合な真実を消そうとする権力、それに抗う声をつぶすための監視─メディアに携わる私たちは、秘密を暴露し真実を知らせる作業を強めねばならない。(2017/8/20)
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2017年08月13日

【今週の風考計】8.13─「ノーザン・ヴァイパー」が狙う危険な企み

◆今日13日は、普天間飛行場に隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落してから13年。普天間基地の返還が実現されるどころか、ちょうど8カ月前の13日には、同基地所属のオスプレイが名護市の海岸に墜落。◆その後もオスプレイは低空・夜間飛行訓練、物資つり下げ訓練を繰り返し、ますます傍若無人に沖縄の空を飛び回る。県民の怒りは限界を超え、基地撤去の決意は高まっている。

◆目を北に向ければ、北海道では「ノーザン・ヴァイパー」が展開中だ。10日から始まったアメリカ海兵隊2000人と陸上自衛隊1300人が参加する日米共同の実動訓練である。ここにもオスプレイが参加する。◆5日、オーストラリア沖で沖縄・普天間基地所属のオスプレイが墜落事故を起こしたにもかかわらず、わずか6日後にはオスプレイ4機が普天間基地を出発、青森・米軍三沢基地に着陸した。「ノーザン・ヴァイパー」に参加するのは明白だ。

◆かつ怖いのは、陸上自衛隊の海兵隊化を図り、離島奪還のみならず世界のあらゆるところへ殴り込み・侵略に向けて、オスプレイと一緒に即応機動する陸上自衛隊づくりを、大目的にしていることだ。◆72回目の終戦記念日が来る。だが日本の上空は昼夜・所かまわず、いまだにオスプレイを始め米軍機が我が物顔に飛び交っている。日本の主権を主張するどころか、米軍の横暴を追認して恥じない安倍首相、どこの国の総理か。(2017/8/13)
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2017年08月12日

《焦点》 新聞社の「押し紙」問題を追及して20年に及ぶJCJ会員の黒薮哲哉さん=橋詰雅博

 JCJ会員でフリージャーナリストの黒薮哲哉さん(59)は、販売店が注文した部数を大きく超えて新聞社が搬入する、読まれることのない新聞紙、いわゆる「押し紙」問題を追及して20年に及ぶ。この押し紙を含む新聞経営の諸問題を扱った7冊目の著書「新聞の凋落と『押し紙』」(花伝社)を5月末に出版した。新聞社を取材対象とした週刊業界紙の記者時代に押し紙の実態を知ったのが取材のきっかけ。近著では日本新聞協会が押し紙を隠すため姑息(こそく)な手段を使ったことを問題にしている。

 「日本新聞協会の販売委員会とも言える『地区新聞公正取引協議会』は、配達中に新聞が雨などで破損したときに使われる予備紙の割合を搬入部数の2%と定めていた。公正取引委員会も販売店の注文部数は、予備紙を加えたものと定義しています。それをオーバーした部数は押し紙になります。公取委は2009年に新聞特殊指定改訂に際し、予備紙を含む注文部数以外で新聞を買い取らせることはできないとしました。目的は押し紙の取り締まりでした。ところが改訂版施行前に、新聞協会は予備紙2%ルールを廃止した。ルールがあると、2%を超える予備紙は押し紙になるが、これがなければ、残紙はすべて予備紙であり、押し紙ではないという詭弁(きべん)が成り立つ。改訂版施行後、残紙を予備紙と呼んでいる新聞社もある。販売店では予備紙が搬入部数の20%から30%にもなっている」

 3月末に国会で35年ぶりに押し紙問題が取り上げられたが、「安倍晋三内閣はメディアをコントロールする材料に使うため問題を放置している」と批判する。

橋詰雅博(JCJ事務局長兼機関紙編集長)
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《築地市場問題2》 小池都知事、説明責任果たさず=橋詰雅博



 8月11日に掲載したのに続き東京中央卸売市場組合長の中澤誠さんのインタビュー記事パート2を載せました。

 ☆    ☆

――そもそも併存方針は現実的か。

 現場から出てきた話ではなく、うまくいかないだろう。80年代、手狭になった築地の機能を大井市場に分散させる案が出たが、現在の取扱数量はピークの半分。分散させる必要性はなく、分散となるとコストが嵩みメリットがない。経済の合理性を追求する資本主義のワクから外れる行為。両市場を統合するのならわかるが、分散する話が出てくるのはおかしい。年間100億円の赤字が出て、ムダに広く物流が非効率でコストが大幅に増える豊洲よりも、営業しながらリフォームできる築地の方が合理的です。豊洲移転によって、人件費や物流コストがどれだけ増えるのかがいまだに不明だし、買いにきてくれる人が増えるのかもわかない。むしろ食の安心・安全が揺らぐ豊洲市場を嫌いお客が減ってしまう可能性が高い。こうした不安要因を抱える一方で、大きな投資を強いられるから鮮魚を扱う仲卸を中心とした事業者の多くは移転に反対です。

――中澤さんらはこの先、どんな活動をしていくのか。

 小池知事は基本方針を説明した先月の記者会見では、記者との質疑をわずか5分で打ち切った。説明責任を果たしていない。石原慎太郎元知事のように頭ごなしで基本方針を強引に進めるのか、それともさまざまな人の意見を聞いて合意形成し大きく基本方針を転換させるのかを見極めたい。知事の姿勢を見てから次の行動を考えます。

聞き手 橋詰雅博

(JCJ事務局長兼機関紙編集長)

※JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年7月25日号
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2017年08月11日

《築地市場問題1》 「豊洲移転、最速で19年5月」=橋詰雅博

 東京都議会選挙で支持勢力の圧勝を受けて小池百合子都知事は、豊洲に市場を移し、築地を5年後に再開発する基本方針が「信任を得た」と選挙後の記者会見で述べた。両市場の併存は本当に実現できるのか。築地市場の現在地再整備を訴え続ける東京中央市場労働組合委員長の中澤誠さん(52)に、本紙4月25日号でのインタビューに続き再び築地市場移転問題で聞いた。

   ☆      ☆

――小池都知事の併存方針をどう思うか。

 まず都議会選挙で自民党が公約に掲げた豊洲市場への早期移転は、自民党を惨敗に追い込んだ都民が拒否した。これはよかった。併存方針は移転推進派と反対派の両方にいい顔をしたどっちつかずの案。マスコミ関係者によると、知事は築地再整備案あるいは豊洲に一時移転後に再び戻る案に傾いていたが、知事が代表を務めた地域政党・都民ファーストの会と選挙協力した公明党の了承を得られなかったそうだ。内容が整理できないままああいう基本方針を告示直前に発表せざるを得なかったという話を聞いた。

豊洲無害化困難

――来年5月をメドに豊洲に移転させると知事は言っているが、本当にできるのか。

 専門家会議は豊洲の土壌汚染を無害化するための追加対策として2つ挙げた。一つ目は水位が一向に下がらない地下水を下げるため揚水するポンプの増設です。当初は「水位を海抜1・8bで管理する」が目標でしたが、場所によっては海抜4bに達していて、目標を1度も実現していない。原因がわからないままポンプだけ増設しても水位が下がる保障はない。地層に穴が空いている可能性がある。原因究明が先ですよ。

 水銀ガス濃度の上昇を抑えるため地下空間の床面にコンクリートを敷くが2つ目の対策だ。一級建築士ら専門家の話を総合すると、現在の建物自体は耐震基準内だが、地層に30数bまで打ち込んだ杭にコンクリートをくっつけると重くなり耐震基準を満たすことができない。つまり違法建築になる。杭にくっつけずにコンクリートを置くだけの形になるが、どういう風に施工するのかが問題。ゼネコンなどが知恵を絞るのだろうが、大丈夫なのかと心配になる。こうした問題を解決しなければ豊洲の土壌汚染の無害化は達成できない。来年5月移転に向けたハードルはとても高い。

基本方針撤回を

――では移転はどうなるのか。

 選挙後に小池知事と業界6団体が話し合ったとき、移転推進派の築地市場協会の伊藤裕康会長も、同じく推進派の築地東京青果物商業協同組合の泉未紀夫理事長も、来年5月の移転はムリと言っている。土壌汚染対策などがある程度メドが立たないと、トラックを集めるなど本格的な準備に入れません。私は最速でも移転は再来年の5月、すなわち2019年5月と見ています。1年後に東京オリンピック・パラリンピックが控えている。五輪のため築地の跡地に環状2号を通す、選手らを運ぶバスなどの駐車場として跡地を活用する計画だが、実現は厳しい。このままでは五輪への影響は必至です。五輪と築地市場移転は切り離して考えるべきだ。知事選は3年後だし、ここで選挙ファーストの提案だったと認めて基本方針を撤回し、計画を練り直した方がいい。

聞き手 橋詰雅博(JCJ事務局長兼機関紙編集長)

※JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2017年7月25日号
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《焦点》 国民投票の費用はどのくらい


 不信感高まる「森友」「加計」両疑惑、自民党が惨敗した都議選、急落する内閣支持率、盛り上がる政権退陣を求めるデモと、安倍首相への風当たりが激しくなってきた。今まで国民の声を無視してきたしっぺ返しをくらっているが、ただし憲法九条を中心とした改憲の意欲は衰えていない。自民党は11月上旬までに改憲原案をまとめ、臨時国会に提出する予定。18年6月に改憲案を発議し、国民に改憲の是非を問う国民投票を実施しようとしている。
 スケジュール通りに行くかどうかはともかく、現実味を帯びてきた国民投票はお金がどのくらいかかるのだろうか。

 10年前の2007年、衆院法制局による試算では、経費は約850億円。内訳は、投票所・開票所の設営・賃貸料が493億円、不在者投票や投票所入場券の郵送費などが224億円、公報発行費66億円、各政党に割り当てられる無料広告肩代わり費18億3000万円などの順だ。

 ところで国民投票の場合、発議後、投票前14日間の有料テレビCM禁止を除く期間は、改憲派と反対派は自由に各メディアに広告を出せる。広告費の上限は国民投票法で定められていない。宣伝効果が大きいテレビCMをメインとしたこの費用は―。「国民投票のルール改善を考え求める会」のメンバーで著述業(元博報堂社員)の本間龍さんがこう言う。

「衆参の両選挙で各政党などがメディアに投じる広告費は約500億円。国民投票では発議後、60日から180日以内に投票が実施される。運動期間によるが、少なくとも500億円の4〜5倍、場合によっては10倍以上の広告費が使われる。資金が豊富な改憲派は絶対有利。だから国民投票のテレビCMを法規制したいが、民放の業界団体は反対。その理由はこの特需≠当て込んでいるからです」

 税金で賄われる経費と、この巨額な広告宣伝費を合わせると膨大な金が国民投票で使われる。国民投票の実施は必要なのか。

橋詰雅博
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2017年08月06日

【今週の風考計】8.6─日本列島に響くカネの音と踊りの熱気

夏の祭りが熱気を拡散しながら、日本列島を南下している。まず東北3大祭りが、2日の青森ねぶた祭り、3日の秋田竿灯まつり、7日の仙台七夕祭と続き、夏の夜空をいろどった。そして地上では山形花笠まつりだ。「ヤッショ マカショ」の掛け声に合わせて踊りのパレードが繰り広げられている。11日からは江戸三大祭りのひとつ、水かけ「深川八幡祭り」。120基の町神輿が練り歩く。中部地方では、13日から郡上おどり。浴衣姿の数万人が、次々に演奏される囃子歌に合わせ、身振り手振りを変えながら明け方まで踊り抜く。オッと忘れちゃいけない。よさこい祭りが9日から始まる。鮮やかなメイクと衣装の個性豊かな2万人の踊り子が鳴子を鳴らし、高知の夏を盛りあげる。そして12日からは「踊る阿呆に見る阿呆…」の阿波踊り、ヤットサーヤットサーという掛け声とともに、徳島一円が踊り一色に染まる。賑やかさとは無縁な、古式ゆかしい小さな島の盆踊りもいい。岡山県笠岡港の沖合16kmの瀬戸内海に浮かぶ白石島の「白石踊り」、13日から3日間、ひとつの音頭に合わせて、女性が紫の頭巾をかぶり金と銀の扇子を翻しながら踊るなど、男踊も加え十数種類ものバリエーションを舞う。さて最後は14日から始まる、長崎県平戸市に伝わる念仏踊り「平戸のジャンガラ」。造花で飾った華やかな菅笠をかぶり、浴衣姿の腰に小さな太鼓を付けて踊る。豊作と雨乞いを祈願する伝統行事であり、かつ先祖供養の盆踊りも兼ねる。おはやしのカネの音・ジヤンに加え、太鼓の音・グワラに由来するといわれる。とにかく祭り好きには熱い1週間だ。(2017/8/6)
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2017年07月30日

【今週の風考計】7.30─沖縄の民意を欺く「普天間返還」の条件

「基地を造ったら沖縄が戦場になる!」─26日の故大田昌秀元知事の県民葬で、安倍首相に訴える女性の声が会場に響いた。だが首相は「沖縄の基地負担軽減に全力を尽くす」と述べるだけ。かつ米軍普天間基地の返還を保障するには、「辺野古移設が唯一の解決」と強弁し続ける。7月31日、普天間基地(約481ヘクタール)の東側4ヘクタールの土地が返還される。わずか120分の1足らず。あと120分の119は、いつ返るのか。辞職した稲田朋美・前防衛相は、辺野古新基地が完成しても、緊急時には米軍が沖縄の民間空港を使う。それができなければ普天間基地は返還されないと明言した。あまりにもひどすぎないか。辺野古新基地は滑走路が短いので、1.7倍も長い民間の那覇空港を米軍が使う、それが普天間の「返還条件」だという。何も基地負担の軽減になっていないじゃないか。普天間基地が残るのであれば、辺野古の建設工事を強行する理由は、一つもないじゃないか。今も米軍飛行訓練は、沖縄各基地で夜間・日中を問わず激しさ増す。オスプレイの「つりさげ訓練」に始まり、2時間で数十回の旋回・離着陸、騒音や低周波音に安全と睡眠が脅かされている。政府は飛行訓練差し止めに向け、「日米合同委員会」へ提起し、在日米軍専用施設の7割を小さな沖縄に押し付ける非合理を訴える、それが先じゃないか。8月3日の内閣改造、支持率急落を挽回する目くらましには、「こんな人たち」といわれた、われわれ国民はだまされないぞ! (2017/7/30)
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2017年07月23日

【今週の風考計】7.23─「加計ありき」の裏に「日本会議」あり!

★「国民なめるな こんな人たち」よ!と、逆襲の痛罵が投げつけられる安倍政権。支持率29.2%と急落し、土壇場に追いこまれた。★衆参両院での閉会中審査でも、獣医学部の新設に「加計ありき」を慫慂した官邸の圧力や要請、山本地方創生相の発言の経緯、さらには稲田防衛相の失言や日報隠しへの虚偽答弁など、どう真摯に答えるのか。言いわけ、居直り、記憶にないを連発するのは目に見えている。★「森友」疑惑に続き、そこに見え隠れするのは「日本会議」につながる面々だ。安倍首相の「腹心の友」である加計孝太郎理事長は、“日本会議の別動隊”といわれる、育鵬社の教科書発行団体「教科書改善の会」の賛同者に名を連ねている。現に系列の岡山理科大付属中では、歴史修正主義的な育鵬社の教科書を歴史と公民で使っている。★獣医学部の新設を推進してきた今治市長・菅良二氏と前愛媛県知事・加戸守行氏は、安倍首相と同じく「日本会議」の活動に参加し、憲法改正を訴えてきた。★この「日本会議」とは、天皇を元首とする戦前回帰に向け、憲法改悪を目指すウルトラ右翼団体だ。この5月3日、「日本会議」系の憲法集会で、安倍首相は憲法9条に自衛隊を明記し、2020年までに改憲を行うと明言。まさに同会議の改憲戦略そのものだ。★「戦後最悪の政権」といわれる「安倍一強」政権、3年前の総選挙で自民党は290議席を得たが比例得票率は33%でしかない。ひきかえ野党4党は合計で98議席、しかし比例得票率は34%と自民党を上回る。民意を歪める小選挙区制の弊害は明白だが、それでも比例得票率の数字から見て、今の安倍政権そのものが、「架空の多数」でしかないのは間違いない。(2017/7/23)
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2017年07月16日

【今週の風考計】7.16─猛暑お見舞い、私の「緑陰図書と音楽」

「猛暑日」が日本列島を覆う。北海道・帯広市では37.1度を記録し、35度以上が3日も続く。1925年以来92年ぶりという。いかにしのぐか。高地へ涼風を求め遠出したいところだが、そうもいかない事情を抱え、部屋のクーラーを利かせ、「緑陰での本と音楽」とシャレこむしかない。そのおすすめが、まずは高杉良『めぐみ園の夏』(新潮社)。朝鮮動乱が勃発した昭和25年、両親に見捨てられた小学6年の亮平は、孤児の生活施設「めぐみ園」に放り込まれる。厳しい食糧事情、悪ガキにいじめられ、園長夫妻の理不尽な扱いを受けながらも、亮平は持ち前の機転と正義感で、自らの道を切り拓いていく自伝的小説。BGMに流す音楽は、イタリアの作曲家バルトロメオ・カンパニョーリ(1751〜1827)の「フルート協奏曲 ト長調/二重奏曲 Op. 2」(ダイナミックCDS273)。管楽器の音が爽やかに響く。次は西村健『最果ての街』(角川春樹事務所)。東京のドヤ街がある「山谷」でホームレス殺害事件が起きた。警察は真剣に捜査しない。山谷労働出張所長の主人公は、被害者の親族を探そうと懸命に。やがて被害者の意外な過去が明らかになる。行くべき場所を失った人々が流れ着く「山谷」と「3・11後の福島」とを結ぶ、さまよう人間のドラマを描いた社会派長編ミステリー。これにはロシアの作曲家マクシミリアン・シテインベルク(1883〜1946)の「交響曲 第4番<トルキスタン風>」(ダットンCDLX7341)を流す。過去と現在をつなぐラプソディーのある3楽章がいい。彼はリムスキー=コルサコフの愛弟子で、のちにショスタコービッチを世に送り出した。猛暑、ご自愛を。(2017/7/16)
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2017年07月09日

【今週の風考計】7.9─「都民ファーストの会」代表の履歴に注目!

「都民ファーストの会」は、何をめざすのか。会を取り仕切る野田数・代表は、「日本国憲法破棄、大日本帝国憲法の復活を提唱していた御仁。今も変わりはないのか…、チェックする必要がある」(橋下徹‏のツイッターより)─まさに、その通り。検証してみよう。野田氏は7年前に「日本維新の会」公認で都議選に出馬し当選。都議会では「東京維新の会」を立ち上げ、偏向右翼ウルトラ請願に賛同した人物。その請願とは「『我々臣民としては、国民主権という傲慢な思想を直ちに放棄』すべきであり、憲法無効論に基づく大日本帝国憲法の復活確認を求める」という内容。これに賛成した人物が、いまは「都民ファーストの会」代表を務め、小池百合子都知事が、もっとも信頼する影法師として、都議会最大会派55人の議員を、がっちり統率しているのだ。だからこそ「都民ファースト」の新人議員は、本部を通さないと取材に応じられない事態に陥り、自由に発言できない不健全な事態が続く。メディアからも疑問が数多く出てきている。とりわけ都知事の特別秘書が代表に就く、当事者二人で決めたやり方は、民主的な手続きといえるのか。情報公開をうたいながらもブラックボックス化している実態は、問いただされねばならない。9月に開催の都議会定例会では、議長人事や豊洲移転問題、東京五輪の経費負担など、すぐにも対応・解決しなければならぬ緊急テーマが目白押しだ。国政進出に向け「国民ファースト」の野望どころじゃない。(2017/7/9)
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2017年07月02日

【今週の風考計】7.2─80年前の七夕と安倍暴走「一強政権」

★今年の七夕は、心して迎えたい。夜空の天の川に目を凝らすより、いま地上で起きている事態に、胸騒ぎが走って仕方がないからだ。★この日、ニューヨークの国連本部で核兵器禁止条約が採択される。しかし、唯一の戦争被爆国である日本政府は、条約交渉の国際会議にも参加せず、核兵器を「持つ国」と「持たざる国」のブリッジ役すら放棄して恥じない。政府が参加しない理由に挙げる、核の傘・核抑止力の考え方こそ、核兵器の拡散を招いた原因に他ならない。★しかも、この会議に参加しない「核兵器を持つ大国」は、同日、ドイツ・ハンブルグでG20サミットを開く。これには環境や難民問題・人種差別への抗議など、多様なデモが企画され15万人の参加が見込まれる。<G20-Welcome to Hell>も計画されているという。★わが永田町に目を戻すと、憲法9条つぶしの策動が勢いを増す。超党派の「日本会議国会議員懇談会」も、安倍提案に沿って、この秋の改憲発議に向けハッパをかける。★そして丁度80年前の7日夜、盧溝橋事件が勃発。北京郊外の盧溝橋で夜間演習中の日本軍が実弾射撃音を聞いたとの理由で、近くの中国軍と戦闘になった。11日未明には停戦が成立したものの、軍部内の戦線拡大派に押し切られ、28日には北京・天津総攻撃を始め、日中全面戦争に突入した。★あとは一瀉千里、10月中旬には国民に戦時意識を徹底し戦争に協力させる国民精神総動員運動が始まり、12月13日には日本軍は南京大虐殺へと走る。★つい先日、強行可決された「共謀罪」法が、あと10日足らずして施行される。安倍暴走「一強政権」が、いつか来た道を歩む─この轍を断じて踏ませてはならない。(2017/7/2)
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2017年06月25日

【今週の風考計】6.25─秋の臨時国会に9条改悪の自民党案提出!

安倍首相は、支持率の急落や国民からの批判を受け、急きょ閉会後の記者会見で「指摘があれば真摯に説明責任を果たしていく」と発言した。その舌の根も乾かぬうちに、「加計学園」疑惑の解明に向け、野党4党が申し入れた臨時国会の開催を拒否するテイタラク。まさに嘘のつき放題。都議選では応援の街頭演説に立てず、沖縄戦から72年を迎える<慰霊の日>では翁長知事と眼も合わせられない。だが翌日、「アベ友」の産経新聞が主催する神戸「正論」懇話会の設立記念講演では、安倍首相は「逆風に神戸の空は五月晴れ」と一句を詠み、満面に笑みを浮かべつつ、70分に及ぶ得手勝手な話を繰り広げる。ここで見逃してならないのは、憲法順守の99条など無視のうえ、恐ろしい9条改悪の日程をぶちあげたことだ。「来るべき臨時国会が終わる前に、衆参の憲法審査会に自民党案を提出したい」と述べ、今秋の臨時国会に憲法9条に自衛隊を明記する自民党案を提出し、議論を進めると大号令を発した。東京五輪が開催される2020年には、改正憲法を施行できるよう全力を挙げるという。党内でも9条2項の削除を求めるなど異論が噴出しているのに、ここまで声高に強く出たのは、保守勢力の奮起を促し反転攻勢を仕掛けたいとの思いからだ。しかし都議選で自民党が敗北すれば、党内外からの批判や反発も増殖し、憲法改悪のスケジュールに狂いが生じる。例の安倍首相の焦りからくる体調不良・自滅も否定できない。あまつさえ「加計学園」疑惑への関与を完全否定する安倍首相、居直ったのか「獣医学部の開設は、速やかに全国展開を目指す」とまで発言するにいたっては、もう終わり。憲法9条つぶしのアベ政権は退陣を!(2017/6/25)
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2017年06月18日

【今週の風考計】6.18─国民の疑問を「げすの勘ぐり」という品性

蕎麦の「もり」や「かけ」は、時間がたてば伸びて、口にするのを諦める。それを期待しているかのように、官邸は「森友」や「加計」両学園疑惑の解明に背を向け、隠蔽とごまかしの説明を繰り返す。あげくに「加計学園」獣医学部新設に関し、萩生田官房副長官が計った有利な条件指示は、なかったことにする。問題の内閣府から文科省に送られたメールは、「陰で隠れて本省の方にご注進したようなメール」と、担当大臣が部下の官僚を非難する発言まで飛び出す。とにかく安倍総理に累が及ばないよう、あの手この手で言い逃れの詭弁を弄し、責任のなすりつけすら厭わない。朝日新聞の特報を「怪文書」呼ばわりし、また文科省前事務次官へ、中傷まじりの個人攻撃を重ねる。野党や国民の追求・疑問まで「げすの勘ぐり」と、卑しい言辞を弄す自民党重鎮が現れる始末だ。政治家の品性は低劣を極め、「安倍一強政治」は堕落の一途を示す。150日に及ぶ通常国会で、一つでもまっとうな答弁と議論がされただろうか。南スーダンPKOに派遣された自衛隊の「日報隠し」問題に始まり、森友学園へ破格な安値での国有地払い下げ疑惑、同学園に首相から100万円の寄付があったとの証言、「東北でよかった」発言の今村復興大臣更迭、極めつけは「共謀罪」の審議と強行可決に至るまでの暴挙だ。どれも資料は出さず、質問には答えず、空疎な強弁でごまかし、行政府・官邸が立法府・国会を差配する。議会制民主主義は見るも無残に破壊された。これに手を貸した公明党と日本維新の会の責任は重大だ。(2017/6/18)
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2017年06月11日

【今週の風考計】6.11─『森の回廊』から「日米合同委員会」追及へ

◆先日、〈「日米合同委員会」の正体を暴く〉と題する吉田敏浩さんの講演を聴いた。詳細なレジメと資料が配布され、秘密に包まれた‟影の政府”の実態を明らかにしてくれた。◆米軍の特権を担保する「日米合同委員会」は、1952年の発足以降、すべて密室で行われ、議事録や合意文書は非公開だ。国内法に違反しても、裏マニュアルで米軍に有利に処理する仕組みすらある。国会で審議もできない。◆戦後70年、今もって日本政府は、在日米軍の基地や活動を規制することができず、事実上の治外法権下に置いたままだ。これで真の独立国といえるのか。◆吉田さんはビルマの辺境民族を取材した『森の回廊』(NHK出版)で、1996年に大宅壮一ノンフィクション賞を受賞されている。なぜ彼が「日米合同委員会」をテーマにするのか、貴重な体験を披露してくださった。◆今から27年前、ビルマ(ミャンマー)北部のカチン族を取材する中で、政府軍とカチン独立軍が内戦を繰り広げ、人びとが死や苦難に追いこまれる現実に遭遇。また今も語り継がれる「ジャパン・マジャン」(日本語に直すと「日本戦争」)による悲惨な体験。フィリピンでは「キャプテン・ヨシダ」の部隊が村人を殺した話を聞かされ、「その親戚か?」と詰問された苦い思いがある。◆旧日本軍によるアジア侵略の爪痕を見聞するにつけ、再び日本が他国の人びとを殺傷し、苦しめる事態にしてはいけないと痛感した。「海外派兵して戦争のできる国」にさせないためにも、「日米合同委員会」の追及は欠かせない、という。(2017/6/11)
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2017年06月04日

【今週の風考計】6.4─地球の未来をつぶすトランプの短視眼

オバマ前大統領時の米国を含む世界146カ国の反対を押し切って、トランプ大統領は「ピッツバーグの市民を代表するため」と叫び、「パリ協定」からの離脱を表明した。愚の骨頂としか言いようがない。米国内でも、市長・州知事33人、大学学長80人、企業100社が「パリ協定」実施を目指すグループを結成した。地球温暖化が今のまま進めば、33年後の2050年には海水面が20cmも上昇する。南太平洋に浮かぶキリバス、バヌアツ、ツバルなどの島は国土の大部分が水没し、国が消滅してしまう危機に陥る。さらにエルニーニョによる海水温の上昇は、サンゴの白化を招き、サンゴ礁がはぐくむ海洋生物の連鎖にも甚大な影響が出てくる。海岸へ砂礫を供給する能力も急激に劣化する。ガラパゴス諸島ではゾウガメの雌雄分布・生息にも赤信号がともる。北極や南極でも海氷の減少が深刻だ。氷は太陽の光を跳ね返すが、海水は太陽の熱を吸収してしまう。地球全体の温暖化と比べ、2倍のスピードで温暖化が進む。ホッキョクグマの生息数は、33年後には8千頭、3分の1に減ってしまう。日本でもアサリの採集量(全国)が、この5年間で3万トンから9千トンに激減。浜名湖の潮干狩りは2年続けて中止。これも海水温の上昇でアオサが急繁殖したためといわれる。今週、トランプ大統領のおひざ元・ニューヨークで、国連海洋会議が開催される。5日の世界環境デーと8日の世界海の日に合わせ、地球温暖化を防ぎ、海洋の持続可能性を促進する重要な会議だ。成果を期待したい。(2017/6/4)
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