2016年09月11日

【今週の風考計】9.11─拡散するテロと「9・11」

「9・11アメリカ同時多発テロ」から15年。いまも世界各地でイスラム過激派によるテロが続く。その源は「9・11」にある。アメリカは首謀者・アルカイダのオサマ・ビン・ラディン引き渡しをはじめ、タリバン政権の崩壊をめざしアフガン戦争へと突入した。さらにイラクのフセイン政権を倒すため、「大量破壊兵器の保有」をデッチあげ、イラク戦争まで始めた。結果的にはイスラム教スンニ派の征伐、そして過激派の台頭、世界へのテロ拡散─こうした悪循環に帰着した。フセインの死刑執行後10年、いまだにイラクは内戦状態にある。イラク政府軍は、米軍の空爆支援を受け、もとはアルカイダ系・反米勢力の拠点であり、スンニ派の「IS」が支配していたファルージャを奪還したという。だが無差別空爆による市民への被害は甚大だ。政府軍と一体となったシーア派民兵の暴虐ぶりも目に余る。スンニ派との宗派間争いは激しさを増す。イスラム教徒の「大巡礼」(ハッジ)が、サウジアラビアのメッカに向け、10日から始まった。サウジアラビアは、スンニ派の盟主を自認する国。隣のイランはシーア派を国教とし、この1月にサウジアラビアと国交断絶のうえ、「大巡礼」への参加を禁止した。宗派間の争いと両国の対立は、ペルシャ湾岸を襲う「台風」のように、イスラム教徒の連帯や信仰を強める「大巡礼」にまで、暗い影を落とす。(2016/9/11)
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2016年09月04日

【今週の風考計】9.4─「パリ協定」とハイドロフルオロカーボン

連続の台風襲来は、甚大な被害を日本列島各地にもたらした。これも地球の温暖化に起因する。ついに米中首脳が「パリ協定」を批准した。世界の温室効果ガスの4割を排出する2国が、2020年以降の地球温暖化に、どう対処していくか、新たな枠組みへと踏み出し、その具体化に向け大きく前進した意義は大きい。強力な温室効果を引き起こす「代替フロン」の削減でも、「モントリオール議定書」にある目標値の改定を目指し連携していく。「モントリオール議定書」には、オゾン層を破壊するフロン類の製造を、1995年から禁止、2020年に全廃の目標を掲げている。これまで私たちの身の回りでは、冷蔵庫・エアコンなどの冷媒に使われ、スプレーに詰めるガスや発泡剤などに利用されてきた。国際的な取り決めにより、日本でも12年前からフロンの製造を大幅に削減している。だが産業界は、オゾン層を破壊しない「代替フロン」・ハイドロフルオロカーボンなどを開発し、急速に普及させてきた。だがフロンは、「代替フロン」であれ、もともと温室効果を持っている。しかも、この「代替フロン」は、同量でも、CO₂排出による温暖化に比べ、その数百〜数千倍もの温室効果をもたらす副作用がある。2020年の東京五輪には、フロンを完全に「アンダーコントロール」していると約束して。(2016/9/4)
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2016年08月28日

【今週の風考計】8.28─「共謀罪」行きつく先は治安維持法

★リオ五輪・閉幕の日、土管から飛び出した「マリオ」ならぬ安倍晋三首相。この8分間のパフォーマンスに税金12億円を投入! ああ「もったいない」。★それどころか安倍首相は「ゴジラ」さながらに、とつぜん鋭い歯をむき出し、カギ爪を上にあげ、私たちの前に立ちふさがり始めた。★「共謀罪」の導入だ。改憲勢力3分の2をバックに、「共謀罪」創設法案を9月の臨時国会に提出する。10年以上も前、小泉政権が3度にわたって国会に提出したが、廃案となった法案を、4年後の東京五輪を視野に、テロ対策強化を名目にして復活させる。だが今でもテロ行為を未然に防ぐ法律はある。こじつけだ。★もともと犯罪行為は、具体的な実行によって、被害や危険が生じた場合に罪が問われる。「心の中で思い、皆で話しあったこと」を理由に処罰はできない。ところが今回の「共謀罪」は、沖縄の新基地反対や脱原発などの市民団体が、「路上にシットインして警察車両を止めよう」と話し合い、何らかの準備をすれば、組織的威力業務妨害を適用し処罰されかねない。★さらに警察は犯罪の相談や合意を証明するために、室内盗聴や監視カメラの設置など、日常的な監視を続けるだろう。このあいだの参院選で、大分県警・別府署が民進党選挙事務所の敷地に、隠しカメラを設置していた事件でも証明済み。「共謀罪」が創設されれば、対象犯罪は600以上、限りなく恣意的に運用されかねない。(2016/8/28)
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2016年08月21日

【今週の風考計】8.21─青森で自衛隊の軍事訓練が始まる

17日間の夏休みを取り、財界人や閣僚らと9回のゴルフで英気を養った安倍首相は、リオ五輪が終わったとたん、稲田朋美防衛相に「戦争法」の初適用に向け、陸上自衛隊第5普通科連隊(青森)に、軍事訓練を始めるよう指示。11月にも南スーダンPKOに派遣する準備に入った。訓練は演習場内に宿営地を再現するなど、「駆け付け警護」「宿営地の共同防護」に遭遇する緊迫した場面を想定し、武器使用や警告射撃の手順など、実戦訓練するという。いま南スーダンでは、元反政府勢力のトップだった副大統領が、隣国コンゴへ逃れるなど政情不安が続き、再び内戦状態に発展しかねない。武器使用など新任務の伴う自衛隊員が、まさに「殺し、殺される」危険にさらされるのは、目に見えている。この訓練を始める第5普通科連隊は、八甲田山・雪中行軍で200名の死者を出した歴史を持ち、今でもその行軍訓練は続けられている。その部隊を暑いアフリカの南スーダンに派遣する。それもそのはず1年前の9月17日、特別委員会で「戦争法」案を強行可決した先導役、あの佐藤正久・参議院議員、俗称<ヒゲの部隊長>の出身部隊だ。しかも自衛隊のゴラン高原PKOやイラク復興支援では、派遣部隊の隊長を務めてきた以上、なんとしても「戦争法」の初出動に関わりたいのだろう。(2016/8/21)
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2016年08月14日

【今週の風考計】8.14─「日本会議」の全国キャラバン、要注意!

71回目の終戦記念日を迎える。1年前の8月14日、安倍首相が発した<戦後70年談話>は、どうなったか。謳われた「不戦の誓い」は、見るも無残な状況だ。「違憲」と決めつけられた「安保法案」を、談話発表の1カ月後には強行可決した。駆けつけ警護と称し、海外で武力行使ができる自衛隊へと変質させた。在任中の「改憲」を目指し、憲法9条2項「戦力および交戦権の否認」を破棄し、国防軍の設置をもくろむ始末だ。衆参両院で改憲勢力が3分の2を占める。この絶好機を逃すまいと、閣僚20人のうち19人を、「日本会議」議連・<みんなで靖国神社に参拝する会>などに加わる、改憲・「靖国」派で固め、9条の骨抜きにまい進する体制を築いた。「日本会議」などに所属する国会議員は、衆参合わせて281人・4割を占める。小池百合子・新都知事も、「日本会議」議連に所属し、改憲を目指す自民党員。東京都の<非核都市宣言>決議など、一顧だにしない。「日本会議」は、国家神道の復活を目指し、教育の国家統制、日の丸・君が代の法制化、夫婦別姓反対、天皇の国家元首化など、<戦前回帰>の運動を、草の根から組織してきた。「天皇生前退位は国体の破壊に繋がる」と猛反発する。さらに9月から、改憲に向けた全国キャラバンを始めるという。この<闇の組織>に要注意!(2016/8/14)
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2016年08月07日

【今週の風考計】8.7─ヘリパッド建設は「沖縄いじめ」そのもの

★6日の夕方、テレビをつけると、TBSの金平茂紀さんが、沖縄県・東村高江に入り、ヘリパッド建設に反対する住民の抗議行動を、リアルに伝えている。安倍政権がとる沖縄への対応や行動は、「いじめの構造そのもの」とのコメントが胸を打つ。★いま高江では、オスプレイ用のヘリパッドが2カ所建設され、残る4つの建設を進めるため、N1裏にある抗議拠点となる住民テントを撤去すべく、機動隊が入ると緊迫している。★3年前、私たちJCJも高江の現場に足を運び、オスプレイの騒音や熱風被害、墜落の危険性を学び、やんばるの森に棲む生物種の貴重さについても、在住のミュージシャン・石原岳さんから話を聞いた。いま彼がリリースしたCD『Yoru no Kazoku』を聴いている。虫の音、川のせせらぎ─どれも音楽の源、そして高江の宝。実感する。★高江は森がきれいだから蚊が出ない。オオシマゼミが羽化し、リュウキュウハグロトンボが飛ぶ。パソコンの後ろの壁にかかるカレンダーは、沖縄・浜比嘉島出身のカメラマン・アキノ隊員(本名:宮城秋乃)が撮影した<高江の森の小さな命>で編成されている。沖縄のチョウチョに人生を捧げ、沖縄の自然を守るため、ヘリパッド建設反対に全力を挙げるという。(2016/8/7)
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2016年07月31日

【今週の風考計】7.31─植村裁判が明かす「週刊文春」の罪と罰

暑い週が始まる。今晩にも新しい都知事が決まる。明けて1日、臨時国会が召集され、3日に内閣改造と自民党役員人事。幹事長ポストをめぐり、思惑がらみの駆け引きが激しい。5日にリオ五輪開幕。だがドーピング問題でシコリが残り、開催国ブラジル・ルセフ大統領の弾劾法廷の行方も定かならず。6日は広島原爆の日。安倍首相は「非核3原則」堅持を、最初から挨拶で入れるか注目だ。みな、それぞれに問題ぶくみ。そして鳥越俊太郎さんを、選挙期間中に、性犯罪に関与したかのように煽った「週刊文春」の罪も見逃せない。人権侵害・名誉棄損も平気、メディアの矜持もない。これまでにも「週刊文春」は、25年前に元朝日新聞記者・植村隆さんが書いた、元従軍慰安婦の証言記事を「ねつ造」と非難した。それを機に、退職して北海道に住む本人と家族に対し、殺害をも明示する酷い脅迫が相次いだ。植村さんは名誉回復を求めて、「週刊文春」を発行する文藝春秋社と大学教授・西岡力氏を名誉棄損で訴えている。その口頭弁論が8月3日(水) 午後3時から、東京地裁の103号法廷で開かれる。さらに午後4時15分から、近くの弁護士会館で報告集会&シンポもある。ぜひ参加を。(2016/7/31)
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2016年07月24日

【今週の風考計】7.24─斉藤茂男さんが縁の不思議な出会い

7月18日午後2時過ぎ、買い物帰りの道筋に当たる、東京都・小平霊園内で、偶然にもJCJ代表委員だったジャーナリスト・斉藤茂男さんのお墓を清掃する婦人に遭遇した。前々から、ここが斉藤家の墓所とわかっていた筆者は、近寄って尋ねると、彼女は未亡人であると応え、「とうに13回忌は過ぎましたが、お盆なので草取りをし、お線香をあげに」と話してくれた。都知事選挙に立候補した鳥越俊太郎さんは、斉藤茂男さんを心から尊敬し、今でもJCJ会員として頑張っておられる旨、近況を話すと、嬉しそうに何度も頷いた。この出会いに触発されたのか、2週間前、これも偶然にブックオフで見つけ、108円で購入した石川達三『生きている兵隊』(中公文庫・初版)を読み通した。雑誌「中央公論」に発表当時、検閲を考慮し伏せ字にされた箇所を傍線で引いて復活した復元版。中国侵略に走る日本軍の南京虐殺を描いたルポルタージュ文学の傑作である。この中公文庫は、1999年7月18日発行と奥付にある。不思議にも享年71でなくなった斉藤茂男さんの四十九日にあたる。そして石川達三のご子息・石川旺(上智大学新聞学科名誉教授)さんが、今月の機関紙「ジャーナリスト」に、大手新聞の参院選挙・世論調査のずさんさに関して、コメントを寄せてくれている。この不思議な出会い、これも斉藤茂男さんが縁だ。(2016/7/24)
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2016年07月17日

【今週の風考計】7.17─鳥越俊太郎さんを、東京都知事に!

●私たちは、全力で応援します。鳥越さんはジャーナリストとして、事実をつかむ力、真実をかぎ分ける力は抜群。●彼がキャスターを務めていたテレビ番組で、<桶川ストーカー殺人事件>の深層を追う一連の報道は、「真実の追求と権力の監視を実践し、報道の信頼性を高め、報道被害の救済でも成果をあげた」として、2001年度の日本記者クラブ賞を受賞している。●その後も報道一筋。近年は、安倍政権の暴走を批判し、特定秘密保護法や「戦争法」に、法案が提出される前から反対してきた。改憲勢力が国会で3分の2を占めるいま、さらに日本をキナ臭さくさせていいのか。●日本の首都・東京で、平和と民主主義を守る運動の先頭に立ち、私たち日本ジャーナリスト会議の集会やシンポジウムにも、積極的に協力してくださり、「マスコミ9条の会」の呼びかけ人でもある。住んでよし、働いてよし、環境によしの実現に向け、大きく連帯の輪を拡げよう。●都知事選に絡み、売らんかな丸出しの週刊誌が、タメ記事を流しても、いっさい惑わされず、マスゾエ都政の「公私混同」、政治とカネをめぐる不祥事での混乱にピリオドをうち、都民による都民のための都政に転換しよう。このビッグチャンスを確実なものにしよう。(2016/7/17)
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2016年07月10日

【今週の風考計】7.10─「戦場のピアニスト」が泣いている

NATO首脳会議が、ポーランドの首都ワルシャワで行われた。「ワルシャワ蜂起」にまつわるソ連への怨念を乗り越え、東西冷戦が終結した後、EU諸国が参加する初めての重要な会議で、「第2のベルリンの壁」を設けるような決定をするとは何事か。「ロシア包囲網」の構築を目的に、ポーランドとバルト三国に4千人規模の多国籍軍部隊を、来年から派遣するという。合わせてミサイル防衛システムの拡充、サイバー空間の集団防衛など、新たな「鉄のカーテン」を引く時代へ、逆戻りする重大な決定をした。なぜポーランドが? わずか1カ月前、ポーランドは同国史上最大規模のNATO軍事演習「アナコンダ」を、自国の1万2千の兵士に加え、24カ国から2万人の兵士と戦闘車両3千台・艦船12隻を集めて実施したのだ。ポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛地・カリーニングラード州の人々にも、不安や孤立の波が押し寄せるだろう。これでは、ショパンのみならず「戦場のピアニスト」が泣くのも無理はない。同時に開催された<対抗サミット>「戦争とNATOにノー」が言うように、「軍拡対応でなく対話と国際的連帯で平和を」でなきゃダメ。(2016/7/10)
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2016年07月03日

【今週の風考計】7.3─参院選に臨む宗教界の新しい姿勢

10日投票の参院選、カギは「憲法」にある。誕生して70年になる日本国憲法を守るのか、変えるのか。自民・公明両党は争点隠しに躍起となっている。選挙後に主権者の判断を仰がない「改憲」政策を強行するのは許されない。こうした「国民主権」を踏みにじる安倍政権のやり口に、宗教界でも生長の家は<「改憲」を急ぐ政党、および「戦争法」に賛成した政党とその候補者を支持しない>と表明している。続いて立正佼成会も賛意を表し、投票にあたって「いま一度、『信頼』できる政治を取り戻すために、私たちは主権者として、仏教徒として、この選挙に真摯に臨んで参ります」と<私たちの切実>と題する声明を発表した。それに引き換え、創価学会は公明党の支援部隊として、ひたすら安倍・自民党に追随し、集団的自衛権行使容認の閣議決定から「戦争法」の強行採決まで立憲主義を蹂躙しても、「下駄の雪」のようにくっついて離れない。いまチマタでは創価学会婦人部平和委員会編纂『まんが・わたしたちの平和憲法─平和への願いをこめてジュニア版』(第三文明社)の描く世相が、いまの安倍政権とそっくりだと、話題になっている。<「この道しかない」の先にどんな地獄が待っているか。公明党、学会員は今こそ、このマンガを熟読した方がいい>(日刊ゲンダイDIGITAL・6月30日付)という指摘には頷く。(2016/7/3)
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2016年06月26日

【今週の風考計】6.26─シルクロード経済圏構想とアベノミクス破綻

◆中国が主導する国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)は25日、初の年次総会を北京で開いた。◆世界を震撼させた英国の<EU離脱>を尻目に、アジア各国に加え英国、フランス、ドイツなど欧州主要国を含む創設メンバー57カ国、新たに参加を希望する24カ国の代表が出席した。日本は参加していない。◆中国が提唱する「一帯一路」の実現に向け、パキスタンでの高速道路建設事業、タジキスタンの道路建設事業などに、既存の国際金融機関と協力して3.3億ドル、さらに単独でバングラデシュの電力網整備事業に1.7億ドルなど、計5億ドル(約500億円)を融資する。年末までに参加100カ国、融資額12億ドルを見込む。◆中国から中央アジア・中東を経てヨーロッパへの鉄道を敷設する<陸路のシルクロード>、中国からインド洋を経由してペルシャ湾と紅海に至る<海のシルクロード>、この2つの交易路を整備する壮大な構想の一環だ。◆日米が主軸となるアジア開発銀行(ADB)は、そのお株を完全に奪われ、アジアでの日本包囲網が作られつつある。いまアベノミクスは円高株安に翻弄され、中国にもアジア経済圏のイニシアチブが握られ、もう土壇場・崖プチに立たされている。(2016/6/26)
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2016年06月19日

【今週の風考計】6.19─ブレグジットの後に、洪水は来る。

英国は23日の国民投票で、EU離脱(Brexit=ブレグジット)を選択すれば、まずロンドンの金融市場は混乱し、ポンドが売られ、金利は上昇し、英国債の格下げを招き、さらには世界的な株安へとつながるのは避けられない。その影響はEU内にとどまらず、世界全体の政治、経済、金融市場へ大波となって襲いかかる。世界各国の金融機関や企業は、拠点をロンドンからフランスやドイツに移すだろう。キャメロン政権は崩壊し、その後の英国は、自力で世界各国と自由貿易協定や投資協定を結ばなければならない。EUという大きな基盤がなくなった中で、スムーズに各国との交渉が進められるか、大いなる疑問にぶち当たる。それだけではない。「ブリテン・ファースト」といい、反移民の態度をとり続ければ、成長の要となる労働力をどう確保するのか。経済停滞や貿易の減少は火を見るより明らかだ。3年後には、英国の国内総生産(GDP)は6%減少するという試算まである。世界には「憎しみや分裂、不寛容」な発言・行動が席捲している。米大統領選ではメキシコからの移民を弾劾する「トランプ現象」、ドイツやフランスなどでは「反ユーロ・難民排除」を掲げる極右政党の台頭が示すいま、「イントレランスの排除」に傾注しなければならない。(2016/6/19)
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2016年06月12日

【今週の風考計】6.12─国師ヶ岳での「一期一会」に感謝

先日、仲間と共に奥秩父の国師ヶ岳へ、大弛峠から登った。きつい木の階段をたどり頂上に出たが、あいにくの霧と雲で甲武信ヶ岳も富士山も見えない。石楠花もまだ咲いていない。予約乗合バスで早々に下山。そこで乗り合わせた若い登山家と話が弾む。彼は瑞牆山から飯盛山、金峰山、五丈岩、朝日岳を経て国師ヶ岳へ縦走したという。アズマシャクナゲは咲き、水の旨さが抜群だと語る。この半年で穂高や槍など、23山も登っているという。気さくに彼は私たちと同道し、塩山温泉の共同浴場で一風呂あびる。さらに駅前の飯屋で一献の場も共にする。昨晩、作って食べたテントでのすき焼き、朝、遭遇したブロッケン現象の不思議、クリンソウやイワカガミの鮮やかなカラー写真など、彼の話は尽きない。なんと福島県南相馬市の出身。地震後の津波が襲うなか、祖母と一緒に逃げた<3・11フクシマ>の恐ろしさを語ってくれた。そして秋田県十和田湖の南、大湯温泉付近での、クマによる最悪の死傷事故にまで話が及ぶ。クマが大好物の根曲り竹を、無造作に採り尽くす人間の欲の深さを嘆く。今年は不作で価格が高騰している。非常識な時間に入ってきた人間に、子クマ同伴の親クマが驚いてかみつくのは当たり前だという。国師ヶ岳登山がもたらした「一期一会」に感謝。(2016/6/12)
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2016年06月05日

【今週の風考計】6.5─沖縄近海「マラバール作戦」の狙い

★10日から1週間、東シナ海や沖縄近海で、「マラバール作戦」が行われる。この米国とインドの軍事訓練に日本が正式に参加し、3カ国共同開催となる。★海上自衛隊は「ひゅうが」級の大型護衛艦、対潜哨戒機P3Cなどを投入。米国は、この4日に横須賀港を出港した原子力空母ロナルド・レーガンが参加する。★東シナ海で海洋進出を強める中国への牽制、とりわけ中国の潜水艦を追尾する軍事訓練に他ならない。シンガポールで開かれている「シャングリラ・ダイアローグ」は、アジア安全保障会議といいながら、中国を意識した軍事による包囲、共同防衛強化の話が目立つ。★とりわけ日本の防衛省は、積極的に米軍協力を促す先導役を担っている。それもそのはず3月に施行した、集団的自衛権の行使を実行したく、うずうずしているのだ。中谷元・防衛相は、「米国やインド、オーストラリア、タイなどと行う多国間訓練に積極的に参加していく」と、声高に言う。★陸上自衛隊だって負けていない。モンゴルでの国際訓練(PKO)では、小銃を使った演習を見学、南スーダンでの実戦に役だてようと必死だ。震災救援・児童捜索での奮闘に目を奪われているすきに、しっかり本来の軍事シミュレーションは進んでいる。(2016/6/5)
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2016年05月29日

【今週の風考計】5.29─「話くわっちー」な安倍政権

<リーマンもショックのアベG7>─税金600億円を使って開催した、わずか2日間の伊勢志摩サミットは、まさにアベノミクス破綻を隠すためだった。消費税増税の再延期・財政出動を正当化しようと、牽強付会な「リーマン前夜」という詭弁を弄し、世界に恥をさらす結果となった。日本の経済成長率は0.5%、G7で最低。いくらマイナス金利を導入しても、内需は拡大せず、家計は火の車。ちっとも景気は上向かない。沖縄での米軍属による女性殺害遺棄事件でも、口先だけの「話くわっちー」な対応ばかり。日米地位協定の見直しには「口にも出さず」。かつ6月1日の会期末を視野に、参院選目当てのバラマキ政策に余念がない。財政規律など、どこ吹く風。さらに国債発行10兆円の財政出動を目論み、評判の悪いプレミアム商品券や公共事業の上積みなどを画策する。始末に負えない。1日、都議会も開会する。公私混同、政治資金や都税を私用に使う、「セコすぎる」舛添ドケチ都知事の所信表明が注目される。「第三者」の連発など止めて辞職すべき。<6・5政治を変えよう、国会へ>全国総がかり大行動に、5日投票の沖縄県議選と呼応し、基地撤去の願いを共有して集まろう。(2016/5/29)
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2016年05月22日

【今週の風考計】5.22─市民が政治を変える“熱い夏”へ

18歳選挙権を行使する夏の参院選挙が、あと1カ月もせずに始まる。民進、共産ほか野党4党は、全国32の参院選1人区で、統一候補の擁立に努力し、いまや残るは三重、佐賀の2選挙区のみ。すごい。考えられないことが、起こってきた。素晴らしい。これも安倍政権が立憲主義破壊の「戦争法」をゴリ押しし、市民の怒りが「戦争法」反対の2000万統一署名に結実し、さらに野党統一候補をつくりだす原動力となった。たとえ衆参同日選挙が仕掛けられても、野党共闘の力をフルに発揮し、市民が政治を変える壮大な闘いの場にしたい。沖縄では27日から県議選が始まる。元海兵隊員による女性殺害事件には、県民の悲しみと怒りが沸騰している。「すべての米軍基地の閉鎖・撤去がオール沖縄の声だ」と訴えている。小林節さんが立ち上げた政治団体「国民怒りの声」も、「いまごろ新しい野党を作っても政権批判票を奪い合い、自民党を利する」との批判を耳にする。さらに選挙資金や供託金6000万円を、短時間で用意するのは、たやすくない。「クラウドファンディングで試し、駄目だったらやめるぐらいの考えだ」というのだから、慎重な再判断をしてほしい。(2016/5/22)
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2016年05月15日

【今週の風考計】5.15─「オホーツク幻想」を聴きながら

★<今こそ、宮沢賢治>─生誕120年になる今年、奇しくも電子音楽「イーハトーブ交響曲」や「オホーツク幻想」などの作品がある作曲家・冨田勲さんが5月5日、亡くなった。行年84。★雑誌「サライ」6月号に、冨田さんの最期の文章になるだろうが、「少年のころ憧れ続けた、賢治と理想郷・イーハトーブを音楽で伝えたい」と題し、一文を寄せている。「賢治自身も、どこか遠い異次元の世界から登場し、この世の人々の幸せを願い、いくつもの愛される作品を残して、やがて最愛の妹トシの待つ世界へ帰っていった。私にはそんなふうにも思えるのです」と。★思えば私も中学生のころ、教室で先生が朗誦してくれた「あめゆじゅとてちてけんじゃ」の言い回しが忘れられない。宮沢賢治が妹トシの願いを、前向きに受け止めて「永訣の朝」に結晶化させた詩のなかに出てくる。また高校生の頃、必至になって演出した「よだかの星」の舞台も忘れられない。思い出は尽きない。★そして、この3月リリースされた冨田勲「オホーツク幻想」(COGQ-89)に収録の「銀河鉄道の夜」に聴き入っている。電子音楽を作り始めた最初期1972年の作品、<こどものための交響詩>と謳うメドレーがいい。(2016/5/15)
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2016年05月08日

【今週の風考計】5.8─幸せを呼ぶ秘境の地 サチコール村

今年は、ヒマラヤ山脈を抱くネパールと日本が国交を樹立して60年となる。首都カトマンズから西へ150キロ、標高1400メートルの秘境の地に、マガール族64家族500人が自給自足で暮らすサチコール村。この地を、2011年以来、4年間に8回訪れた日本の女性シンガーソングライターがいる。横井久美子さんだ。日本からギター4台を携えていき、子どもたちに演奏の仕方を教え、さらに土地の伝統楽器マーダルや自作の笛を加えた「マガール子バンド」を編成した。子どもたちが練習し、村人がつどい、訪れた人が宿泊できるように、日本の友人たちの支援と村人の力で「音楽ホール」まで完成させた。ヒマラヤを背に、集落東端の丘に建つ青い八角屋根と白い壁が映える。すべて人力。大人も子どもも総がかりでつくりあげた。100人収容できる大ホールだ。ネパールは、昨年4月25日、M7.9の大地震に見舞われ、死者8千500人・負傷者2万人以上の被害に遭った。また昨年9月20日に新憲法が公布され、連邦共和制国家となった。「非同盟中立」を外交の基本とし、地震にめげず起ちあがっている。横井久美子『ネパール 村人総出でつくった音楽ホール』(本の泉社)は、素晴らしい交流と連帯の記録である。(2016/5/8)
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2016年05月01日

【今週の風考計】5.1─わが時給693円、「Fight for $15」!

パリは燃えている─4月末、フランス全土200以上の都市で「エルコムリ法案」に抗議する大規模デモやストが行われた。賃金・労働時間・解雇規制などの改悪につながる労働法改定案を阻止するため。国民の7割が反対している。「Fight for $15」─3月末、アメリカ・カリフォルニア州で最低賃金・時給15ドル(1680円)が実現した。ファーストフード店の従業員が取り組んだ、時給15ドルを求めるデモやストライキが全米に広がり、成果を勝ち取った。続いてニューヨーク州も、さらに14州が今年から引き上げていく。ドイツのヴェルディ─公務員214万人を組織する労組は、4月末、賃上げ・雇用維持を求めて大規模なストを実施。賃上げ4.75%を勝ち取った。ペルーのウマラ大統領─3月末、ペルーの最低賃金を13%引き上げて、850ソルに改定した。中国・上海市でも最低賃金を8.4%引き上げ、中国最高の水準となっている。さて日本の最低賃金は?─全国平均で時給798円(前年比0.9%アップ)、最高の東京で時給907円(前年比2.1%アップ)、最低は鳥取・高知・宮崎・沖縄の4県で時給693円。カリフォルニア州の最低賃金15ドルの半分以下。87回メーデーの今日、あらためて労組の責務が問われる。(2016/5/1)
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