2008年01月11日

横浜事件と良心・思想・言論の自由第2部(4)第三次請求――再審は実現したが…=橋本 進

 1998年8月、横浜事件第三次再審請求が行なわれた。
 申立人=木村まき(故亨夫人)、平舘道子(故利雄長女)〈以上、泊事件〉、板井庄作、勝部元、高木晋(故健次郎長男)、由田道子(故浩夫人)〈以上、政治経済研究会事件〉、畑中繁雄(中央公論社)、小林貞(改造社。故英三郎夫人)〈以上、両社内左翼グループ事件〉。
 支援=横浜事件の再審を実現しよう!全国ネットワーク
 申立理由として、“ポツダム宣言受諾(45.8.14)で治安維持法は失効、失効法による有罪判決(45.8.29、9.15)は無効”を主軸とし、その他として拷問等を掲げた。
 2001年10月、横浜地裁は弁護団の治維法失効時期に関する法的鑑定の要望を受け入れ、大石真・京大教授を選定した。
 03年4月15日、地裁は大石鑑定(受諾失効説)を受け入れ、再審を決定、「免訴」とした。ようやく再審の門を開いた意義は大きいが、請求側に対し「犯罪とされる行為の後に法が失効したにすぎず」、無罪言い渡しを求める「弁護人の主張は失当」と述べ、事件の実体審理、国家責任の明確化を回避した。
 検察側が「即時抗告」をした。

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活字の海を漂って(6) 再び、沖縄と教科書をめぐって=鈴木 耕

 前々回、このコラムで沖縄のことを取上げました。2007年9月29日に、宜野湾海浜公園で行われた「教科書検定意見撤回を求める県民大会」と、教科書検定というものの内実について、私なりの意見を書いたものでした。
 それは、沖縄戦における住民の「日本軍による強制集団死(いわゆる集団自決)」という悲惨な事実が、文科省の事実上の(強制的)検定意見によって、高校の歴史教科書から削除されたことに対する、沖縄県民の大きな怒りの表現として、実現した巨大な集会でした。
 あの大会からすでに3ヵ月以上が過ぎました。

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2007年12月13日

活字の海を漂って(5) カントと「憲法9条」の関係について=鈴木 耕

 いま、私の手元に1冊の小さな本があります。
 『永遠平和のために』(イマヌエル・カント著、池内紀訳、発行・綜合社、発売・集英社、定価・本体1300円)という、120ページほどの、ほんとうに小さい本です。
 でも、とても美しい。カバー画は山本容子さん。若きカントの肖像が描かれ、青色のカバーの中央に、ふわりと浮かんでいます。思わずニコリとしてしまいそうな、優しいカントです。
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横浜事件と良心・思想・言論の自由(第二部)=橋本 進

第二部 「横浜事件再審裁判・第一次〜四次」――その経過と、いまの問題

《第2回 第一次請求、棄却される――粗雑な論理がまかり通る日本の裁判界》

《暴論というほかない却下理由》

 第一次再審請求に対する横浜地裁の却下理由(88年3月)は次のとおり。
 請求理由としている拷問が最高裁で認定されたのは、益田直彦(ソ連事情調査会事件)一人に対してだけのものであり、請求人たちに対してではない。判決文があるのは、9人の請求人のうち、小野康人だけであり、一件記録もなく、審理のしようがない。記録がないのは、占領軍進駐時に焼却されたことがうかがわれる。

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2007年11月17日

活字の海を漂って(4) 鈴木 耕

「教科書という本」をめぐって

◆沖縄で
 少し前のことになりますが、沖縄へ行ってきました。9月29日の「教科書検定意見撤回を求める県民大会」を、この目で確かめることができました。その集会にはぜひ参加したいと、以前から思っていました。そこへ、現地の民放局からの参加要請があったのです。この集会の「特別報道番組」に協力して欲しい、という要請でした。私は、喜んで参加させてもらいました。凄まじいとしか表現できないような熱気と怒りでした。宜野湾市の広い臨海公園は、それこそ古い喩えですが、立錐の余地のないほどの人の波でした。(続きを読む)
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横浜事件と良心・思想・言論の自由(第二部)=橋本 進

第二部 「横浜事件再審裁判・第一次〜四次」――その経過と、いまの問題

《第1回 41年目の再審申し立て》

《再び暗黒の日本にしてはならない――国家秘密法案への危機感》

 1986年7月3日、横浜事件有罪判決(44.8、45.7、9。以下、原有罪判決)に対する再審請求が、8名の請求人により横浜地裁に申し立てられた(以下、第一次請求)。請求人=木村亨、平館利雄〈泊事件〉、畑中繁雄、和田かよ(獄死した故喜太郎の母。没後は実妹の気賀すみ。以上、中央公論社関係)、青山鉞治、小林英三郎、小野貞(故康人の夫人。以上、改造社関係)〈改造社並びに中央公論社内左翼グループ事件〉、川田定子(故寿の分も)〈米国共産党員事件〉。弁護人=森川金寿団長、大川隆司事務局長ほか。
 原有罪判決から41〜42年目の申し立てである。申立人はいずれも70〜80歳の高齢者となっていた。これら高齢者が再審請求に踏みきった動機は、その前年に登場した国家秘密法案である。言論・報道を統制し、思想を弾圧し得る条項にみちた同法案は、かつての治安維持法を想起させた。(続きを読む)
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2007年10月17日

横浜事件と良心・思想・言論の自由――危機迫る現在から事件をみる=橋本 進

《5. 特高の暴走はとどまるところなし、だった》

 中央公論、改造の編集者を大量検挙した特高は、これらの人と交流のあった他社編集者に手をのばした。44年11月27日、日本評論社の松本正雄、美作太郎、彦坂竹男、岩波書店の藤川覚が検挙された。太平洋戦争開戦前の1940(昭和15)年に日本編集者会がつくられた。

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横浜事件と良心・思想・言論の自由」は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)出版部会のホームページで連載。

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2007年10月15日

活字の海を漂って(3) 鈴木 耕

「菊次郎さん」の戦後

 「菊次郎さん」をご存知でしょうか?
 いえいえ、「たけしさんのお父さんの菊次郎さん」じゃありません。 「さきさんという奥さんのいる菊次郎さん」でもありません。
 もうひとりの、私にとってはまるで仰ぎ見るような存在の「菊次郎さん」です。とても小柄で、折れそうなほど痩せていて、仰ぎ見るような体格では決してないのですが、その生き方や考え方は、ほんとうに仰ぎ見ざるを得ないほどの「巨人」なのです。
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 日本ジャーナリスト会議(JCJ)出版部会のホームページ“出版・ろばの耳”で連載されている月刊コラム「活字の海を漂って」。3回目の今月は写真家・福島菊次郎さんのお話です。

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2007年09月08日

 「つくる会」教科書 次は自由社から出版

  7日、扶桑社から教科書の継続発行を拒否され、別の出版社を公募していた「新しい歴史教科書をつくる会」 (藤岡信勝会長)は、中学校の歴史、公民教科書を自由社(東京都文京区)から出版すると発表した。

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2007年08月30日

09・28 インターネットやフリーペーパーの出現で変わる雑誌の「いま」を読む

JCJ出版部会07年9月例会(神保町・岩波セミナールーム)のお知らせ

 06年の出版界総売上げは前年に比し1.3%減(出版年鑑2007年)。これは、既存の月刊誌、週刊誌の大幅な落ち込み(3.9% 減)に因るものです(書籍は2.2%増)。周知のように、ひところは「雑高書低」といわれた雑誌の売上げも、97年をピークにして以降、 長期低落傾向が続いています。

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