2020年02月28日

自社の報道部にカメラを入れた 映画「さよならテレビ」が面白い 東海テレビ制作 全国で公開中=橋詰雅博

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 名古屋市に本社を構える東海テレビ制作のドキュメンタリー映画「さよならテレビ」を都内の劇場で見た。実は初日の1月2日12時30分の回で見るため劇場に行ったところ、立ち見のチケットまでも売れてしまい入れなかった。
 そばにいた正月休みを利用して秋田から来たという男性は「え―入れないの。うーん悔しい。仕方ない、時間を潰して17時30分の回で見るか」とぼやいていた。 
 この12時30分の回は土方宏史監督の舞台挨拶があるからそのせいもあって完売と思ったが、舞台挨拶がない午前中の回も完売だった。
 全国で公開中のこの映画は、東海テレビ開局60周年記念番組がベース。番組は2018年9月に放送エリアの愛知、岐阜、三重の3県で放送された。放送後に放送業界やメディア研究者の間でスゴイ内容という噂が広まり、番組を収録したDVDの上映会が密かに開かれたという。
 こんなに注目された理由は身内の報道部をありのままに撮影したからだ。監督の狙いは「テレビの今」を伝える。
 もっとたくさんの人に見てもらいたいと阿武野勝彦プロデュサーと土方監督は、新たな録画を32分加え映画版をつくった。ちなみに阿武野プロデュサーは取材対象に「タブーはない」が信条だ。
 当然ながら取材されるデスクや部員らは苛立った。そこで「マイクは机に置かない」「打ち合わせの撮影は許可を取る」「放送前に試写を行う」―この3つを監督と報道部が取り決めて本格撮影が始まった。もちろんこのやり取りも写っている。
 報道部を漫然と撮ってもつまらない。メリハリをつけるためフォーカスされたのが男3人。看板の夕方ニュース番組のメインキャスター兼アナウンサー、1年契約の中堅記者、番組制作会社から派遣された若い記者だ。
 アナは視聴率を上げることができずキャスターを下ろされ、テレビメディアでの娯楽ネタ偏重に疑問を持つ中堅記者は悶々と仕事を続け、若い記者は取材でヘマをやり1年でクビに。退職の日に上司から卒業≠ニ言われて花束を受け取った記者は「この経験を生かし、つぎ頑張りたい」と挨拶した。
 とりわけここまで写していいのかと思ったのが失業した若い元記者が「金がなくヤバイ。貸してくれませんか」と土方監督に頼むシーンだ(この場面、追加した録画部分ではないか)。
監督は2つ折りの財布から取り出した万札数枚を彼に渡した。引き上げる彼のうしろ姿は安堵の気持ちが現れているようにみえた。
 視聴率の上下に振り回される部内、ないがしろにされる権力の監視、正社員とそうでない者の待遇格差――自社の恥部≠堂々と見せた面白いドキュメンタリー映画だ。
「さよならテレビ」を2020年度JCJ賞候補作品として推したい。
橋詰雅博
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年2月25日号
posted by JCJ at 17:48 | 現代アート・映画・演劇・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2020年02月24日

【映画の鏡】名作の舞台 今や犯罪地帯に化す「レ・ミゼラブル」移民少年と警察との衝突が思わぬ方向へ=今井潤

 この作品は冒頭から最後まで息をつく間もない緊張の連続する104分の問題作だ。去年のカンヌ映画祭で、韓国の「パラサイト」と最高賞パルムドールを競い、コンペ最大のショックと称賛を受けたのだ。
 ヴィクトル・ユゴーの小説「レ・ミゼラブル」の舞台ともなったパリ郊外の団地は60年代にミドルクラス向けの住宅として建設された。しかし、高速道路が中止となり、陸の孤島の住宅は貧困化が進み、90年代以降は警察と若者の衝突が相次ぐようになった。今や移民や低所得者層が多く住む危険な犯罪地域と化している。
 団地の治安を取り締まるメンバーに配属されたのは北フランスから来たステファンだ。白人のリーダーは人種差別主義者、もうひとりの黒人警察官の3人でパトロールすることになった。
 ある日イッサという少年がロマのサーカス団からライオンの子どもを盗んだことが原因で、街のギャング同士が一触即発の騒動に発展してしまう。
 治安警察と少年グループはもみ合いになり、黒人警察官がイッサに発砲し、さらに追跡していくが、その一部始終が何者かのドローンで撮影されてしまう。混沌とした事態を収束したい治安警察だが、少年グループをめぐる騒動は思わぬ方向に進んでいく。
 それにしても、この作品に出てくる街のギャングの面構えはハリウッドの映画の役者を超え、グルジアかセルビアの役者の風貌を思い起させた。
(公開は2月28日(金)新宿武蔵野館、渋谷ルシネマほか)   
今井 潤


posted by JCJ at 10:49 | 現代アート・映画・演劇・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月02日

東京労演 60年の歴史に幕 会員数250人に減少=安住邦男

 東京労演(東京勤労者演劇協議会)が、2014年6月28日、59年半にわたる歴史に幕を閉じた。
 創立されたのは1956年の1月16日であるが、創立されるまでには様々な試行錯誤があった。中心になって動いたのは総評の国民文化会議と劇団協議会であった。
 そのもとで東京労演は出発したのだが、会の基本組織をサークルに置いた。しかし会を発足させるに際して、「鑑賞団体が例会を選ぶというのは僭越である。所詮大劇団中心に例会が組まれるのは目に見えている」と、中小劇団からの猛烈な反対があった。しかし、東京の場合、最終的に「原則として毎月3本を例会に取り上げる」という妥協案がとられ、以後、今日までこの方針が採用されてきた。

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posted by JCJ at 15:10 | TrackBack(0) | 現代アート・映画・演劇・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年09月16日

「トトロの森」東村山市が公有地へ

 アニメ映画の宮崎駿氏が「となりのトトロ」のアイデアを得たという「淵の森」。その対岸にある雑木林の宅地開発計画が持ち上がったが、宮崎氏が会長を務める保全団体「淵の森保全連絡協議会」が募金活動を開始、6月には東村山市が公有地化の方針を打ち出し交渉が行われていた。【編集部】

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posted by JCJ at 17:43 | TrackBack(0) | 現代アート・映画・演劇・音楽 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする