歴史的な名建築の旧市庁舎を一部取り壊し、超高層ビルを建設する横浜市の再開発事業を不当とする訴えが市民から起こされている。JCJ神奈川支部は、4月26日横浜市内で例会を開き、「横浜市民の財産を守る会」の高田尚暢代表に話を聞いた。
2020年6月に竣工した横浜市の新市庁舎は、高さ155m、32階の高層ビル。林文子前市長時代の2013年にそれまでの市庁舎から移転することが決定された。
庁舎建設の傑作
横浜スタジアムに隣接し、JR関内駅前という好立地にある旧市庁舎は1959年に建てられた多くの近現代建築で知られる村野藤吾の設計で、行政棟と市会棟を「市民の広場」という空間で結んだ独創的な建築だ。「市民広場」には巨大なタイルレリーフの壁画が飾られ、大規模市庁舎建築の傑作と評価が高かった。
19年1月には旧市庁舎街区の開発事業者が募集され、事業者は三井物産グループに決定した。20年12月には予約契約を締結、建物は7700万円で事業者に売却し、土地は月額およそ1777万円、77年間の賃貸借契約とされた。
21年8月に行われた横浜市長選挙では、旧市庁舎問題が争点となった。当選した山中竹春市長は「契約価格を検証する」と発言したが、当選1か月後の9月30日に本契約に調印し、「契約価格は妥当」と方針転換した。
監査請求は棄却
高田氏によると、住民訴訟すると決めたのは、20年12月に、開発計画の不当を先行して訴えていた横浜市議2名の裁判を傍聴したのがきっかけ。高田さんのグループも旧市庁舎が不当な安値で売却されるのを防ごうと21年3月に500名で横浜市に対し監査請求を行ったが棄却され、5月には旧市庁舎の売却と土地の貸し付けの契約差し止めを求めて86人で提訴した。
しかし旧市庁舎街区の開発計画は進行し、市会棟と市民広場は解体され、敷地には高層ビルが建設、25年12月には完成する。
似かよう再開発
原告の数の多い共同訴訟は裁判所との調整に時間が掛かる。弁護士を立てると多額の費用を要するため、本人訴訟とした。原告自身が準備書面を書くことで参加した市民の情報収集力や表現力等が養われる、と高田氏はいう。
裁判で原告側は独自の不動産鑑定を提出し、建物の評価に壁画などの美術品が含まれないのは不当とする主張を展開している。
高田氏は少子高齢化で予想される将来の税収減を解決するため、行政は開発を促進するが、そうした開発はどこでも類似している。開発の骨子の決定に市民が関われず、市民が計画を知る頃には官民一体で計画が決定され ている、と指摘した。
集会はZOOMでも中継され、会場参加者と合わせて42人が参加した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年5月25日号
2025年06月10日
2025年06月07日
【憲法大集会】3万8千人高らかに=古川 英一
憲法記念日、東京は前日の雨が上がって五月晴れになった。憲法を守る市民団体が今年も有明防災公園を会場に憲法大集会を開いた。旗やプラカードを掲げた市民が緑の芝生を埋めた。
集会では、ノーベル平和賞を去年受賞した日本原水爆被害者団体協議会代表の田中煕巳さん=写真=が壇上に上がり「被団協が受賞したのは、この数年世界で核戦争の危機が高まり、もう一度その役割を果たしてほしいという願いの表れではないか」と述べた。そして「皆さん方が私たちのこれまでの努力を引き継いで核兵器も戦争もない世界になるよう広めてほしい」と訴えた。
元官僚で政治経済評論家の古賀茂明さんは「日本国憲法には市民のつながりで平和を守っていこうという精神がある。トランプ政権のアメリカに対して、EUなど世界が離れていくなかで日本だけがアメリカにしがみついている。日本がどこに行くのかが問われているのが参議院選挙。政治を変え、憲法を復活させられるかどうか、大事な分かれ道だ」と述べた。さらに沖縄出身の大学生が「沖縄の犠牲の上に成り立つ平和はやめてほしい。沖縄は日本が変わらないと変わらない」と本土の責任に切り込んだ。
最後に実行委員会から「戦後80年を迎え、安保法が市民を戦争へと突入させようとしている。いまこの動きをストップさせる、軍事ではなく、暮らし中心の予算を作る。それが7月の参議院選挙の大きな争点になる。主権者として、新しい歴史を作り憲法を豊かにしていこう」と行動提起があり会場が沸いた。
青空の元での集会だったが、一方で政府は10年前に安保法を成立させてから、いまも学術会議の法人化や、サイバー安全保障法の制定を目指すなど軍拡への手を緩めていない。暗雲が平和を、憲法を脅かしている。主催側の発表で約3万8千人もが集まったのは、こうした危機感をヒリヒリと感じているからではなかったか。古川英一
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年5月25日号
2025年05月30日
【横浜市メディア威圧2】多様な言論こそ必要 イチャモン断固はね返せ=藤森 研(JCJ代表委員)
学習会で発言する藤森 研氏(右)と講師の岩崎貞明氏(左)
4月12日にはメディア総合研究所事務局長の岩崎貞明氏が講師として参加、「横浜市のメディア介入を考える」学習会を開催した。
岩崎氏は学習会で「横浜市の対応は明らかに編集への介入」と断定し、「言論の自由や編集の独立の視点からも看過できない、市民も監視を強めるべきだ」とした。会の賛同団体となったJCJ神奈川支部代表の藤森研氏も学習会に参加し「報道の自由侵害は市民の知る権利の蹂躙だ」と発言した。藤森氏の発言の要旨は以下の通り。
横浜市が、神奈川新聞などに「抗議文」を出した今回の事態は、言論の自由な流通を妨害する行為で、あってはならないことだ。
山中市長は記者会見で、「抗議文」ではなく「疑義があった点を尋ねた」と語ったが、1か月足らずの間に4回にわたって論調への批判を続け、文書回答を求めるやり方は、圧力そのものである。
事実の間違いに対する訂正要求ならばあっていい。ジャーナリズムの本質は事実確認の規律だからだ。しかし今回の抗議文は違う。
たとえば市庁舎に関する記事の「横浜市の閉鎖性は突出している」という記述は、市民団体の主張を丁寧に紹介したものであり、「個人情報保護や防犯のために必要」とする市の反論も併せ載せている。だが、市の抗議文は「極めて一方的である」と決めつけた。
見解や論調に対する公権力の抗議は、基本的にイチャモンである。社会事象について絶対の「客観」はない。だから民主主義には多様な議論が必要なのであり、だから報道の「自由」こそが、大切なのだ。
公権力が、自分の意にそわない言論を抑圧する時に何が起きるか。ロシア政府が「気に入らない」と権力を使って潰した「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙(ノーベル平和賞受賞)は、ウクライナ侵攻に反対の論陣を張っていた。政府と新聞の、どちらが偏っているのか。
新聞労連の声明によると、「ここ数年、石川県や山梨県、徳島市、兵庫県(中略)などで、首長や議長が取材活動を妨害したり、制限を加えたりする事態」が相次いでいる。報道の自由への介入・抑圧は、メディアがスクラムを組んで断固はね返さねばならない。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年4月25日号
4月12日にはメディア総合研究所事務局長の岩崎貞明氏が講師として参加、「横浜市のメディア介入を考える」学習会を開催した。
岩崎氏は学習会で「横浜市の対応は明らかに編集への介入」と断定し、「言論の自由や編集の独立の視点からも看過できない、市民も監視を強めるべきだ」とした。会の賛同団体となったJCJ神奈川支部代表の藤森研氏も学習会に参加し「報道の自由侵害は市民の知る権利の蹂躙だ」と発言した。藤森氏の発言の要旨は以下の通り。
横浜市が、神奈川新聞などに「抗議文」を出した今回の事態は、言論の自由な流通を妨害する行為で、あってはならないことだ。
山中市長は記者会見で、「抗議文」ではなく「疑義があった点を尋ねた」と語ったが、1か月足らずの間に4回にわたって論調への批判を続け、文書回答を求めるやり方は、圧力そのものである。
事実の間違いに対する訂正要求ならばあっていい。ジャーナリズムの本質は事実確認の規律だからだ。しかし今回の抗議文は違う。
たとえば市庁舎に関する記事の「横浜市の閉鎖性は突出している」という記述は、市民団体の主張を丁寧に紹介したものであり、「個人情報保護や防犯のために必要」とする市の反論も併せ載せている。だが、市の抗議文は「極めて一方的である」と決めつけた。
見解や論調に対する公権力の抗議は、基本的にイチャモンである。社会事象について絶対の「客観」はない。だから民主主義には多様な議論が必要なのであり、だから報道の「自由」こそが、大切なのだ。
公権力が、自分の意にそわない言論を抑圧する時に何が起きるか。ロシア政府が「気に入らない」と権力を使って潰した「ノーヴァヤ・ガゼータ」紙(ノーベル平和賞受賞)は、ウクライナ侵攻に反対の論陣を張っていた。政府と新聞の、どちらが偏っているのか。
新聞労連の声明によると、「ここ数年、石川県や山梨県、徳島市、兵庫県(中略)などで、首長や議長が取材活動を妨害したり、制限を加えたりする事態」が相次いでいる。報道の自由への介入・抑圧は、メディアがスクラムを組んで断固はね返さねばならない。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年4月25日号
2025年05月29日
【横浜市メディア威圧1】新聞社・通信社に圧力文書 「報道の萎縮が目的」市民、撤回求め抗議行動=井浦 徹
神奈川新聞の4つの記事に対し、横浜市が内容に介入する文書を神奈川新聞社に提出していたことが明らかになった。文書は昨年11月〜12月にかけ、政策経営局報道担当部長名(3通は関係部長と連名)で出された。市が「問題だ」と主張した各記事のポイントは次の通り。()内は対象とされた記事の掲載日。
国際プールや
ふ頭再開発計画
@横浜国際プール再整備関連の2つの記事
(昨年11月20日・12月11日)
夏はプール、冬は体育館として使ってきたアリーナを通年体育館にする計画案に対し、「(結論ありきで進めて来たかのような)一方的な見解を記載したことは、読者に対して偏った印象を与える」
A山下ふ頭再開発検討委員会に関する記事
(12月10日)
「山下ふ頭の再開発を『行政主導の開発』と位置づけ、『市民意見を踏まえたまちづくり』とは相反するものという前提に立った論旨になっている」
B横浜市庁舎に関する記事(12月5日)
「市民の会が主張する『横浜市庁舎の閉鎖性は他自治体と比較して突出している』という内容について新聞社としての事実確認を行った形跡が読み取れない」
などといった指摘をしている。
4通の文書は、「市民に誤解を与えない公平性を担保した記事掲載を求めるとともに、本市の見解について御社の回答を文書で求める」と締め括られ、4通の内3通は翌営業日までの回答を求めている。
1月9日の横浜市長定例会見で神奈川新聞記者が見解を問うたが、山中竹春市長は経緯や内容を「把握していない」と答えた。
神奈川新聞は
「事実に基づく」
翌10日、神奈川新聞は「横浜市が『公平性』求め神奈川新聞社に抗議文」の見出しで経過を報じた。その上で、いずれも適切な取材で判明した事実に基づく記事であり、市の文書は「報道の委縮」を目的とした圧力と判断、市への文書回答を保留にしている、と表明した。
他紙の記者も定例会見で文書の適切性について質問したが、市長は「所管と担当記者のやり取りだと承知している」と回答。問題ないとの認識を変えなかった。
新聞労連は、2月17日に「横浜市による度重なる『報道介入』に抗議」の声明を発表。この中で、全国各地で首長や議長が取材活動への妨害や制限をする事態が相次いでいると指摘し、公権力による不当介入に抗議の意思を示すと宣言した。
2月20日の横浜市会本会議では2人の市議が、「部長名文書は職務権限の軽易な照会を超えた文書だ」などと市長に質したが、市長の答弁の内容は終始曖昧だった。
「考える会」結成
文書撤回求める
ことの重大性をいち早く感じた市民が情報開示請求をしたところ、市が10月28日付で共同通信社に対しても抗議文を出していたことが判明。
市民は「公権力とメディアの関係を考える会」(竹岡健治代表)を結成し、2月5日に新聞社への文書撤回を求める市長陳情を60数名の連名で提出した。
これに対して山中市長は「事実誤認については訂正を求めたり、記事内容の正確性について指摘や申し入れすることはある」とし、「今回もその一環」との回答にとどまっている。
市民は3月24日、横浜市庁舎前で抗議行動を行った=写真=。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年4月25日号
2025年04月13日
【支部リポート】神奈川 新聞博物館で報道写真展 34社の記者 約300点展示=保坂 義久
例年12月に都内のデパートを会場に開かれる報道写真展。東京写真記者協会に所属している34社の記者が撮影した約300点を展示するもので、石破茂総理が会場を訪れたと報じられた。
年が明けてから横浜市にある新聞博物館(ニュースパーク)に巡回した2024年報道写真展に行ってみた。
写真展の展示はいつもどおり、東京写真記者協会賞受賞作品が入り口近くに置かれている。受賞作は能登半島地震で体育館に避難した3人の子が、布団をかぶって絵を描いている写真。写真展のチラシにも掲載されていた『「泣いてもいいんだよ」避難所での母との約束』というタイトルと説明文が添えられている。
順路には、それぞれ国内と海外に分かれた一般ニュース部門 企画部門、スポーツ部門と文化芸能部門の部門賞と奨励賞が展示されている。国内一般ニュースの部門賞「日航機衝突炎上」は、能登半島地震の翌日に起きた羽田空港での事故として忘れられない。
1月から11月まで月別の展示もある。歳時記のような題材もあり、政治・経済のニュースもあり様々だ。9月には「5度目の朝鮮、非願成就」というタイトルの、石破茂氏が自民党総裁室の椅子に笑顔で座っている写真のパネルがあり、10月には当選者の名に花をつける石破氏の写真に「花はつけるも 衆院選・自公過半数割れ」のタイトルが皮肉だ。
昨年はパリオリンピック、パラリンピックが開催された年なので、関連する写真がまとめて展示されている。日本選手団の好調もあってかオリンピック関連の写真は最も展示数が多く60点を超える。
「2024年に大谷翔平選手」の展示数は12点だ。
「令和6年能登半島地震」としてまとめられた=写真=は13点を数える。
この報道写真展の会期は4月20日まで。企画展は無料だが、ニュースパークの入場料(400円)は必要だ。3階の常設展示では、新聞の役割などが歴史資料とともに学べる。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2025年3月25日号
2025年01月08日
【神奈川支部例会】5歳、体中にガラス片 被爆の「語り部」丸山さんが講演
神奈川支部は11月30日に支部例会を開いた。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)がノーベル平和賞を受賞する機会に、被団協の構成団体である神奈川県原爆被災者の会会長の丸山進さんが講演した。
丸山さんは神戸市生まれで現在85歳。2歳の時に母親と死別し、神戸空襲で家を焼かれ1945年3月に出身地の広島に移住した。
家族は祖母、父親、15歳と12歳の2人の姉、10歳の兄との6人で、5歳の丸山さんは、祖母や上の姉と爆心地から2キロにある自宅にいた。朝食の後、自宅近くの空き地で遊んでいると、突然ものすごい光を浴びた。その後、突風とともに吹き飛ばされて気を失ったという。気がつくと体中に細かいガラス片が突き刺さっていた。家に帰ろうとしたが周囲の風景が全く以前とは違っていて迷ってしまった。偶然、知り合いの人に遭って泊めてもらった。
家族の安否は明暗が分かれた。5歳年長の兄は学童疎開で爆心地から20キロ離れた地域にいた。疎開先で兄が溺れかけ教員に助けられたので、父親はそのお礼に赴くため市内を離れていた。一方、女学校1年だった下の姉は建物疎開に動員され、爆心地から1キロで被災。被災した生徒たちは即死だったという。自宅で被爆した祖母は、2週間後に亡くなった。
その後、父親が長崎の炭鉱で職を得て家族は長崎に移住した。丸山さんは長崎で育ち20歳で上京、1年ほどで神奈川県相模原市に移った。
長い間、丸山さんは被爆者であることを意識してこなかったという。
1996年から10年間は地域の自治会で活動した。2005年に相模原の原爆被災者の会から手紙が来て、被爆者運動に参加した。
被爆時にある程度の年齢でないと原爆被災の実態は語れないと思う丸山さんだったが、女学校1年の時に被爆した前任者を助けて「語り部」の活動を続けた。
「被団協のノーベル平和賞授与は、過去にも何回取り沙汰されたが実現しなかった。長年地道に活動してきたら、核兵器禁止条約という思いもかけないものが締結された。日本政府にはせめてオブザーバー参加をしてほしい」と丸山さんは語った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年12月25日号
丸山さんは神戸市生まれで現在85歳。2歳の時に母親と死別し、神戸空襲で家を焼かれ1945年3月に出身地の広島に移住した。
家族は祖母、父親、15歳と12歳の2人の姉、10歳の兄との6人で、5歳の丸山さんは、祖母や上の姉と爆心地から2キロにある自宅にいた。朝食の後、自宅近くの空き地で遊んでいると、突然ものすごい光を浴びた。その後、突風とともに吹き飛ばされて気を失ったという。気がつくと体中に細かいガラス片が突き刺さっていた。家に帰ろうとしたが周囲の風景が全く以前とは違っていて迷ってしまった。偶然、知り合いの人に遭って泊めてもらった。
家族の安否は明暗が分かれた。5歳年長の兄は学童疎開で爆心地から20キロ離れた地域にいた。疎開先で兄が溺れかけ教員に助けられたので、父親はそのお礼に赴くため市内を離れていた。一方、女学校1年だった下の姉は建物疎開に動員され、爆心地から1キロで被災。被災した生徒たちは即死だったという。自宅で被爆した祖母は、2週間後に亡くなった。
その後、父親が長崎の炭鉱で職を得て家族は長崎に移住した。丸山さんは長崎で育ち20歳で上京、1年ほどで神奈川県相模原市に移った。
長い間、丸山さんは被爆者であることを意識してこなかったという。
1996年から10年間は地域の自治会で活動した。2005年に相模原の原爆被災者の会から手紙が来て、被爆者運動に参加した。
被爆時にある程度の年齢でないと原爆被災の実態は語れないと思う丸山さんだったが、女学校1年の時に被爆した前任者を助けて「語り部」の活動を続けた。
「被団協のノーベル平和賞授与は、過去にも何回取り沙汰されたが実現しなかった。長年地道に活動してきたら、核兵器禁止条約という思いもかけないものが締結された。日本政府にはせめてオブザーバー参加をしてほしい」と丸山さんは語った。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年12月25日号
2024年08月13日
【環境破壊】海はプラスチックスープ、 磯焼け、海面上昇 武本氏招き例会 「気候正義の言葉覚えて」=神奈川支部
神奈川支部は6月29日、横浜市で支部例会を開いた。講師はプロダイバーで環境活動家の武本匡弘氏=写真=。武本氏は自ら撮影した水中画像を示し、危機的な海の環境破壊の状況を報告した。
大気中の二酸化炭素の増加による地球温暖化は、海の環境も大きく変化させた。海面温度の上昇により沖縄ではサンゴの白化が起こり、全国的には海藻が育たない「磯焼け」が広がっている。
サンゴ礁の海に住む魚はサンゴと共生しているので、太平洋の島嶼国の人々は食料危機におちいっている、とヨットでキリバスやマーシャル諸島などの国々を訪問した武本さんは説明した。温暖化による海面上昇も深刻で、大潮の満潮時には国土全体が水につかる島もある。CO2を排出して豊かな暮らしを維持している先進国と、温暖化の犠牲になっている国の間には不正義がある。不正義は国家間だけでなく、現在豊かな生活のためにCO2を排出してきた世代と、その影響を被る次世代の間にもあるとして、武本さんは「気候正義」という言葉を覚えてほしいと語った。
武本さんは毎年ヨットで太平洋の島々へ航海している。航海中、何日も島影を見ない海域でも、毎日見かけるのはプラスチックの漂流物。細かな網を海中に入れると、プランクトンに交じりマイクロプラスチックが採取される。中でも多いのが化学繊維だ。EUでは2050年までに化学繊維の使用を禁止しようとしているが、日本は全く問題意識をもっていない。「地球の海はプラスチックスープの海」だと武本さんはいう。
海洋プラスチックと地球温暖化は共通する問題だ。プラスチックは石油から作られるし、リサイクルするにもCO2が排出される。
講演の後半では、気候変動と平和の危機の関係が語られた。
武本さんは沖縄を年に4回訪れている。辺野古の大浦湾で潜水するためだ。一昨年の11月と昨年11月に撮影した写真を比較し、1年の間にサンゴの破壊が進んでいることを示した。
戦争準備は基地建設にとどまらない。地球温暖化の影響を受けているグアム、サイパンなど太平洋の島々は、米軍のリクルートの盛んな地域で、そこで勧誘され入隊した兵士の戦死率は、米本国の4倍だ。
戦争は準備段階から軍事行動、そして戦後処理に至るまでCO2を大量に排出する愚行と、武本さんは強調した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年7月25日号
2024年07月03日
【支部リポート】神奈川 日本の侵略にも焦点 29回目の戦争展、次代へ=保坂義久
横浜大空襲があっ5月29日の頃には、毎年「平和のための戦争展inよこはま」が開かれる。今年も横浜市・中区のかながわ県民センター1階展示場で開かれた。
横浜の戦争展は今年で29回目。大空襲後の廃墟や戦時中の生活の写真をはじめ、市内にある戦争遺跡などがパネル展示されている。桐生悠々が批判したことで知られる「関東防空演習」のポスターとその発見の経緯を伝える2007年8月の神奈川新聞の紙面=写真=が興味深かった。戦争展の最近の特徴はアジアにおける日本の侵略に焦点をあてていることだ。
また今年は朗読劇と講演が5月26日午後に、「戦争・核被害体験を語り継ぐ」という企画は6月1日の午後に、同センターの2階ホールで行われた。
朗読劇は横浜市立日吉台中学校演劇部による「安全地帯にいる人の言うことは聞くな〜戦場の軍人たちが残した言葉と現在〜」。職業軍人3人の遺した戦争体験をもとに構成した作品で、南方戦線で軍務につき、特攻隊の生みの親と言われた太西瀧治郎中将の副官だった門司親徳少佐の言葉から標題がとられている。
続く講演、最初は空襲当時5歳だった金子光一さんの体験談。当時の写真などを示しながら、家族とはぐれて見知らぬ人と避難した幼い日の体験を語った。
次に「日本とガザ・パレスチナ〜平和と共存に向けて〜」と題し、日本中東学会元会長でお茶の水大学名誉教授の三浦徹さんが講演した。三浦さんはイスラエルとパレスチナが民族や宗教の対立と誤解されるなど、日本でのイスラム理解が偏っていることを指摘した。
6月1日には、横浜商業高校OGが横浜大空襲体験者に聞き取り調査した結果の報告や、母親が広島で被爆した被爆二世が親から聞いた体験談、神奈川学園中学・高校の生徒による核実験場であるマーシャル諸島と神奈川をつなぐデジタルアーカイブについて発表した。戦争体験の伝え方を考えさせる催しだった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年6月25日号
2024年06月15日
【護憲】憲法集会に3万2000人=保坂義久
憲法集会に開催された5月3日、東京の有明防災公園の「武力で平和はつくれない取りもどそう憲法を生かす政治を2024年憲法大集会」にはJCJ有志を含め3万2000人が参加、。
集会のメインステージでは伊藤塾の伊藤真塾長、新外交イニシアチブ(ND)の猿田佐世代表の二人の弁護士がスピーチ。伊藤氏は「今まで私たちは憲法に守られてきたが、これからはわたしたちが憲法を守るべき」「人口比例選挙の実現を」。猿田氏は、アメリカが広範囲な分野で日米韓の参加国連携に力を入れていることを例に、「本気の外交こそ重要だ」と強調した。
政党挨拶では、立憲民主党の逢坂誠二氏は自民党の裏金疑惑にふれ、「法律を守らない議員が憲法を変える議論をすることが異常」。共産党の田村智子委員長は、4月の日米首脳会談で決められた米軍と自衛隊のハイグレードな連携は「自衛隊を米軍の指揮下に置くもの」と批判した。
れいわ新選組の櫛渕麻里共同代表は「日本は世界の国民が恐怖と欠乏から免れる世界を作る先頭に立つべき」と呼びかけ、社民党の福島瑞穂党首は「日本が武器を売った金を儲ける死の商人国家になってはならない」と訴えた。また、市民連合の長尾歌子さんは、連帯の挨拶で市民と野党、野党同士の連携を呼びかけた。
続くリレートークでは「地震と原発」で福島原発告訴団の武藤類子団長は原発再稼働が粛粛と進められていることに危機感を露わに。「沖縄問題」で高里鈴代・辺野古に基地をつくらせないオール沖縄会議共同代表は「最高裁は辺野古基地建設で、沖縄県に代わる国の代執行を認めたが、これは47都道府県のうちで沖縄が初めて」と「沖縄差別」を指摘。「外国人と」人権」では山岸素子・移住者と連帯する全国ネットワーク事務局長が相次ぐ入管法の改悪を批判。「核問題」では大内由紀子・コネクトヒロシマ代表が「核兵器禁止条約は核無き世界への入り口。日本は核保有国をそこへ導くべき」と提起。「パレスチナ問題」では猫塚義夫・北海道パレスチナ医療奉仕団団長が「ガザは酒井最大の虐殺場になっている」と、イスラエルやアメリカを批判した。
最後に「戦争をさせない1000人委員会」の染 裕之さんが経済安保新法、地方自治法改正阻止を「行動提起」とした。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年5月25日号
2024年04月07日
【JCJ神奈川講演会】防衛大学校の実態は いじめ事件で神奈川支部例会 閉鎖的な環境 悪質かつ幼稚=保坂義久
JCJ神奈川支部は2月23日、横浜市内で例会を開いた。テーマは防衛大学校いじめ事件と国賠請求訴訟。原告の代理人の田渕大輔弁護士=写真=が、裁判の経過と防衛大学校の実態について講演した。
神奈川県横須賀市にある防衛大学校は自衛隊の幹部を養成する国の機関で大学ではない。学生は国家公務員となり、手当てが支給される。授業料は免除で全寮制。入学後4年間、共同生活を送る。
防大の教育内容で特殊なものに「学生間指導」がある。上級生が下級生を指導するもので、将来の自衛隊幹部を育成するための教育・訓練として位置づけられている。
神奈川の国賠訴訟の原告は2013年に防衛大学校に入学した。上級生たちからいじめを受け過呼吸を発症して、学内の病院で適応障害と診断された。
進級してからも上級生によるいじめは続き、原告は次第に言葉を発することができなくなった。しかし、防大当局はなんら対応策を取らず、2017年に、原告は退校させられた。
田渕弁護士は、この事案のポイントとして3点を指摘した。一つ目はいじめが学校という閉鎖的な環境で行われたため、証拠の壁がある。二つ目は身体に受けた傷はわかりやすいが心の傷は理解されにくい。原告は心理的な傷から言葉を発することが困難になったが、目に見える傷は負っていない。心理的な傷はこれまでも裁判上で軽く見られるケースが多い。3つ目は防衛大学校で起こった点だ。訴えられたいじめ行為は悪質で、また幼稚でもある。防大の卒業生の多くは、自衛隊幹部になる。自衛隊は殺傷能力のある武器を保有した軍隊。有事の時は、防大を卒業した幹部自衛官が、一般の自衛官に危険な任務を命じることになる。その時に人の気持ちや人の尊厳を全く考えられない幹部に多くの自衛官の指揮を任せていいのか。自衛隊は今のあり方が問われる。
実際にはどのようないじめがあったのか。うどん2キロ分を完食させる「食いしばき」や仰向けにさせて腹部を踏みつける「腹ふみ」、学生間指導として、集団で罵倒する行為などがあったとしている。
裁判は国と加害者の上級生1人を訴えたもの。防大の教官は原告に対しての不適切な指導を認識していたことが明らかで、安全配慮義務違反があったと原告は主張している。
国家賠償法では公務員の職務遂行上の行為は個人として責任を負わないとされている。この上級生の責任が認められるかも争点の一つとなる。
原告が言葉を発せられないことから、裁判も異例の方法で進行した。田渕弁護士は、原告が法廷ではパソコンを使って懸命に証言していること、加害者の上級生が証言したときは、過呼吸を発症したと、原告の心の傷の深さを語った。
参加者は36人。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年3月25日号
2023年11月07日
【支部リポート】神奈川 マイナ保険証テーマに メリットも怪しい=保坂 義久
神奈川支部では10月7日には横浜市内でマイナ保険証をテーマの例会を開いた。講師は神奈川県保険医協会・事務局の勝亦琢磨さん=写真=。
勝亦さんは最初に健康保険証の役割や、政府の急激な保険証廃止の動きを説明した。
「マイナ保険証」とはマイナンバーカードを健康保険証として利用すること。カードに入っているICチップによってオンラインで資格確認をする。
マイナンバーカードは2016年に発行されたが、20年4月時点で16%に普及にとどまっていた。医療機関でのオンライン資格確認システムは21年10月に始まったが、導入率は22年5月時点で19%。そのため政府は、国民向けにマイナポイントの支給、医療機関にはシステム導入の初期費用の支給という「アメ」と、24年秋までに保険証廃止と医療機関のオンライン認証システム原則義務化の「ムチ」による政策を打ち出した。
そして23年3月に「保険証廃止法案」を国会提出し、6月に成立させた。しかし5月中からマイナ保険証に他人の情報が紐づけられるなどのトラブルが続出。成立後もマイナ保険証の未登録が協会けんぽで77万件にのぼることなどが明らかになった。
保険医協会、保団連が医療機関で行った調査では、マイナ保険証で確認すると無効や保険資格なしとされるケースや健康保険証に記載されている負担割合とデータ上で示される負担割合が違うケースなどが報告され、患者のカードリーダーの操作を手助けするなど、窓口での負担が増加している実態が明らかになった、
これまで政府が言ってきたマイナ保険証のメリットも怪しい。マイナカードによって正確な資格情報がリアルタイムで確認できるわけではないし、暗証番号を入手すれば、なりすまし受診は可能だ。
勝亦さんは報道機関の論調も「保険証存続」に傾き、自治体からも「見直し」の声が上がった現状にふれた後、医療Ⅾ✕と呼ばれる医療分野における政府の狙いについて語った。そこではマイナカードを取得・利用させながらそれを義務化はせず、損害については利用者の自己責任とする。医療情報は健康や身体に関する機微にわたる個人情報であり、強引なデジタル化に「対抗する必要を強調した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年10月25日号
2023年10月23日
【JCJ神奈川支部】横浜 殉難慰霊碑前で追悼会 少年時代に虐殺目撃した市民が碑建立=保坂義久(神奈川支部)
関東大震災から100年。JCJ神奈川支部は2日、2013年から横浜市の久保山墓地の「関東大震災殉難朝鮮人慰霊之碑」前で続く「朝鮮人虐殺神奈川追悼会」に参加した。慰霊碑は「横濱市大震火災横死者合葬之墓」(大正15年建立)の近くに建ち、碑の裏には「昭和四十九年九月一日 少年の日に目撃した一市民建立」とある。供えられた花には横浜市長からの献花もあった。
ここ数年、東京の犠牲者追悼「慰霊法要」には追悼文を送る小池都知事が、朝鮮人犠牲者の追悼式典には追悼文を送らないことが問題化。今年も小池都知事はその姿勢を変えず、この日、横浜でも批判の声があがった。だが今年8月31日、虐殺について松野博一官房長官が、「政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない」と答弁。歴史事実の隠ぺい、改ざんであるこの問題発言には、追悼会のスピーチでも批判が集中した。
追悼会では犠牲者への黙祷の後、関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会の山本すみ子代表が主催者挨拶。山本氏は警察が「朝鮮人が攻めてくる」など流言を拡散したことを指摘。また、日清・日露の両戦争で朝鮮人と対峙した経験を持つ元兵士である在郷軍人の役割に言及した。さらに、川崎市在住で、自身へのヘイトスピーチと闘っている崔江以子(チェカンイジャ)さんや、ヘイトに対抗し川崎駅前読書会を開いている人たちも相次いで発言。会場では福島瑞穂参議院議員も飛び入りでスピーチし、「政府は虐殺関連文書を確かに保管している」と強調した。
慰霊碑前の追悼集会には330人が参加、碑前では韓国から来た遺族のスピーチがあり、韓国舞踊が演じられた。神奈川朝鮮中高級学校中級部1年生はアリランの合唱などを披露した。最後は集会実行委員会の運営委員による朗読劇もあった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号
ここ数年、東京の犠牲者追悼「慰霊法要」には追悼文を送る小池都知事が、朝鮮人犠牲者の追悼式典には追悼文を送らないことが問題化。今年も小池都知事はその姿勢を変えず、この日、横浜でも批判の声があがった。だが今年8月31日、虐殺について松野博一官房長官が、「政府内において事実関係を把握する記録は見当たらない」と答弁。歴史事実の隠ぺい、改ざんであるこの問題発言には、追悼会のスピーチでも批判が集中した。
追悼会では犠牲者への黙祷の後、関東大震災時朝鮮人虐殺の事実を知り追悼する神奈川実行委員会の山本すみ子代表が主催者挨拶。山本氏は警察が「朝鮮人が攻めてくる」など流言を拡散したことを指摘。また、日清・日露の両戦争で朝鮮人と対峙した経験を持つ元兵士である在郷軍人の役割に言及した。さらに、川崎市在住で、自身へのヘイトスピーチと闘っている崔江以子(チェカンイジャ)さんや、ヘイトに対抗し川崎駅前読書会を開いている人たちも相次いで発言。会場では福島瑞穂参議院議員も飛び入りでスピーチし、「政府は虐殺関連文書を確かに保管している」と強調した。
慰霊碑前の追悼集会には330人が参加、碑前では韓国から来た遺族のスピーチがあり、韓国舞踊が演じられた。神奈川朝鮮中高級学校中級部1年生はアリランの合唱などを披露した。最後は集会実行委員会の運営委員による朗読劇もあった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号
2023年08月14日
【神奈川支部例会】横浜港で進む戦争準備 物流拠点の揚力艇増強=保坂義久
JCJ神奈川支部は7月9日、横浜市・西区のかながわ県民センターで支部総会と例会=写真=を開いた。例会のテーマは「横浜港で進む戦争準備 ノースドックへ米部隊配備」。ピースデポ理事の木元茂夫さんが、横浜港の瑞穂ふ頭にある米軍の物流拠点・ノースドックについて、歴史的な流れと揚陸艇配備などの新たな動きを解説した。
「戦車闘争」
戦中には高射砲陣地があった瑞穂ふ頭は、終戦後、横浜港の他の施設とともに接収された。朝鮮戦争時には、アメリカを中心とした国連軍の兵站拠点として機能した。
その後、他の港湾施設が返還されるなか米軍施設として残された。
ベトナム戦争末期の1972年には、相模原補給廠で修理した戦闘車両のノースドックへの搬入を阻止する「戦車闘争」が起こった。
戦車の重量が道路法の制限を超過することを問うたこの闘争に、政府は車両制限令を改定して対処した。
小型揚陸艇
そうした歴史的経緯を持つノースドックに、米陸軍のLCU(小型揚陸艇)5隻が2002年8月搬入され、2004年までに32隻にまで増やした。
木元さんは、有事になってから沖縄に物資を運ぶのではなく、事態が少しでも危うくなったら、揚陸艇部隊は沖縄に移動する。LCUは350トンの荷物を運ぶことができるが、速力は11ノットと遅い。あらかじめ沖縄に移動させておき、宮古島や石垣島などと沖縄本島との補給に使うのではないかと指摘した。
港内で訓練
ノースドックは岸壁であり、飛行場ではない。陸揚げされたオスプレイが横田基地まで飛行、横田基地所属のヘリが、ノースドックで飛行訓練したりしている。
今年1月に日米外務防衛相会談で、沖縄駐留の米海兵隊と横浜ノースドックのLCU部隊の再編が提案された。ノースドックに来年までに280人の船舶部隊を置く。280人の兵員は横須賀や座間に宿泊する。
こういう時の常として最初から兵舎を作るなどということはない。ほとぼりが冷めてから計画が出てくるのではと木元さんは推測する。
木元さん自身は「見たことはない」と断ったが、LCUの訓練は横浜港内で平然と行われている。
中国と対決
懸念されるのは海兵隊の再編だ。
アメリカは台湾有事を煽り立てながら計画を推進してきた。第1列島線と呼ばれる島々に遠征前線基地を作り、そこを拠点に作戦行動する。遠征前線基地を維持するためにLCUが必要になる。
今年の始めには米中が激突するシミュレーションが話題を呼んだ。アメリカは空母を2隻、艦艇は百数十隻、航空機も数百機失うとの結果がでた。
木元さんはアメリカがそこまでの犠牲を払わないだろうとするが、原子力空母2隻が沈没した場合の放射能汚染の深刻さは計り知れない。
さらに木元さんは、自衛隊が海上輸送能力を強化している実態にも触れ、将来は自衛隊だけでなく海兵隊員や物資を運ぶだろうと指摘した。
最後に昨年9月に米揚陸艦ラシュモアが参加して、沼津海浜訓練場で行った日米共同訓練をウォッチした経過を報告。「政府・与党は『安全保障環境の悪化』というが、悪化させているのは誰か」。双方が軍事行動を抑制することが重要だと強調した。
講演後は36人の参加者から質問を受け付けた。「興味のない人にどう伝えればいいか」との質問に答える中で、木元さんは「人々の関心を牽くのはリアリズム」と語り、映像の力を強調した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年7月25日号
2022年06月28日
【神奈川支部】国民無視の実質憲法改変進む 武蔵野美大・志田陽子教授が講演=保坂義久
市民グループや労働組合などが集まって年に2回の集会を開催している「かながわ憲法フォーラム」が5月1日、横浜のかながわ労働プラザで開かれた。志田陽子武蔵野美術大学教授が「憲法改正の理路と脱輪、主権者スルー改憲を考える」と題して講演した。
志田氏は、コロナ対策を根拠として緊急事態条項新設を主張する改憲論を批判し、今の憲法は、「公共の福祉」として国にコロナ対策を要求している、とした。
志田氏はこれまでの高等教育無償化や同性婚などを理由として改憲を求める議論を批判した。
改憲の必要のない事柄についての改憲論が出てくる一方、現実の政治では、国民の意思を問わずに憲法の実質的な改変が進んでいる。その例として志田氏は、2015年の安保関連法案や野党が憲法53条に基づいて臨時国会召集を要求した際に、政府・与党側が応じなかったケースをあげた。
また志田氏は憲法95条には、地方公共団体に関する特別法の制定には、その地方で住民投票をしなければならない規定があるにもかかわらず、この条文に基づく住民投票は1950年代以降行われていないと指摘した。
さらに志田氏は、日本では憲法として基本原則を定めた部分と、国会法や公職選挙法などの憲法付属法に分けているが、外国の憲法には詳細を憲法の条文に直接書いてあることが多く、欧米の国では何度も憲法改正しているという議論はその点を混同しているとした。
保坂義久
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年5月25日号
志田氏は、コロナ対策を根拠として緊急事態条項新設を主張する改憲論を批判し、今の憲法は、「公共の福祉」として国にコロナ対策を要求している、とした。
志田氏はこれまでの高等教育無償化や同性婚などを理由として改憲を求める議論を批判した。
改憲の必要のない事柄についての改憲論が出てくる一方、現実の政治では、国民の意思を問わずに憲法の実質的な改変が進んでいる。その例として志田氏は、2015年の安保関連法案や野党が憲法53条に基づいて臨時国会召集を要求した際に、政府・与党側が応じなかったケースをあげた。
また志田氏は憲法95条には、地方公共団体に関する特別法の制定には、その地方で住民投票をしなければならない規定があるにもかかわらず、この条文に基づく住民投票は1950年代以降行われていないと指摘した。
さらに志田氏は、日本では憲法として基本原則を定めた部分と、国会法や公職選挙法などの憲法付属法に分けているが、外国の憲法には詳細を憲法の条文に直接書いてあることが多く、欧米の国では何度も憲法改正しているという議論はその点を混同しているとした。
保坂義久
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年5月25日号
2021年10月18日
【支部リポート】神奈川 「カジノはいらない」横浜市長選に市民の思い=伊東良平
神奈川支部では横浜におけるカジノを含むIRを反対する立場から、横浜カジノの是非を自ら決めようという「市民の会」などの活動を追跡取材して支部通信に掲載してきたが、その審判となったのが、8月22日に投開票が行われた横浜市長選挙であった。
大きく報道されたように、カジノの「断固反対、即時撤回」を訴えた立憲民主党推薦の元横浜市立大学教授・山中竹春氏が現職閣僚を辞めて立候補した自民党の小此木八郎氏をはじめ過去3回当選の現職市長、元県知事の2人らを抑えて当選を決めた。菅首相のお膝元で全面的に支援した小此木氏の敗北はその後の菅首相の総裁選不出馬=事実上の退陣につながったのはご存じのとおりである。
山中氏は医学部教授の立場でコロナについてテレビのワイドショーにゲスト出演していたとはいえほとんど無名の新人である。その知名度アップのために「市民の会」などの諸団体や労組、市民ボランティアが一体となって草の根的な宣伝活動を行った。多くの駅前でのビラ配布や政策チラシのポスティングなど、押し上げに力を発揮した。
自民・公明が事実上応援した小此木氏が「IR誘致取りやめ」を表明したために、自民党の一部市議がIR推進の林前市長を支持して保守分裂に助けられた面もあるが、IRを反対する候補者も田中康夫氏など知名度のある人が立って票が割れたことを考えると、山中氏の善戦は際立っている。
コロナ対策が後手となった菅政権の中で、横浜市はさらにワクチン接種が遅れるなどの状況であり、専門の立場で「データと科学的知見に基づくコロナ対策」を政策に掲げて、カジノだけでなく、コロナで得票を伸ばしたのが大きかったと言える。
山中新市長は9月10日市議会で、IR誘致の撤回を正式に表明した。ここに2014年以来8年間続いてきたカジノ反対運動にピリオドが打たれた。結果が出た後で敗戦の辞を述べた林前市長は「IR誘致表明以来、反対の嵐のなかを生きてきた」と述べたが、反対の嵐を呼び寄せたのは、カジノはいらないという一人ひとりの市民の熱い思いが作った大きな台風の眼であった。
伊東良平
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年9月25日号
大きく報道されたように、カジノの「断固反対、即時撤回」を訴えた立憲民主党推薦の元横浜市立大学教授・山中竹春氏が現職閣僚を辞めて立候補した自民党の小此木八郎氏をはじめ過去3回当選の現職市長、元県知事の2人らを抑えて当選を決めた。菅首相のお膝元で全面的に支援した小此木氏の敗北はその後の菅首相の総裁選不出馬=事実上の退陣につながったのはご存じのとおりである。
山中氏は医学部教授の立場でコロナについてテレビのワイドショーにゲスト出演していたとはいえほとんど無名の新人である。その知名度アップのために「市民の会」などの諸団体や労組、市民ボランティアが一体となって草の根的な宣伝活動を行った。多くの駅前でのビラ配布や政策チラシのポスティングなど、押し上げに力を発揮した。
自民・公明が事実上応援した小此木氏が「IR誘致取りやめ」を表明したために、自民党の一部市議がIR推進の林前市長を支持して保守分裂に助けられた面もあるが、IRを反対する候補者も田中康夫氏など知名度のある人が立って票が割れたことを考えると、山中氏の善戦は際立っている。
コロナ対策が後手となった菅政権の中で、横浜市はさらにワクチン接種が遅れるなどの状況であり、専門の立場で「データと科学的知見に基づくコロナ対策」を政策に掲げて、カジノだけでなく、コロナで得票を伸ばしたのが大きかったと言える。
山中新市長は9月10日市議会で、IR誘致の撤回を正式に表明した。ここに2014年以来8年間続いてきたカジノ反対運動にピリオドが打たれた。結果が出た後で敗戦の辞を述べた林前市長は「IR誘致表明以来、反対の嵐のなかを生きてきた」と述べたが、反対の嵐を呼び寄せたのは、カジノはいらないという一人ひとりの市民の熱い思いが作った大きな台風の眼であった。
伊東良平
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年9月25日号
2021年03月05日
今夏の横浜市長選で反カジノ候補者を擁立=伊東良平
横浜市のカジノ反対で「カジノの是非を決める横浜市民の会」が誘致の賛否を問う住民投票を求めて、法定数の3倍を超える約19万筆を集めて直接請求したが、横浜市議会は1月8日の本会議で自民党と公明党の反対多数で否決した。審議はわずか3日で終了して住民投票は行われないことになった。
「市民の会」は昨年の9月から署名活動を始めて2カ月間で署名を集めて直接請求を実現させたが、大きな民意は生かされない残念な結果となった。
市議会閉会後の集会では約200名が集まり、署名集めに関わった市民や条例賛成の市議らが署名を意義がないとした林文子市長を強く批判して抗議した。
また、同じ時刻に「市民の会」小林節共同代表や立憲民主党の阿部知子衆議院議員、共産党畑野君枝衆議院議員らが出席して記者会見も行われ(写真)、会期中の3日間に市民に意見陳述を認めただけで質疑もされずに、与党議員からは住民投票制自体を否定する意見が相次いだことも報告され、「市民の多数の意思に基いて運営されるあたりまえの横浜姿勢を取り戻す。カジノ撤回を明確にする候補を擁立して勝利をめざす」との声明を発表した。
条例案否決から日がたたない1月21日、横浜市はカジノを含むIRの事業者の公募を始めた。今夏にも事業者を選び協定を締結するという。なお「市民の会」はいったん解散したうえで、今後は夏に実施される市長選に向けて、カジノ誘致を止める市長を擁立するために、広範な市民の結集を図って新たな組織を作って活動していくことにしている。
伊東良平
2020年11月25日
【神奈川支部】 菅首相 人事で強権支配 値下げにこだわる政治家 朝日政治部・南記者が講演=保坂義久
JCJ神奈川支部は10月24日、横浜市健康福祉総合センターで例会を開いた。朝日新聞政治部の南彰記者(写真)が菅義偉内閣の特質をテーマに講演した。
南記者は、政治部と兼務して2013年から大阪社会部に赴任。15年の大阪都構想をめぐる住民投票が僅差で否決された後に東京へ戻った。18年から新聞労連委員長となり、今年9月に政治部に復帰し、現在は国会取材班のキャップをしている。
22日に派閥会長を辞任した石破茂氏が、来年の自民党総裁選への出馬を質問されて『総裁選に出るとか出ないとか語るのは適当ではない』と答えたことを引き合いに出して、南記者は、「ものを言うことが自らへの支持を広げるにはマイナスとなるという今の永田町の空気感を示している」という。
霞が関の官僚を取材しても、官邸の言うことには逆らえない雰囲気がある。同じように官邸が力を持っていた小泉純一郎内閣と比較して、南記者は「小泉内閣は『郵政改革』という政策での支配だが、菅政権は人事を使った支配」と指摘した。
横浜市会議員の時代にも、幹部人事の情報を事前に入手した菅氏は、昇格予定の幹部に激励の電話をしたという。電話をもらった幹部は昇格が菅氏の影響力のためと思ってしまう。
総務大臣の時にも、ふるさと納税拡大の問題点を直言した税務局長を左遷し、著書の中でも自分は人事を使って意思を示すと公言している。
10月1日には日本学術会議の新規会員名簿から、安保法制などに反対した学者を外したことが明らかになった。官僚の人事以上に高度な自治が保障されるべき学術分野に介入が行われた。
安倍政権では森友・加計問題などで公文書がないがしろにされてきた。ところが菅氏は、民主党政権時代に出版した自身の著作の中で、公文書管理の重要性を力説していた。南記者は官房長官時代の記者会見で著作の内容を引き、「この発言している政治家をご存知ですか」と質問した。菅氏は自著にも関わらず「知らない」と答えたという。その著作「政治家の覚悟」は最近、文庫化されたがその部分は省かれていた。
南記者は菅氏の政治手法は大阪維新の会に通じるところがあるという。大坂維新の会も県市の行政組織や労働組合とは対決したが、コストカットした財源を子育て世代に回すなどして支持を集めた。
「菅氏は値下げの菅≠ニいわれる。携帯電話料金の引き下げの他に、Gotoキャンペーンも値下げの一種。不妊治療の保険適用も、制度改正の前に予算措置を先にするのではないか。国土交通省の政務官の時に東京アクアライン利用料を引き下げるなど、値下げにこだわる政治家」(南記者)。就任会見では自助を強調したが、リベラル側の政策も取り込んで自分の手柄にするのではとの見通しを語った。
また南記者は、10月3日に原宿のパンケーキ屋で行われた官邸記者クラブ所属各社の首相番との懇談を、朝日、東京、京都新聞の3社が断ったことについて経緯を語り、総理の宣伝じみた懇談ではなく、本来は記者クラブ側から取材を申し込んで応じさせるべきだと強調した。
保坂義久
2020年11月23日
住民投票で横浜カジノ不要が多数なら撤回=伊東良平
11月4日、カジノ誘致に関する住民投票実施のための署名活動が法定の2か月間を経て終了した。集まった署名は20万5800筆にのぼり、住民投票条例の申請に必要な6万2千500人分の3倍以上となった。署名は事前登録した受任者が集めなければならず、住民投票の実現を推進する「カジノの是非を決める横浜市民の会」は署名開始にあたり、実に4万3千人もの協力者を得て臨んだ。広域圏自治体における住民直接請求の成立はただでさえ難しいところに、コロナにより各種の集会が制限され活動は困難を極めた。
しかし、市民の反応は好意的で街頭署名には行列も出来るほどであった。集められた署名は居住区ごとに仕分けられ、11月13日に市内18区の選挙管理委員会に審査のため提出された。選管が有効な署名と判断すれば、林市長が市議会に条例案を提出し、可決されれば来春にも住民投票が行われる。
署名活動は横浜市議会全野党の賛同を得て進められたが、政治的な枠組みを超え保守層からの支持も拡大している。山下ふ頭の地権者である横浜港運協会前会長はカジノに反対し退去はしないと公言。また、神奈川県議会議長や自民党県連代表を長年歴任された保守の重鎮もカジノ不要を表明している。9月の市議会では市長に対し自民党市議からもIRカジノについて「事業効果を再確認する必要があり、事業の推進は冷静に進めるべき」との意見が出された。市長は記者会見で本年度のカジノ関連予算の減額と来年度の事業費見直しを示唆した。
さらに、市民による署名活動の高まりを受け市長は会見で「住民投票が実施された場合にはその投票結果を尊重し、反対多数の場合は横浜誘致を撤回する」と述べている。住民運動が市に方針転換をもたらせた意義は大きい。政府は自治体からの地域整備計画の受付を9か月延期した。すでにラスベガス・サンズ等の米国系参入予定企業は撤退し、国内で参入予定のセガサミーも人員整理を始めた。現状では世界のカジノ事業者はコロナ禍で財務内容が悪化して新たに投資するような余裕はなくなっている。住民投票の結果を待つまでもなく、1日も早くカジノ撤退の決断をすべき時である。
伊東良平
しかし、市民の反応は好意的で街頭署名には行列も出来るほどであった。集められた署名は居住区ごとに仕分けられ、11月13日に市内18区の選挙管理委員会に審査のため提出された。選管が有効な署名と判断すれば、林市長が市議会に条例案を提出し、可決されれば来春にも住民投票が行われる。
署名活動は横浜市議会全野党の賛同を得て進められたが、政治的な枠組みを超え保守層からの支持も拡大している。山下ふ頭の地権者である横浜港運協会前会長はカジノに反対し退去はしないと公言。また、神奈川県議会議長や自民党県連代表を長年歴任された保守の重鎮もカジノ不要を表明している。9月の市議会では市長に対し自民党市議からもIRカジノについて「事業効果を再確認する必要があり、事業の推進は冷静に進めるべき」との意見が出された。市長は記者会見で本年度のカジノ関連予算の減額と来年度の事業費見直しを示唆した。
さらに、市民による署名活動の高まりを受け市長は会見で「住民投票が実施された場合にはその投票結果を尊重し、反対多数の場合は横浜誘致を撤回する」と述べている。住民運動が市に方針転換をもたらせた意義は大きい。政府は自治体からの地域整備計画の受付を9か月延期した。すでにラスベガス・サンズ等の米国系参入予定企業は撤退し、国内で参入予定のセガサミーも人員整理を始めた。現状では世界のカジノ事業者はコロナ禍で財務内容が悪化して新たに投資するような余裕はなくなっている。住民投票の結果を待つまでもなく、1日も早くカジノ撤退の決断をすべき時である。
伊東良平
2020年10月05日
横浜カジノ反対署名活動スタート 林市長「むちゃぶりできず」と方針転換=伊東良平
横浜カジノの予定地とされる山下ふ頭に隣接する山下公園で8月22日に行われたカジノ反対市民集会に引き続いて、いよいよ9月4日から住民投票実施のための署名活動がスタートした(写真)。今のところ滑り出しは順調だが、期間が2カ月間と決まっていて、この間に最低6万2万筆を集めなければならない。直接請求の署名活動は詳細が法律で決まっていて、ただ署名を集めればいいというわけではなく、まず署名を集める受任者というものを登録しなければならず、この受任者が集めた署名簿でなければならない。
署名活動を進める「横浜カジノの是非を決める横浜市民の会」では今回の署名スタートまでに受任者を実に4万3千名集めて背水の陣で臨んだ。つまり、受任者1人が自分を含めて2名署名すればゆうに6万筆を超えるが、会では、市長リコールが出来る数の50万をめざそうと勢いを上げている。
ここにきて、林文子市政を支える保守層からもカジノ誘致反対の声が上がりはじめている。港湾運送事業の発展を推進していて、山下ふ頭の地権者である横浜港運協会はカジノに反対し退去はしないと明言している。また神奈川県議会議長や自民党県連代表を長年歴任した保守の重鎮もカジノ不要を表明している。
さらに9月の横浜市議会では自民党市議からも市長に対しIRカジノについて事業効果を再確認する必要があり、事業の推進は冷静に進めるべきとの意見が出された。その後、誘致撤回を求めている野党側の要望書に対して市長は「国家プロジェクトだが、むちゃぶりできない」と回答、会見で本年度の関連予算の減額と来年度の事業費見直しを示唆した。
かつてIRカジノはトランプ米大統領による開放圧力と噂されたが、すでにラスベガス・サンズ等の米国系事業者は撤退している。世界のカジノ事業者はコロナ禍で財務内容が悪化しており新たに投資するような余裕はなくなっている。秋元司衆議院議員の再逮捕でカジノ整備法の基本方針はさらに厳格さが求められることになる。すでにIRカジノ構想は破綻している。
日本に興味を持って観光で訪れるアジアの人々をギャンブルに誘い込み、持ち金を巻き上げて市の財源にすることに全く道理はないし、また行政が博打を市民に奨励することなどあってはならない。
伊東良平
2020年09月29日
【支部リポート】 神奈川 コロナ禍 様々な体験談 優生思想への危惧も議論に=保坂義久
神奈川支部では1年に4回を目安に例会を開いてきた。今年は2月1日に川崎市のヘイトスピーチ禁止条例をテーマに例会を開いたが、その後にコロナウィルス感染が拡大し、4月に予定していた例会は中止。講演予定者には、相模原の障がい者施設大量殺傷事件裁判について、支部の機関紙に執筆してもらった。
その後、休館となっていた公共施設が6月以降に再開、手頃な会場が予約できたので、7月11日に支部総会を開いた。今年は支部総会の後に行う外部から講師を招く集会ではなく、会員同士が自由に語り合うフリートークの会を行った。
部屋は定員57人の半分までの利用とされ、消毒剤も用意されていた。参加者は9人で十分に社会的距離がとれた。
総会では、地域マスメディアの記者との交流とともに、「例会などを通して、メディアの現状をありのままに市民に伝え、市民と共にジャーナリズムを鍛える」とするJCJの役割の明示を含む運動方針を採択した。
続いてフリートーク。2時間ほど話し合ったが、中にはコロナ禍での身近な出来事などの発言もあった。社会福祉の現場で働く会員からは「ソーシャルディスタンスと言われても、それでは介助できない」という。集団で福島を訪問した会員は、ある村営食堂で昼食をとろうとしたおりに「東京に近い横浜から来た人はご遠慮ください」と断られた経験を語った。
当支部と協力関係にある機関紙協会神奈川県本部で活動する会員は、参加団体からの情報として医療生協で病院収入の減少、自粛による市井の建築業への影響を報告。コロナの広がりを感じさせられた。
神奈川の大きな問題であるヘイトデモや、運動シーンにおける女性の活躍、ツイッターデモなどにみられる政治への関心の高まりなど様々な事柄が話題になった。
テレビ局出身の会員が今のテレビの現状を批判、東京高検検事長と新聞記者の賭けマージャン問題については、元検察担当の記者が解説した。
相模原の事件に関連し新たな「優生思想」への危惧や、被害者の匿名報道の是非などが語られた。コロナウィルスの流行は社会にどういう影響を与えるか、など様々な話にも及んで、とても豊かな議論の機会となった。
保坂義久
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年8月25日号
その後、休館となっていた公共施設が6月以降に再開、手頃な会場が予約できたので、7月11日に支部総会を開いた。今年は支部総会の後に行う外部から講師を招く集会ではなく、会員同士が自由に語り合うフリートークの会を行った。
部屋は定員57人の半分までの利用とされ、消毒剤も用意されていた。参加者は9人で十分に社会的距離がとれた。
総会では、地域マスメディアの記者との交流とともに、「例会などを通して、メディアの現状をありのままに市民に伝え、市民と共にジャーナリズムを鍛える」とするJCJの役割の明示を含む運動方針を採択した。
続いてフリートーク。2時間ほど話し合ったが、中にはコロナ禍での身近な出来事などの発言もあった。社会福祉の現場で働く会員からは「ソーシャルディスタンスと言われても、それでは介助できない」という。集団で福島を訪問した会員は、ある村営食堂で昼食をとろうとしたおりに「東京に近い横浜から来た人はご遠慮ください」と断られた経験を語った。
当支部と協力関係にある機関紙協会神奈川県本部で活動する会員は、参加団体からの情報として医療生協で病院収入の減少、自粛による市井の建築業への影響を報告。コロナの広がりを感じさせられた。
神奈川の大きな問題であるヘイトデモや、運動シーンにおける女性の活躍、ツイッターデモなどにみられる政治への関心の高まりなど様々な事柄が話題になった。
テレビ局出身の会員が今のテレビの現状を批判、東京高検検事長と新聞記者の賭けマージャン問題については、元検察担当の記者が解説した。
相模原の事件に関連し新たな「優生思想」への危惧や、被害者の匿名報道の是非などが語られた。コロナウィルスの流行は社会にどういう影響を与えるか、など様々な話にも及んで、とても豊かな議論の機会となった。
保坂義久
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年8月25日号

