2021年01月25日

【支部リポート】 関西 諦めぬ維新 裏ワザ 広域行政一元化条例案を提出= 井上喜雄

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 11月1日、住民投票で「都構想」は否決され、松井大阪市長は任期後の政界引退を表明した。だがそのわずか4日後に、「府・市の広域行政を一元化する条例案」と「8総合区設置案」と、都構想の裏ワザをぶち上げた。府側の吉村知事も11月20日府議会で同様の「条例案を検討する」と答弁した。条例なら住民投票は要らず議決で済むが、問題は市議会で「維新」単独では過半数の議席を持たないことにある。
 住民投票結果が僅差であったことが彼ら維新を「強気」にさせているのだろうが、前回2015年の投票では反対だった公明党を「脅し」、同党票の半数を賛成に転換させたにもかかわらず票差は僅かではあるが広がった。 ここで公明党票を全部取り込めなければ「都」は絶望的になるだろう。だから再び「脅し」をかけた。
 「総合区に反対すれば公明党と戦う」として、公明党が現職を持つ衆院小選挙区に対立候補を立てるとの腹を明かした(12/3会見)。市会で公明党の賛成を確保して条例を議決、住民投票結果を骨抜きにしようとする腹だ。「大阪都」は結党以来の看板政策で、大阪維新のレーゾン・デートルである。彼らは決して諦めてはいないのだ。
 都構想への賛否で大きな内部対立があった自民党大阪府連は、都構想の根拠である「大都市法」の効力を停止させる「都構想停止法」案を国会に提出する方向で検討に入り、「社会常識が通じないなら、法で規制するしかない」(左藤政調会長)としている。
 他にも「IR」「万国博」等大阪人の意識をくすぐる維新の政策にも暗雲が出ている。カジノを核とする「IR」への応募事業者は1社のみで、それも採算性から及び腰で、実現に疑問が出ている。
 「万国博」は会場工事費が当初の1、5倍に膨れ上がることが明らかになった。また昨年維新公認で当選した府下池田市の冨田市長は、市長室にベッドやサウナを持ち込み顰蹙を買い、市議会は百条委員会を設置して市長の責任追及を開始するなど、維新への逆風も吹き始めている。
井上喜雄
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年12月25日号
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2020年12月15日

【大阪都構想】 住民投票 市民の良識 土壇場で作動=幸田泉

大阪都構想反対の運動・幸田泉さん撮影.jpg

政令指定都市の大阪市を廃止して特別区に分割する「大阪都構想」は、11月1日の住民投票でまたもや「反対多数」となった。5年前の最初の住民投票は投票率66・83%、賛成69万4844票、反対70万5585票。今回は投票率62・35%、賛成67万5829票、反対69万2996票。住民投票を取り巻く状況は5年前と比べ、いくつかの点で変化したが、結果は非常によく似た「僅差で否決」だった。

ムクッと起きる
大阪市を廃止して大阪府に権限を集中させる大阪都構想は、松井一郎・大阪市長や橋下徹・元大阪市長らが、それぞれ大阪府議、大阪府知事時代に設立した地域政党「大阪維新の会」(以下、維新)の党是である。つまり、大阪都構想は「大阪府の真ん中でデカい顔している大阪市をつぶす」という政治家たちの野望から生まれた構想であって、大阪市民が「政令指定都市をやめたい」とか「四つか五つに分割してほしい」と希望していたわけではない。だから、大阪都構想はどんな美辞麗句で飾り立てても、結局「押し売り」なのだ。
維新は大阪府内の選挙でほぼ勝ち続けているにもかかわらず、住民投票は何度やっても否決されるのは、「いらんもんはいらん」という市民の良識が土壇場で作動するからにほかならない。
大阪市内の選挙の投票率は50%前後なので、有権者約220万人のうち約100万人は政治的に「寝ている人々」である。ところが住民投票となると、このうち20万〜30万人がムクッと起きて投票所へ向かう。そしてその多くが「反対票」を投じる。「これを買えば人生すべてうまくいく」と霊感商法まがいのセールストークを展開する押し売りを追い払うためだ。この行動パターンを取る人々が、結果的に大阪市を救っている。

 選管が「廃止」明示
「2度目の否決」となった具体的要因としてはまず、大阪市選挙管理委員会が「住民投票は大阪市を廃止するか否か」を問うものだとはっきりさせたことが挙げられる。2015年の最初の住民投票は「特別区設置住民投票」という名称だったのを、今回は「大阪市廃止・特別区設置住民投票」とした。5年前の住民投票の際、反対派が「大阪市が無くなる」と訴えたのに対し、賛成運動を率いた維新代表(当時)の橋下・大阪市長(当時)は「大阪市は無くならない、大阪市役所が無くなるだけ」とひどい詭弁を弄した。以来、維新政治家たちはこの5年間、「大阪市は無くならない。反対派が不安を煽っている」などと真っ赤な嘘を吐き続けてきたが、選管の判断で「大阪市廃止」が投票用紙にも書き込まれ、投票を周知するための看板、垂れ幕、ポスター、地下街などでの放送でも「大阪市廃止」の文言が登場。ようやくこの当たり前の真実を土台にして賛否の論戦ができるようになった。
 
学会票も割れる
また、5年前の住民投票では事実上、「反対」の立場で動いた公明党は、維新との政治的駆け引きの末、屈服させられる形で「賛成」を表明するに至ったが、支持母体の創価学会の会員は公明党の方針に従わなかった。大阪市内で12万〜13万票と言われる創価学会票はほぼ真っ二つに割れ、ギリギリのところで大阪市廃止を食い止めるというとんでもないバランス感覚を発揮した。
 住民投票戦では、政党関係者だけでなく、多くの市井の人々が「いてもたってもいられない」とボランティアで走り回った。マスコミ報道では大阪都構想は政治闘争の面ばかりが強調されるが、市民生活をかけた「権力VS市民」の戦いが確実に存在していた。
住民投票で2度否決されても「日本維新の会」の国会議員は「3度目に挑戦する」などとツイッターで発信し、松井市長は条例化によって大阪市の都市計画権限を大阪府に移す方針を表明。大阪市の住民自治は引き続き存亡の危機にある。
大阪市民が今から取り組むべきは、次の市長選挙で政党候補ではない真の「市民候補」を立てる道を模索することだ。党利党略優先の維新候補と住民自治優先の市民候補との戦いに持ち込めば、大阪市長の座を維新から奪還するのは夢ではない。
 幸田泉(ジャーナリスト)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年11月25日号

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2020年10月17日

大阪都構想 七つの大罪 オンライン学習講演会=大原 真

幸田泉さん(ジャーナリスト).jpg  大阪都構想七つの大罪・パソコンの画面.jpg  
 大阪市をなくして四つの特別区に分割する「住民投票」が11月1日に行われる。それを進める維新の実態や「都構想」の中身を全国の皆さんに知ってもらうため、学習講演会が9月13日にオンラインで開催された。
 JCJの須貝道雄事務局長から「コロナ禍のもとでネットを使った企画は4度目になる。大阪の2人の講師からしっかり学んでほしい」と開会あいさつがあった。
最初にジャーナリストの幸田泉さん(写真)が「大阪都構想七つの大罪」のテーマで講演をした。「(罪の数は)七つどころではないが、絞り込んだ。維新は大阪市をなくし、四つの特別区という半人前の自治体をつくり、大阪市のお金と権限をむしり取ろうとしている」と指摘。@民主主義のつまみ食いA不都合な真実の隠蔽B役所の形がいびつになるC市民サービス維持を偽装D科学的データのでっち上げE財産目当ての結婚Fイメージ戦略――の七点について一つ一つ解き明かした。
 そして最後に、今回評価できるのは投票用紙に「大阪市の廃止」が明記されたことだと語り、「吉村人気」や維新への期待もあるが、この事実を伝えれば大阪市を守ることができると訴えた。
 次に、大阪市をよくする会の事務局次長の中山直和さんから「維新の歴史と大阪のたたかい」をテーマに講演があった。維新が掲げる「都構想」による成長戦略もコロナ禍で破綻してきたが、彼らの綱領の中心は「都構想」実現であり執念を燃やしている。維新はわずかな実績を作りながら、嘘とフェイクを垂れ流して府民を惑わしてきたと現状を分析した。
 一例をあげれば、高校授業料無償化を行う一方で、私学助成金を削減し、公立高校の統廃合を進めている。住民には授業料無償化以外は見えにくい。高齢者の中には「自分はいいが、子や孫のために(維新に)頑張ってほしい」などの声が少なくない。
 吉村人気は高いが、大阪市を廃止することとは別だ。前回も多くの市民が足を運んで67%の投票率で勝利した。勝手連的に市民がビラをつくり運動に参加した。今回もそうした状況を作れば必ず勝つと信じていると締めくくった。
 その後、大阪のメディア状況などの質疑応答があり終了した。 
 大原 真(大阪都構想ストップ共同闘争本部事務局長)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号
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2020年04月01日

【支部リポート】関西 アホな両論併記でなく 真実伝えろ 立命館大・森教授が講演=井上喜雄 

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 JCJ関西と在阪メディア関連の4団体で構成する「メディアを考える会・大阪」が、昨年11月に催した講演会「維新政治とメディアの劣化」を紹介したい。
 講師を森裕之・立命館大学教授に依頼した。森氏は地方自治が専門で、大阪維新には批判的な立場にある。
 真実なんかどうでもいいという時代になっている、トランプ氏や安倍さんが頭に浮かぶだろうが、彼らが出てくるずっと前にこの大阪から始まった。それは維新政治であり、橋下徹という人物だ。維新が喧伝する「有効求人倍率が改善」「T R(カジノ)誘致」「大阪の成長を止めるな」そして再び持ち出した「大阪都構想」について統計と数字に基づいて検証し、次のように述べた。
 「求人倍率の改善」は、比較する相手が北海道や秋田、長崎など大阪より悪いところで、東京、愛知など大都市域とは比べていない。カジノについては、年間入場者数を当初2480万人と見込み大阪経済を大いに潤すような宣伝をしたが、今は1500万に減らした。
 USJ・ユニバーサルスタジオジャパンの過去最高の入場者数が1460万人、これを大きく上回る人が来る訳がない。
 「大阪の成長」=GDPは2001年を100とした場合、以後ずっとマイナスでようやく2014年に101・6になったが、国のそれは112で、いわば大阪が足を引っ張っているのであり成長はしていない。しかし、これら維新の詐欺的宣伝についてメディアは何の検証もせずに垂れ流す。
 都構想をめぐる前回住民投票の時に、橋下ブレーンの上山信一氏と読売新聞紙上で討論したが、記者はこれを「両論併記」だと言う、真実に立った上で推論すれば依って立つ観点の違いで結論が違う、これが両論あり、デマと真実を両論とすればデマが横行する。
 真実というのは、考えないといけない苦しさがある。「感情に訴える」方が楽だから真実は負けがちになる。
 森氏は「アホな両論併記でなく、正しい情報をきちんと流していくそういうメディアに蘇生してほしい」と締めくくった。
井上喜雄
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号

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2016年06月09日

5・3集会に2万人 大阪・扇町公園を埋める=西田和憲

 昨年、全国的に燃え上がった戦争法廃案闘争は、大阪でも7月の1万人集会と8月の3万人集会を節目に、かつてない広がりを見せた。残念ながら法案は9月19日強行成立したが、「戦争法廃止!2000万人統一署名」行動に引き継がれ、毎月19日の?総がかり”行動を節目に地域で、街頭で、駅頭で署名・宣伝行動を積み上げてきた。
 その結節点になったのが5月3日、大阪市北区の扇町公園で開かれた「憲法こわすな! 戦争法を廃止へ! 5・3おおさか総がかり集会」だった。この日までに大阪で集まった署名は150万人分。全国の1割以上を占めた。

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2014年03月24日

マスコミは何をすべきか 安倍改憲内閣とどう対峙 マスコミ9条の会大阪がシンポ

 マスコミ9条の会大阪が主催し、日本ジャーナリスト会議関西支部と自由ジャーナリストクラブが協賛したシンポジウム「安倍改憲内閣とマスコミの役割」が3月8日午後、大阪市内で行われた。特定秘密保護法案の強行や集団的自衛権問題、さらにはNHK会長・経営委員の暴言など憲法とジャーナリズムに関わる重大問題が相次いでいるだけにタイムリーなシンポとなった。
 冒頭、マスコミ9条の会大阪の呼びかけ人の一人、元毎日放送取締役編成局主幹の辻一郎さんが「第2次大戦後、いまほど怖い時代はない。マスコミが言うべきことを言っていないのが問題だと思う。このシンポを通じてマスコミは何をすべきかをともに考えていきたい」と主催者挨拶した。

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2013年09月07日

京都ジャーナリスト9条の会が講演会開催 「参院選をメディアはどう伝えたか」=隅井孝雄

 京都ジャーナリスト9条の会は7月30日「参議院選挙をメディアはどう伝えたか、選挙報道の総括と、選挙後の政治の動向を占う」を、京都市中京区の「ウイングス」京都で開催した。
 講師は日比野敏陽新聞労連委員長(京都新聞出身)と政井孝道元朝日新聞論説委員。二人の講演の後、参加者と講師の間で活発な意見が交わされた。司会は隅井孝雄(京都ノートルダム女子大客員教授)。

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