2021年02月20日

【支部リポート】北九州 医療崩壊もたらす悪政 毎月勉強会開き「声あげる」=杉山正隆

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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大開始から1年。欧米を中心に感染爆発が続く一方、ニュージーランド、台湾では封じ込めに成功している。わが国も、欧米等に比べれば感染者数は少ない傾向が続く。なのに何故、「医療崩壊」の瀬戸際に立たされているのだろうか。
 北九州支部は「週刊金曜日」関門・北九州読者会と共同で月1回、勉強会を開催している。昨年11月には、「新型コロナウイルス感染症 正しく知り正しく恐れよう」をテーマに講演会を実施した(写真)。
 講演会では、政府が医師や看護師数を抑制し、病床の削減、保健所の削減、公立公的病院の統廃合などで医療現場へのしわ寄せがこの20年間で大幅に進んだことを支部長が解説した。「2009年の新型インフルエンザ流行の際も『感染症に備えるために態勢強化を』と確認していたのに逆行した政策が進められた」。
 1月には大阪大学の宮坂昌之招へい教授(免疫学)の話を聞いた。宮阪教授は「新型コロナウイルスのワクチン接種が予定されている。有効性は高いとはされているが副作用は10万件程度の実績が無いと分からない。緊急ワクチンとしてはやむを得ないが、安全性が高く有効なワクチン開発には時間が掛かる」。一方で、「人工抗体」など注目される研究が進んでいることを聴き取った。
 こうした勉強会であらためて浮き彫りになったのが政府の失政だ。感染症対策は安全保障の観点からも重要とする国が多い中、日本の歴代政権は軽視するばかりか、無駄とばかりに削減の対象にした。
 日本の医師数はOECD(経済協力開発機構)加盟国平均(人口1000人当たり3.5人)より低い2.4人にとどまる。看護師不足も目立つギリギリの態勢で新たな感染症に対応できるはずもない。
 医療崩壊の瀬戸際に立つ現状でも、菅首相は病床削減、公立公的病院の統廃合を推し進めるという。こうした悪政を知り、立ち向かう必要がある。北九州支部は今後も勉強会を開催し、声を上げ続けることにしている。 
杉山正隆
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年1月25日号
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2021年02月06日

【沖縄リポート】 県内各地の島ぐるみ会議 名護に集まる=浦島悦子

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 昨年末、名護市役所では寒さを吹き飛ばす「熱いたたかい」が繰り広げられた。
 11月末に沖縄県が照会した「(沖縄防衛局の設計概要変更承認申請に対する)名護市長意見」の締め切りは3月26日。提出には市議会の決議が必要だ。私たち市民も野党議員団も「市民の声を聞き、充分精査して3月議会に提案すること」を求めたが、渡具知武豊市長は「市民の意見を聞く必要はない」と言い放ち、12月議会の追加議案としてわずか3行の「市長意見」を提案した。設計変更に伴い辺野古漁港地先の作業ヤードとしての埋め立てが廃止されたのに「異議はない」という、いわば枝葉末節だけのもので、軟弱地盤改良による自然破壊など、申請の本体については一言も触れてない。
 このあまりに拙速な提案に対し、13人の野党議員はこぞって、取り下げと3月議会での再提出を求めて追及。議会は連日紛糾した。
  この間、オール沖縄会議現地闘争部会の呼びかけで、名護だけでなく全県各地の島ぐるみ会議が12月15、16、21、24日と各100名余、名護市役所前に結集。昼休み連続抗議集会で議員団を激励するとともに議会傍聴も行った。与党議員の中からも「出し直し」の要求が出るに及んでも市長は提案を取り下げなかったため、最終的に過半数を占める野党により「否決」された。
 「取り下げ」は叶わなかったが、野党議員団の奮闘と、市民・県民との連携・共闘は、1年後(2022年1月)に迫った名護市長選に向けた大きな一歩となった。コロナ禍の中で見えづらい渡具知市政の矛盾や、市民ではなく国の顔色を窺うその本質を示す「材料」として、島ぐるみ会議名護では12月議会の論戦を広く市民に知らせていく予定だ。
 2021年元旦。大浦湾に面した瀬嵩の浜で初日の出を拝んだ(写真)。夜来の雨が止み、雲間から現れたまばゆい光が海を照らす。その横に見える多くの作業台船が今年こそ撤去されるよう祈った。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年1月25日号
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2021年01月04日

【沖縄リポート】 ボーリング「飲料水汚染」と抗議=浦島悦子

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  沖縄県は11月27日、沖縄防衛局の辺野古新基地設計概要変更承認申請に対する名護市長意見を求める照会文書を発送。これまで「国と県との問題」だと「第三者」を決め込んでいた渡具知武豊市長の姿勢がいよいよ問われることになった。
12月2日、私が事務局長を務める「名護市政を考える女性の会」は渡具知市長と面談し、「名護市民の意見を聞く機会を設け、基地反対の民意を踏まえて申請を『不承認』とすること、埋め立てのための美謝川切り替えに同意しないこと」を要請した。
 8日朝、 (美謝川を堰き止めた) 辺野古ダムにボーリング用足場が立てられていることに、座り込みの市民らが気づいた。同ダムは周辺住民の上水の水源であり、名護市の管理だ。オール沖縄会議の山城博治・現地闘争部長らが名護市に出向き、なぜボーリングを許可したのか質したところ、同市の祖慶実季総務部長は「地権者の許可は得てある。水質汚染はないと専門家も言っている。ボーリング調査は(防衛局との)協議の対象ではない」との返事。
 同日閉庁時刻、名護市役所前で緊急抗議集会が開かれ、開会中の名護市議会野党議員5人をはじめ、飲料水の汚染に不安を抱く辺野古住民など市民ら約60人が抗議の声を上げた(写真)。
 市議会では複数の野党議員がこの問題を取り上げ、稲嶺進前市長時代、防衛局から出されたボーリング調査の「協議書」を示して、今回はなぜ協議をしないのか、秘密協議があったのではないかと追及したが、明確な答は得られなかった。
 11日朝、突如、大浦湾海上に巨大な台船が設置された。14日で埋め立て土砂投入開始2年になるが進捗率は4%弱。冬場の沖縄近海は荒れ、運搬船が土砂を載せたまま動けず、陸揚げできないことも多い。工事の大幅な遅れに焦る防衛局は、運搬船8〜9隻分をストックできるという巨大台船で打開しようというのか。莫大な血税を浪費しつつ今年も暮れる。この理不尽を来年こそは終わりにしたい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年12月25日号

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2020年12月21日

【支部リポート】 福岡 「博多にわか」初登場 九条改憲NO!県民集会=白垣詔男

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福岡支部が協賛している「九条の会福岡県連絡会」(以下「連絡会」)主催の今年の憲法公布記念日(11月3日)のつどい「九条改憲NO! 安倍政治の継承を許さない福岡県民集会」に初めて「博多にわか」が登場、会場の爆笑を呼ぶとともに「菅独裁政権の早期退場」を誓い合った。
 連絡会は東京で「九条の会」が誕生した直後の15年前に発足、以来、毎年5月3日の憲法記念日と11月3日に大掛かりな集会を開いてきた。これまで憲法記念日が九州交響楽団有志の演奏をはじめ合唱団のうたごえなど音楽関係と講演が中心で、11月3日には音楽関係とリレートークなどが主体だったが今年は初めて、セミプロの博多にわか師に公演を頼んだ。
 集会では、立憲野党の国会議員らから「改憲NO! 菅政権退陣要求」などの決意表明が述べられ、出席できない地元2国会議員のメッセージが紹介された後に、博多にわかを演じる年金者組合福岡東支部役員の深川敏弘さんが博多にわかの面を着けて登場、「世相を斬る」と題して博多にわかを披露した。
 「博多にわか」の幾つかを紹介すると―
☆菅さんな、安倍さんのことバ継承するというが、あれは「継承(軽傷)」じゃなく、相当「重症」ですやな。
☆安倍さんの中に菅さんが入ったら「安菅倍(あかんべー)」。
☆何か言いよったら、すぐシュレッダーに入れてクサ、処分してくださいとか、原稿に黒塗ってもってきなさいとか分からんことして、すみません、これで「完了(官僚)」です―それが官僚か。
☆あんたのにわか、少しは面白かったごたる。10点満点やろうかと言いなったバッテン、私は断ったですタイ。なんで断ったな。そりゃ、あたきが10点もらうよりも「九条の会」の「8点(発展)」がよございます。
この後、福岡教育大の谷本純一准教授(むなかた九条の会代表世話人)のミニ講演もあり、400人以上集まった多彩な集会は盛り上がりを見せ大盛況だった。 
白垣詔男
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年11月25日号

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2020年12月11日

【沖縄リポート】 「基地追い払って」漆喰シーサー=浦島悦子

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  11月3日付『沖縄タイムス』は「沖縄防衛局が辺野古新基地建設工事に必要な美謝川水路切替工事に向け、辺野古ダム周辺のボーリング調査に着手していたことがわかった」と報じた。
 辺野古演習場内の山から大浦湾に注ぐ美謝川(辺野古ダムはその一部)は、河口が埋立予定地に入るため、水路を切り替えなければ埋め立てはできない。沖縄防衛局が当初計画した切替ルートは、名護市条例により市長との協議が必要だ。当時の稲嶺進市長は「新基地阻止」を掲げていた。防衛局は2014年9月、名護市長との協議を必要としないルートに変更したが、当時の(埋め立てを承認した)仲井眞弘多知事でさえ「環境負荷が大きい」としてこれに難色を示したため、設計変更そのものを取り下げた経過がある。
 現在ボーリング調査が行われているのは、当初計画のルートだ。この再変更(元に戻す)については県にも、防衛局自らが設置した環境監視等委員会にも諮っていない。自民党政権に親和的な渡具知武豊現市長なら同意を得られると踏んで、市長との協議の前にボーリング調査を行い既成事実を作ろうとしているのだ。
 名護市12月議会で野党議員団はこの問題を追及する。私たち市民団体も埋め立て=基地建設阻止の要の一つであるこの問題に世論を喚起し、市長の不同意を求めていく。
 米大統領選で民主党のバイデン氏が勝利を確実にしたが、バイデン政権になっても、米国の沖縄に対する姿勢(というより無関心)はほとんど変わらないだろう。オバマ大統領の誕生に期待して裏切られた経験を持つ沖縄県民は、冷めた目で米日の動きを見ている。
 埋立作業船がひしめく大浦湾を望む瀬嵩墓地広場の入口に雌雄の漆喰シーサー(写真)が建った。沖縄アジア国際平和芸術祭2020の一環として、昨年焼失した首里城の破損赤瓦を使い、地域住民や子どもたちが参加して作った。海をにらむシーサーが、軍事基地というマジムン(魔物)を追っ払ってくれるよう願いを込めて。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年11月25日号
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2020年10月09日

【沖縄トピックス】辺野古、沖縄の民意は底堅い 強硬路線がつまずけば菅政権のダメージに=阿部岳

 振り返っても、安倍晋三氏が沖縄に関して信念を語った記憶がない。「沖縄に寄り添う」と言いながら、沖縄に対する構造的差別を強化し、基地を固定化した。負担解消へ「できることは全てやる」と言ったが、実態は「できないことを全てやらなかった」だけだった。
 直前の民主党政権は辺野古新基地建設が鬼門となり、自壊した。沖縄の強固な反対と米国の強硬な要求の板挟み。やっかいで避けられない命題を、安倍氏は菅義偉氏に丸投げした。
 その菅氏は沖縄対策の全てを辺野古から逆算して取り仕切った。政権発足当初こそ「できる限り県民に理解してもらえる方向で」などと手探りだったが、徐々にアメとムチをふるっていく。
 当時の仲井真弘多県知事に公約違反の基地受け入れをのませる局面では、振興予算増額などのアメをばらまいた。仲井真氏が次の知事選で新基地反対の翁長雄志氏に敗れると、菅氏はムチを握り締めた。
 選挙で相次いで示される反対の民意にも関わらず「粛々と進める」と繰り返し、翁長氏から「上から目線だ」と批判された。わずかに試みられた対話の期間、日本の高度経済成長の陰で米軍が沖縄の土地を強制接収していた歴史を翁長氏が説いても、菅氏は「私は戦後生まれなので、歴史を持ち出されたら困る」などと都合の悪い事実から目を背けた。
 各省庁の権限を総動員して脱法的に行政手続きを進め、現場には本土の警察官や海上保安官を投入して市民の抵抗を強制排除した。菅氏でなければ新基地工事はここまで進まなかっただろう。
 一方、安倍氏になかった哲学が菅氏にあるかと言えば、それもない。菅氏に備わっているのは米国に隷従し、沖縄の反対を徹底的に踏みつぶそうとするサディスティックな情念だけである。
 対する沖縄の反対の民意はなお底堅い。軟弱地盤など工事の実現性を揺るがす技術的困難も、厳然とそこにあり続ける。
 ここまで強硬路線を主導してきた菅氏は、今さら撤退も修正もできない。硬直した方針は、案外もろいものである。首相肝いりの案件でつまずけば、新政権は大きなダメージを負うことになる。
阿部岳(沖縄タイムス編集委員)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号

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2020年10月08日

【沖縄リポート】 菅首相「国策」ごり押しの恐れ=浦島悦子

            IMG_1118.JPG 名護十字路で意見書呼びかけの街宣
 念願してきた安倍政権の終焉を喜んだのも束の間、出来レースのような菅義偉内閣の誕生。安倍政権の防衛大臣として辺野古新基地建設を推進してきた河野太郎氏を沖縄担当相に当てたことにも、菅政権の沖縄への姿勢が見て取れる。
 長年にわたる安倍政権の「沖縄いじめ」を実質的に担ってきたのは菅官房長官だった。故翁長雄志前知事が菅氏を、「沖縄の自治は神話だ」と言った米軍統治時代のキャラウェイ高等弁務官になぞらえたように、沖縄の民意を踏みにじって「粛々と」新基地建設を強行し、名護市長選、県知事選など県内の重要選挙にカネと権力をフルに注ぎ込んで県民や地元の分断を図る、その陣頭指揮を執り、沖縄の自治権をことごとく圧殺してきた。
 菅政権のもとで、沖縄はより一層の苦境を迎えるのではないかという暗澹たる思いをぬぐえない。
コロナ禍真っただ中の4月21日、沖縄防衛局が県に提出した、大浦湾の軟弱地盤改良工事に伴う設計概要変更申請書の告示縦覧を、県は緊急事態宣言解除後の9月8日に開始した。28日までの縦覧期間中に広く意見を求める。甚大な自然破壊が予想されるこの変更申請をデニー知事は認めない姿勢を示しており、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は、できるだけ多くの意見書によって県を後押ししようと県内外に呼び掛けた(意見書の書き方等は同会議HP参照)。
 この意見書運動は、理不尽な新基地建設を断念させるための大きなステップとして、県内だけでなく全国各地、様々な団体によって取り組まれており、県の担当部局によると告示前にすでに500通以上が届き、告示後は数えきれないという。
 一瞥しただけでも申請書はあまりにもずさんな内容で、突っ込みどころ満載だ。しかし菅政権は、県民・国民のどんな意見にも耳を傾けず、粛々と「国策」をごり押ししそうな予感がする。解散総選挙も含め、菅政権にどこまで迫れるかが問われる。    
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号




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2020年09月15日

【沖縄リポート】 新基地建設止めないため米軍クラスター隠す?=浦島悦子

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 「ヤマトと基地からコロナの挟み撃ち 強固な日米同盟の証です −防衛省 県民各位」
 8月9日付『琉球新報』読者ページ「うそっぱち」欄に掲載された投稿は、県民の現在の心境をズバリ表現していた。
 5月以降68日間、新型コロナ新規感染ゼロが続いていた沖縄で、7月上旬の米軍基地でのクラスター発生以降、感染者が出始め、安倍政権の愚策「Go To トラベル」と相まって感染者数はうなぎのぼりに増え、瞬く間に「全国一の感染拡大地」となってしまった。県内感染者数が累計1404人(米軍基地除く)となった8月13日、玉城デニー知事は警戒レベルを最高段階(感染蔓延期)に引き上げ、15日までとしていた県の緊急事態宣言を2週間延長すると発表した。
 県の緊急事態宣言を受けて、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は8月3日からすべての現場抗議行動を自主的に休止(搬出入のチェックと監視のみ続行)しているが、沖縄防衛局は埋め立て工事を止めようとしない。
 当初、感染者数さえ公表しなかった米軍は、県や県民の強い要請により数だけは県に伝えるようになったものの、感染経路など感染拡大防止に必要な情報は一切提供せず、発表される数(13日現在で累計320人)や基地名についても、県民はその信ぴょう性を疑っている。何よりも、隣接するキャンプ・ハンセンで感染爆発ともいえるクラスターが出ているのに、同じ海兵隊で訓練を共にしているキャンプ・シュワブがゼロというのはおかしい。新基地建設工事を止めないために隠しているのではないか、というのが大方の見方だ。
 ヘリ基地反対協は5日、沖縄防衛局に直接出向き、「在沖米軍全基地の当面の閉鎖」と「埋め立て工事の中止」を要請したが、対応した担当官は「米軍と緊密に情報共有している」「(工事は)着実に進める」と繰り返すのみ。埋め立て工事の海上警備作業員に感染者が出た後もなお工事を強行している。    
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年8月25日号

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2020年08月22日

辺野古移設に固執する二重基準=@技術的にも民主主義的にも問題=福元大輔

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 政府が、秋田県と山口県への「イージス・アショア」配備計画を断念すると、沖縄県では、米軍普天間飛行場返還の条件となっている名護市辺野古移設との違いに触れ、「ダブルスタンダード(二重基準)」と批判が渦巻いている。
 沖縄県の玉城デニー知事は、河野太郎防衛相が地上イージスの停止を表明した翌朝、県庁で待ち構えた記者団に「辺野古の方が無駄」と、厳しい表情を見せた。
 地上イージスは当初、2基で4500億円とされていたが、迎撃ミサイルを打ち上げた際に切り離す推進装置「ブースター」を海上や自衛隊演習場内に安全に落とせない技術的な問題が「判明した」という。
 システム改修に12年、2200億円ほどを要するため、河野防衛相は「合理的とはいえない」と判断した。
 辺野古はどうか。米兵3人による少女暴行事件を受け、日米両政府が沖縄の負担軽減の目玉として1996年に合意したのが普天間飛行場の返還だった。沖縄県内の代替施設への移設を条件に、5〜7年で返還すると発表した。
軟弱地盤は既知
 国土面積0・6%の沖縄に全国の米軍専用施設面積の7割が集中する現状で、さらに県内移設では抜本的な負担軽減につながらない、と沖縄側の反発に遭い、返還合意から24年が過ぎても、実現していない。
 政府は2014年から移設先とする辺野古での埋め立て工事を進めるが、県民の理解を得ることができず、難航する。そこに埋め立て予定海域で「マヨネーズ並み」と言われる軟弱地盤が「判明した」のだ。
 地盤を強化する改良工事が必要で、工費は当初の3500億円から約2・7倍の9300億円に膨らんだ。埋め立て工事の工期は当初5年を見込み、すでに3年が経過したが、さらに少なくとも12年かかり、3倍以上に伸びる。
 地上イージスではブースターを安全に落とせるというそれまでの説明が誤っていたことになる。辺野古でも軟弱地盤の存在は20年近く前から指摘されている。いずれも「判明した」のではなく、もともと知っていたが、他に場所を探せない政府が隠していた可能性もある。
止めるのは政治
 元防衛官僚の柳沢協二さんは、辺野古移設を断念できない理由を「行政に働く惰性」と説明する。動き出した事業にブレーキをかけるには相当なエネルギーがいる。自分たちの仕事の否定にもつながる。無理と分かっていても、辺野古問題を担当する2〜3年を“惰性”で乗り切る。
 軟弱地盤という不可抗力で工事が止まるなら誰も責任を負うことはないが、政治マターだから官僚の意思で変えることができない。つまりイージスのように、政治が止めるしかないのだ。
 辺野古の場合、技術的に建設できるか、できないか、という問題にとどまらない。19年2月の県民投票では、投票率52・48%で、投票総数の71・7%が辺野古の埋め立て工事に反対の意思を示した。地方自治や民主主義の観点からも、政府は辺野古移設を強行すべきではない。
 一方、地上イージス断念直後に「敵基地攻撃能力」の議論が出てきた。日米の力関係から米国の利益が絡む国策を止める場合、その背景を注視しなければならない。
福元大輔(JCJ沖縄)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年7月25日号


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2020年07月31日

【沖縄リポート】 コロナ対策しながら「全基地封鎖!!」=浦島悦子

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  沖縄防衛局は、受注業者作業員のコロナ感染を理由に2か月近く中断していた辺野古新基地建設工事を、沖縄県議選(6月7日投開票)後の12日、再開した。私たちも抗議行動の再開を余儀なくされ、梅雨明け後の炎天下、マスク着用などのコロナ対策を取りながら、陸上・海上4〜5カ所の現場で行動を続けている。
 7月に入って在沖米軍基地内で急激に広がったコロナ感染(7月16日現在で136人)が県民に大きな不安を与えており、抗議行動の中でも「全基地を封鎖せよ!」とシュプレヒコールが上がる。
 大浦湾側埋め立て予定区域の三分の二を占める軟弱地盤の改良工事は「ほぼ不可能」と指摘されて久しいが、7月2日には地質学の専門家による「沖縄辺野古調査団」(代表・立石雅昭新潟大名誉教授)が、震度1以上の地震で新基地の護岸が崩壊する危険性が高いという解析結果(防衛局の設計条件で算出)を発表、大きな衝撃が走った。
 工事のあまりの無謀さに何度も警鐘が鳴らされながら、なぜ止められないのか? ここに来て、「新基地建設阻止」を掲げながらも実際の工事を止められない県行政の矛盾が見えてきた。
 琉球セメント安和鉱山が林地開発許可を得ずに埋め立て土砂を搬出していたことが発覚。県は立ち入り検査を行って「違法状態」を認めたものの、許可手続きを行うよう行政指導したのみで、中止命令は出さず、違法のままの搬出が続いている。
 また、本部港塩川地区で辺野古への土砂搬出を請け負っている業者は、ベルトコンベアーの使用を県に申請しており、これが許可されれば搬出量が格段に増加すると見込まれる。
 市民・県民の反発の強さに、今のところ県は許可を出していないが、許可しないよう要請した「沖縄平和市民連絡会」に対し、県の担当部局は、法的には「(最終的に)許可せざるをえない」と答えたという。デニー知事の公約との整合性が問われている。
浦島悦子
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年7月25日号
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2020年07月03日

【沖縄リポート】 沖縄戦継承 考えるきっかけに=浦島悦子

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  沖縄が「慰霊の島」となる六月。今年は沖縄戦終結から75年の節目を迎える。例年、6月23日(沖縄慰霊の日)に平和祈念公園内の「平和の礎」に隣接する広場で開催されてきた沖縄全戦没者追悼式の会場を、新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模縮小し、同公園内の国立沖縄戦没者墓苑に変更すると、玉城デニー知事が発表(5月15日)したことが大きな波紋を呼んだ。
 規模縮小に伴い、安倍晋三首相ら政府関係者を招待しないことを県民は歓迎する一方、国の施設で式典を行うことへの違和感・危機感が広がった。沖縄戦研究者や遺族らをはじめとする「沖縄全戦没者追悼式のあり方を考える県民の会」は、「住民目線から殉国の思想へと追悼式の意味が大きく変わってしまう」と、従来の式典広場での開催及び可能な限りの遺族・県民の参加を知事に直接要請した。
 地元2紙はともに文化欄や社会面で連続企画を組み、論稿やインタビューで多角的に問題提起。遺族の一人として県民の会共同代表を務める知念ウシさんは「人々の素直で真摯な祈りが、植民地主義の秩序に回収されてしまう不安」に言及した(6月10日付「沖縄タイムス」)。
 これら県民の意向を受けて玉城知事は再検討を行い、例年通り式典広場での開催を発表(12日)したが、一連の事態は図らずも、追悼のあり方や沖縄戦継承について、改めて考えさせるものとなった。
 国立墓苑での開催について、知事の国への忖度があったとは思わない。むしろ、彼が(知事でさえ)「勉強不足だった」と正直に言ったことが、沖縄社会の現実を浮き彫りにしたのではないか。「風化」が指摘されて久しい沖縄戦をどう次世代に継承し、沖縄戦から続く戦後史をどう捉えるか。それは、国の意向や強権に傾きがちな「コロナの時代」、私たちが「いつか来た道」と同じ過ちを犯さないための貴重な材料を与えてくれたと思う。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年6月25日号

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2020年06月13日

【支部リポート】 北九州 「週刊金曜日読書会」と共催 Zoom併用し勉強会=杉山正隆

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 北九州支部は、月に1回開催されている「週刊金曜日『関門・北九州読者会』」と共催する形で支部活動を進めている。2時間ほどの読者会の一部を支部世話人会として活用。北九州でも「新型コロナウイルス感染症」(COVID-19)の感染予防策を講じながら運動を続けている。
 世界的な自粛ムードが広がっているが、できるだけ活性化を図るため「zoom」をはじめとするweb会議システムの利用に関しても試行錯誤している。5月には、十分な距離を取り換気などにも気を付けてコロナの勉強会を実施しzoomも併用した。
 勉強会では、講師の感染症の専門家から、今の状況が1990年前後の「エイズ・パニック」と似ているとの指摘がなされた。「病院や歯科医院などでは完全防護の手術着姿での対応が一部であったが、HIV(エイズ・ウイルス)は日常生活では感染経路がはっきりしていたのに、偏見や差別が世にあふれていた」。「コロナは接触+飛沫。手洗いを頻繁にすれば感染の危険性は大幅に減らせる。ウイルスは1万個以上無いとうつらないことがほとんど。ウイルス量を100分の1に減らせば安心」等と解説した。
 議論では、「戦時中の『隣組』などで相互監視や我慢を強いられ自警団が恐れられていた。現在の『同調圧力』は当時と似た空気感がある」「正しく恐れ正しく対応することで十分乗り切れる」との意見が出た。
 検察トップの人事を恣意的に内閣が決めたり、年金の支給年齢を75歳にする法案が上程されるなど、「安倍政権はどさくさ紛れに好き勝手な法律を作ろうとしている」との発言もあった。「出来るだけ普段通りに活動をしていかないと、知らないうちに改悪されてしまう」との強い危機感を共有した。
 北九州支部は少人数ではあるが医療関係者が多い特徴がある。私たちの生活を守るべく、ジャーナリズムを考えるとともに、政権の暴走に歯止めを掛ける「キラリと光る」活動を進めていきたいと考えている。(
杉山正隆
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年5月25日号

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2020年06月02日

【沖縄リポート】 感染非公開も植民地≠ネればこそ=浦島悦子 

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  沖縄の「日本復帰」から6年後の1978年に始まり、毎年行われてきた「5.15平和行進」が今年、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、初めて中止となった。しかし、「平和行進」が問い続けてきた「復帰」の内実、今もなお変わらない日米による植民地的な沖縄支配の実態は、コロナ禍の中でいっそうくっきりと浮かび上がっている。
 3月末、在沖米軍嘉手納基地内で3人のコロナ感染が報道されたが、直後に米国防総省は、すべての米軍基地の感染状況を非公開とする方針を発表。以来、一切の情報は閉ざされたままだ。「基地内で感染者が増えているらしい」との噂もある中、米兵たちはマスクなしで出歩いたり、集団で公道を走っている。基地のゲートに入るときは検温が行われているが、出るときはフリー。「民間地に出てくるときこそ検温してほしいよね…」と市民は眉をひそめる。
 4月10日には、普天間基地からPFAS(有機フッ素化合物の総称)を含む大量の泡消火剤が基地外の民間地に流出し、保育園や住宅地に泡が降り注いだ。PFASは発がん性が指摘され、環境中に半永久的に残留すると言われる有害物質だ。撤去作業に当たった宜野湾市消防本部が断念せざるを得ないほどの量だったが、米軍は傍観。あまつさえ同基地のスティール司令官は「雨が降れば収まるだろう」と発言、コロナ禍に追い打ちを掛けられた市民の憤激を買った。
 一方、日本政府が強行する辺野古新基地建設工事は、受注業者作業員の感染が判明した4月17日以降中断しているものの、沖縄県が県独自のコロナ緊急事態宣言を発した翌朝(21日)、沖縄防衛局は、大浦湾の軟弱地盤改良工事に伴う設計概要変更申請を県に提出(それも、沖縄県北部土木事務所の窓口に始業と同時に置き去るという、既視感のあるやり方で)。
 どさくさ紛れの「火事場泥棒」、コロナ対策で職員の出勤を減らしている県への嫌がらせだと県民は猛反発している。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年5月25日号

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2020年05月01日

【沖縄リポート】 不要不急の辺野古工事なお強行=浦島悦子

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  新型コロナウイルス感染が沖縄でも日を追って拡がる(4月16日現在で感染者94人、死亡1人)なか、政府の緊急事態宣言や国交省の公共工事自粛要請にもかかわらず、防衛省は「不要不急」の辺野古新基地工事を強行している。
 座り込み現場では、高齢者の多い参加者を、若い機動隊員が3人がかりで抱えて移動させ、海では海上保安官がカヌーメンバーを身体拘束する「濃厚接触」が、日に何度も繰り返される。
 危機感を募らせた名護・ヘリ基地反対協議会とその海上行動チーム(「辺野古ぶるー」)は4月8日、沖縄防衛局を訪れ、工事の即時中止とゲート前警備員へのマスク支給を求める申し入れを行った。
 対応した同局の梅谷晋平・調達計画課長補佐は「辺野古移設が危険性除去の唯一の解決策。引き続き工事を着実に進めていく」と、判で押した従来同様の回答。「今一番の危険はコロナだろう!」と怒りの声が上がる。
 私は「沖縄戦や米軍占領を体験した年配者たちは、子や孫の未来のためにと感染リスクを冒して参加せざるを得ない」と訴えたが、彼の心にどのくらい響いただろうか。
 軟弱地盤の存在がわかって取りやめた契約(工事)に約81億円もの血税が支払われたことが報道されたばかり。無駄な公共工事の極みである新基地工事の費用をコロナ対策に!と強く要請した。
 13日、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」と沖縄選出国会議員団も沖縄防衛局に工事中止の要請を行ったが、答えは同じ。自分たちの命は自ら守るしかないと、オール沖縄会議は14日、翌15日から5月6日までの辺野古・安和・塩川及び海上での抗議行動の休止を決定した。
 組織的な活動は休止となったが、工事が中止されない限り、やむに止まれぬ思いで現場にはせ参じた人々が今日も抗議を続けている。受注業者の一つ・五洋建設にも感染者が出ており、工事の継続は無理だろうとの観測もある。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年4月25日号

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2020年03月27日

【沖縄リポート】 国交相の取り消し違法判決がドタキャン=浦島悦子

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 3月18日、「明日の判決期日が取り消された」と連絡が入った。一瞬、耳を疑った。私たち辺野古・大浦湾沿岸住民15人が原告となって、沖縄県による埋め立て承認撤回を国土交通大臣が取り消した「裁決」は違法だと、裁決の取り消しと執行停止を求めた訴訟の判決が翌19日に那覇地裁で言い渡される予定だった。
 判決期日は3カ月前の結審時に決定しており、2日前(16日)に裁判所から出廷予定者の確認も済んでいた中でのドタキャン。弁護団事務局が裁判所に理由を問い合わせたが「言えない」との返事。折からの新型コロナウイルス感染が理由ではなさそうだ。
 実は16日、最高裁が、国交大臣の裁決を違法だとして沖縄県が地方自治法に基づき「関与取り消し」を求めた訴訟の上告審判決を26日に言い渡すことを決定。
 17日の地元メディアは「県の敗訴が確定する見通し」と伝えていた。既に出来上がっていたであろう地裁判決の内容に対し、最高裁から地裁の担当裁判官に対し何らかの圧力があり、最高裁判決を受けてから判決文を書き直そうというのか? 
 原告団と弁護団は、判決予定日だった19日、抗議の記者会見を行うことを決めた。ところが当日朝になって、訴訟の一部、すなわち執行停止に関してのみ決定が出された(開廷はなし。裁決の取り消しに関しては持ち越された)。
 その内容を見ると、原告15人中、4人について原告適格を認めている。辺野古新基地建設に関して住民側が訴えたこれまでの訴訟はすべて「原告適格なし」の門前払いだったことからすれば画期的だ。
 執行停止については、「重大な損害を避けるための緊急の必要性」はないとして却下しているが、一部ではあれ原告適格を認めたことで「入口」を突破し、実質審理(裁決の違法性の判断)への道を開いたと弁護団は評価。早期に取り消し訴訟の判決を出すよう求めた(写真)。
 異例づくめの訴訟の行方を注視したい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年3月25日号


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2020年02月04日

【沖縄リポート】 総工費などの試算変更 防衛省に焦り=浦島悦子

 昨年12月27日の地元紙1面トップに「新基地土砂全て県内調達」という衝撃的な見出しが躍った。防衛省がこれまで、3分の2以上を県外から運び込むとしていた辺野古新基地建設のための埋め立て土砂(岩ズリ)や、海底の軟弱地盤改良のための海砂を、沖縄県内で全量調達する方向で検討しているというのだ。
 とっさに、沖縄の山も海も滅茶苦茶に破壊される!という危機感で背筋が寒くなった。日々、土砂搬出されている本部半島の採石場は既に惨憺たる光景をさらしているし、私の住む地域でも以前から、海砂採取による海岸の浸食や、海底地形が変化し魚が獲れなくなったという嘆きの声がある。そもそも、当初、県内調達予定だった土砂や海砂が県外調達になったのは、あまりにも深刻な自然破壊の予測に県民の大反発が起こったからだった。
 それが再び県内調達に回帰するのは言語道断だが、見方を変えれば、前回報告したような、県外土砂搬出予定地の人々による「辺野古に土砂を送らない」運動の広がりや、県外土砂による外来種侵入を規制する沖縄県土砂条例の制定などが、政府を追い込んだ「成果」とも言えるだろう。
 むろん、このような無謀な計画変更を沖縄県が承認するはずもないし、土木技師の北上田毅さんも、「量的には県内調達可能だが、運搬船が狭い海域に集中して作業できないだろう」と、全量県内調達は無理だとする。
 防衛省は同時に、辺野古新基地の総工費を9300億円(5年前に示した金額の2.7倍)、工期を、計画変更に対する沖縄県の承認から12年とする試算を示した。「工費2兆5500億円、工期13年以上」とした沖縄県の試算を否定していた防衛省自らが、このような試算を出さざるを得なくなったのは、追い込まれている証拠だ。大浦湾の軟弱地盤改良は技術的に不可能との見方も多い。どこから見ても無理無謀な工事をやめないのは、一度始めた公共工事を止めるわけにいかないという面子なのか、はたまたゼネコンの圧力か…?
一触即発の中東情勢に、米軍基地と隣り合わせに暮らす沖縄県民は不安を募らせている。軍事基地は内にも外にも不幸しか生まない。新基地建設を断念する「勇気」を政府に強く求めたい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年1月25日号

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2016年08月02日

「オバマさん、日本を解放して」 6・19沖縄ルポ 怒り限界を超えた=鈴木 耕

 6月19日、私は那覇市奥武山公園の陸上競技場にいた。この場所で「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」が開催され、私は参加したのだ。
 長い大会名だが、そこに込められた沖縄の怒りは、私のように県外からの参加者をも打ちのめす。参加者は、追悼の思いを込めた黒い衣服を身に着け、「怒りは限界を超えた」というポスターを手にして会場へ詰めかけた。開会1時間前の午後1時ごろにはグラウンドはほぼ埋め尽くされていた。

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2016年06月09日

「憲法九条は世界の宝」 福岡で集い/「熟成原酒のタガはずすな」=宝田明さんが講演

 「憲法九条は世界の宝」をうたい文句にした九条の会福岡県連絡会主催の「2016年憲法記念日のつどい」(JCJ福岡支部協賛)が5月3日、福岡市中央区天神の市民会館大ホールであった。悪天候ながら約800人が参加。
 集会は2部構成で、第1部は地元の3グループによるミニコンサート、第2部は俳優の宝田明さんが「親から子へ 子から孫へ伝えるために〜私の戦争体験〜」と題して講演、戦争ができる安保法制(戦争法)を強行成立・施行させた安倍政権を厳しく批判した。

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2016年03月11日

笑顔の中に「原発いらない」 玄海訴訟原告1万人超を祝い、福岡でフェスティバル=福岡支部

 九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の運転差し止めを求めた訴訟(佐賀地裁)の原告が1万人を超え、それを祝うフェスティバルが2月6日(土)、福岡市であった。原告団と弁護団が主催、61団体・個人が協賛、九州全域を含め原告ら1500人が参加した。笑顔のなかにも「原発は要らない」決意が強く出た集まりとなった。会場の通路には食べ物や雑貨、小物などを販売する「マルシェ」が38店並び、お祭り気分を盛り上げた。

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2014年03月25日

山口大教授纐纈氏講演 安倍首相が狙う「戦争国家」 危険な実態浮き彫りに

 「安保基本法案は戦争準備のための国家総動員法の再現だ」―2月23日、福岡市で開かれた「九条の会福岡県連絡会」主催の講演会で、講師の山口大学教授(副学長)・纐纈厚(こうけつ・あつし)さんは、「戦争国家」への暴走を続ける安倍晋三首相に強い警告を突き付けた。
 「国家安全保障基本法案を斬る〜戦争国家への道を急ぐ安倍政権を問う」と題した講演で纐纈さんは(1)米国が考えているのは、軍拡を強引に進めている中国に対して、対抗戦力として頼りにしたいのは米軍の代理としての自衛隊。そのために自衛隊装備の強化、近代兵器の貸与、供与を続け、日米共同訓練を繰り返している。島しょ防衛作戦は日本防衛のためではない(2)集団的自衛権は日米が共同して中国に対抗するためのもので、現在は陸上自衛隊をどんどん減らし、海上、航空自衛隊の戦力を西日本方面に猛然と配置換えをしている―と安倍政権が目指す「戦争国家」への実態を浮き彫りにした。

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