2024年02月12日

【沖縄リポート】新たな訴訟、初日の出の日に「不屈」を誓う=浦島悦子

                         
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  なぜ、これほどまでに国は前のめりになるのだろう…?
 昨年12月20日、辺野古代執行訴訟の高裁判決(沖縄県敗訴)。御用納めの28日、判決に従わない県に代わって国が代執行(設計変更承認)。荒れた年末に続く年明け、国は、予定していた1月12日の大浦湾側着工を、強風・波浪注意報の出る悪天候の中、2日も前倒しして10日正午過ぎ強行。「抗議行動を避ける狙いか」と地元紙は報じた。

 台船に載せた石材(砕石)を海へ投入し「着工」を宣言した「儀式」には既視感があった。2017年4月、建設予定地の波打ち際に数個の土嚢を置いて「辺野古埋め立て着工」を大々的に宣伝した。翌18年12月の土砂投入開始時には、見る見るうちに濁っていく海、埋め殺されるサンゴの映像が繰り返し流された。
 県との協議にさえ応じず強行着工したことに対し、玉城デニー知事は「(国の言う)『丁寧な説明』とは真逆の、極めて乱暴で粗雑な対応」「あきらめを醸し出そうという考え」と怒りを込めて批判、「沖縄の苦難の歴史にさらに苦難を加える」新基地建設の中止と対話による解決を強く求めた。

 これでもか、これでもか、と言わんばかりの鞭を沖縄に打ち据えながら「沖縄の負担軽減」、国の試算でも今後最低12年かかるという工事を「1日も早い普天間基地の返還」と平然と語る岸田首相の言葉の白々しさ…。
「前のめり」が県民をあきらめさせるためなら、それは逆効果だ。2024年元旦、ヘリ基地反対協はコロナ禍で中止していた辺野古の浜の初興し(ハチウクシ)を4年ぶりに開催。250人が、東の海を染めて昇る初日に「不屈」を誓った=写真=。
 私たち地元住民は、不当極まりない高裁判決と代執行に対し、新たな訴訟を起こすことを決意、近く記者会見する。現在、埋め立て承認撤回及び設計変更不承認という県の判断を支持する2つの訴訟も係争中。
 沖縄県は代執行訴訟の敗訴を不服として最高裁に上告したが、新基地建設を巡る新たな訴訟は起こせない。一方、住民は提起できる。最後まで「あきらめない」姿勢を示すことで県と県知事を支えていきたい。
    JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年1月25日号
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2024年01月22日

【支部リポート】北九州 大型弾薬庫 抗議の声 民間空港も「強靭化」=杉山正隆

  陸上自衛隊大分分屯地(大分市鴛野、通称=敷戸弾薬庫)周辺の住民らが今年8月11日、集会を開き、「大分敷戸ミサイル弾薬庫問題を考える市民の会」を発足させた。分屯地に隣接する団地住民、分屯地近くに立地する大分大学の元教員ら200人が参加して「大分に大型弾薬庫はいらない」と声を上げた。
 住民らは分屯地前で着工に抗議する声を上げ続けているが、国は11月29日、同分屯地などに45億円を投入して敵基地を攻撃する「スタンド・オフ・ミサイル」を保管する大型弾薬庫2棟の着工を開始した。分屯地内の山に約60メートルと約50メートルのトンネルを掘り、地中に弾薬庫を設置する。1棟目は2025年12月、2棟目は26年度中の完成を予定。来年度に湯布院駐屯地(大分県由布市)に配備される新たなミサイル連隊と一体化した運用が見込まれる。

 共同代表の1人、賀来進・県保険医協会副会長は「近隣には多くの住民が暮らしている。外国を直接攻撃できる長距離ミサイルを保管する弾薬庫は『標的』となる。抑止力を強化しても戦争は防げない。平和と生活を守るため、国は努力を惜しむべきで無い」と話す。
 九州最大規模ともされる富野分屯地(北九州市小倉北区)が住宅地にあり、北九州空港の滑走路3000m化や航空自衛隊築城基地(福岡県築上町)での日米合同訓練などが行われており、北九州支部は軍拡の動きを監視することを決めた。

 昨年12月に策定した「国家防衛戦略」で、政府は組織的な戦いを継続する能力を確保するため、5年かけて弾薬庫を増設する方針を打ち出した。青森県むつ市の海上自衛隊大湊地方総監部にも大型弾薬庫を2棟、また全国の自衛隊施設に大型弾薬庫を6棟新設する。鹿児島県瀬戸内町の陸上自衛隊瀬戸内分屯地や、沖縄県宮古島市の陸上自衛隊保良訓練場、海上自衛隊の横須賀地方総監部や舞鶴地方総監部に通常の弾薬庫を整備する計画だ。
     JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年12月25日号

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2024年01月13日

【沖縄リポート】代執行・軍事要塞化と年末さんざん=浦島悦子

           
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 今年もまた、さんざんな年末だ。辺野古新基地建設という国策に抵抗する沖縄県と県民を、行政権力と司法が一体となって痛めつけてきた、その総仕上げとも言うべき代執行訴訟の判決が、今月20日に言い渡されることになった。設計変更の承認を求める判決に県が従わなければ、国が県に替わって承認し、年末ぎりぎりに軟弱地盤改良工事「着工」を、パフォーマンスであれ既成事実化しようというのだろうか。

 キャンプ・シュワブ内では、新基地工事と並行して、隣接する辺野古弾薬庫の大幅再編=改修・増設工事が急ピッチで進められている。その狙いについて11月30日、ゲート前座り込みテントで報告したジャーナリストの山本眞直氏は、辺野古弾薬庫に「復帰」前からある核兵器貯蔵庫と、建設中の新核貯蔵庫(原子炉と同じ遮蔽壁構造を持つことがドローン撮影で判明)の併存を写真で示しながら、「日米同盟の核抑止力」の危うさを指摘した。新基地建設が、日本政府の言う、単なる「普天間代替施設」などでないことは明らかだ。 
 11月29日には、屋久島近海で米海軍の8人乗りオスプレイが墜落した。7年前の沖縄県内(私の居住地のすぐ近く)での墜落事故が蘇り、「空飛ぶ棺桶」として悪名高いオスプレイが日常的に頭上を飛び交っている恐怖を改めて感じた。日本政府は飛行停止も求めきれず、原因究明もできない。

 与那国・宮古・石垣をはじめ琉球諸島の日米両軍による軍事要塞化は今年、格段に進んだ。住民の反対を押し切って今年3月に開設した陸上自衛隊石垣駐屯地は来年度さらに施設規模を拡大し、米軍との共同使用も見込んでいると報道された。
 戦争の足音が刻々と近づきつつある危機感から県内60を超える市民団体が立ち上げた「沖縄を再び戦場にさせない県民の会」は11月23日、那覇市の奥武山陸上競技場で県民平和大集会を開催。玉城デニー知事も登壇し、老若1万人以上の参加で成功した=写真=が、正念場はこれからだ。来年は少しでもいい年にしたい。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年12月25日号
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2023年12月10日

【沖縄リポート】いよいよだ!「悪魔の刃」との対決=浦島悦子

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 10月30日、国が提起した辺野古代執行訴訟の第1回口頭弁論が福岡高裁那覇支部で行われ、国の要請通り即日結審したが、判決期日については「追って指定する」とした。これは異例のことだ。県民の反応を窺っているのだろうか?
 今回の代執行訴訟では「公益」とは何かが鋭く問われた。知事の不承認は普天間基地の危険性除去や日米関係という「公益」を著しく害する、と主張する国に対し、自ら出廷して意見陳述した玉城デニー知事は、「県民の民意こそが公益だ」と訴えた=写真=

 県が出した答弁書では、普天間飛行場の危険性除去や安全保障のために「辺野古が唯一」なのかを問うとともに、「民意」=なぜ沖縄県民は反対するのかについて、琉球王国が滅ぼされた沖縄県の成り立ちから説き起こし、「沖縄戦から一貫して県民に課されてきた過重な基地負担と、自己決定を否定され続けてきた歴史的経緯、国が唱える基地負担軽減の空虚さに由来する」「承認しないことが公益にかなうことは明白」と明言している。

 年内にも判決➡国による代執行➡大浦湾軟弱地盤の工事着工か?という緊迫した中で11月5日、「国による代執行を許さない! デニー知事とともに地方自治を守る県民大集会」が北谷町で開催された。主催は、辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議だが、県民に思いを伝えたいという知事のたっての願いから企画されたという。
 県内各地から集まった1800人の沸き起こる「デニー」コールに迎えられた知事は、それに大きく掲げた手と笑顔で応え、この数か月見せていた苦悩の表情から吹っ切れたような清々しさを感じさせた。

「県民の判断が間違っていないことを示した。それを未来世代に残さないといけない」「私が県民の矢面に立つ。どんな矢が飛んで来ようとも受け止めて立つ」と力強く語り、県が求めている「対話による解決」について、「政府とも誰とでも、豊かな未来のために対話する」と述べた。
 国が振りかざす代執行という「悪魔の刃」(オール沖縄会議・稲嶺進共同代表)との対決がいよいよ始まる。 浦島悦子
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2023年10月31日

【沖縄リポート】国の代執行でも工事は不可能だ=浦島悦子

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 いったい日本政府は沖縄を何だと思っているのか‼ 辺野古新基地建設の設計変更を巡る沖縄県敗訴の最高裁判決を楯に、玉城デニー知事の国連出張中(9月19日)に「承認勧告」を送りつけ、1週間後に「承認指示」(10月4日期限)、それに知事が応じないと見るや、間髪を入れず翌5日、県に替わって国が「承認」を行うための代執行訴訟を福岡高裁那覇支部に提起。しかも、第1回口頭弁論(10月30日予定)で即日結審するよう要求した。

 矢継ぎ早に、畳みかけるような政府のやり口は、沖縄を徹底的に潰してやると言わんばかりだ。県民投票で明確に示された民意であり自らの公約でもある「新基地反対」と、行政の長としての法=最高裁判決の順守という二律背反に引き裂かれ、苦悩しつつも筋を通した知事の姿は県民の心に焼き付き、政府の攻撃の理不尽さをいっそう際立たせた。知事が承認しないことが「著しく公益を害する」という言葉は、そっくりそのままお返ししたい。

 7日に開催された辺野古ゲート前県民大行動には、そんな思いの県民900人が結集し、政府へのほとばしる怒りと「知事を応援しよう!」の声を大きく上げた=写真=。

 最高裁判決を厳しく批判し、代執行手続きの中止を求める声明 (9月27日付)を発表した全国101人の行政学者を代表して、琉球大学の徳田博人教授が「法を守らないのが沖縄県だという国のプロパガンダを信じている国民が多いので、この声明を出した」「法理論的には沖縄県が勝っている。知事は民主主義の根幹を全うした。公益という言葉は、真実を覆い隠すためにも、それを明らかにするためにも使える。知事の言葉の方が国際的に通用する」と語った。

 国は年内の代執行→軟弱地盤改良工事の着工を闇雲に急いでいるが、徳田教授が言うように「国の政治判断が物理的に不可能なものを可能にすることはない」。
 着工前の今が、このバカげた工事を止められるチャンスだ。政府に良識ある賢者はいないのだろうか…?? 
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年10月25日号
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2023年10月03日

【沖縄リポート】建設断念求める意思は不変=浦島悦子

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 9月5日夕刻、沖縄県庁前県民広場は、最高裁が前日下した「県敗訴」の不当判決への怒りが渦巻いていた。「沖縄県民を今後も苦しめ続ける判決だ!」=写真=。
 辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議の稲嶺進共同代表は、絞り出すように集会の口火を切った。名護市長として2期8年間、「海にも陸にも基地を造らせない」という公約を貫き、民意を踏みにじる政府と真っ向から対決してきた実感がこもっていた。

 辺野古新基地建設の設計変更を巡り、玉城デニー知事の不承認を取り消した国土交通大臣の裁決についても、知事に承認を迫った国交大臣の是正指示についても、最高裁は合法か違法かの審理をせず門前払い、「国の裁決に県は従うしかない」とした。「地方自治を踏みにじる最低の判決」「司法はここまで地に落ちたか!」「沖縄に対する差別判決だ」…と登壇者たちは口々に憤りをあらわにし、不当判決に負けず今後も白紙撤回まで頑張る決意を語った。「知事ファイト!県民がついてるぞ!」と書かれた横断幕や、「知事の不承認支持」のプラカードを一斉に掲げて知事を激励した。 

 判決を受けた当日の記者会見で「建設断念を求める意思は不変」と強調したデニー知事に対し、県内外からも多数の激励が寄せられている。これまで新基地建設反対運動を担ってきた市民団体からは、「再度の不承認」「再度の(埋立承認)撤回」を知事に求める声が強く、行政学者らもそれは充分可能だとする。一方で、行政内部では「承認」への圧力も強まっていると聞く。知事が判断を引き延ばせば、国は代執行して承認することができる。

 正念場に差し掛かる中、知事は9月中旬、国連人権理事会に出席し、発言する予定だ。2015年、当時の翁長雄志知事は同理事会で「(沖縄の人々の)人権や自己決定権がないがしろにされている」と訴えた。その頃より状況はさらにひどくなっている。デニー知事には国際舞台で堂々と、ウチナーンチュの人権・権利・自己決定権を訴えて欲しいと願う。
      JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年9月25日号
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2023年07月31日

【支部リポート】福岡 盛況だった「標的」上映会 市は「名義後援」取り消し=白垣詔男

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西嶋真司(右)さんと植村隆(左)さん

 福岡支部が企画した、映画「標的」の上映会が6月24日(土)、福岡市内で開かれた。
 一昨年のJCJ賞・映画「標的」(福岡支部推薦)は、その後、日本各地で上映され好評。「標的」は同年秋、韓国・釜山国際映画祭の招待作品となった後、同映画祭の「安鍾泌(アン・ジョンピル)自由言論賞」に選ばれたほか、昨年の福岡インディペンデント映画祭で「最優秀ドキュメンタリー映画賞」も獲得するなど高い評価を得ている。

 監督の西嶋真司さんはJCJ福岡支部幹事でもあり、4月の支部幹事会で、支部が主導して上映会を実現することを決めた。そこで支部では、福岡市に本社がある映画配給会社「九州シネマ・アルチ」に働きかけた。同社代表と支部会員の数人が知己で、話がとんとん拍子で進んだ。
 「標的」は福岡市内の会場で、午前、午後の2回、上映が実現した。上映会には西嶋監督と、東京から「主演」の植村隆さんも駆けつけ、2回上映の合間に、二人の対談もあった。

 ところで、上映会は当初、福岡市が名義後援していたが、6月2日になって福岡市は名義後援を取り消すと九州シネマ・アルチに連絡してきた。福岡市は「『安倍政治』との闘いがはじまる」と書かれた「標的」上映会のチラシを見たという市民から「市として後援するのは不適切ではないか」との匿名電話が市にあったことを理由に「名義後援」の是非を再協議した結果、「内容が政治的な立場など特定の主義主張に立脚しており、行政の中立性を損なうおそれがある」と判断して取り消したという。
 その後、この件が西日本、毎日の2紙で報じられ、福岡市への関係者の怒りを買った。その影響もあり、上映会には200人以上の観客が集まり盛況だった。

 西嶋、植村両氏の対談でも、福岡市の名義後援取り消しに言及。「マスコミを抑え込もうとしている安倍政権以来の政権に忖度したと考えられる福岡市の姿勢は民主主義に反する。この映画の内容でもある、捏造記者と言われ名誉を傷つけられたとして起こした裁判に敗訴させた裁判所の姿勢も含めて批判を展開した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年7月25日号
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2023年07月30日

【沖縄リポート】辺野古浜テント 7000日で集会=浦島悦子

                   
2023.6.18 辺野古浜テント前。座り込み7000日集会に250人。.jpg
             
 6月18日、辺野古浜テントが座り込み7000日を迎え、潮の引いた干潟を前に集会が行われた。
 2004年4月19日、辺野古新基地建設(当時の計画はリーフ上埋立案。2006年以降、現在の沿岸埋立案となった)に向けた海底ボーリング調査を阻止するため、辺野古漁港隣にテントを張り、座り込みと海上行動が開始された。以来、約19年2か月、ヘリ基地反対協議会(名護市内の市民団体・労働団体によって構成)がテントを維持してきた。

 浜テントは、リーフ上案に対する現場行動の最前線(一時は、夜中も海上作業が強行されたため24時間の泊まり込みの場ともなった)という当初の役割から、新基地の計画変更に伴い、辺野古を訪れる人々への情報提供、地元住民との交流の場、陸と海との現場をつなぐ「本部」的役割を果たしてきた。
  浜テントはまた、1997年1月に結成された辺野古の基地反対住民団体・命を守る会の8年間にわたるたたかいを引き継ぐものでもあった。新基地反対運動が辺野古現地から名護市全体へ、そして全県へと広がっていったことを表すように、7000日集会には全県から約250人が参加し、音楽や報告、意見表明を聞きながら、20年余のたたかいを振り返り決意を新たにした。司会を務めたヘリ基地反対協の東恩納琢磨共同代表は、「座り込み8000日は、新基地を断念させた勝利の集会にしよう!」と呼び掛けた。

 浜テントから見える辺野古側埋立区域(浅海域)の進捗率は、防衛省の発表によると今年4月末現在で約94%だが、事業全体では約15%にすぎない。四半世紀掛けて15%‼ しかも深場の大浦湾側埋立予定区域は軟弱地盤のため玉城デニー知事が設計変更を不承認とし、埋立ての目途は立っていない。にもかかわらず、工事を途切れさせないため防衛省は、辺野古側埋立てが完了したら、そこを大浦湾側埋立土砂の仮置き場として使うと発表。既に工事の発注も行った。
 世界に誇る多様性の海を、やりたい放題の無法地帯にしてはならない‼
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年7月25日号
 

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2023年07月05日

【沖縄リポート】ミサイル反対、うるま市に結集=浦島悦子

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 台風一過の雲一つない青空が広がる6月4日(日)、うるま市勝連半島の先端部に近い陸上自衛隊勝連分屯地前で、「ミサイル配備を断念せよ! うるま市民集会」が開催された=写真=。主催した「ミサイル配備から命を守るうるま市民の会」の照屋寛之共同代表は、「我々は政府には恵まれないが、天気には恵まれている」と切り出し、ミサイル配備に関する住民説明会の開催要請に「危険性はない」として応じない沖縄防衛局を批判。「開催しないことが逆に危険性を示している。絶対に阻止しよう!」と訴えた。

 岸田政権が打ち出した「反撃(敵基地攻撃)能力」の最前線基地として琉球諸島の軍事要塞化が急ピッチで進む中、奄美大島、沖縄島、宮古島、石垣島に地対艦ミサイル部隊、与那国島に地対空ミサイルが配備され、それらのミサイル部隊を統括・指揮する連隊本部が勝連分屯地に創設されようとしている。

 連隊本部には、ミサイル発射機搭載車、弾薬運搬車、射撃搭載装置、捜索・標定レーダー装置、レーダー中継装置などの重要装備、さらにミサイル弾を保管する弾薬庫が設営・改修予定。既に何らかの工事が始まっている様子が外からも見える。勝連分屯地の周辺には与勝高校及び3つの中学校、4つの小学校をはじめ幼稚園・保育園も多数存在している。うるま市民の会ではこれまで、毎週金曜日の市内スタンディングで市民にミサイル配備の危険性や反対を訴えてきた。勝連分屯地前での集会は2回目。前回は、うるま市民への呼びかけだったが、今回は全県に呼びかけ、地元・勝連地域はもちろん沖縄島各地から340人が参加。危機感と、阻止に向けたうるま市民の熱気を共有した。与那国・宮古・石垣からも連帯メッセージが寄せられた。

 仮に「台湾有事」が勃発すれば連隊本部が真っ先に標的にされるだろう。「自衛隊の弾薬庫等建設に反対する沖縄市民の会」共同代表で元自衛官の島袋恵祐県議は、「ここにいる自衛隊員の命を守るためにも阻止しなければ」と声を強めた。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年6月25日号

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2023年06月23日

【南西諸島視察・報告】「有事」は仮定の話 沖縄から市民の声を上げる 我部政明さんにインタビュー=聞き手・黒島美奈子

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 いわゆる「台湾有事」は現在、沖縄県内にさまざまな波紋を呼んでいる。地元紙は連載や企画を相次いで展開。市民による平和集会が繰り返し開催されているほか、県内経済界は有事を想定した独自の調査研究チームを発足させた。一方、有事とはどういう状態を指すのか。どんな過程をたどり有事となるのか。実態はあいまいだ。沖縄から見える有事について国際政治学者の我部政明さん(琉球大名誉教授)=写真=に聞いた。   

 ―今年初め、主宰する沖縄対外問題研究会(対外研)から台湾有事に関する声明を発表した。
 「主眼は復帰50年の節目に立ち、今後の沖縄の対外関係の目指す方向を示す提言だ。その議論の中で出てきたのが前年12月の台湾有事に関する安倍発言だった。それを契機として沖縄や日本で鳴り響く『台湾有事』論議を批判することから、東アジアの平和と安定は生まれると判断した」
 ―対外研はこれまでも節目に主張(声明)してきた。
 「活動を始めたのは1999年5月。沖縄の対外関係について相互批評し、時代の変化に合わせ沖縄の声を発信することが目的だ。2001年に誕生したブッシュ米政権が初期の『アーミテージ報告』に基づいて在日米軍基地強化を唱えたことに問題提起し、2005年から2006年にかけての米軍再編報告についても主張を発表した」

 ―沖縄から発信する理由は?
 「沖縄は当事者だからだ。当事者を抜きにした話し合いについて発言することは不可欠で、今回の台湾有事に関する提言もその一環だ。台湾は、大国の狭間で存在しなければならない沖縄と類似的な存在であり、そうした台湾と沖縄にとって自己決定の保障は重要だ」
 ―昨年は「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」の発足につらなった。
 「市民が声を上げるための機会として発足した。台湾有事には沖縄や日本、台湾、中国、米国という国や地域が関わる。対話するには、まず互いを知らなければならないだろう」

 ―市民の関心は高い。
 「緊張が高まっていることが背景にあるだろうが、危険な兆候でもある。なぜなら緊張が高まると人はやがて自分のことしか考えなくなる。国民保護計画が注目を浴びている現状がまさにそれだ。不安だから自分たちの安心安全に傾倒する。そこで止まればいいが不安は不安を呼ぶ。いずれ自分を守るため戦争は『やむなし』となり、自覚のないまま戦争は『不可避』になってしまう」
  「避難計画の必要性は分からなくもないが、それより先にやるべきことがあるのではないか。台湾危機によって沖縄が戦場となるのはなぜか。答えを自ら探ることが、意図せず私たちがつくり出す非常事態への道から脱することにつながると考える」
 「避難の困難さはウクライナをみても分かる。国境を越えて避難した人がいる一方、大部分が国にとどまっている。沖縄戦でも大勢の県民が疎開しなかった。とどまる合理的な理由があるはずで、それを知りもせずに私たちは避難計画を空想していないだろうか」

 ―有事の不安が募る一方、戦争のリアルが見えていないと。
 「繰り返すが安全保障上の緊張がないわけではない。けれど有事という危機が指摘されるのは、いずれも仮定形だ。中国が武力侵攻を『したら』から始まる仮定が恐怖を煽っている」
 ―戦争への道を私たち自身がつくり出しているとすれば、今どうすべきか。
 「考えることだ。おそらく考えるほど、戦争に出口はないと気づき、戦争をはじめるべきではないとなる。有事の正体は曖昧模糊としていることに気づくはずだ」
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年5月25日号

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2023年06月22日

【南西諸島視察・報告】「分断」に苦悩の地元 保守優位政治と利害絡む=米倉外昭

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 今回の宮古島、石垣島訪問で、自衛隊基地建設・増強に反対する市民運動をしている人たちに実際に起きていることを教えていただくとともに、戦争の準備が進むことに対して市議会議員や地元メディア関係者(宮古、八重山には、それぞれの地域をエリアとする「地域紙」と呼ばれる日刊新聞が2紙ずつある)からも話を聞いた。住民の危機感や「本音」を聞きたいと思ったからだ。
 それぞれの新聞は、人口5,6万人の地域で賛否が対立する問題に対して論調を明確にすることは簡単ではない。しかし、反対運動の動きも丁寧に報じており、地域紙の責任を果たそうとしている。
 地域分断と報道の難しさの背景にはいくつもの事情がある。第1に、基地建設やミサイル配備、安保関連3文書の閣議決定など、事態の進展が早すぎて、住民がじっくり考えたり議論したりできていない。また、不安はあるが、まさか本当に戦争にはならないだろうという正常性バイアスが働いている。

 背景には長年にわたる地域の状況がある。尖閣問題の地元として中国脅威論または中国への不安は根強い。これも働いて政治的に保守が優勢で、保守系市長が4選しており議会も保守系が多数だ。さらに、離島としてさまざまな政策支援を受けており、政府が決定すれば従わざるを得ないという雰囲気が強い。
 自衛隊と米軍の違いもある。沖縄本島が米軍の訓練や事件事故の被害にさらされているに比べ、自衛隊に親近感がある。災害時などの自衛隊の救難活動が期待できるという意見もある(日常の急患搬送は、宮古では自衛隊、八重山では海保が担ってきた)。また、自衛隊関係者が地域に増えれば批判しにくくなるだろうという地元紙記者の声があった。

 経済的事情も無視できない。基地建設、住宅建設の工事関係のほか、隊員の家族らが増えることで経済効果がある。住民避難のためのシェルター建設さえも、新たな公共工事として期待する業者がいるという。

 しかし、今の流れでは、米国の出方次第で、あるいは偶発的な出来事によっても、戦争は起きてしまう。住民避難も、住民を保護できるだけのシェルター建設も非現実的すぎる。さらに戦場が南西諸島にとどまる保証はなく、日本全体、さらに米国を全面核戦争にエスカレートする可能性も否定できない。戦争を起こさないためにどうすべきか、という立場に立った報道、論説が、地元以外のジャーナリズムにこそ求められているのではないだろうか。   
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年5月25日号
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2023年06月04日

【沖縄リポート】運命共同体の台湾共同声明を=浦島悦子

                         
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 4月29日、琉球新報ホール(那覇市)で「第二回沖縄・台湾対話シンポジウム」=写真=が開催された。主催したのは「『台湾有事』を起こさせない・沖縄対話プロジェクト」。
  同プロジェクトは、「中国の台湾侵攻」を前提とした琉球諸島の軍事要塞化が急速に進む中、もし戦争になれば戦場となり、壊滅的な被害を被る沖縄・台湾双方の市民が対話を重ね、絶対に「台湾有事」「沖縄有事」を起こさせないという声を、政治的立場や意見の違いを超えて一つにしていこうと企画された。
 年内に3回のシンポジウム及び総括集会、また、その期間中に沖縄・台湾で様々な自主企画を行い、意見の違いは残しつつ共通のメッセージを発するのを目的としている。

  第一回シンポ(2月12日、沖縄タイムスホール)では、台湾から(民進党)政府系シンクタンクの研究員、民進党に批判的立場の大学教授が登壇したが、第二回の台湾側登壇者は、1回目よりも市民レベルに近いジャーナリストや社会運動家の3人。  
 二回のシンポを通じて、いかに私たちが隣り合う台湾のことを知らないかを痛感させられた。私たちが反対している自衛隊配備について台湾民衆は歓迎しているというのはいささかショックだったし、一方で李鎮邦さん(釣魚台教育基金会)によると「台湾漁民にとって中国は敵ではなく、海上の安全を保障してくれる存在」だという。

 張鈞凱さん(『香港01』駐台湾主席記者)は「台湾では現状維持への支持が多い。(中国・台湾の)内戦をどう解決するか民間から声を上げていく」。張智gさん(『黒体文化』編集者)は「台湾の人はもっと沖縄戦や沖縄の基地のことを学び、当事者として考える必要がある。そのための民間交流を深めたい」と語った。
 沖縄側からは「石垣市住民投票を求める会」の宮良麻奈美さんが、台湾からの移民も多い石垣島住民の苦悩を語り、成蹊大学アジア太平洋研究センター主任研究員の小松寛さんは「台湾と沖縄は潜在的戦場であり運命共同体。当事者同士として戦争を回避する共同声明を!」と提案した。

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2023年05月24日

【沖縄ジャンプナイト現地調査】石垣島編 軍は人も守らない 戦争マラリアの証言=川田マリ子

 マラリアに罹患した人の話を初めて聞いた。
 山里節子さん、家族8人のうち弟以外全員が罹患し、母と祖父を亡くした。
彼女は3日間熱を出し数日は落ち着くがまた3日間40度の熱にうなされるという繰り返し。1、2ケ月たつと髪の毛が抜けてケロイド状になる。脾臓が腫れて妊娠したように腹がふくれる。症状は人によるらしいが彼女の場合、踵がジンジンと痛く冷たくなり、それがだんだん身体の上のほうにあがっていき骨の髄まで寒くなる。どれだけ寝具を重ねてもダメ。軍部に薬はあったけど、使えたのは上官だけだったと後で聞いた。
 そんなマラリアの蔓延する山の中に軍は住民を強制移動させた。
山里さんの妹は生後4ケ月で栄養失調で壕の中で死んだが、その壕は軍が住民を動員して掘らせたもの。戦争に勝つようにと勝代と命名された妹は死ぬために生まれたようなものだと淡々と話される。

 そもそも軍が守るという「国」とは本来国民であり、国民の暮らしではないのか。
 会議室で誰かが戦争を街に招き入れ、そこに住む人々がその犠牲になる。
 山里さんが抱く国に対する不信感はこうした体験によるもので、守らなければならない住民をこのように扱った憤りが抑えられないという彼女は、いま自分の島が自衛隊基地によって無残な姿にされるのを阻止することに力をそそいでいる。
 山里さんが死なないで本当によかった。しかし、いままた彼女の平穏な暮らしを守れないことに私たちも心が痛い。
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年4月25日号

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2023年05月23日

【沖縄ジャンプナイト現地調査】新安保政策が直撃!!石垣島編 平和の島、軍事要塞化 住民保護や環境なおざり=菊地正志

(1)_石垣島のミサイル基地(建設工事中)=拡大.jpg
    緑豊かな山麓に白く浮かび上がる陸自石垣駐屯地=1月28日、菊地正志撮影

石垣島は亜熱帯の自然と都市が調和した日本有数のリゾート地。戦後70年以上にわたり軍事基地がなかった。そんな平和の島にミサイル基地が開設された(3月16日)。「島を戦場にするな」。軍事要塞化に抗する市民たちは今も声を上げ続けている。
 石垣島を訪れたのは1月末。ミサイル基地となる陸上自衛隊石垣島駐屯地は年度内の開設に向け、急ピッチで工事が進められていた。
軍事基地をつくらせない市民連絡会(市民連絡会)事務局、藤井幸子さん(75)の案内でバンナ公園の展望台に立った。
「於茂登岳のふもとにあるのがミサイル基地。右端が弾薬庫です」と藤井さん。約60bの高台で元ゴルフ場と市有地。クレーンが林立し、むき出しの白っぽい土砂が目に飛び込んできた。周辺に広がる緑豊かな森や畑とはまったく違う。異様な光景だ。

貴重な水源地
 基地周辺は、水道水の20%を賄う地下水や農業用水の貴重な水源地。大規模で特殊な軍事基地では、化学物質などによる水の汚染や工事による水の流れへの影響が懸念されている。
「地下水への影響を調べてほしい」。市民や専門家の意見に対し防衛省は「排水は浄化槽で適正に処理するから問題ない」と繰り返し、真摯に耳を傾けてこなかった。
「地下水は一度汚染されたら回復はほぼ不可能になる」と藤井さん。環境アセスメントも、県の条件をすり抜けるような形で工事が進められた。
さらに周辺は国指定天然記念物で絶滅危惧種、カンムリワシの優良な生息域でもある。
(4)駐屯地開設記念式典抗議の現地集会=4月2日、市民連絡会提供.Jsrc=

住民投票を拒否
 「非武装の島」にミサイル配備計画が浮上したのが2015年5月。その直後から配備反対の市民運動が起きた。
建設地周辺の4自治組織(嵩田=たけだ=、開南、於茂登=おもと=、川原の各公民館)は配備反対決議を上げたが、防衛省や市はその声を無視し工事を強行した。
有権者の4割が求めた住民投票も実施されていない。「(配備に反対でも賛成でも)住民同士に分断を生まないように、『ちょっと立ち止まって考えよう』が出発点だったのに…」。住民投票を求める会(求める会)の設立メンバー、宮良麻奈美さん(30)は悔しがる。
宮良さんら求める会の若者は二つの裁判の原告(一つは敗訴)となり、今も住民投票の実施を求め続けている。

ミサイルの標的
 石垣島に配備されたミサイルは地対艦と地対空の2種類。12式地対艦ミサイルは、現在の射程200`bを千`b超に改良する計画。安保3文書では「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換え、防衛費を今後5年間で43兆円に増やす大軍拡も進んでいる。
長射程ミサイルの配備は未定だが、石垣市議会は昨年12月、「他国を直接攻撃することが可能となり、近隣諸外国を必要以上に刺激する」とする意見書を賛成多数で可決した。
ミサイル基地容認派の中にも「長射程ミサイルを配備すれば、島が標的になる恐れがある」と不安の声が広がっている。

 石垣市国民保護計画(13年3月策定、19年12月改定)によると、「ミサイル攻撃や着上陸侵攻など壊滅的な事態に6万5300人が島外に避難する」とある。民間航空機だけを使用した場合、全市民が避難するまでに10日間かかる想定だ。
同市の担当者は「市民の安全を担保できる計画を考えるが、実際に島外避難が可能かどうか分かりづらい。ハードルが高くて物理的に厳しい」と不安を口にした。
市民連絡会は4月2日、「万一に備える住民保護・避難の態勢もないままに(基地開設を)強行することに、強く抗議する」という抗議文を防衛省に提出した。
(2)_オバーたちの会・スタンディング.jpg
いのちと暮しを守るオバーたちのスタンディング=1月29日

「闘い続ける」
 南西諸島で進む軍事要塞化に、沖縄戦の体験世代は「戦争の足音が近づいてきた」と危機感を募らせている。
「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」の会長、山里節子さん(85)もその一人。55年5月から1年半、米国の地質調査に加わったことで「軍事利用に荷担した」と償いの思いがあるからだ。
毎週日曜日、仲間のオバーたちと島内各地でスタンディングを続けている山里さん。
「自衛隊が存在する限り、生きている限り闘い続けます。オバーは神出鬼没ですよ」。ユーモアたっぷりに語る節ちゃんオバーの優しく、柔和な笑顔が忘れられない。
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年4月25日号
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2023年05月15日

【沖縄リポート】「言葉狩り」する司法を許せない=浦島悦子

 耳を疑った。弁護団からも「前代未聞だ!」との声が上がった。
 私たち辺野古・大浦湾沿岸住民ら20人が、玉城デニー知事の(辺野古埋め立てに関する)設計変更不承認を取り消した国土交通大臣の裁決は違法だと、その取り消しを求める抗告訴訟の第3回口頭弁論が那覇地裁で開かれる(3月23日)、その前日のことだ。原告意見陳述を予定していた私の陳述内容について、裁判所から、「穏当でない」表現があるので、書き換えなければ陳述を許可できないと、担当弁護士に連絡があったという。

 私は今回、辺野古新基地建設問題について、生物多様性の観点から陳述を行った。人間活動による地球環境=生物多様性の劣化がこれ以上進めば人類の生存そのものが危うくなるという危機感を共有した世界の国々が結んだ生物多様性条約を、日本政府も批准している。率先して生物多様性を保全する義務を負う政府が、それと真逆に、世界の中でも稀有の生物多様性を残す「奇跡の海」=辺野古・大浦湾を、国民の血税を使って自ら破壊していることを、私は「国家犯罪」だと指摘した。
 そして、国のこの行為が合法か否かを吟味することなく「原告適格なし」と判断するなら、裁判所も後世の人々から破壊の片棒を担いだと「断罪」されるだろうと書いた。
 書き換えを要請された文言は、これら「罪」という文字の入った4か所だった。「修正」を拒否して意見陳述しない選択もあったが、弁護団と相談のうえ、私は「極めて不本意だが」と前置きして陳述を行い、弁護団は厳しく抗議した。福渡裕貴裁判長は「訴訟指揮の範囲」だと居直った。

 同裁判長は、埋め立て承認撤回を巡る住民の抗告訴訟で昨年、「原告適格なし」として却下した(現在控訴中)前歴がある。
 原告・被告の率直な言い分を聞いて判断する中立の立場を投げ捨て、行政権力に忖度し、「言論・表現の自由」に反する検閲や「言葉狩り」を行う司法を許すわけにはいかない。原告・弁護団は今後の対応を検討中だ。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年4月25日号
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2023年04月12日

【沖縄リポート】70団体参加 那覇市街地で声上げる=浦島悦子

                         
沖縄リポート.jpg
         

「島々を戦場にするな!沖縄を平和発信の場に!」緊急集会とデモが2月26日(日)午後、開催された。「台湾有事」を口実に、急激に進む琉球弧のミサイル基地化・軍事要塞化=「第二の沖縄戦」に危機感を募らせる県内の市民団体や個人が昨年末から議論を積み重ね、開催に漕ぎつけた。
議論の中で、シニア世代の運動スタイルに対する若者世代の違和感や、今まさに自衛隊基地が作られつつある与那国・宮古・石垣の島々(会議にはオンライン参加)と沖縄島との危機意識の落差などが率直に話し合われ、共同作業ができたことは大きな成果だ。会合を重ねるごとに参加団体も増え、70団体を超えた。

会場となった県庁前県民広場は、主催者目標の1000人を大きく上回る老若・親子連れを含む1600人の参加者で埋まり、右翼の街宣車の妨害をものともせず、ミニライブや各島々・地域からのトークが展開された。集会実行委員長を務めたガマフヤーの具志堅隆松さんは「ものが言えなくなると戦争になるのは経験済みだ。今はまだものが言える。声を上げていこう!」と呼び掛けた。
「私たち沖縄県民は平和を愛する民です」から始まる集会宣言文は、政府に対して二度と戦争を引き起こさないことを求めるとともに、全国の自治体に対し、中国との平和交流の強化を求めた。コロナ禍以来、久方ぶりのデモ行進が那覇の市街地を練り歩いた=写真=。
今後は、さらに大規模な集会、そして、戦争をさせない全県組織の結成を目指す。しかしながら一方で、それが間に合わないと感じるほど戦争への動きは待ったなしだ。

与那国・宮古に続き陸上自衛隊の駐屯地建設が進む石垣島では、16日の開設に向け5日午前、市民の猛抗議の中、ミサイルを含む車両150台が搬入された。
沖縄島でも、うるま市の自衛隊分屯地へのミサイル配備、沖縄市の自衛隊弾薬庫建設、そして米軍辺野古弾薬庫の増設&新ゲート建設工事と目白押し。住民を巻き込んだ「持久戦」の準備が着々と進むのが恐ろしい。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年3月25日号
 


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2023年04月01日

【沖縄ジャンプナイト現地調査】 国民見捨て「米の盾」ミサイル要塞化の現場を歩く 諦めない決意、地元と共に メンバーら宮古・石垣に飛ぶ=川田マリ子

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 JCJ会員有志の独自の勉強会 沖縄ジャンプナイト(OJN)は南西諸島で進むミサイル基地化の現状を見ようと1月25日から29日まで、宮古・石垣両島へ飛んだ。総勢7人、10年振りの寒波の中、降り立った宮古島はダウンを着ても寒かった。
 「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さんの案内で、島の数か所に広がる空自・陸自・海保の基地やレーダー施設、軍事衛星施設、戦跡などを見てまわり、夕方大型スーパー前でのスタンディングに参加。会のメンバーたちが道行く人に訴える。我々メンバーもマイクを持った。
翌朝は陸自基地前でのスタンディング=写真=に参加した後、建設中のミサイル弾薬庫、射撃訓練場などの現場を見て回る。夜は連絡会の皆さんが是非我々と話をしたいとのことで、それぞれの立場の活動や意見を聞いた。

  一方、反対活動をしている方々は高齢者が多いなかで、子供を抱えて働きながら新しい闘いを模索している母親たちの話も聞いた。
 また、宮古毎日記者や沖縄タイムス宮古支局長から地元メディアの「苦悩」を含め、意見交換したほか、宮古島市議から市議会の動静も含めての現状を聞いた。
 宮古はハンセン病でも辛い歴史があり、国立療養所「宮古南静園」を訪れ、退所して人権・平和ボランティアをしている方とも交流した。
 石垣では、「石垣島に軍事基地をつくらせない市民連絡会」の藤井幸子さんの案内で建設中の基地を高台から、そして隣のパイン畑を歩いて工事の状況を垣間見た。正面口ではひっきりなしに大型工事車両が出入りしていた。

 「いのちと暮らしを守るオバーたちの会」山里節子さんは80代半ば。若い時に助手として参加した、米軍による石垣島の地質調査が、現在の状況に深く関わっていたのではという思いから、持病を抱えながらも取材を受けたり、スタンディングなどの活動を行っている。絶対にあきらめない決意がみてとれる。
  石垣市の出版社「南山舎」代表の計らいで石垣市議、「石垣市住民投票を求める会」の方、平和ボランティアを育てる活動をしている方など若い方々と交流したことは貴重だった。

 最後に『八重山の戦争』著者の大田静男さんのお話を伺い、4泊5日の行程を終えた。
両島とも用地の買収には不透明で理不尽な経緯がある。環境の変化がすでに住民の生活に現れており、今後危惧される問題も多く指摘された。信仰深い島の御嶽(うたき)がないがしろにされていることも見過ごせない。
  渡辺白泉が詠んだ「戦争が廊下の奥に立ってゐた」の句のように、この島々では戦争がすぐ目の前にあるように感じた。
 だが両島とも島中が恐怖に怯え、怒りに燃えているかと言えばそうではない。「米軍基地」ではなく「自衛隊基地」であるところに問題の難しさがあると思われる。詳細は次号以降にて。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年2月25日号

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2023年03月03日

【沖縄リポート】有事起こさせぬ民間外交を=浦島悦子

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  2月1〜7日、沖縄平和紀行韓国参加団(女性6名、男性5名)が来沖した。参加団を構成するのは、韓国・群山で駐韓米軍の問題に取り組む「ピョンファパラム(平和の風)」と地域メディアプロジェクト「ナルリポプソク(日本語で「喧々諤々」)」。米軍基地問題を共有し、長年、韓国市民との交流を続けている「沖韓民衆連帯」が受け皿となり、沖縄のさまざまな現場で市民・住民との交流を深めた(=写真=)。

 ナルリポプソクは、映像やメディアを通じて、群山はじめ駐韓米軍の問題を発信している韓国各地の若者たちで構成されている。今回、海外の事例についても学び、交流とともに撮影やインタビューを行いたいと、沖縄戦の戦跡や伊江島、辺野古や普天間、浦添、嘉手納、読谷、PFOS等の環境問題、うるま市や石垣島のミサイル基地の現場などを廻った。
 4日には、オール沖縄会議主催の辺野古ゲート前県民集会(毎月第1土曜日開催)にも全員で参加・登壇し、韓国から持参した「沖縄から米軍は去れ!」と書かれた横断幕を沖縄に贈呈。630人余の集会参加者の熱い拍手を浴びた。
 私事だが、集会の後、私も彼らから、かなり長時間のインタビューを受けた。通訳を通じてのもどかしさはありつつも、若者たちの真摯な問いかけ、向きあい方に感動を覚えた。

 沖縄も含め日本の学校教育の中で、日中・日韓関係、朝鮮戦争など東アジアを含む戦後史がほとんど教えられないまま、「中国の脅威」「北朝鮮の脅威」が喧伝され、国民の「嫌中」「嫌韓」を増幅しつつ戦争への準備が急激に進んでいる。日本政府が米国の要求のままに軍備だけを増強し、外交を放棄している中で、小さくはあっても、このような「民間外交」の積み重ねが、いま極めて重要だと思う。
 12日に那覇市で開催される「第一回沖縄・台湾対話シンポジウム」もその一つだ。台湾と沖縄の人々が顔を合わせ、「『台湾有事』を起こさせないために何ができるか」を対話する。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年2月25日号

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2023年02月06日

【沖縄リポート】建設断念求める署名活動に協力を=浦島悦子

 およそ「めでたい」とは程遠い2023年の新年を迎えた。昨年12月16日、安保3文書が閣議決定された。専守防衛から敵基地攻撃へと戦後日本の進路の大転換が、国民の信を問うことも国会論議さえなく、閣議決定だけでいとも簡単に決まってしまう恐ろしさに身がすくむ。それに対する国民の広範な議論も起こらないまま、その犠牲を真っ先に強いられるのは沖縄を含む琉球の島々だ。今年はどんな年になるのだろうと、暗澹たる思いをぬぐえない。

 法を無視した閣議決定の積み重ねで強行されてきた辺野古新基地建設は、1997年12月21日に行われた名護市民投票で「新基地NO‼」の市民意思が示されてから25年が過ぎた。そして2013年1月、県内全41市町村長・議会議長が署名捺印した「建白書」(オスプレイの配備撤回、普天間飛行場の閉鎖・撤去、県内移設断念を求めた)を首相と手交してから間もなく10年となる。「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は、10年経っても県民の総意が踏みにじられたままである現状を訴え、国会論議を実現させるために、建設断念を求める国会請願署名運動を開始した。
稲嶺進さん。.jpg

 1月7日、辺野古の座り込みテント前で署名実行委員会の結成集会が行われ、約650人の県民が参加した。実行委員長には稲嶺進・前名護市長が就任(=写真=)。3月半ばまでに県内外、オンラインも含め34万筆(昨年の県知事選での玉城デニー知事の得票数)をめざす。
 当日採択されたアピール文の冒頭には、復帰前年の1971 年11 月、当時の屋良朝苗主席が国会へ携えた「建議書」の中の一文が引用されている。「沖縄は、余りにも国家権力や基地権力の犠牲となり手段となり利用され過ぎてきました。復帰という歴史の一大転換期にあたって、このような地位からも沖縄は脱却していかなければなりません」
 この「建議書」を踏みにじった「沖縄返還協定」。そして「建白書」を踏みにじった新基地建設強行から「再びの沖縄戦」へ。この悪い流れを止めるため請願署名に是非ご協力下さい。(署名用紙はオール沖縄会議HPからダウンロードできます。)
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2023年1月25日号
 


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2023年01月04日

【沖縄リポート】司法と行政の茶番劇だ=浦島悦子

                        
裁判所前.JPG
  
 司法はここまで落ちぶれてしまったのか‼ 
 沖縄県による「辺野古埋立承認撤回」を取り消した国土交通大臣の裁決は違法だと、県が裁決の取り消しを求めた抗告訴訟で12月8日、最高裁は県の上告を棄却。一度の弁論も行わないまま、「裁判の対象ではない」「県に原告の資格はない」とした一審・二審の判決が確定した。私人(国民)の権利救済のための行政不服審査法を国(行政権力)が使った裁決が、適法かどうかという中身の判断を避けた。

 松野官房長官は「沖縄県の訴えを不適法とする国の主張が認められた」と語ったが、司法と行政権力が結託した茶番劇、「国の言うことに従え」という脅し以外の何物でもない。
 辺野古新基地建設を巡って沖縄県がこれまでに提訴した訴訟はことごとく、県の敗訴に終わっている。訴えの中身には一切触れず門前払いする司法の在り方は、三権分立をかなぐり捨て、地方自治を踏みにじり、社会正義を実現する「最後の砦」としての役割を放棄した「自殺行為」だ。
 私たち新基地予定地周辺に住む住民も、県の抗告訴訟と同様の訴訟を起こしたが、これも今年4月、那覇地裁で原告適格なしとして棄却され、現在、高裁に控訴中だ。

 また、埋立予定地の大浦湾側で見つかった軟弱地盤改良工事のための設計変更申請に対する玉城デニー知事の「不承認」についても、国交大臣は同じ「手口」で取り消しの裁決を行った。これに対して沖縄県が提起した3件の訴訟の2件について1日、福岡高裁那覇支部で口頭弁論が開かれ(写真)、玉城デニー知事が意見陳述した。知事は、「これは沖縄の問題ではなく、わが国の地方自治体の自治権を守るたたかいだ」と強調した。

 私たち住民も、知事の不承認を支持する新たな抗告訴訟(原告20人)を提起した。県(行政)よりも、基地の被害を直接受ける住民の方が原告適格を認められやすい。「原告適格」の関門を突破すれば、国の違法性を問う中身の審理に入れる。その可能性を探りつつ、同時に司法をただす気概を持って取り組んでいきたい。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2022年12月25日号
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