2022年01月07日

【沖縄リポート】設計変更「不承認」をめぐる闘い=浦島悦子

                          
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 11月25日、玉城デニー知事は、沖縄防衛局による辺野古新基地建設のための設計変更承認申請(軟弱地盤改良工事等)について「不承認」の判断を下し、同局に通知した。昨年4月、県に提出されてから1年半、私たち県民が一日千秋の思いで待っていた判断だ。
「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は翌26日昼休み、県庁前で、これを支持する緊急集会=写真=12月3日夜には同じく県庁前での集会と国際通りデモ行進(参加500人)を行い、辺野古ゲート前の座り込み抗議行動でも連日、「知事の不承認を支持するぞ‼ 工事を即刻中止せよ‼」のシュプレヒコールが響いた。
 4日には、コロナ禍で休止されていたゲート前県民大行動(毎月第1土曜)が1年2か月ぶりに開催された。デニー知事も駆けつけ、不承認判断の根拠や「新基地を自ら提供しない」決意を述べ、800人の参加者の熱烈な支持を受けた。
 これに対し国=沖縄防衛局は7日、行政不服審査法による審査請求(不承認の取り消し)を国土交通大臣に行った。2018年、沖縄県の埋め立て承認撤回を取り消した時と同じ手口だ。当時、行政の不当な処分に対する国民(私人)の権利救済のための法律を国家権力が悪用・濫用するものだと、全国の行政学者から非難を浴びた手法を、再び使ったのだ。全国知事会も、地方自治を脅かすものだと懸念を示している。
 国の対抗手段は県も県民も織り込み済みで、出来レースを見せられているようなうんざり感があるが、しかし国の「やりたい放題」を許せば「法治国家」は崩壊する。司法の在り方も含め、全国民的課題として取り組む必要があると思う。
 来年1月23日に投開票される名護市長選に向けても自公政権は攻勢を強めている。5日に行われた渡具知武豊現市長の選挙事務所開きには菅義偉前首相や、このほど当選した島尻安伊子衆院議員が駆け付け、また辺野古周辺3区の区長とも面談するなどテコ入れを行った。 
浦島悦子
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年12月25日号
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2021年12月11日

【沖縄リポート】3区で敗北 名護市政取り戻せ=浦島悦子

                             
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今衆議院選は沖縄でも厳しい結果となった。辺野古新基地建設の現場である名護市を含む沖縄3区では、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が支援した立憲民主党の現職・屋良朝博氏が自民党の島尻安伊子氏に約7200票差で敗れ、わが名護市でも約1500票の差を付けられた。
 年明け1月23日に市長選を控える私たちにとって、この差は大きい。国政選挙と地方自治体の選挙は違うとはいえ、この四半世紀、名護市長選は一貫して国対名護市民の闘いだった。
 1997年の市民投票で示された「新基地NO」の民意を押さえつけて基地建設を強行する国の攻撃・圧力をはねのけ、2010年から2期8年、稲嶺進市政は「新基地を造らせない」公約を貫いたが、2018年の市長選で国は総力を挙げて3選を阻み、渡具知武豊現市政を誕生させた。
 今衆議院選の勢いを借りて、国は、今度こそ基地反対の民意の息の根を止めようとしていることが窺える。衆議院選から一夜明けた11月1日、島尻選対名護事務所は早速、渡具知事務所に看板を付け替えた。
 今回の島尻氏の勝利は、比例区・公明党とのセット戦術が功を奏したと言われている。前回市長選でも、公明党・創価学会の組織的動きはすさまじかった。来る市長選ではさらにそれが強まるだろう。名護市民の手に市政を取り戻すために、組織力のない私たち市民がそれにどう立ち向かえるのかが最大の課題だ。
 11月6日、辺野古の浜でオール沖縄会議による第2回ブルーアクション(写真)が行われた。沖縄選出国会議員や県議会議員など少人数の集会をライブ配信し、同時並行で県内各市町村島ぐるみ会議がそれぞれの地で集会やスタンディングを行い、「新基地NO」の意思を広く示そうというもの。大雨のためメイン会場を浜から浜テントに移し、海上チームも参加(写真)。第1回の10月2日(辺野古ゲート前)に続き、県内20数か所(県外でも呼応)で、変わらない民意が示された。
浦島悦子
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年11月25日号
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2021年11月02日

【沖縄リポート】衆院選で工事現場も姑息な動き=浦島悦子

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  10月1日、キャンプ・シュワブ第二ゲート前に抗議の声が響いた。沖縄防衛局が、名護市議会の中止決議も沖縄県の要請も無視して、辺野古新基地建設のための大浦湾埋め立てに必要な美謝川切替工事に強行着手したのだ(写真)。
 隣りの工事用ゲートで搬入車両の監視をしていた人たちも合流して抗議集会が始まった(主催:ヘリ基地反対協議会)。土木技師・北上田毅さんの報告によると、この工事を締結した東亜建設工業(地盤改良工事専門)は羽田空港工事で不正が発覚した企業。当面の工期は2年間だが、それはごく一部で、工事はさらに続くという。「森林法、県の赤土防止条例、名護市条例等に違反する法令上の問題に加え、防衛局の設計変更申請に対する知事の不承認が出たら工事は止まり、無駄な工事になる。こんな中での着工は許されない。現場できちっと監視し止めていこう!」と訴えた。
 他の発言者からは「新政権も、何が何でも工事を強行するという意思表示だ」「辺野古を止めるために政権交代、名護市長戦勝利を!」の声が上がった。
 4日、岸田文雄新内閣が発足したが、顔が変わっても体は同じ。派閥寄せ集め内閣を背後で操る顔も見え隠れし、「辺野古は着実に進める」姿勢は安倍・菅政権と変わらない。
 それでも、31日投開票の衆議院選に向けて、沖縄選挙区では辺野古問題を避けては通れない。新内閣の沖縄担当相に就任した西銘恒三郎氏は5日、記者団から、沖縄戦時の遺骨の混じった南部の土砂を辺野古埋め立てに使う計画について問われ、「常識としてどうなのかと思う」と答えた。彼が立候補する沖縄4区は当の南部を含む。「使う」とはとても言えないだろう。
 辺野古の工事現場の動きも6日以降、作業車両が極端に少なかったり、ゼロの日があったり、工事残土の搬出のみだったり、選挙がらみか?と噂されている。新基地建設が県民に支持されていないことを彼らもよく知っているのだ。
浦島悦子
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年10月25日号 
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2021年10月16日

【沖縄リポート】安部―菅支配が遺した惨憺たる現状=浦島悦子

                         
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 菅総理大臣の突然の辞任表明には驚いたが、同時に当然の自滅だと思った。権力に固執する最後の悪あがきが「墓穴」をより深く掘ったのだろう。
 安倍政権誕生以来、長期間続いてきた安倍―菅強権支配は、日本という国に多大な禍根を残したが、沖縄ではそれがよりいっそう露骨かつ過酷に表れた。それは惨憺たる現状を見れば明らかだ。
 民意も地方自治も一顧だにせず、国が「粛々と」強行する米軍新基地建設工事では、サンゴ移植に、水生生物にも人にも有害な接着剤が使われていることが明らかになった。
 米国におもねり、米軍のやりたい放題を追認したツケはすべて県民に押し付けられている。相次ぐ米軍事故や米兵犯罪に加え、宜野湾市や県の猛反対にもかかわらず米軍が普天間基地から強行放出したPFAS(ピーファス=有機フッ素化合物)汚染水は、半永久的に地域住民の命の水を汚染し、低体重児の出生、免疫力の低下、ガン化などの健康被害が危惧されている。

  9月2日、この暴挙に対し宜野湾市・うるま市の市民らが、米軍司令部(北中城村石平在)前で緊急抗議集会を行った(写真)。コロナ禍の中、平日の午後にもかかわらず150人以上が集まったことは危機感の大きさを物語っている。
 陸上自衛隊がうるま市勝連分屯地にミサイル連隊本部を置くことも報道された。琉球諸島4か所のミサイル部隊を指揮統括するという。米国の対中国戦略の楯として沖縄を差し出そうというのだ。
 国策に従わない民にどんな仕打ちをしてきたかも沖縄ではよく見える。わが名護市は来年1月に市長選を控えているが、前回選挙で、新基地建設に反対する前市長を何としても潰すために、菅官房長官(当時)が自ら采配を振るったことを忘れるわけにいかない。
 私たちが望む政権交代も今衆議院選では厳しいだろう。せめて自民党議席を大幅に減らし、政権の暴走を止めたい。
浦島悦子
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年9月25日号
 
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2021年09月13日

【被爆から76年・長崎】被爆者の思い受け止めず 注目されたのは遅刻だけ=西郷 格

 8月9日の長崎市平和祈念式典で、田上富久市長は、日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める平和宣言を読み上げた。平和宣言で条約への参加を訴えたのは、2017年に条約が国連で採択されてから5年連続だ。さらに、今年は条約が発効し来年3月に締約国会議が開かれることになったため、「オブザーバーとして参加し、条約を育てるための道を探ってください」と、一歩でも前進して欲しいと呼びかけた。
 しかし、式典に出席した菅首相は、挨拶で、核廃絶を抽象的に述べるだけで、核兵器禁止条約には一言も触れなかった。
 式典後、被爆者団体は菅首相に会い、条約への参加を直接訴えた。これに対して、菅首相は、「現実的に核軍縮を前進させる道筋を追求していくことが、より適切だ」と、条約に参加しない立場を繰り返しただけだった。
 また、被爆者団体は、広島で黒い雨を浴びた人たちが勝訴したことを受けて、長崎でも同様に被爆者と認めて欲しいと訴えている被爆体験者も救済するよう訴えた。しかし、この問題でも、菅首相は、「長崎では、訴訟が継続中ですので、まずは、その行方を注視していきたい」と述べただけだった。
 被爆者団体の代表の1人、川野浩一さんは、「もう少し前向きな回答があると考えていた。頭から要望をシャットアウトしていて、被爆地の思いを受け止めようという誠
意がない」と怒った。
 核廃絶も被爆者援護もゼロ回答の結果、注目されたのは菅首相が式典に1分遅刻したことだけになってしまった。
  西郷 格
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年8月25日号
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2021年09月03日

【沖縄リポート】執行停止の手口でサンゴ移植すぐ再開=浦島悦子

                             
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 辺野古の海でまたも、国による暴挙が強行された。海の生態系を支えるサンゴの大量破壊・殺戮が続いている。
 新基地建設工事のためのサンゴ移植を巡る最高裁での敗訴判決(7月6日、前号で報告)に、不本意ながら従わざるを得ないと判断した沖縄県は28日、沖縄防衛局に移植(サンゴ約4万群体)を許可した。但し、サンゴの生存率を高めるため、高温期や台風時期、繁殖期を避けるという条件付きで。
 ところが防衛局は、条件などハナから無視して翌29日から移植作業を開始。県の行政指導にも応じなかったため、玉城デニー知事は30日、許可を撤回。31日から作業は止まった。県の「許可」に忸怩たる思いだった県民は、知事の素早い「撤回」に拍手喝采した。
 しかし、この国ではもはや、真っ当な理屈は通らない。案の定、防衛局は8月2日、撤回の執行停止を農水大臣に申し立て、県は撤回の正当性を主張する意見書を提出した(4日)が、農水大臣は翌5日に執行停止を決定した。3年前、沖縄県による埋め立て承認撤回を、行政不服審査法を悪用して執行停止したのと同じ「手口」だ。

 間髪を置かず翌日から作業再開というのも「あの時」と同様だった。作業が止まったのはわずか1週間足らず。台風接近で波の高まる中、6日から再開された移植作業を監視する(コロナ感染拡大により抗議行動は休止中)海上行動チームの胸は悔しさでいっぱいだ(写真)。
 それにしても国は、何をそんなに焦っているのだろう…? サンゴの移植が保全に役立たないことは、専門家のみならずほぼ常識となっている。たとえうまくいったとしても、最高裁判決で反対意見を述べた裁判官が言ったように「設計変更が不承認になれば移植は無駄になる」のだ。もしかして国は、こんな(真っ当な)裁判官が増えないうちに強行したい? 血税の壮大なる無駄遣いによる自然と水産資源の破壊。こんなバカげたことを許してはならない!
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年8月25日号
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2021年08月06日

【沖縄リポート】土地規制法廃止へ声上げた名護市議会=浦島悦子

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  6月30日夕刻、名護市役所ピロティで「新基地建設のための美謝川付替えを許すな!/重要土地規制法の即時廃止を!」市民集会が行われ、梅雨末期の大雨の中、名護市議会議員・市民ら70人余が参加した(写真)。
 6月議会最終日のこの日、名護市議会は2つの決議・意見書を野党の賛成多数で採決した。一つは、沖縄防衛局が行う美謝川付替え(これをやらないと埋め立てはできない)に名護市との協議は不要として無条件に新基地建設を認める姿勢を示した渡具知市政に対し、美謝川付替え工事の中止を求めるもの、もう一つは、先の国会で強行採決された重要土地規制法の即時廃止と臨時的対応(内閣総理大臣からの情報提供要請への拒否など)を求めるものだ。沖縄への監視を強める土地規制法に対し、新基地問題の地元である名護市議会がいち早く声を上げた意義は大きい。
 集会では、それぞれの決議の提案議員からの報告があり、次期市長選(来年1月)への立候補を表明している岸本洋平市議が「市政を市民の手に取り戻そう」と訴えた。

 辺野古基地問題を巡っては、工事のためのサンゴ移植を許可するよう農林水産省が県に指示したのは違法だと、沖縄県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁は7月6日、県の上告を棄却した。結果だけを見ると県の敗訴だが、裁判官5人のうち2人が「県の判断は違法とは言えない」と反対意見を述べたことは、国家権力の下僕となり下がった司法に絶望しか感じていなかった私たちにとって嬉しい驚きだった。
 反対意見は、「設計変更が不承認になった場合、移植は無駄になる」「移植が環境保全措置に該当しているとは判断できない」等と踏み込み、沖縄県や県民の主張と合致する。これまで私たちは、国を相手の訴訟を何度やっても門前払いされ、無力感とたたかいつつ続けてきたが、それは無駄ではなかった。設計変更申請に対する沖縄県の「不承認」判断が間もなく出る。しっかり支えていきたい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年7月25日号
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2021年07月10日

【沖縄リポート】県民をスパイ視の悪法成立=浦島悦子

                         
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 稀代の悪法「重要土地調査規制法」案が参議院において、強行採決か廃案かの大詰めを迎えている(6月11日現在)。
 辺野古新基地建設工事の強行、「中国の脅威」を振りかざした宮古・八重山での自衛隊基地建設、日米共同訓練の激化等々、軍靴の足音が日々高まる中でこの法案が出てきたとき、「とうとうここまで来たか」と背筋が寒くなった。
  住民の反対を踏み潰して強行されるそれらの動きに対して、住民はなお不屈のたたかいを続けている。政権にとってそんな「目の上のタンコブ」を「一掃」できるのが同法というわけだ。「その他政令で定める」「その他の関係者」「必要がある場合」など、調査や規制の対象は権力者の胸先三寸。住民の相互監視や「密告」が奨励され、罰則もある。
  普天間基地を抱える宜野湾市の市長も務めた伊波洋一参議院議員は、米軍基地に土地を奪われ、基地周辺に居住せざるを得ない住民や「国境離島」の住民など沖縄県民すべてを「スパイ視」する法案だと追及した。

 この法案に反対し廃案を求める声明には全国297団体が賛同し、衆議院・参議院での審議に合わせて院内集会がもたれた。衆議院での院内集会(5月26日)では私も、辺野古現地からリモート発言し、「米軍キャンプ・シュワブの国道を隔てた向かいにある座り込みテント(写真)など、私たちが基地周辺に持っている3つの拠点が法の対象にされるのは明らか。住民を委縮させ、市民的抵抗の拠点を奪うものだ」と訴えた。最近、ゲートには多数の監視カメラが追加新設されている。
  6月4日、鳥類研究者の宮城秋乃さんが県警の家宅捜索を受け、県民に衝撃が走った。米軍北部訓練場の返還跡地に散乱している米軍廃棄物を回収し、基地ゲートに置いたのが威力業務妨害だとして、パソコンやビデオカメラ等が押収され、連日事情聴取された。「審議中の法案の先取り」「監視すべきは住民でなく基地だ」と抗議の声が高まっている。何としても廃案に!    
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年6月25日号
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2021年07月03日

【JCJ沖縄】旭川医科大による記者の私人逮捕と旭川東署による勾留に対する 抗議 声明  

 日本ジャーナリスト会議沖縄 (JCJ 沖縄) は、 旭川医科 大学 による取材中の記者の私人逮捕と、旭川東警察署による 48 時間の勾留について抗議 する 。大学と警察という公共機関による取材妨害と報道の自由の侵害にあた るもので 看過 できない 。 この行き過ぎた行為について大学と警察 へ経緯の 説明と謝罪を求め る 。
 旭川東警察署は 6月22日、旭川医科大 の施設内に正当な理由なく侵入したとして、建造物侵入の疑いで北海道新聞旭川支社の記者 を 現行犯逮捕 し 、その後 48 時間勾留 した 。しかし 同 大学では 同日、吉田晃敏学長の解任を審査する学長選考会議が開かれ ており、 署によると 記者は 「会議の場所を探すために入った」と 説明したとのこと である 。記者が、取材を目的に大学内に入ったことは明白であり、 逮捕にあたる事案でないことは 明らか だろう 。
 旭川医科大による私人逮捕についても大きな疑問が沸く。国立大学法人である同大は公共の施設であり、取材記者の通行も当然認められるべきものである。同大では昨年12月以降、報道各社の取材で、吉田晃敏学長による数々の不祥事が発覚した。そうした中の学長選考会議の開催直前に、新型コロナウイルス感染対策を理由に記者の大学内の通行を制限したことをもって「不法侵入」と主張することは、あまりにも道理が通らない。今回の事案は、大学側が「取材拒否をした」のであって、「不法侵入」とは全く別次元のものである。
 重要事項に関して取材拒否や情報の非公開を続けた大学側の姿勢や、大学の求めに応じて一方的に必要のない拘束を実行した警察署の対応こそが問題である。こうした事案が認められれば、取材により、マスメディアが権力を監視することは今後ますます困難となる。
 記者は逮捕の2日後に釈放されたが、同署は28日現在、在宅で捜査を継続中という。行き過ぎた捜査はいまだ続いている可能性が高い。また旭川医科大については後日、この記者が録音していたとして北海道新聞社に抗議文を送付しているという。勘違いも甚だしい抗議であり、北海道新聞社は、自社の記者と報道の自由を守るため、大学側と警察署に対して断固とした姿勢を示し、取材・報道の自由は国民の声であることを自覚すべきであろう。
 われわれ日本ジャーナリスト会議沖縄は、旭川医科大と旭川東警察署の一連の対応について強く抗議する。と同時に、なぜこのような事態が発生したのかその説明と、不当に拘束された北海道新聞記者への謝罪を求める。
                                                     2021年7日2日
日本ジャーナリスト会議沖縄(JCJ沖縄) jcjokinawa@gmail.com
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2021年06月11日

【沖縄リポート】「沖縄・奄美 世界遺産へ」複雑な思い=浦島悦子

                           
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  5月11日、地元2紙の1面トップに「沖縄・奄美 世界遺産へ」の大見出しが躍った。国際自然保護連合(IUCN)が「奄美大島、徳之島、沖縄島北部、西表島」を世界自然遺産に登録するよう勧告、7月に正式決定される見込みだという。2018年の登録延期以来3年、地元や県の「安堵」「歓喜」を伝える紙面を見ながら、私の胸は複雑だ。
 30年前、私は沖縄島北部(やんばる)の自然林を切り裂いて建設される広域基幹林道(県営)「大國林道」の反対運動にかかわり、残念ながら造られてしまった後、「琉球諸島を世界自然遺産に!」と訴える市民運動に加わった。私たちの願いは、繊細な島の生態系に合わない過度の開発をやめ、自然破壊の最たる米軍基地をなくし、海と陸を含めた島嶼生態系を一体として保全する仕組みを構築することであり、世界自然遺産登録は目的ではなく「手段」だった。
 やんばるの登録予定地は米軍北部訓練場に隣接する。2016年に過半が返還されたとはいえ、なお4000ha近くもあり、オスプレイを含め激化する一方の訓練が周辺住民と野生生物を脅かしている。返還地からは薬莢や放射性物質を含む廃棄物が次々と見つかり、かつて使用されていた枯葉剤の汚染除去もされないままだ。さらに、近接の辺野古・大浦湾海域では、世界遺産に匹敵すると言われながら新基地建設のための工事と破壊が進む。
 また奄美大島では、鹿児島県が「奄美世界自然遺産トレイル」のルートを公表したが、そのルート上にある市(いち)集落には、辺野古への土砂搬出の可能性のある採石場が立ち並ぶ。採石場周辺の自然調査を行っている「海の生き物を守る会」の安部真理子さんは、「大型ダンプが1日何台も行き来し、トレイルに書かれている『自然や人とのつながりを感じる心』とか『地域住民が地域の誇りを再認識する』とは程遠い場所だと思う」と語る(写真)。
 登録を機に、私たちが考えるべきこと、取り組むべきことはあまりにも多い。   
 浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年5月25日号
 
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2021年05月13日

【沖縄リポート】ミャンマーと連帯して行進=浦島悦子

                              
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 新型コロナの蔓延と、それでも新基地建設工事を止めない菅政権との二重の対峙が続く辺野古の現場。海・陸4か所の現場への分散参加や、機動隊による「ごぼう抜き」直前での自主移動、等の感染対策、ゲート前テントでは作業車両搬入の合間に「辺野古塾」と称する連続学習会を行うなど、創意工夫を凝らしながら、粘り強いたたかいを続けている。4月9日には、県内で活動するミュージシャンたちによる「フォーク(4.9)の日」ゲート前コンサートが開催された。
 しかし、沖縄県の新規感染者比率が全国2番目となり、県が最高警戒レベルに引き上げたのを受けて4月13日から5月連休明けまで、現場行動は昨年来4回目の自主休止を余儀なくされた。
 そんな中で4月10日、辺野古新基地反対運動に係る有志の呼びかけにより、約70人が名護市街地で、ミャンマーと連帯する「キャンドル道ジュネー(行進)」を行った。折しも、ミャンマー国軍による銃撃で、一度にデモ参加者80人以上が殺害されたとの報道があったばかり。
 行動には、名護市にある名桜大学のミャンマー留学生2人も参加。「アジアの平和なくして沖縄の平和もない」という横断幕を掲げ、出発点の名護市役所中庭で行われた集会で、「ミャンマーで今起こっていることを多くの日本人が知り、声を上げてほしい。国は国民を守る義務がある。国民を守らない国はいらない。民主主義の国が実現するまで頑張りたい」と訴えた(写真)。
 カレン族の留学生は、デモに参加している家族と連絡が取れなくなっていると、涙ながらに語った。弾圧に苦しむミャンマー現地からのメッセージも届けられた。
 その後、暮れなずむ街を、キャンドルやちょうちん、光るものを手に持ち、「ウイシャルオーバーカム」や「イマジン」を歌い、「ミャンマー守れ!」「弾圧反対!」などの掛け声を上げながら、「ひんぷんガジュマル」までの約1キロ余りを行進した。
浦島悦子
 JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年4月25日号
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2021年04月10日

【沖縄リポート】南部の土砂採取 戦没者への冒涜=浦島悦子

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 沖縄戦戦没者の遺骨収集ボランティアを約40年間続けている「ガマフヤー(ガマを掘る人)」の具志堅隆松さんとその賛同者たちが、戦没者の遺骨が残る沖縄島南部の土砂を辺野古新基地建設の埋め立てに使う計画の断念、自然公園法に基づく知事の中止命令などを求めて、県庁前で行った6日間(3月1〜6日)のハンガーストライキは、沖縄戦体験者をはじめ多くの県民の心を揺り動かした。
 沖縄防衛局は当初、埋立土砂の3分の2を県外から調達する計画だったが、沖縄県が2015年に制定した「埋立用材に係る外来生物の侵入防止に係る条例」や輸送コスト等から県内調達に方針を変更。沖縄島南部から必要量の7割を調達できるとしている。
 沖縄戦から76年が経った今も、激戦地だった南部では、掘れば必ず遺骨が出てくる。但し、長年の間に風化した遺骨は、南部特有の地質である石灰岩と見分けるのは難しいという。それを丁寧に掘り起こし、DNA鑑定して遺族のもとに返す活動をやってきた具志堅さんが、遺骨収集に行った際、土砂採取の前の森林伐採が行われているのを発見。矢も楯もたまらず行動を起こしたのだ。
 遺骨はウチナーンチュだけではない。日本兵も米兵もいる。「辺野古基地に賛成・反対以前の問題。戦没者への冒涜であり人間のやることではない!」
 この問題については市民や、宗派を超えた宗教者たちによる抗議・要請・署名活動などがすでに行われてきたが、具志堅さんの身を挺した行動はそれらに一気に火を点けた。ハンスト現場には連日、多くの県民が集い、涙ながらに沖縄戦体験を語る高齢者の姿があった。最終日の6日(土曜)朝には玉城デニー知事が訪れて具志堅さんの話に耳を傾け、「県民の深い思いを行政に反映できるよう努力したい」と述べた。
 土砂業界の利権も絡み、解決は簡単ではないが、10日には自民党沖縄県連・公明党県本部も沖縄防衛局に「人道上許されない」とする要請書を出した。防衛省は虎の尾を踏んでしまったのかもしれない。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年3月25日号
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2021年03月27日

【沖縄リポート】浦添軍港「反対はこれから」=浦島悦子

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 1月25日の沖縄地元2紙は1面トップで、陸上自衛隊と米海兵隊が2015年、米軍キャンプ・シュワブに陸自の水陸機動団を常駐させることを極秘合意していたと報じた。これは、私たち地元住民をはじめ市民・県民が強い反対の民意を何度示しても、異様なほど辺野古新基地建設に固執する日本政府にかねてから抱いていた不安を裏付けるものだった。
 これに対し、沖縄県知事をはじめ県民は一斉に反発。岸信夫防衛大臣は「合意はない」と否定したが、オスプレイ配備をはじめ、これまで政府・防衛省による隠ぺいや虚偽答弁などを繰り返し見せつけられてきた県民がそれを信じるのは難しい。
 私たち「ヘリ基地反対協議会」は2月3日、沖縄防衛局を訪ね、「合意はない」とする根拠を問い質したが、対応した職員は「常駐は考えていない」という公式見解を繰り返すのみ。各島々に次々と自衛隊基地が強行建設されていく現状の中で、南西諸島全体の軍事要塞化、その中枢としての辺野古新基地、という戦慄すべきシナリオへの懸念は強まるばかりだ。
 2月7日に投開票された浦添市長選は、辺野古と並ぶ新基地建設=浦添軍港が最大の争点だった。那覇軍港の移設先とされる浦添の海は、都市部に奇跡的に残ったサンゴ礁の自然海岸だ。私はかつて観察会に参加し、その豊かさ、美しさに魅了された。地元住民の粘り強い運動で海岸道路建設による埋め立てから免れた経過もある。
 軍港容認の現職に対し、反対を明確に打ち出した38歳の女性候補・伊礼ゆうきさんは元看護士(写真 )。コロナ禍の中で、自然と人間を含むすべての命に細やかな配慮のできる女性市長の誕生を期待したが、超短期決戦、また県知事・那覇市長が軍港容認という複雑な構図の中で、自公に支えられた現職に及ばなかった。しかし伊礼候補が獲得した約2万2500票は大きな力だ。彼女の選挙を支えた市民らは投票日の翌日、「軍港反対はこれから」と、元気に街頭に立った。
 浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年2月25日号
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2021年02月20日

【支部リポート】北九州 医療崩壊もたらす悪政 毎月勉強会開き「声あげる」=杉山正隆

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COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大開始から1年。欧米を中心に感染爆発が続く一方、ニュージーランド、台湾では封じ込めに成功している。わが国も、欧米等に比べれば感染者数は少ない傾向が続く。なのに何故、「医療崩壊」の瀬戸際に立たされているのだろうか。
 北九州支部は「週刊金曜日」関門・北九州読者会と共同で月1回、勉強会を開催している。昨年11月には、「新型コロナウイルス感染症 正しく知り正しく恐れよう」をテーマに講演会を実施した(写真)。
 講演会では、政府が医師や看護師数を抑制し、病床の削減、保健所の削減、公立公的病院の統廃合などで医療現場へのしわ寄せがこの20年間で大幅に進んだことを支部長が解説した。「2009年の新型インフルエンザ流行の際も『感染症に備えるために態勢強化を』と確認していたのに逆行した政策が進められた」。
 1月には大阪大学の宮坂昌之招へい教授(免疫学)の話を聞いた。宮阪教授は「新型コロナウイルスのワクチン接種が予定されている。有効性は高いとはされているが副作用は10万件程度の実績が無いと分からない。緊急ワクチンとしてはやむを得ないが、安全性が高く有効なワクチン開発には時間が掛かる」。一方で、「人工抗体」など注目される研究が進んでいることを聴き取った。
 こうした勉強会であらためて浮き彫りになったのが政府の失政だ。感染症対策は安全保障の観点からも重要とする国が多い中、日本の歴代政権は軽視するばかりか、無駄とばかりに削減の対象にした。
 日本の医師数はOECD(経済協力開発機構)加盟国平均(人口1000人当たり3.5人)より低い2.4人にとどまる。看護師不足も目立つギリギリの態勢で新たな感染症に対応できるはずもない。
 医療崩壊の瀬戸際に立つ現状でも、菅首相は病床削減、公立公的病院の統廃合を推し進めるという。こうした悪政を知り、立ち向かう必要がある。北九州支部は今後も勉強会を開催し、声を上げ続けることにしている。 
杉山正隆
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年1月25日号
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2021年02月06日

【沖縄リポート】 県内各地の島ぐるみ会議 名護に集まる=浦島悦子

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 昨年末、名護市役所では寒さを吹き飛ばす「熱いたたかい」が繰り広げられた。
 11月末に沖縄県が照会した「(沖縄防衛局の設計概要変更承認申請に対する)名護市長意見」の締め切りは3月26日。提出には市議会の決議が必要だ。私たち市民も野党議員団も「市民の声を聞き、充分精査して3月議会に提案すること」を求めたが、渡具知武豊市長は「市民の意見を聞く必要はない」と言い放ち、12月議会の追加議案としてわずか3行の「市長意見」を提案した。設計変更に伴い辺野古漁港地先の作業ヤードとしての埋め立てが廃止されたのに「異議はない」という、いわば枝葉末節だけのもので、軟弱地盤改良による自然破壊など、申請の本体については一言も触れてない。
 このあまりに拙速な提案に対し、13人の野党議員はこぞって、取り下げと3月議会での再提出を求めて追及。議会は連日紛糾した。
  この間、オール沖縄会議現地闘争部会の呼びかけで、名護だけでなく全県各地の島ぐるみ会議が12月15、16、21、24日と各100名余、名護市役所前に結集。昼休み連続抗議集会で議員団を激励するとともに議会傍聴も行った。与党議員の中からも「出し直し」の要求が出るに及んでも市長は提案を取り下げなかったため、最終的に過半数を占める野党により「否決」された。
 「取り下げ」は叶わなかったが、野党議員団の奮闘と、市民・県民との連携・共闘は、1年後(2022年1月)に迫った名護市長選に向けた大きな一歩となった。コロナ禍の中で見えづらい渡具知市政の矛盾や、市民ではなく国の顔色を窺うその本質を示す「材料」として、島ぐるみ会議名護では12月議会の論戦を広く市民に知らせていく予定だ。
 2021年元旦。大浦湾に面した瀬嵩の浜で初日の出を拝んだ(写真)。夜来の雨が止み、雲間から現れたまばゆい光が海を照らす。その横に見える多くの作業台船が今年こそ撤去されるよう祈った。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2021年1月25日号
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2021年01月04日

【沖縄リポート】 ボーリング「飲料水汚染」と抗議=浦島悦子

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  沖縄県は11月27日、沖縄防衛局の辺野古新基地設計概要変更承認申請に対する名護市長意見を求める照会文書を発送。これまで「国と県との問題」だと「第三者」を決め込んでいた渡具知武豊市長の姿勢がいよいよ問われることになった。
12月2日、私が事務局長を務める「名護市政を考える女性の会」は渡具知市長と面談し、「名護市民の意見を聞く機会を設け、基地反対の民意を踏まえて申請を『不承認』とすること、埋め立てのための美謝川切り替えに同意しないこと」を要請した。
 8日朝、 (美謝川を堰き止めた) 辺野古ダムにボーリング用足場が立てられていることに、座り込みの市民らが気づいた。同ダムは周辺住民の上水の水源であり、名護市の管理だ。オール沖縄会議の山城博治・現地闘争部長らが名護市に出向き、なぜボーリングを許可したのか質したところ、同市の祖慶実季総務部長は「地権者の許可は得てある。水質汚染はないと専門家も言っている。ボーリング調査は(防衛局との)協議の対象ではない」との返事。
 同日閉庁時刻、名護市役所前で緊急抗議集会が開かれ、開会中の名護市議会野党議員5人をはじめ、飲料水の汚染に不安を抱く辺野古住民など市民ら約60人が抗議の声を上げた(写真)。
 市議会では複数の野党議員がこの問題を取り上げ、稲嶺進前市長時代、防衛局から出されたボーリング調査の「協議書」を示して、今回はなぜ協議をしないのか、秘密協議があったのではないかと追及したが、明確な答は得られなかった。
 11日朝、突如、大浦湾海上に巨大な台船が設置された。14日で埋め立て土砂投入開始2年になるが進捗率は4%弱。冬場の沖縄近海は荒れ、運搬船が土砂を載せたまま動けず、陸揚げできないことも多い。工事の大幅な遅れに焦る防衛局は、運搬船8〜9隻分をストックできるという巨大台船で打開しようというのか。莫大な血税を浪費しつつ今年も暮れる。この理不尽を来年こそは終わりにしたい。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年12月25日号

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2020年12月21日

【支部リポート】 福岡 「博多にわか」初登場 九条改憲NO!県民集会=白垣詔男

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福岡支部が協賛している「九条の会福岡県連絡会」(以下「連絡会」)主催の今年の憲法公布記念日(11月3日)のつどい「九条改憲NO! 安倍政治の継承を許さない福岡県民集会」に初めて「博多にわか」が登場、会場の爆笑を呼ぶとともに「菅独裁政権の早期退場」を誓い合った。
 連絡会は東京で「九条の会」が誕生した直後の15年前に発足、以来、毎年5月3日の憲法記念日と11月3日に大掛かりな集会を開いてきた。これまで憲法記念日が九州交響楽団有志の演奏をはじめ合唱団のうたごえなど音楽関係と講演が中心で、11月3日には音楽関係とリレートークなどが主体だったが今年は初めて、セミプロの博多にわか師に公演を頼んだ。
 集会では、立憲野党の国会議員らから「改憲NO! 菅政権退陣要求」などの決意表明が述べられ、出席できない地元2国会議員のメッセージが紹介された後に、博多にわかを演じる年金者組合福岡東支部役員の深川敏弘さんが博多にわかの面を着けて登場、「世相を斬る」と題して博多にわかを披露した。
 「博多にわか」の幾つかを紹介すると―
☆菅さんな、安倍さんのことバ継承するというが、あれは「継承(軽傷)」じゃなく、相当「重症」ですやな。
☆安倍さんの中に菅さんが入ったら「安菅倍(あかんべー)」。
☆何か言いよったら、すぐシュレッダーに入れてクサ、処分してくださいとか、原稿に黒塗ってもってきなさいとか分からんことして、すみません、これで「完了(官僚)」です―それが官僚か。
☆あんたのにわか、少しは面白かったごたる。10点満点やろうかと言いなったバッテン、私は断ったですタイ。なんで断ったな。そりゃ、あたきが10点もらうよりも「九条の会」の「8点(発展)」がよございます。
この後、福岡教育大の谷本純一准教授(むなかた九条の会代表世話人)のミニ講演もあり、400人以上集まった多彩な集会は盛り上がりを見せ大盛況だった。 
白垣詔男
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年11月25日号

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2020年12月11日

【沖縄リポート】 「基地追い払って」漆喰シーサー=浦島悦子

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  11月3日付『沖縄タイムス』は「沖縄防衛局が辺野古新基地建設工事に必要な美謝川水路切替工事に向け、辺野古ダム周辺のボーリング調査に着手していたことがわかった」と報じた。
 辺野古演習場内の山から大浦湾に注ぐ美謝川(辺野古ダムはその一部)は、河口が埋立予定地に入るため、水路を切り替えなければ埋め立てはできない。沖縄防衛局が当初計画した切替ルートは、名護市条例により市長との協議が必要だ。当時の稲嶺進市長は「新基地阻止」を掲げていた。防衛局は2014年9月、名護市長との協議を必要としないルートに変更したが、当時の(埋め立てを承認した)仲井眞弘多知事でさえ「環境負荷が大きい」としてこれに難色を示したため、設計変更そのものを取り下げた経過がある。
 現在ボーリング調査が行われているのは、当初計画のルートだ。この再変更(元に戻す)については県にも、防衛局自らが設置した環境監視等委員会にも諮っていない。自民党政権に親和的な渡具知武豊現市長なら同意を得られると踏んで、市長との協議の前にボーリング調査を行い既成事実を作ろうとしているのだ。
 名護市12月議会で野党議員団はこの問題を追及する。私たち市民団体も埋め立て=基地建設阻止の要の一つであるこの問題に世論を喚起し、市長の不同意を求めていく。
 米大統領選で民主党のバイデン氏が勝利を確実にしたが、バイデン政権になっても、米国の沖縄に対する姿勢(というより無関心)はほとんど変わらないだろう。オバマ大統領の誕生に期待して裏切られた経験を持つ沖縄県民は、冷めた目で米日の動きを見ている。
 埋立作業船がひしめく大浦湾を望む瀬嵩墓地広場の入口に雌雄の漆喰シーサー(写真)が建った。沖縄アジア国際平和芸術祭2020の一環として、昨年焼失した首里城の破損赤瓦を使い、地域住民や子どもたちが参加して作った。海をにらむシーサーが、軍事基地というマジムン(魔物)を追っ払ってくれるよう願いを込めて。
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年11月25日号
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2020年10月09日

【沖縄トピックス】辺野古、沖縄の民意は底堅い 強硬路線がつまずけば菅政権のダメージに=阿部岳

 振り返っても、安倍晋三氏が沖縄に関して信念を語った記憶がない。「沖縄に寄り添う」と言いながら、沖縄に対する構造的差別を強化し、基地を固定化した。負担解消へ「できることは全てやる」と言ったが、実態は「できないことを全てやらなかった」だけだった。
 直前の民主党政権は辺野古新基地建設が鬼門となり、自壊した。沖縄の強固な反対と米国の強硬な要求の板挟み。やっかいで避けられない命題を、安倍氏は菅義偉氏に丸投げした。
 その菅氏は沖縄対策の全てを辺野古から逆算して取り仕切った。政権発足当初こそ「できる限り県民に理解してもらえる方向で」などと手探りだったが、徐々にアメとムチをふるっていく。
 当時の仲井真弘多県知事に公約違反の基地受け入れをのませる局面では、振興予算増額などのアメをばらまいた。仲井真氏が次の知事選で新基地反対の翁長雄志氏に敗れると、菅氏はムチを握り締めた。
 選挙で相次いで示される反対の民意にも関わらず「粛々と進める」と繰り返し、翁長氏から「上から目線だ」と批判された。わずかに試みられた対話の期間、日本の高度経済成長の陰で米軍が沖縄の土地を強制接収していた歴史を翁長氏が説いても、菅氏は「私は戦後生まれなので、歴史を持ち出されたら困る」などと都合の悪い事実から目を背けた。
 各省庁の権限を総動員して脱法的に行政手続きを進め、現場には本土の警察官や海上保安官を投入して市民の抵抗を強制排除した。菅氏でなければ新基地工事はここまで進まなかっただろう。
 一方、安倍氏になかった哲学が菅氏にあるかと言えば、それもない。菅氏に備わっているのは米国に隷従し、沖縄の反対を徹底的に踏みつぶそうとするサディスティックな情念だけである。
 対する沖縄の反対の民意はなお底堅い。軟弱地盤など工事の実現性を揺るがす技術的困難も、厳然とそこにあり続ける。
 ここまで強硬路線を主導してきた菅氏は、今さら撤退も修正もできない。硬直した方針は、案外もろいものである。首相肝いりの案件でつまずけば、新政権は大きなダメージを負うことになる。
阿部岳(沖縄タイムス編集委員)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号

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2020年10月08日

【沖縄リポート】 菅首相「国策」ごり押しの恐れ=浦島悦子

            IMG_1118.JPG 名護十字路で意見書呼びかけの街宣
 念願してきた安倍政権の終焉を喜んだのも束の間、出来レースのような菅義偉内閣の誕生。安倍政権の防衛大臣として辺野古新基地建設を推進してきた河野太郎氏を沖縄担当相に当てたことにも、菅政権の沖縄への姿勢が見て取れる。
 長年にわたる安倍政権の「沖縄いじめ」を実質的に担ってきたのは菅官房長官だった。故翁長雄志前知事が菅氏を、「沖縄の自治は神話だ」と言った米軍統治時代のキャラウェイ高等弁務官になぞらえたように、沖縄の民意を踏みにじって「粛々と」新基地建設を強行し、名護市長選、県知事選など県内の重要選挙にカネと権力をフルに注ぎ込んで県民や地元の分断を図る、その陣頭指揮を執り、沖縄の自治権をことごとく圧殺してきた。
 菅政権のもとで、沖縄はより一層の苦境を迎えるのではないかという暗澹たる思いをぬぐえない。
コロナ禍真っただ中の4月21日、沖縄防衛局が県に提出した、大浦湾の軟弱地盤改良工事に伴う設計概要変更申請書の告示縦覧を、県は緊急事態宣言解除後の9月8日に開始した。28日までの縦覧期間中に広く意見を求める。甚大な自然破壊が予想されるこの変更申請をデニー知事は認めない姿勢を示しており、「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」は、できるだけ多くの意見書によって県を後押ししようと県内外に呼び掛けた(意見書の書き方等は同会議HP参照)。
 この意見書運動は、理不尽な新基地建設を断念させるための大きなステップとして、県内だけでなく全国各地、様々な団体によって取り組まれており、県の担当部局によると告示前にすでに500通以上が届き、告示後は数えきれないという。
 一瞥しただけでも申請書はあまりにもずさんな内容で、突っ込みどころ満載だ。しかし菅政権は、県民・国民のどんな意見にも耳を傾けず、粛々と「国策」をごり押ししそうな予感がする。解散総選挙も含め、菅政権にどこまで迫れるかが問われる。    
浦島悦子
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2020年9月25日号




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