2024年05月04日

【政治】経済安保法案を通すな 「修正案」で野党を抱き込む=丸山重威

 「経済安保秘密保護法案」(重要経済情報の保護及び活用に関する法律案)は、反対運動の広がりよそに4月9日、実施状況を国会に報告し公表することを中心とした「修正案」が立憲民主党などの賛成で可決され衆院を通過。審議の舞台は参院に移った。
乗せられた立憲
 同法案の中身は、2013年に安倍晋三政権下で成立した特定秘密保護法を経済分野にも適用し、厳罰化で縛ることを狙ったものだ。立憲の賛成は最初から「修正」の余地を残しておき一部「修正」で通してしまおうという自民党の「手法」に乗せられたものと言えよう。同じ手法は2021年春、憲法審査会での「改憲手続き法・改正」でも取られており、立憲民主党はまたも抱き込まれる「愚」を繰り返した。

民主主義が危うい
  だが法案の根幹は「修正」でも何も変わっていない。法案の狙いを批判し、「警戒」していくことが必要だ。本紙2月号でも問題提起したが、経済安保新法は秘密保護法が対象とした「防衛」「外交」「スパイ防止」「テロ防止」の4分野の「極秘」「機密」をサイバー宇宙、AI、インフラ、国際共同開発など幅広い「秘密」にまで拡張したものだ。特に同法は、秘密情報の取扱者をチェックする「セキュリティ・クリアランス」制度導入で「選別」、統制の対象を民間人まで広げ5年以上の拘禁刑を違反者に課す仕組みになっている。
 問題は運用だ。防衛産業育成と兵器輸出拡大を狙う政権が同法を恣意的に使えばどうなるかは大河原化工機事件を見るまでもない。岸田政権の政策への批判と警戒が必要だ。。

「世界平和アピール七人委員会」(1955年の結成以来、日本の政治・社会問題に独立的で公正な視点からアッピールを発し続ける)は8日、同法案への反対アピールを発表。「戦争ができる体制を下支えすべく、私たち個々人の自由と人々の権利を制限していく社会傾向が強まっている」と警鐘を鳴らし、「『重要経済安保情報保護法』は民主主義を危うくする」としている。
           JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年4月25日号
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2024年05月03日

【出版トピックス】書店ゼロ27%に増える ネット販売規制は短絡的、「読書マインド」の育成が先決=橋詰雅博

 全国1741市町村のうち、書店ゼロの自治体が今年3月時点で482市町村に増え全体の27・7%に達した―出版文化産業振興財団の調査でわかった。それによると沖縄、長野、奈良の3県で書店がない市町村が過半数を占めた。2022年9月の初調査と比べて全体で1・5%増えている。また書店が1店舗あるだけの市町村は343に上り、この無書店予備軍≠ニ書店ゼロを合わせた比率は47・4%に。


 人口減少とインターネットによる書籍販売の急拡大が主因だ。日販ストアソリューション課「出版物販売額の実態 2023」によると、ネット販売は22年度2872億円で、10年前の12年度の1446億円の2倍に増えた。一方、書店の販売額は8157億円で、12年度の1兆3607億円の6割にまでダウン。

 減り続ける街の本屋さんを助けるべく経済産業省は今春、書店振興プロジェクトチームを立ち上げた。4月17日の書店経営者との対話集会に出席した斎藤健経産相は「ウェブと図書館と本屋が持ち味を生かしながら共存があるべき姿だが、3つの中で本屋は割を食っている」と語った。
 自民党の国会議員が結成した「町の本屋さんを元気にして日本の文化を守る議員連盟」は書店支援のための提言書を作成し、政府に昨春提出。提言書では送料無料化や過剰なポイント付与という実質値引きのネット販売に対して書店は不公平な競争環境に置かれていると現状を分析した。注目すべきはネット書籍販売の送料無料を禁じたフランスの「反アマゾン法」。法施行後、フランスでは無料に近い送金を設定した業者が規制逃れしたため23年に法改正し送料の最低額を定めさらに強化した。

 提言を受けた公正取引委員会は、ネット送料無料について書店や出版業界に聞き取りを始めた。
 ただ短絡的に規制すると、消費者のデメリットにもなる。JCJ出版部会は「ネット・図書館・書店、それぞれに良さがある。(中略)まずは衰えている読書環境を充実させ、読書意欲を育てる方策を、どう作るかが先ではないか」(3月11日Daily JCJ『出版トピックス』)と述べている。
 規制にすくに走るのではなく、「読書マインド」を盛り立てるのが先決だろう。
 
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2024年05月02日

【沖縄リポート】うるま市民団結 自衛隊訓練場「断念」=浦島悦子

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 保革を超えた反対のうねりが、ついに防衛省を断念に追い込んだ! 
 昨年12月、新聞報道された、うるま市石川地区への自衛隊訓練場計画(24年度予算に計上)。衝撃を受けた地元の旭区自治会が真っ先に反対の声を上げ、近隣自治会もそれに続いた。予定地のゴルフ場跡地周辺は閑静な住宅地で、年間4万人が利用する県立石川青少年の家に隣接している。

 石川地区自治会長連絡協議会の要請を受けて玉城デニー知事は2月17日、来沖した木原稔防衛大臣に計画の白紙撤回を要請。保革を超えた反対運動は急速にうるま市全体に広がり、自民党沖縄県連、そして保守系の中村正人うるま市長も白紙撤回を表明。3月7日には沖縄県議会が白紙撤回を求める意見書を全会一致で可決するに至った。

 それでも「白紙撤回はしない」との姿勢を変えない防衛省に対し10日、石川地区を中心とする17団体が「自衛隊訓練場計画の断念を求める会」を結成。20日、「住宅地への自衛隊訓練場計画の断念を求める市民集会」の開催に漕ぎつけた。
 会場の石川会館の収容人員は約千人。入りきれなかった200人余はロビーのモニターで集会を見守った。充満する老若男女の熱気は、30年近く前(1997年)の「辺野古新基地建設の是非を問う名護市民投票」当時の名護を彷彿させ、感慨深かった。
 地元旭区で活動する若者グループ「ONE PIECE」が元気なブレイクダンスでオープニングを飾った後、会の共同代表・伊波常洋氏が開会挨拶=写真=。20年以上にわたり自民党の市議・県議を務めてきた同氏は、保革を超え辺野古新基地建設に反対して闘った故翁長雄志知事の言葉を引用し「うちなーんちゅ、うしぇーらってーならんどー(侮られてはならないよ)」と訴えた。

 高校生代表として挨拶した旭区の高校1年生H・Kさんは、日本国憲法の条文を引きながら、憲法違反の現実をまっすぐに問い、「自由と権利を守るために頑張りたい」と決意を語り、万雷の拍手を浴びた。
 代表らは27日、上京して決議文を手交。4月11日、木原防衛大臣は断念を表明した。
   JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年4月25日号
 
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2024年05月01日

【おすすめ本】見たり聞いたり編さん委員会『見たり聞いたり 東海地方のマスコミ70年の歩み 』─メディアが果たした役割と影響を綿密に辿る=山本邦晴(JCJ東海・元共同通信社)

 東海地方のマスコミを対象とする業界紙「新聞報」が創刊70年を機に、新聞、放送、広告業界の出来事を振り返った。
 太平洋戦争の敗戦を経て恵まれた平和は、この地方でもブロック紙の中日新聞をはじめ、新聞の部数増をもたらし、ラジオ、テレビ放送各社の創設と拡大を促した。

 1951年に民放として、日本で初めてラジオ電波を発信した中部日本放送(CBC・名古屋)は、「中日新聞が中部地区の財界を巻き込んで設立にこぎ着けた」放送局だ。
 放送メディアは財界の輿望を担ってスタートしたといってよい。経済の高度成長と共に増え続け、1983年のテレビ愛知開局で主要なラジオ2波、テレビ5局が出そろった。

 新聞も2000年に中日新聞が270万部を超え、朝日新聞(地方版)は43万部とブロック紙並みの部数を誇り、1975年に中部地方への進出を果たした読売は19万部に伸ばした。新聞と放送が、この地方の社会・文化に大きな影響を与えたことは間違いない。
 しかし、バブル崩壊後の経済低迷とIT技術の進展による情報伝達の多様化は、新聞の部数急減と放送の広告出稿減を招き、マスコミ業界が大きな危機に直面しているのは、東海地方も同様だ。
 部数減の中でも高い信頼性を誇る新聞が「第4の権力を発揮すること」が未来につながるとの見方を示し、放送には「知的好奇心を満たす」ことが大きな役割だとして、IT技術を活用した業務の展開を期待する。
 <ビートルズ日本公演の主催者はCBCと読売新聞><さだまさしを全国区に押し上げた深夜放送の力>といったエピソードも紹介している。(三恵社2000円)
             
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2024年04月30日

【リレー時評】原発の新増設、能登地震あっても進めるか=白垣 詔男(JCJ代表委員)

 今年は元日に能登地震が起こり、「地震列島・日本」の恐ろしさを再確認した。発生時には「地元の志賀原発が休止中だったので、放射能汚染はコトなきを得た」と報道された。しかし、「油漏れがあった」と報じられ、「大したことがなかった」と胸をなでおろしたが、その後、「漏れた油は2万リットル以上」と分かった。「油漏れ」という軽い表現では想像できない「大きな事故」で海の汚染がひどかったのではと思ったが、続報がなかった。

 万一、志賀原発で事故があった場合、能登級の地震だったら、「東北」の二の舞になっていたと恐怖感に襲われた。原発事故があった場合、避難のための道路が寸断されて住民は逃げられず汚染されるしかないという「恐怖」を覚えた。
 能登地震は、原発事故がなく放射能汚染にさらされなかったので、「故郷を失う」「災害後は住んでいた場所に帰れない」ことはなく、地震で被害を受けた地域は、住宅が再建されれば、「元の生活」に戻れる。そこが「東北」と大違いだ。
 東北は、震災後13年たった今年3月11日現在でも「帰還困難地域」がなくならず、依然として「故郷に帰れない」住民も多数いるほか、帰宅をあきらめて「故郷を捨てざるを得ない人々」も相当数いて、心が痛くなる。
 東北と能登の2つの大地震を比較するだけで、原発がいかに危険なものか、「地震後の状況」をみれば容易に分かる。

 しかし、それでも岸田文雄政権は、「原発新増設」「稼働期間の大幅延長」を打ち出したままだ。狂気の沙汰と言うしかない。国民や原発周辺の住民の立場から考えていないことの表れだ。電力会社など原発を必要としている企業側からの発想しかないのは、そうした企業側からの「献金」を続けてもらうためとしか考えられない。「裏金問題」が指弾されている自民党だけに、国民全体のことを考えない姿勢は明らかだ。こうした自民党には退場してもらうほかはない。

 また、裁判でも、電力会社の責任を認めない判決は多いが、「監督責任がある国」に対しても免責判決が大半なのは、裁判官が国に忖度しているとしか思えない。3月7日に大分地裁であった「伊方原発差し止め訴訟」で、武智舞子裁判長は住民側の主張を認めず、運営する四国電力の言い分を受け入れた。3月29日の福井地裁の「美浜・高浜原発差し止め訴訟」でも、加藤靖裁判長が住民の仮処分申請を認めなかった。
 自らの出世を第一に考え、上(人事権を持っている政府)ばかりを見ている「ヒラメ裁判官」の典型と言えよう。
 日本のように、どこででも大地震が起こる恐れがある国で、原発を動かそうというのは、国民の命を「人質」にしていると言ってもいいだろう。
 「原発がなくても電気は足りている、だから地震国家・日本には原発は要らない」と考えるのが良識ではないのだろうか。
  JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年4月25日号
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2024年04月29日

【月刊マスコミ評・出版】本当は怖い健康食品をあおった週刊誌=荒屋敷 宏

 「名医はこんな『健康食品』『サプリ』を使っている」(『週刊現代』2018年7月7日号)と健康食品ブームをあおってきた週刊誌が「『紅麹』だけじゃない 本当は怖い『サプリ・健康食品』」(同誌2024年4月6日・13日合併号)と、手のひらを返すように、小林製薬が製造・販売した「機能性表示食品」の危険を緊急特集している。「はて?」である。

 命に関わる問題を取り上げるのは当然としても、無責任に健康食品の広告を掲載し、副作用に注意を喚起してこなかった過去に沈黙するのは、いかがなものか。週刊誌が電力会社の原発推進広告を掲載してきたことへの反省がないのと似ている。
 「小林製薬の紅麹健康被害 6つの疑問」の特集を組んだ『サンデー毎日』4月21日号によると、健康被害の報告があったのは1月15日で、小林製薬が自主回収を発表したのが3月22日。2カ月余りも放置していたとは、あきれる。
 「機能性表示食品」とは、事業者の責任により、論文などをもとにして科学的根拠を示し、開発して、効用性や機能性を表示できる食品だという。2013年、安倍元首相は「アベノミクス」成長戦略第3弾で「機能性表示食品」の解禁を宣言した。機能性表示導入の裏にアメリカや財界の圧力を指摘した週刊紙「しんぶん赤旗」日曜版4月14日号の記事は注目に値する。

 『週刊ポスト』4月26日号は、「健康食品の『副作用』50品目リスト」と、厚労省がホームページから削除した情報を復元している。老化予防サプリ≠ニして宣伝されているコエンザイムQ10は、吐き気、嘔吐、下痢などの副作用が報告され、関節痛を和らげるで大宣伝されているグルコサミンも膨満感、吐き気、下痢、便秘の副作用がある。その他、アロエで急性肝炎、マテ茶にがんリスク、ビタミンDで腎不全などの危険があるという。

 「ブルーレット」「ナイシトール」「熱さまシート」などのCMで知られる小林製薬の企業体質について『週刊文春』4月11日号や『週刊新潮』4月18日号が、小林一族が株、不動産、馬など資産1600億円を有し、「治験データ改ざん」に手を染め、売れればいい≠ニいう姿勢が強いとの識者の証言を紹介している。社名に「製薬」と銘打っているものの、医療用医薬品は取り扱っていないとは、恐るべき企業である。
 週刊誌は、国民の命を大切にする報道姿勢に徹するべきだ。過ちを繰り返してはならない。
    JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2024年4月25日号
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2024年04月28日

【お知らせ】インボイス開始後の実態調査 2週間で7000人超が回答、9割が見直し・中止を要望=橋詰雅博

 「インボイス制度を考えるフリーランスの会」は、インボイス制度開始後初の確定申告を受け、今年3月22日から 4月5日にかけて、WEBアンケートによる実態調査を行った。調査期間2週間の間に7000件を超える回答が寄せられ、同制度を扱った調査としては国内最規模だったという。
 国税庁によると昨年末時点で、同制度導入により免税事業者140万以上が課税対象者となり消費税の申告をすることに。こと調査では同制度実施で消費税・事務費用の負担をカバーできたのか、その原資は何かについて聞いた。登録事業者の6割超が税負担を価格に転嫁できず、貯蓄などを切り崩して補填、借入した事業者は約1割だった。

実態調査の要点は次の通り
・会社員を含む全回答者の9割がインボイス制度はデメリットだとして制度の見直しや、中止を求めている。
・登録事業者の6割が「負担軽減措置(3年間に限り消費税の2割を支払う)終了後の目途が立たない」「負担が大きく、事業が成り立たなくなりそうだ」と。
・免税事業者の4割超が制度開始後に重要な取引先から値引きや発注量の減少など不利益を被った。
この結果を国会議員、財務省、国税庁、公正取引委員会、中小企業庁、そしてメディアに向け4月26日(金)12時から報告会を行った。
Youtube中継も実施した。https://www.youtube.com/watch?v=GNZOQhUeGRU
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2024年04月27日

【焦点】東京五輪選手村訴訟 最高裁審理せず上告棄却 五輪に忖度か 原稿団、最高裁に抗議声明送付、5月31日に集会開く=橋詰雅博

 二審の敗訴を受けて東京五輪選手村訴訟の原告団は、昨年末に最高裁に上告した。最高裁第二小法廷は「上告棄却」と3月27日に原告団に決定調書を送付してきた。これによりこの住民訴訟は敗訴が確定した。
 最高裁が審理せずに棄却したことに対して原告団は「最高裁までが国家的行事である2020年オリンピック東京大会(コロナ禍で1年延期)に忖度して早々に幕引きを図った」と批判した。

 改めて都民によるこの訴訟を振り返ってみる。東京選手村用地として約13fの晴海都有地を公示価格の10分の1以下の約129億円で三井不動産など大手デベロッパー11社に売却したのは違法だとして、周辺価格との差額相当分を小池百合子都知事に支払いを求めた。

 原告団が最も問題視したのは、被告側(東京都)が都市再開発法108条第2項の解釈を捻じ曲げ都議会にも都財産価格審議会にもかけずに都有地を売却した点だ。しかし敗訴が確定したことで公共財産の管理処分を規定した地方自治法237条2項は「無効」となった。再開発事業を進める自治体がこれを悪用する恐れが出てきた。

 原告団は抗議声明を最高裁に送付。さらに5月31日(金)都江東区文化センター3階研修室で午後1時30分から行う上告棄却に抗議する集会ではこれからの取り組みなどを話し合う。多数の参加を呼び掛けている。
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2024年04月26日

【焦点】どうなっている憲法審査会の動向。議員任期延長を突破口に危険な改憲に突入、戦争する国づくりへ=橋詰雅博

  自民党の派閥裏金事件に端を発した「政治とカネ」の問題。連日大きく報じられているが、見過ごされているのは衆議院憲法審査会の動向だ。メディアはほとんど報道しないが、実は自民、公明、維新、国民民主などが一体となり改憲への作業を着々と進めている。
 その突破口となっているのは国会議員の任期延長論だ。任期延長論と改憲、一見無関係に見えるが、大災害など自然災害やパンデミック(感染症の世界的大流行)を口実して、国家有事・武力攻撃(戦争)事態が起こったときも、適正な選挙の実施が困難と予想されるので、内閣の判断で半年又は1年(再延長ではそれ以上)任期延長を認めるよう憲法を変えようというものだ。自民党の中谷元筆頭幹事は、具体的な条文起草作業機関の設置を昨年12月に提案している。

 改憲問題対策法律家6団体連絡会事務局長の大江京子弁護士はその本質をこう述べている。
 「国会議員の任期延長論は、憲法に武力攻撃(戦争)を明記し、内閣の恣意的な判断で、民主主義の根幹であり、国民主権原理に基づく基本権である国民の選挙権を制限(停止)できるとする改憲です。非戦の憲法に堂々と『戦争』が書き込まれることとなり、国民主権と平和主義に大きな例外を認めるものです。(中略)戦争できる国づくりの一環という本質を持ったものです」(2024年4月20日新婦人しんぶん)。

 日本では戦前「選挙を行うと挙国一致体制整備に疑いを生じさせる」という理由で1941年(昭和16年)2月に衆議院選挙が1年延期された。その間に国民の抑圧を可能にした国防保安法や治安維持法が制定改正され、反戦論を封じ込めた。その年の12月に米国との太平洋戦争に突入した。
 22年末に安保3文書改定(防衛費の大幅増額や敵基地をたたく反撃能力保有など盛り込む)を閣議決定し、憲法9条に基づく専守防衛の基本を捨てた岸田文雄内閣は、バイデン米政権の意向に沿い対中国と戦う態勢を進めている。

 自民党は国会議員任期延長を憲法に盛り込み、最終的に9条2項(陸海空軍その他の戦力は保持しない。国の交戦権は認めない)の改憲を狙う。国会議員任期延長改憲はその布石と大江弁護士は見ている。
 国民の知らぬ間に危険な改憲すなわち戦争する国づくりが間近に迫る。いまこそ自由や平和な生活を奪う「軍拡・戦争準備」に断固反対の声を上げなければならない。
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2024年04月24日

【お知らせ】5・3有明憲法集会へのお誘い=JCJ運営委員会

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毎年、JCJ会員・講読者有志で参加してきましたが今年も行きます。どなたでも歓迎。
集会後のデモ行進には参加しないで、新橋辺りに移動しての交流会も例年パターンです。
みなさん薫風陽光の下、戦争の出来る国化に抗議の意志を示しましょう!

■主催:平和といのちと人権を!5・3憲法集会実行委員会

■共催:戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会9条改憲NO!全国市民アクション、戦争をさせない1000人委員会、憲法9条を壊すな!実行委員会、戦争する国づくりストップ!憲法をまもり・いかす共同センター、九条の会

■今年のスローガン
私たちは改憲発議を許さず、憲法をいかし、平和・いのち・くらし・人権を守ります。
パレスチナ即時停戦とウクライナからの撤退、憲法9条をいかした平和外交を求めます。
敵基地攻撃能力の保有と南西諸島へのミサイル基地配備の撤回を求めます。
平和主義をつらぬき、武器輸出の解禁撤回を求めます。
沖縄の民意と地方自治を踏みにじる辺野古基地の代執行と建設中止を求めます。
原発推進政策の撤回を求め、再生可能エネルギーヘの転換を求めます。
ジェンダー平等、個人の尊厳を大切にする社会をめざします。
これら実現のため共同の輪をひろげ、金権腐敗、憲法無視の自民党政治を終わらせ、安心してくらせる社会をめざします。
http://kenpou2020.jp ←5.3憲法集会公式HP

■集合場所は、ゆりかもめ 「有明駅」改札に12時にJCJの旗を立てときます。
りんかい線「国際展示場駅」でおいでの方もここで合流お願いします。
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2024年04月23日

【JCJ北海道支部トークイベント】「ドキュメンタリーが面白い! テレビ局はなぜ映画を作るのか 道内民放3局の制作者が語る」5月26日(日)午後5時30分から8時 札幌市

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 道内民放3局が制作したドキュメンタリー映画が、昨年から今年にかけて相次いで公開されました。HBC北海道放送の「ヤジと民主主義」、UHB北海道文化放送の「新根室プロレス物語」、HTB北海道テレビ放送の「奇跡の子 夢野に舞う」。いずれもテレビドキュメンタリーとして放送した作品を映画化し、高い評価と人気を得ました。日ごろライバル関係にある3作品の制作者が、放送局の垣根を越えてドキュメンタリーの面白さや映画化の難しさ、その意義と可能性などを語り合います。最初に3作品の予告編を上映します。

〈開催要項〉
■開催日時 :2024年5月26日(日)午後5時30分〜8時(終了予定)※オンラインでの中継はありません

■登壇者:
 ・「ヤジと民主主義 劇場拡大版」監督------山ア裕侍さん 
HBC報道部デスク。主な作品に「命をつなぐ〜臓器移植法施行から10年・救急医療の現場から〜」「赤ひげよ、さらば」「クマと民主主義」「ネアンデルタール人は核の夢を見るか」「性別は誰が決めるか〜『心の生』をみつめて〜」「閉じ込められた女性たち〜孤立出産とグレーゾーン〜」など。民間放送連盟賞、ギャラクシー賞、文化庁芸術祭賞、放送文化基金賞、文化庁芸術選奨など受賞。

 ・「新根室プロレス物語」プロデューサー------吉岡史幸さん
UHB取締役・株式会社オーテック社長。主な作品に「平成開拓民」「誰が命を救うのか〜揺れる医師法17条」「浅草レッサーパンダ事件の深層」「石炭奇想曲」「ニュースの現場」「バッケンレコードを越えて」「聴覚障害偽装事件」「17歳の先生」など。民間放送連盟賞、ギャラクシー賞、放送文化基金賞、地方の時代映像祭、FNSドキュメンタリー大賞など受賞。

 
 ・「奇跡の子 夢野に舞う」監督------沼田博光さん
HTB報道部デスク。主な作品に「カムイの鳥の軌跡」「聞こえない声〜アイヌ遺骨問題 もう一つの150年」「アイヌの誇り胸に〜受け継がれしエカシの言葉〜」「たづ鳴きの里」など。科学放送高柳賞最優秀賞、科学技術映像祭内閣総理大臣賞、ギャラクシー賞、NYフェスティバルド・キュメンタリー部門優秀賞、独ワールドメディアフェスティバル・ドキュメンタリー部門銀賞など受賞。

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2024年04月22日

【焦点】ガザで実証済みAI兵器 イスラエル新興輸出へ 民間人犠牲者の急増必至=橋詰雅博

 AI技術先進国のイスラエルでは新興企業が自ら開発した各種AI兵器の輸出に乗り出している。これらの兵器はパレスチナ自治区ガザでハマスと戦闘を続けるイスラエル軍に提供したもので、実証済みであることがセールスポイントだ。
 例えばスマートシューター社の代表製品は、標的を自動識別する装置。イスラエル軍は「ハブソラ(福音)」と名付けており、英陸軍は小型のものを小銃に装着してドローン撃墜する訓練を行っていると英BBCは報じている。

 空爆・砲撃の標的を自動的に数多く設定する「ハブソラ」はどれほどの威力なのか。イスラエルが「鉄の剣」作戦と名付けた今回のガザ戦争について1月13日JCJオンラインで講演した元朝日新聞記者の中東情勢ウオッチャー・川上泰徳氏はこう語った。
 イスラエルネットメディア「+792マガジン」の調査報道によると、イスラエルがガザを攻撃した過去の事例では、08年の1日平均標的数は155カ所、14年は122カ所、21年136カ所だったが、23年は429カ所。過去3回の1日平均138カ所に対して今回はその3・11倍にもなる。
 情報部員は「数万人の情報部員では処理できなかった膨大な量のデータを処理するハブソラはリアルタイムで標的を示す」「ハマス幹部への攻撃の巻き添えで許される民間人の死者は数百人にまで増加した」と述べた。
 
 この結果、どうなったか。世界保健機構によると、08年、14年、21年の女性・子どもの死者は38%から41%で、非戦闘員の男性が60%に対して23年は女性・子どもの死者は69%に達し、男性が30%で、過去3回と逆転している。

 ハマスを「人間の顔をした動物」(ガラント国防相)ととらえるイスラエルのガザ攻撃は民間人も対象にした「ジェノサイド(集団殺害)だ」と川上氏は断罪した。
 AI標的システムの拡大は紛争地での民間人の犠牲者を大きく増やすことになるだろう。

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2024年04月21日

【JCJオンライン講演会】出稼ぎ売春現代のからゆきさん℃タ態と今後 5月11日(土)午後2時から4時 講師:松岡かすみ(フリーランス記者)

  
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■開催趣旨: 求人サイトを介して米国やオーストラリア、カナダなどへ日本人女性の売春をあっせんした男4人が警視庁に4月逮捕された。その女性の数は2021年ごろから3年間で200から300人に及ぶという。エスコートガールなどの名前で募集するこうした悪質業者を通さないで、独自で広げた富裕層の外国人顧客を相手に高収入を得る女性や現地のマッサージ店で日本の性風俗店の何倍も稼ぐ人も少なくない。
不法就労・国外退去の危険をおかしてまで海外に行くのはなぜなのか。衰退する日本を映し出す「出稼ぎ売春現代のからゆきさん℃タ態と今後」について『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(朝日新聞出版新書2月刊行)の著者のフリーランス記者・松岡かすみ氏が報告する。

■講演者プロフィール:松岡 かすみ (フリーランス記者・まつおか・かすみ) 
1986年高知県生まれ。同志社大学社会学科卒業。PR会社、出版社勤務を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。21年からフリーランスとして、雑誌や書籍、ニュースサイト、ウェブマガジンなどのメディアを中心に活動。著書に『ルポ 出稼ぎ日本人風俗嬢』(朝日新書)。
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■参加費:500円
当オンライン講演会に参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0511.peatix.com/)で参加費をお支払いください。zoomにてオンライン 記録動画の配信有り
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2024年04月20日

【出版界の動き】読書バリアフリーに関する声明そして「本屋大賞」を考える=出版部会

 ◆日本ペンクラブなど3団体共同で
 芥川賞を受賞した市川沙央『ハンチバック』に、痛烈な出版界への批判が書かれている。
<出版界が障害者に今までしてきたことと言えば、1975年に文芸作家の集まりが図書館の視覚障害者向けサービスに難癖を付けて潰した、「愛のテープは違法」事件ね、ああいうのばかりじゃないですか>
 この「文芸作家の集まり」が日本文藝家協会。「愛のテープは違法」事件が解決するのは、35年後の2010年。この年に改正著作権法が施行され、公共図書館でも録音図書を製作する障害者サービスが著作権者の許諾なしにできるようになった。
 さて市川沙央さんの問題提起を真剣に受け止めた日本ペンクラブ会長・桐野夏生さんらは、2023年11月20日、市川沙央さんとオンライン対論<読書バリアフリーとは何か――読書を取り巻く「壁」を壊すために>を行った。
 これを機に他の2団体にも呼び掛け、4月9日、日本ペンクラブ、日本文藝家協会、日本推理作家協会の3団体が、読書バリアフリーに関する共同声明を発表した。 
 「障害者にとって『読書』をする手段は100年以上も前からあったにもかかわらず、未だに読みたい本を読むために長く待つことを強要されたり、読む手段を奪われたりすることさえあります」と問題提起。
 表現に携わる者として、読書バリアフリー法(19年6月施行)、改正障害者差別解消法(24年4月施行)、障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法(22年5月施行)に賛同の意を表するとし、「私たちは出版界、図書館界とも歩調をあわせ読書環境整備施策の推進に協力を惜しみません」と宣言している。
 声明の意義は、極めて大きい。文字や表現に携わる者が読書バリアフリーに目を向け努力する契機となり、歴史的意味を持つものと言える。

◆本屋大賞の意義が進化遂げる
 2024年の本屋大賞に宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』(新潮社)が受賞。25万部を増刷し、発行部数41万5000部となる。続編『成瀬は信じた道をいく』も増刷し、2冊の累計発行部数は55万部を超える。
 中学2年生の主人公・成瀬あかりが、破天荒な言動を続けて周囲を驚かせる。自分を偽らないで突き進む成瀬の言動が、読者の共感を呼んでいる。そこには「女による女のためのR-18文学賞」が果たしている役割も見逃せない。
 女性による作品が、続々とノミネートされ、書店員の思いを込めた作品が本屋大賞を受賞している。これまで文学賞といえば、出版社が強烈にプッシュした作品が受賞し、人気作家に権威を与える賞になっていた。それに対抗するかのように発足した「本屋大賞」が、いまや書店員も読者も作者も誰もが幸せな気持ちになる賞へと進化している。

◆貧弱な学校図書館の公的援助
 2023年度の学校1校あたりの年間図書費は小学校46万円・中学校61万円。あまりにも貧弱ではないか。学校図書館用の新聞購読費については「予算化している」が44.5%。学校司書の配置については予算化しているが69.3%。残り30%は学校司書を配置していない現状が浮かび上がった。
 また学校図書館が「電子書籍」や「電子新聞(有料デジタル版)」の購入費を予算化しているかについては、いずれも「今年度予算化の予定はない」が94%を占めた。

◆電子コミック驚異的な伸長!
 3月の電子書籍の総流通額は前年同月比14.2%増となった。ジャンル別では「縦スクロールコミック」の伸びが驚異的で同214.8%増となった。2022年4月期から配信を始めてから大きな成長率が続いている。
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