2026年05月19日
【ITC】人間性を阻害か 若者にみられる「病的使用」気に動く各国 さいたまで学習会=木下寿国(ライター)
インターネットに代表される情報通信技術(ICT)を誰もが使える現代社会で、便利さに潜む負の影響が世界的に深刻な問題となってきた。3月28日、さいたま市で催された「ホントはどうなの?『読み書き』能力の低下とICT利用」学習会では、デジタル社会問題を研究する吉田雅人さんが、未成年者のソーシャルメディア(SNS)利用について報告した=写真=。
今年2月、こども家庭庁が発表した「青少年のインターネット利用環境実態調査」によると、高校生のネット利用は毎日、平均で6時間44分。学校や睡眠時間を除けは、ほぼ1日中とも言えそうな長さだ。若者の間には「病的使用」が疑われる事態が生じているとの報道もある。
見直しも
海外に目を転じるとアメリカでは21年10月、写真投稿アプリ「インスタグラム」を運用するフェイスブック(現メタ)が「利益最大化のために憎悪をあおり、中毒性のあるアルゴリズムを用いて人権や民主主義を脅かしている」と、同社の元プロダクトマネジャーが連邦議会上院で証言。膨大な資料をもとに非人間的な設計システムと非難した。以降、SNSの設計上の欠陥を巡り数千件の訴訟が起きている。
タブレットやPCを導入した教育のデジタル化でICT先進国とうたわれたスウェーデンは、学力の低下で紙の教科書の重要性を再認識。23年12月、法を改正し、教育のアナログ回帰を決めた。
また、25年12月、オーストラリアは世界で初めて16歳未満のSNS利用を禁止した。きっかけは未成年者がネット利用から性被害をうけ、自殺に追い込まれた事件だった。
同国は、16歳未満の利用者がアカウントを作成しないための「合理的な措置」を取るようXやTikTokなどSNS運営会社10社に義務付け、違反に最大約51億円の罰金を科すとした。
その特徴は利用者でなく企業の責任を明確にしたこと。吉田さんは「これが国際的な常識になった」と語った。
諸刃の剣
吉田さんは塾を主宰する一方、専門家らと続けてきた研究の成果をもとに、「ICT利用で考慮すべきは幼児期から思春期にかけての脳の発達の特徴を踏まえること」だ。「10代は脳の発達がまだ脆弱な時期であり、中高生だけでなく大学生の大半も考慮すべき対象だ」と指摘。人が自分の視覚や触覚を使い、手でものを書いたりする行為が、児童から青年期の脳の神経作用にいかに重要な影響をもたらすかを強調した。
吉田さんは、AIを使って簡単に結論を引き出す行為は、粘り強く考える力や思考力を低下させる危険があると指摘し、「ICTは諸刃の剣だ。便利な半面、失うものもある。その両方を見なければいけない。トータルな研究はまだない。ぼくらが研究者の話を学んで自分の頭で考えないと」と話した。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月18日
【お知らせ】映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて〜元海兵隊員が語る戦争の真実」の無料上映会を5月23日(土)午後2時から4時に開催
260516 【案内チラシ確定版】2026.05.23 再上映&講演・案内.pdf
放送を語る会がZOOMを使って映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて〜元海兵隊員が語る戦争の真実」の無料上映会を開催します。
Zoom参加URL
https://us06web.zoom.us/j/88179979259?pwd=vgHQqOznbPRIckaWg5FHKMOPRvkqZE.1
ミーティング ID: 881 7997 9259
パスコード: 8nKAJX
高市政権が改憲ムードを煽る憲法の危機的状況の今、多くの方々と憲法を深く見直す機会を共有したいと作品を視た語る会メンバーが企画しました。監督は、読売テレビディレクターだった阿部裕一氏でそのことにも「放送を語る会」は親近感を抱きました。今回の上映会でも作品上映後に講演していただき、制作意図や制作をめぐるエピソードをお聞きする予定です。多くのみなさんの参加をお待ちします。
放送を語る会がZOOMを使って映画「アレン・ネルソン 9条を抱きしめて〜元海兵隊員が語る戦争の真実」の無料上映会を開催します。
Zoom参加URL
https://us06web.zoom.us/j/88179979259?pwd=vgHQqOznbPRIckaWg5FHKMOPRvkqZE.1
ミーティング ID: 881 7997 9259
パスコード: 8nKAJX
高市政権が改憲ムードを煽る憲法の危機的状況の今、多くの方々と憲法を深く見直す機会を共有したいと作品を視た語る会メンバーが企画しました。監督は、読売テレビディレクターだった阿部裕一氏でそのことにも「放送を語る会」は親近感を抱きました。今回の上映会でも作品上映後に講演していただき、制作意図や制作をめぐるエピソードをお聞きする予定です。多くのみなさんの参加をお待ちします。
2026年05月16日
【寄稿】24年3月29日提訴から3年目 奈良訴訟とは=自衛隊名簿提供違憲訴訟@奈良 諸富 健 弁護士
自衛隊募集の案内はがき
2019年1月、安倍晋三首相(当時)が衆議院本会議において自衛隊への名簿提供に応じるよう自治体にはっぱをかけるような答弁をしたこともきっかけに、2021年2月5日、防衛省と総務省の連名で、自衛隊法97条1項、同施行令120条を根拠に名簿提供をすることができ、住民基本台帳法上特段の問題を生じない旨の通知を全都道府県宛に発出した。
提訴の経緯は
これにより、名簿提供に応じる自治体が増加した。奈良市でも2023年1月30日に自衛隊奈良地本と覚書を締結し、翌2月上旬、翌年度18歳、22歳になる住民約6400人の個人4情報(氏名、生年月日、性別、住所)を提供した。それに基づいて発送された募集案内はがきを受け取った高校3年生(ニックネームRYU)が原告になることを決意し、2024年3月29日、国と奈良市を被告として奈良地裁に提訴した。弁護団は、近畿に事務所がある常任弁護団7名と北海道から福岡までの非常任弁護団6名の合計13名である。
最大の争点は、被告らが主張する自衛隊法97条1項や同施行令120条が名簿提供の法的根拠となるかどうかである。被告らは、施行令120条で防衛大臣が市町村長に提出を求めることができる「資料」に個人4情報が含まれると主張するが、プライバシー権(憲法13条)という基本的人権の制約が許されるかという視点が完全に欠落している。自衛隊法97条1項はプライバシー権について一切触れておらず、その委任命令で内閣の判断のみで制定される施行令によってプライバシー権を制約することが許されるはずがない。2006年の法改正で原則非公開となった住民基本台帳法の趣旨に反すると言わざるを得ない。そもそも、自衛隊法97条1項は、都道府県知事及び市町村長が行う募集事務の規定であり、国(自衛隊)が行う募集事務のために個人4情報を収集するなど対象の範囲外である。
問題点多すぎる
さらに、原告に届いた募集案内はがきには「防衛大学校生」や「防衛医科大学校生」の案内まで記載されているが、自衛官や自衛官候補生の募集事務を定めた上記法令の範囲外であるし、募集案内はがきの送付には不要な生年月日や性別まで提供したことは、覚書の利用目的にも反する。
その他、個人情報保護法違反や自衛官の本質、除外申請制度や職業紹介違反、利益相反の問題など多数の争点がある。是非、支援の会が作成したHP(https://jieitaimeibo-iken.net/)を参照していただきたい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2019年1月、安倍晋三首相(当時)が衆議院本会議において自衛隊への名簿提供に応じるよう自治体にはっぱをかけるような答弁をしたこともきっかけに、2021年2月5日、防衛省と総務省の連名で、自衛隊法97条1項、同施行令120条を根拠に名簿提供をすることができ、住民基本台帳法上特段の問題を生じない旨の通知を全都道府県宛に発出した。
提訴の経緯は
これにより、名簿提供に応じる自治体が増加した。奈良市でも2023年1月30日に自衛隊奈良地本と覚書を締結し、翌2月上旬、翌年度18歳、22歳になる住民約6400人の個人4情報(氏名、生年月日、性別、住所)を提供した。それに基づいて発送された募集案内はがきを受け取った高校3年生(ニックネームRYU)が原告になることを決意し、2024年3月29日、国と奈良市を被告として奈良地裁に提訴した。弁護団は、近畿に事務所がある常任弁護団7名と北海道から福岡までの非常任弁護団6名の合計13名である。
最大の争点は、被告らが主張する自衛隊法97条1項や同施行令120条が名簿提供の法的根拠となるかどうかである。被告らは、施行令120条で防衛大臣が市町村長に提出を求めることができる「資料」に個人4情報が含まれると主張するが、プライバシー権(憲法13条)という基本的人権の制約が許されるかという視点が完全に欠落している。自衛隊法97条1項はプライバシー権について一切触れておらず、その委任命令で内閣の判断のみで制定される施行令によってプライバシー権を制約することが許されるはずがない。2006年の法改正で原則非公開となった住民基本台帳法の趣旨に反すると言わざるを得ない。そもそも、自衛隊法97条1項は、都道府県知事及び市町村長が行う募集事務の規定であり、国(自衛隊)が行う募集事務のために個人4情報を収集するなど対象の範囲外である。
問題点多すぎる
さらに、原告に届いた募集案内はがきには「防衛大学校生」や「防衛医科大学校生」の案内まで記載されているが、自衛官や自衛官候補生の募集事務を定めた上記法令の範囲外であるし、募集案内はがきの送付には不要な生年月日や性別まで提供したことは、覚書の利用目的にも反する。
その他、個人情報保護法違反や自衛官の本質、除外申請制度や職業紹介違反、利益相反の問題など多数の争点がある。是非、支援の会が作成したHP(https://jieitaimeibo-iken.net/)を参照していただきたい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
【Bookガイド】5月の“推し本”紹介=萩山 拓(ライター)
ノンフィクション・ジャンルからチョイスした本の紹介です(刊行順・販価は税別)
◆西谷文和『なぜ中東で戦争が終わらないのか』かもがわ出版 5/7刊 1800円
中東では、2003年のイラク戦争以来、長くテロがテロを呼び戦争が延々と続いてきた。そこへトランプ+ネタニヤフによる両国軍がイランへ侵略の攻撃を、突如始める。なぜ?
戦場ジャーナリストによる現場からの告発。写真約200枚。
著者は大阪市立大学経済学部卒業、吹田市役所勤務を経て、フリージャーナリストに転身。世界の紛争地を取材し、テレビや新聞、講演で現地情報を伝えている。『西谷文和 路上のラジオ』をネット配信。「イラクの子どもを救う会」を設立、2006年度「平和協同ジャーナリスト大賞」を受賞。
◆梅田正己『天皇制国家はいかにして創られたか━「尊王思想」の形成から「帝国憲法」の制定まで』高文研 5/13刊 2400円
江戸時代の二百数十年間、天皇は、幕府による徹底した監視・統制下に置かれ、京都の「御所」から一歩も外に出ることのできない「幽閉」状態にあった。そのため人々は「天皇の存在」を知らなかった。一般国民には全く無縁・無名だった天皇が、幕末の「尊王攘夷」運動の動乱をへて、近代日本の頂点にそびえ立つ「元首」となる、そのプロセスを明快に説き明かしたのが本書。いま話題の「皇位継承」問題をふくめ、天皇制や近現代史に関心をもつ人には必読。
著者は1936年、佐賀県唐津市に生まれる。出版社勤務を経て、1972年、高文研を設立。著書に『変貌する自衛隊と日米同盟』、『この国のゆくえ』(岩波ジュニア新書)ほか。
◆神山典士『地方が溶ける━ふるさと再生の光と影』光文社新書 5/20刊 920円
地域社会やサービスは、どのように消失するのか。地方には何が残るのか。政治による分断(広島県安芸高田市)、国を活用する経営戦略(北海道東川町)、民間とのチームワーク(宮崎県小林市)、炭鉱の町の現在(福岡県直方市)、子供たちの変化(埼玉県越生町)、記憶の継承(宮城県女川町)。全国各地で「ふるさと作文教室」を主宰し、自らも「トカイナカ」移住生活を送るノンフィクション作家が記す、今日の地方をめぐる光と影。
著者は1960年埼玉県入間市生まれ。信州大学卒業。ノンフィクション作家。著書『ライオンの夢』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。著書に『トカイナカに生きる』など。ふるさと大好き全国作文協議会事務局長。
◆東海林さだお『アンコの丸かじり』朝日新聞出版 5/20刊 1800円
大人気「丸かじりシリーズ」のフィナーレを飾る最新刊。クスっと笑えて、ときに仄(ほの)見えるお色気にドキッとして……。B級グルメとビールを愛したショージ君が、最後にえらんだのは「アンコ」だった!
〈アンコというものは、どうも何かにもぐり込もうとする傾向がある。傾向というより、性癖? 饅頭の中にもぐり込んでいる。大福餅の中にもぐり込んでいる。最中の中にも、もちろんアンパンの中にももぐり込んでいる>。
1988年刊『タコの丸かじり』から38年、週刊朝日の看板連載「あれも食いたいこれも食いたい」で繰り広げられた東海林ワールドがついに幕を閉じる。
◆宇野重規『政治とは何か』講談社現代新書 5/21刊 1100円
権威主義国家の台頭、国際御法の無視などなど、近年の世界の政治状況は、「政治」という営みについての従来の常識を揺るがしかねない事象に満ち満ちている。逆に言えば、そういう時代であるからこそ、「正しい」政治のあり方について、今一度あらためて、その根本から考えてみる必要があるのではないか。本書では、西洋の政治学の基礎を作ったとされるアリストテレスに始まって、様々な思想家達の考えを簡潔明快にひも解く。
著者は1967年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。現在、東京大学教授。著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』、『民主主義とは何か』、『保守主義とは何か』など。
◆宮田 律『イラン戦争━アメリカ・イスラエルの策略』平凡社新書 5/27刊 1000円
イランの最高指導者ハメネイ師が殺害されるなど、2026年2月末に開始されたアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃は、国際法を無視したものであり、現在も対立・混乱が続いている。この両国に対し、日本はいかに対処するべきなのか。世界中を混乱に陥れているトランプとネタニヤフは、はたして何を求めているのだろうか。「イラン戦争」の背景にある相互不信の歴史のほか、宗教イデオロギー、政治・社会構造を掘り下げる1冊。
著者は1955年山梨県生まれ。現代イスラム研究センター理事長。専攻はイスラム地域研究、国際政治。著書に『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』『黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル』『アメリカのイスラーム観』『ガザ紛争の正体』など。
◆上山 慧『細川嘉六━「河童老人」の生涯とその時代』◆日本機関紙出版センター 5/28刊 4091円
昨年「治安維持法」が施行されて100年目。その治安維持法による最大の言論・出版弾圧事件が「横浜事件」だ。本書はその中心にいた人物・細川嘉六の生涯を、「スパイ防止法」制定を目論む現代日本に当てはめ、改めて問い直す。細川が検挙弾圧された容疑は、いずれも神奈川県特高警察による捏造であった。「横浜事件」の犠牲者は、改造社・中央公論社・朝日新聞社・岩波書店など、言論・出版関係者63名、氏名未確認の者を合わせ90名近くにのぼる。特高警察は自白を強要するため被疑者に激しい拷問を加え、その結果、獄死者4名、保釈直後死1名、失神者12名、負傷者32名にも及んだ。
著者は1992 年大阪府箕面市生まれ。2014 年大谷大学卒。専攻は日本近現代史。治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟中央本部常任理事。著書に『神戸平民俱楽部と大逆事件』。
◆西谷文和『なぜ中東で戦争が終わらないのか』かもがわ出版 5/7刊 1800円
中東では、2003年のイラク戦争以来、長くテロがテロを呼び戦争が延々と続いてきた。そこへトランプ+ネタニヤフによる両国軍がイランへ侵略の攻撃を、突如始める。なぜ?
戦場ジャーナリストによる現場からの告発。写真約200枚。
著者は大阪市立大学経済学部卒業、吹田市役所勤務を経て、フリージャーナリストに転身。世界の紛争地を取材し、テレビや新聞、講演で現地情報を伝えている。『西谷文和 路上のラジオ』をネット配信。「イラクの子どもを救う会」を設立、2006年度「平和協同ジャーナリスト大賞」を受賞。
◆梅田正己『天皇制国家はいかにして創られたか━「尊王思想」の形成から「帝国憲法」の制定まで』高文研 5/13刊 2400円
江戸時代の二百数十年間、天皇は、幕府による徹底した監視・統制下に置かれ、京都の「御所」から一歩も外に出ることのできない「幽閉」状態にあった。そのため人々は「天皇の存在」を知らなかった。一般国民には全く無縁・無名だった天皇が、幕末の「尊王攘夷」運動の動乱をへて、近代日本の頂点にそびえ立つ「元首」となる、そのプロセスを明快に説き明かしたのが本書。いま話題の「皇位継承」問題をふくめ、天皇制や近現代史に関心をもつ人には必読。
著者は1936年、佐賀県唐津市に生まれる。出版社勤務を経て、1972年、高文研を設立。著書に『変貌する自衛隊と日米同盟』、『この国のゆくえ』(岩波ジュニア新書)ほか。
◆神山典士『地方が溶ける━ふるさと再生の光と影』光文社新書 5/20刊 920円
地域社会やサービスは、どのように消失するのか。地方には何が残るのか。政治による分断(広島県安芸高田市)、国を活用する経営戦略(北海道東川町)、民間とのチームワーク(宮崎県小林市)、炭鉱の町の現在(福岡県直方市)、子供たちの変化(埼玉県越生町)、記憶の継承(宮城県女川町)。全国各地で「ふるさと作文教室」を主宰し、自らも「トカイナカ」移住生活を送るノンフィクション作家が記す、今日の地方をめぐる光と影。
著者は1960年埼玉県入間市生まれ。信州大学卒業。ノンフィクション作家。著書『ライオンの夢』(小学館)で小学館ノンフィクション大賞・優秀賞を受賞。著書に『トカイナカに生きる』など。ふるさと大好き全国作文協議会事務局長。
◆東海林さだお『アンコの丸かじり』朝日新聞出版 5/20刊 1800円
大人気「丸かじりシリーズ」のフィナーレを飾る最新刊。クスっと笑えて、ときに仄(ほの)見えるお色気にドキッとして……。B級グルメとビールを愛したショージ君が、最後にえらんだのは「アンコ」だった!
〈アンコというものは、どうも何かにもぐり込もうとする傾向がある。傾向というより、性癖? 饅頭の中にもぐり込んでいる。大福餅の中にもぐり込んでいる。最中の中にも、もちろんアンパンの中にももぐり込んでいる>。
1988年刊『タコの丸かじり』から38年、週刊朝日の看板連載「あれも食いたいこれも食いたい」で繰り広げられた東海林ワールドがついに幕を閉じる。
◆宇野重規『政治とは何か』講談社現代新書 5/21刊 1100円
権威主義国家の台頭、国際御法の無視などなど、近年の世界の政治状況は、「政治」という営みについての従来の常識を揺るがしかねない事象に満ち満ちている。逆に言えば、そういう時代であるからこそ、「正しい」政治のあり方について、今一度あらためて、その根本から考えてみる必要があるのではないか。本書では、西洋の政治学の基礎を作ったとされるアリストテレスに始まって、様々な思想家達の考えを簡潔明快にひも解く。
著者は1967年、東京都生まれ。東京大学法学部卒業。現在、東京大学教授。著書に『政治哲学へ 現代フランスとの対話』、『民主主義とは何か』、『保守主義とは何か』など。
◆宮田 律『イラン戦争━アメリカ・イスラエルの策略』平凡社新書 5/27刊 1000円
イランの最高指導者ハメネイ師が殺害されるなど、2026年2月末に開始されたアメリカ・イスラエルによるイラン攻撃は、国際法を無視したものであり、現在も対立・混乱が続いている。この両国に対し、日本はいかに対処するべきなのか。世界中を混乱に陥れているトランプとネタニヤフは、はたして何を求めているのだろうか。「イラン戦争」の背景にある相互不信の歴史のほか、宗教イデオロギー、政治・社会構造を掘り下げる1冊。
著者は1955年山梨県生まれ。現代イスラム研究センター理事長。専攻はイスラム地域研究、国際政治。著書に『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』『黒い同盟 米国、サウジアラビア、イスラエル』『アメリカのイスラーム観』『ガザ紛争の正体』など。
◆上山 慧『細川嘉六━「河童老人」の生涯とその時代』◆日本機関紙出版センター 5/28刊 4091円
昨年「治安維持法」が施行されて100年目。その治安維持法による最大の言論・出版弾圧事件が「横浜事件」だ。本書はその中心にいた人物・細川嘉六の生涯を、「スパイ防止法」制定を目論む現代日本に当てはめ、改めて問い直す。細川が検挙弾圧された容疑は、いずれも神奈川県特高警察による捏造であった。「横浜事件」の犠牲者は、改造社・中央公論社・朝日新聞社・岩波書店など、言論・出版関係者63名、氏名未確認の者を合わせ90名近くにのぼる。特高警察は自白を強要するため被疑者に激しい拷問を加え、その結果、獄死者4名、保釈直後死1名、失神者12名、負傷者32名にも及んだ。
著者は1992 年大阪府箕面市生まれ。2014 年大谷大学卒。専攻は日本近現代史。治安維持法犠牲者国家賠償要求同盟中央本部常任理事。著書に『神戸平民俱楽部と大逆事件』。
2026年05月15日
【JCJ オンライン講演会・緊急企画】世界の大転換 誰が平和をつくるのか 〜NPT再検討会議で何が問われたのか 講 師:羽場 久美子さん(青山学院大学名誉教授)5月23日(土)午後2時から4時
■開催趣旨
ロシアのウクライナ侵攻、米国とイスラエルによる軍事攻撃から始まったイラン戦争の最中に、ニューヨークの国連本部で開催された核拡散防止条約(NPT)再検討会議では何が問われたのか。同会議に参加して帰国したばかりの国際政治学者、羽場久美子さんに、緊急の報告をお願いしました。
「世界はいまや200年に1度の大転換の時代に入っている。19世紀以来、世界を植民地化することによって栄えた欧米資本主義世界が、今や危機と衰退を迎えつつあり、特に「資本主義」経済において、新興国に負け始めているという現実である。戦争が多発する世界を羽場さんはこう捉え、「誰が平和をつくるのか?」と問題提起しています。
そして、こうした世界の動きを日本のメディアはなぜその実像を正確に伝えないのかと警鐘を鳴らし、「大手メディアの体制翼賛的状況に危機感を覚える」と強調しています。
国際政治の最前線を知る研究者だからこそ語れる、“いま世界で本当に起きていること” と “私たちができること”。戦争がなぜ多発しているのか、激動する世界情勢を読み解き、誰がどう平和をつくるのかを具体的に共に展望し、議論していきましょう。
あなたの参加が、未来の平和をつくる一歩になります。
■講演者プロフィール:羽場 久美子(はば・くみこ)さん
青山学院大学名誉教授、世界国際関係学会(International Studies Association)元副会長、アジア太平洋前会長。沖縄を平和のハブに!共同代表、日本学術会議元会員、ハーバード大学、パリ大学客員研究員、京都大学客員教授、早稲田大学招聘研究員。
EUジャン・モネ・チェア。著書:『ヨーロッパの分断と統合−包摂か排除か』『アジアの地域統合―戦争をさけるために』『世界の中の日本―平和をつくる』。英語では、『世界戦争100年、新世界秩序をいかに創るか?』『ブレグジット後』など多数。
■zoomにてオンライン 見逃し聴取用記録動画の配信有り。
■参加費:500円
参加希望の方はPeatix(https://jcjonline0523.peatix.com)で参加費をお支払いください。
(JCJ会員は参加費無料。JCJ会員MLからアクセスURLが送られます。参加にあたり連絡は不要です)
■主催:日本ジャーナリスト会議(JCJ)
03–6272–9781(月水金の13時から17時まで)
https://jcj.gr.jp/
2026年05月14日
【おすすめ本】森永 卓郎 (著) 古賀 茂明 (解説) マガジン9編集部 (編集)『森永卓郎の戦争と平和講座』―退路を断ってズバリ直言の生涯=芳地 隆之(ノンフィクション作家)
本書はウェブマガジン「マガジン9」に連載された、同名コラムから厳選した38遍からなっている。前半は旧民主党政権時代に書かれたものだが、同党の平等化促進の色合いの強いマニフェストを、党内の弱肉強食社会を望む勢力が叩き潰したあげくが、現在の日本の状況だとの指摘はアクチュアルだ。
続く第二次安倍政権に対しては、安倍首相のかつての日本によるアジア侵略を否定する姿勢を批判し、連立パートナーである公明党の閣僚に反対するよう呼びかける。現在の政治状況を予見するような提言である。
経済面では、日本の財政は年間60兆円の財政出動をする余力があることを指摘。国民一人当たり月額4万円程度のベーシカムが支給されれば、私たちは自分が食べるものは基本的に自分で作り、それで足りないものは近隣の人たちが提供する製品やサービスで補っていけるという。
生活エリアで経済活動を完結させることができれば、グローバル資本主義に取り込まれることなく生きていけるだろう。
AIに代替されない創造的な仕事をするために、国民全員がアーティストになろうという呼びかけも、その一環だ。
周囲から一笑に付されるのは、たぶん織り込み済み。生前の森永さんは「発言するときはバットを振り抜く」と語っていた。「○○ではないだろうか」の物言いは皆無。逃げ道を作るような留保はしない。「○○なのだ」で締めくくられる。退路を断って、批判を恐れず。ご自身の生き方と合致する文章なのだ。(集英社新書960円)
続く第二次安倍政権に対しては、安倍首相のかつての日本によるアジア侵略を否定する姿勢を批判し、連立パートナーである公明党の閣僚に反対するよう呼びかける。現在の政治状況を予見するような提言である。
経済面では、日本の財政は年間60兆円の財政出動をする余力があることを指摘。国民一人当たり月額4万円程度のベーシカムが支給されれば、私たちは自分が食べるものは基本的に自分で作り、それで足りないものは近隣の人たちが提供する製品やサービスで補っていけるという。
生活エリアで経済活動を完結させることができれば、グローバル資本主義に取り込まれることなく生きていけるだろう。
AIに代替されない創造的な仕事をするために、国民全員がアーティストになろうという呼びかけも、その一環だ。
周囲から一笑に付されるのは、たぶん織り込み済み。生前の森永さんは「発言するときはバットを振り抜く」と語っていた。「○○ではないだろうか」の物言いは皆無。逃げ道を作るような留保はしない。「○○なのだ」で締めくくられる。退路を断って、批判を恐れず。ご自身の生き方と合致する文章なのだ。(集英社新書960円)
2026年05月13日
【自民党大会】陸自隊員が国歌 首相「法的問題ない」=編集部
「時は来た。憲法改正の発議について、めどが立ったと言える状態で来年の党大会を迎えたい」。高市首相が師と仰ぐ安倍元首相にならい「来年の党大会」と改憲の国会発議の期限を表明した12日の自民党大会で、陸上自衛隊中央音楽隊に所属の陸曹が制服(音楽隊の演奏服)で登壇し、国歌を斉唱した。自衛官は登壇に際して「陸上自衛隊が誇るソプラノ歌手」と司会者から会場に紹介されたという。自民党、防衛省は「国歌の斉唱は政治行為にあたらない」とするが、問題は国会でも取り上げられ、「自衛隊の中立性に疑念をもたれる軽率な行為との指摘もされる。何がどう問題なのか。関係者の説明を紹介し整理した。
自衛隊法61条
自衛隊法61条は自衛官の政治的行為禁止を定めており、「隊員は選挙権行使を除き、政治的行為をしてはならない」と条文にある。
これについて防衛省はメディアの取材に「国歌を歌唱することは政治的行為にあたらないと認識している」と回答した。
自衛隊所管大臣の小泉防衛相も「国歌の歌唱は政治的行為にあたらない」と述べ、自衛隊法抵触を否定。関係者から依頼されての陸曹の自民党大会出演は自衛官の職務ではなく私人としての行為とする一方、「私は事前に知らされていなかった」とも語った。
また、高市首相も「会場に着くまで知らなかった。特定の政党への支援を呼びかけたわけではなく、陸曹の国歌斉唱は法律的に問題はない」とした。
問題点すり替え
自民党サイドでは鈴木俊一幹事長は「個人に対してお願いした。国歌を歌うこと自体に政治的な意味はなく、特に問題ない」。萩生田光一幹事長代行は「陸曹への依頼は党の要請でなく、党大会の演出を企画する会社の推薦だった」と説明。事前に同社を通じて現役自衛官が特定政党の大会で歌唱しても問題ないか防衛省に確認し、「問題ない」と言われたので党大会運営委員会で決定したとも語った。
一方、防衛省の担当部署は事前に、演出企画会社に歌唱依頼された陸曹から連絡を受けていた。また、陸自トップの荒井正芳陸上幕僚長は、陸曹の出演を事前に把握していたと明かし、「その自民党大会出演が不適切とは考えていない」との認識を示している。
さらに、国会で、自民党大会は「党の最高意思決定機関、政治的行為では」と指摘された防衛省幹部は、集会などで「政治的目的を有する意見を述べることなどが政治的行為」。「国歌斉唱自体に特定の政党を支持や反対する目的はない」と答えた。
だが、防衛省や自民党の「国歌斉唱は政治的行為でない」との主張は問題のすり替えだ。
問題の根幹は特定の政党の党大会に、自衛官が誰が見ても自衛官だとわかる形でステージに上がり、参加していることだ。国民から見れば自衛官(公務員)の政治活動参加に見える。
自衛官(公務員)の政治的中立に疑念を抱かせる自民党と防衛省の判断は軽率に過ぎる。政府の「私人としての行為」という説明もおかしい。
処分すべきは誰
「私人としての行為」なら、陸曹は自衛隊法46条1項の「職務上の義務に違反」で、懲戒処分を受けることになる。だが、制服(演奏服)は陸上幕僚長の指示で着用するものであり、国会でこの規定を指摘された防衛省の担当者は、幕僚長の指示を受けたものではないとした上で、「職務外に演奏服着用が禁止されているわけではない。今回、私的な場面で演奏服を着たから規律違反とは評価しない」と答弁した。
また、自民党大会には音楽隊副隊長も陸曹に同行していた。しかも陸幕長は陸曹の出演を事前に了解していた。
つまり陸上自衛隊が自民党に忖度し、問題点を知りながら組織的に党大会に協力したのではないのかということだ。
それなら責任を問い、処分されるべきは陸自のトップ幕僚長だ。当然だが、小泉防衛相も監督責任を免れない。「省内の報告態勢に問題があった。報告のあり方について改善が必要」などと他人事のように語っている場合ではなかろう。
自民政権に懸念
さらに今回の一件で明らかになったことがもう一つある。政権与党としての自民党の実務能力だ。萩生田幹事長代行は、陸曹の起用は党大会を演出した企画会社の推薦。問題がないかどうか、企画会社を通じて防衛省に確認したと語った。
ちょっと待て。自民党は政権党=政府そのものだ。法的な懸念があれば、法務省があり、内閣法制局がある。最高の専門機関に党として直接確かめることが当たり前にできる立場にある。防衛省に直接照会することも当然可能だ。
にもかかわらずその確認を企画会社に委ね、丸投げした。
1年後には改憲発議にめどをつけたい。「時は来た」と言うが…。これで本当に大丈夫なのか。党大会で露わになったこの一件で不安はますます募る。自衛隊が組織として政治に介入しないようにしてきたのは、戦前、戦中の苦い記憶への反省からだ。自民も防衛省も麻痺していないか。
だが、おかしいと思った議員もいる。岩屋毅元防衛相は記者団に問われ「制服を着て、階級を含め自衛官と紹介されていたので違和感を覚えた。政府は反省する必要がある」と指摘したという。
改憲に前のめりの高市政権だけに、いま改めて権力監視の重要さを確認したい。まさにここが正念場だ。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
自衛隊法61条
自衛隊法61条は自衛官の政治的行為禁止を定めており、「隊員は選挙権行使を除き、政治的行為をしてはならない」と条文にある。
これについて防衛省はメディアの取材に「国歌を歌唱することは政治的行為にあたらないと認識している」と回答した。
自衛隊所管大臣の小泉防衛相も「国歌の歌唱は政治的行為にあたらない」と述べ、自衛隊法抵触を否定。関係者から依頼されての陸曹の自民党大会出演は自衛官の職務ではなく私人としての行為とする一方、「私は事前に知らされていなかった」とも語った。
また、高市首相も「会場に着くまで知らなかった。特定の政党への支援を呼びかけたわけではなく、陸曹の国歌斉唱は法律的に問題はない」とした。
問題点すり替え
自民党サイドでは鈴木俊一幹事長は「個人に対してお願いした。国歌を歌うこと自体に政治的な意味はなく、特に問題ない」。萩生田光一幹事長代行は「陸曹への依頼は党の要請でなく、党大会の演出を企画する会社の推薦だった」と説明。事前に同社を通じて現役自衛官が特定政党の大会で歌唱しても問題ないか防衛省に確認し、「問題ない」と言われたので党大会運営委員会で決定したとも語った。
一方、防衛省の担当部署は事前に、演出企画会社に歌唱依頼された陸曹から連絡を受けていた。また、陸自トップの荒井正芳陸上幕僚長は、陸曹の出演を事前に把握していたと明かし、「その自民党大会出演が不適切とは考えていない」との認識を示している。
さらに、国会で、自民党大会は「党の最高意思決定機関、政治的行為では」と指摘された防衛省幹部は、集会などで「政治的目的を有する意見を述べることなどが政治的行為」。「国歌斉唱自体に特定の政党を支持や反対する目的はない」と答えた。
だが、防衛省や自民党の「国歌斉唱は政治的行為でない」との主張は問題のすり替えだ。
問題の根幹は特定の政党の党大会に、自衛官が誰が見ても自衛官だとわかる形でステージに上がり、参加していることだ。国民から見れば自衛官(公務員)の政治活動参加に見える。
自衛官(公務員)の政治的中立に疑念を抱かせる自民党と防衛省の判断は軽率に過ぎる。政府の「私人としての行為」という説明もおかしい。
処分すべきは誰
「私人としての行為」なら、陸曹は自衛隊法46条1項の「職務上の義務に違反」で、懲戒処分を受けることになる。だが、制服(演奏服)は陸上幕僚長の指示で着用するものであり、国会でこの規定を指摘された防衛省の担当者は、幕僚長の指示を受けたものではないとした上で、「職務外に演奏服着用が禁止されているわけではない。今回、私的な場面で演奏服を着たから規律違反とは評価しない」と答弁した。
また、自民党大会には音楽隊副隊長も陸曹に同行していた。しかも陸幕長は陸曹の出演を事前に了解していた。
つまり陸上自衛隊が自民党に忖度し、問題点を知りながら組織的に党大会に協力したのではないのかということだ。
それなら責任を問い、処分されるべきは陸自のトップ幕僚長だ。当然だが、小泉防衛相も監督責任を免れない。「省内の報告態勢に問題があった。報告のあり方について改善が必要」などと他人事のように語っている場合ではなかろう。
自民政権に懸念
さらに今回の一件で明らかになったことがもう一つある。政権与党としての自民党の実務能力だ。萩生田幹事長代行は、陸曹の起用は党大会を演出した企画会社の推薦。問題がないかどうか、企画会社を通じて防衛省に確認したと語った。
ちょっと待て。自民党は政権党=政府そのものだ。法的な懸念があれば、法務省があり、内閣法制局がある。最高の専門機関に党として直接確かめることが当たり前にできる立場にある。防衛省に直接照会することも当然可能だ。
にもかかわらずその確認を企画会社に委ね、丸投げした。
1年後には改憲発議にめどをつけたい。「時は来た」と言うが…。これで本当に大丈夫なのか。党大会で露わになったこの一件で不安はますます募る。自衛隊が組織として政治に介入しないようにしてきたのは、戦前、戦中の苦い記憶への反省からだ。自民も防衛省も麻痺していないか。
だが、おかしいと思った議員もいる。岩屋毅元防衛相は記者団に問われ「制服を着て、階級を含め自衛官と紹介されていたので違和感を覚えた。政府は反省する必要がある」と指摘したという。
改憲に前のめりの高市政権だけに、いま改めて権力監視の重要さを確認したい。まさにここが正念場だ。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月12日
【支部リポート・東海】全国と連帯「平和」願う 市民の力さらに広げよう=丹原 美穂
高市政権の誕生以降、憲法改悪(改憲)や「国旗法」、「スパイ防止法」などの危険な諸法律制定の動きなど、懸念される事態が次々と、しかも露骨に推し進められようとする中、私たちJCJ東海支部も全国と連携し「平和」を訴える活動に取り組んでいます。
そんな中、真っ先にお伝えしたいのは、新入会員を1人お迎えすることができたことです。しかも、ご自身から「入りたい」と嬉しい申し出をいただきました。心強いかぎりです。共に頑張って行きたいと思っています。
3月25日には、国会前での「平和憲法を守るアクション」に連帯し、北は北海道から沖縄まで全国約30カ所でアクションが展開されました。東京は24000人だったとのことですが、東海地方では、静岡100人、豊橋12人、金沢100人、名古屋250人、岐阜54人=写真=の参加を得ることができました。
私たちの「戦争は嫌だ」「平和な日本を」という願いとは裏腹に、今、日本では敵基地攻撃能力のある長射程ミサイル配備や弾薬庫の増設が各地で推し進められています。沖縄から始まったこうした動きは、次第に北上し、九州、西日本、東海へと拡大の一途をたどっています。
これに対抗する私たち市民のカウンター活動も、「沖縄・琉球弧の声を届ける会」や「沖縄・西日本ネットワーク」など連携の輪が大きく広がつています。
こうした中で迎えた4月8日の「平和憲法を守る4・8行動」には、初めてデモに来た人や若い人の参加も多く名古屋1100人。岐阜170人の参加があり、平和を守れ、憲法まもれ、と口々に声を挙げて訴えました。
平和を願う市民のこうした行動は、海外でもApril8.2026 “Japan will make history”=日本は歴史を作ろうとしている=と大きく取り上げられています。
戦争反対・憲法守れと立ち上がった国内10万人の市民の力をさらに広げたいと願っています。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月11日
【沖縄JN】オール沖縄の敗因は? オンライン勉強会 9月には知事選も=高田正基(北海道支部)
JCJの会員有志でつくる沖縄ジャンプナイト(OJN)は3月29日、先の衆院選で県内全4選挙区で敗れた「オール沖縄」の敗因分析と、これまでの歩みを学ぶ勉強会をオンラインで開いた。OJNのメンバーでもある沖縄タイムスの黒島美奈子さんと琉球新報の米倉外昭さんが、取材経験を踏まえて解説。オール沖縄は翁長雄志知事(当時)死去後、企業と保守陣営の離脱や新興政党の台頭によって分裂し、時代の変化に対応できなかったと分析した。
黒島さんはオール沖縄の誕生以来の動向などを説明し、米倉さんがオール沖縄に当初からあった限界と衆院選の敗因を中心に補足した。
オール沖縄は保守政治家だった翁長氏が「生みの親」だ。翁長氏は2012年から基地問題に関し保革共闘の重要性について発言していた。13年、県議や市町村長らとともに普天間飛行場の県内移設反対などを訴えた東京・銀座のデモ行進で右翼から罵声を浴びたことは、翁長氏の「イデオロギーではなくアイデンティティーだ」との発言へとつながっていく。経済界や労組、市民団体にも参加を呼びかけ、15年に「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が組織化された。
オール沖縄の候補は国政選挙など全県選挙では強みを発揮した一方、地域の政策課題が争点になる市長選では逆に敗北が続いた。
最初の転機は18年の名護市長選の敗北だ。責任を取る形で企業出身の共同代表が辞任。さらに同年、組織の支柱だった翁長氏が死去し組織に動揺が広がった。
それでも辺野古新基地反対の民意は底堅く、19年の県民投票では反対が7割を占めた。一方で、社会がコロナ禍に突入していく中、組織重鎮の経営者が「経済界としてそんなに長く政治的に戦うわけにはいかない」として離脱した。
保革共闘の崩壊が決定的になったのは22年の那覇市長選だ。自民・公明推薦候補にオール沖縄の候補が敗れた。
今年2月の衆院選では、自民党が高市早苗首相の人気を選挙区事情によって使い分け、首相に抵抗感が強い公明票を巧みに取り込んだ。野党はれいわ新選組など新興政党の台頭で票が分散したほか、中道改革連合の安住淳共同幹事長(当時)が「政権を担うことになれば(辺野古の工事を)ストップするかというと現実的ではない」と述べたことも支持者の離反を招いた。
米倉さんは「翁長氏ありきのオール沖縄に依存した選挙には限界があった」と分析し、オール沖縄は一度解散して出直す必要があると指摘した。衆院選後、2人が亡くなった辺野古の小型船転覆事故の衝撃も大きく、右派言論やネットの反対運動叩きが続く。「沖縄の平和運動の正当性さえ揺らぎ始めている」(黒島さん)という。
今年9月の知事選も厳しい戦いが予想される。黒島さんは「PFASや騒音など暮らしにかかわる基地問題は多く、沖縄ではなおも基地負担軽減を求める声は一致している。そうした沖縄の民意をくみ取る政治集団が求められていることに変わりはない」と締めくくった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
黒島さんはオール沖縄の誕生以来の動向などを説明し、米倉さんがオール沖縄に当初からあった限界と衆院選の敗因を中心に補足した。
オール沖縄は保守政治家だった翁長氏が「生みの親」だ。翁長氏は2012年から基地問題に関し保革共闘の重要性について発言していた。13年、県議や市町村長らとともに普天間飛行場の県内移設反対などを訴えた東京・銀座のデモ行進で右翼から罵声を浴びたことは、翁長氏の「イデオロギーではなくアイデンティティーだ」との発言へとつながっていく。経済界や労組、市民団体にも参加を呼びかけ、15年に「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」が組織化された。
オール沖縄の候補は国政選挙など全県選挙では強みを発揮した一方、地域の政策課題が争点になる市長選では逆に敗北が続いた。
最初の転機は18年の名護市長選の敗北だ。責任を取る形で企業出身の共同代表が辞任。さらに同年、組織の支柱だった翁長氏が死去し組織に動揺が広がった。
それでも辺野古新基地反対の民意は底堅く、19年の県民投票では反対が7割を占めた。一方で、社会がコロナ禍に突入していく中、組織重鎮の経営者が「経済界としてそんなに長く政治的に戦うわけにはいかない」として離脱した。
保革共闘の崩壊が決定的になったのは22年の那覇市長選だ。自民・公明推薦候補にオール沖縄の候補が敗れた。
今年2月の衆院選では、自民党が高市早苗首相の人気を選挙区事情によって使い分け、首相に抵抗感が強い公明票を巧みに取り込んだ。野党はれいわ新選組など新興政党の台頭で票が分散したほか、中道改革連合の安住淳共同幹事長(当時)が「政権を担うことになれば(辺野古の工事を)ストップするかというと現実的ではない」と述べたことも支持者の離反を招いた。
米倉さんは「翁長氏ありきのオール沖縄に依存した選挙には限界があった」と分析し、オール沖縄は一度解散して出直す必要があると指摘した。衆院選後、2人が亡くなった辺野古の小型船転覆事故の衝撃も大きく、右派言論やネットの反対運動叩きが続く。「沖縄の平和運動の正当性さえ揺らぎ始めている」(黒島さん)という。
今年9月の知事選も厳しい戦いが予想される。黒島さんは「PFASや騒音など暮らしにかかわる基地問題は多く、沖縄ではなおも基地負担軽減を求める声は一致している。そうした沖縄の民意をくみ取る政治集団が求められていることに変わりはない」と締めくくった。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月10日
【焦点】調査報道の軌跡と展望 潜入取材もっとやれる 学者・大手メディアとも連携 高田昌幸JCJ講演=橋詰雅博
『調査報道の戦後史 1945―2025』(昨年12月刊、旬報社)は「社会を変えた調査報道」という独自のモノサシでリストアップした150(巻末に掲載)のうち50の事例を詳述・検証した本だ。著者の専修大学文学部ジャーナリズム学科特任教授・高田昌幸氏=写真=は4月5日のJCJオンライン講演で調査報道の軌跡と成果、展望などを話した。
高田目線≠ノよる調査報道とは@その時に報じなければ永遠に埋もれてしまうかもしれない事象を報道の責任において世に送り出す、A不条理やアンフェアな出来事を早期に見つけ、裏付けを取り、広く社会に伝える――。
その代表例として近年では読売新聞が報じた「女子受験者を一律減点 東京医大 恣意的操作」のスクープ記事(2018年8月2日付)を高田氏は挙げた。
結婚や出産で女性は医師を辞めるケースが多いので11年から女子の合格者を3割前後に抑えるようにしたのがその理由。女性の社会進出を阻む新たな愚行が明るみに出た。高田氏は「この報道がきっかけでほかの大学でも同じようなことが行われていたことが発覚した。読売の調査報道がなければ、今も女子受験者の不当な減点は続いていただろう」と語った。文科省も「大学入学者選抜実施要項」を見直し差別禁止ルールを設定した。
まさに社会を変えた調査報道だった。
4タイプに分類
高田氏は調査報道を@権力監視型、Aキャンペーン型、B深掘りルポ、Cその他に分けた。@の代表格は朝日新聞「リクルート事件」(1988年)と月刊文藝春秋『田中角栄研究 その金脈と人脈』(74年11月号)で、竹下登と田中の両首相を辞任に追い込んだ、Aは中国新聞「暴力追放キャンペーン」(63年から65年)で、広島の暴力団抗争と対峙したことにより市民が立ち上がった、Bは読売新聞「黄色い血の恐怖」(62年)、日雇い労働者に変装した社会部の本田靖春記者が東京・山谷ドヤ街に潜入し血液売買の実態を暴いたことで献血制度の設立につながった、ちなみに黄色い血は売血が多い人の症状で生命が危ぶまれる、Cは前述の大学における女子受験者の減点―。
欧米では常態化
メディアの調査報道は後退しているとは思えないが、気がかりなのは、記者が権力の内側に入り込む「潜入取材」が消えたことだと指摘した高田氏はこう述べた。
「欧米メディアでは潜入取材は普通にやっている。日本では参政党やユニクロなどに入り込んで取材したフリーランスの横田増生さんは今も続けている。コンプライアンス(法令遵守)に反する、裏を返せばそのやり方は卑怯だという漠とした感情がメディア側にある。しかし、潜入取材は本当に許されないのか。コンプライアンスという雑な言葉ではなく、法律家を交えて何の法律のどういうところが引っかかるのかを詰めればやれる余地はある」
波及効果ねらう
高田氏は調査報道を担う会社「フロントラインプレス」を19年に立ち上げ代表を務める。最近取り組んだのは国会議員の「選挙運動費用収支報告書」の全容だ。ネットメディアのスローニュースや政治学者と組んで報告書のデータベースを構築しスローニュースに掲載。この調査報道は昨年、ネットメディア部門でJCJ賞を受賞した。高田氏は「フロントラインプレスは、手掛けた調査報道をヤフーニュースのオリジナル特集やスローニュースで発表、あるいは毎日新聞と合同取材チームをつくり調査報道を行った。合同チームはニュースアプリの大手、グノシーの虚偽広告配信を取材。毎日新聞は20年3月18日に記事を掲載、グノシーは配信を認めた。影響力が大きいところと一緒にやっている。大手メディアのダメな部分はあるが、問題を追及するため連携する相手だと思っている」という。
ネットメディアの調査報道は影響力がまだまだ小さい。ほかのメディアと手を組めば波及効果は大きくなる。ひいては社会を変えることに近づく。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月09日
【月刊マスコミ評・新聞】高市自民・維新暴走に抗う人々も=山田 明
新年度予算案は3月13日、与党が採決を強行して衆院本会議で可決された。毎日15日社説「国会軽視する政権の横暴」は、本来1カ月はかかるところを2週間程度で済ませ、審議時間は過去最短となったと批判する。
高市首相は予算案の年度内成立を断念して、暫定予算を組んだ。国会軽視の予算審議は、財政民主主義の形骸化に拍車をかける。高市政権の放漫財政と円安インフレは、物価高騰により国民生活を直撃する。「軍拡増税」が4月から始まり、戦争準備の国民負担が今後さらに膨らみ続ける危険がある。トランプ政権が同盟国にGDP比5%の軍事費を要求しているからだ。
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、中東をはじめ世界を揺るがす。高市首相は攻撃の「法的評価は差し控える」と、曖昧な答弁を繰り返す。先の日米首脳会談では、ホルムズ海峡への自衛隊派遣に「憲法9条の制約」と伝えたというが、9条改憲など早期の発議をめざす。改憲策動に先んじて、国家情報会議設置法案が衆院で審議入りした。高市政権は「現代の治安維持法」といわれるスパイ防止関連の法整備も視野に入れる。国会で自民が3分の2強を占め、軍拡国家の様相を強めるなか、「戦争が嫌だ。怖い。そう声を上げる人々が街頭に集まり始めた」と朝日4月2日社説、戦争反対の声「デモできる社会」の意義は伝える。
自民と連立を組む維新は高市政権の「アクセル役」だ。連立合意書には、高市政権が進める軍拡・福祉切り捨て政策とともに、「副首都法案」にも触れている。
自維が合意した副首都関連法案の骨子案によると、副首都の指定要件として、政令市+県(連携協約等)と特別区の設置等を挙げる。骨子案の附則に「大都市法」、政令市を廃止して特別区を設置する法律の改正も盛り込まれた。副首都構想と大都市制度は、別問題のはずだ。
大阪府の吉村知事は、副首都法案が成立すれば、大阪市廃止・分割の賛否を問う住民投票の対象は、従来の大阪市民から大阪府民に拡大できるとの見解を示した。維新大阪市議団は拙速な法定協議会設置に慎重な姿勢だ。3度目の住民投票をめぐり、大阪は「吉村維新」の暴走に揺れ動いている。鋭い報道を期待したい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
高市首相は予算案の年度内成立を断念して、暫定予算を組んだ。国会軽視の予算審議は、財政民主主義の形骸化に拍車をかける。高市政権の放漫財政と円安インフレは、物価高騰により国民生活を直撃する。「軍拡増税」が4月から始まり、戦争準備の国民負担が今後さらに膨らみ続ける危険がある。トランプ政権が同盟国にGDP比5%の軍事費を要求しているからだ。
アメリカとイスラエルによるイラン攻撃は、中東をはじめ世界を揺るがす。高市首相は攻撃の「法的評価は差し控える」と、曖昧な答弁を繰り返す。先の日米首脳会談では、ホルムズ海峡への自衛隊派遣に「憲法9条の制約」と伝えたというが、9条改憲など早期の発議をめざす。改憲策動に先んじて、国家情報会議設置法案が衆院で審議入りした。高市政権は「現代の治安維持法」といわれるスパイ防止関連の法整備も視野に入れる。国会で自民が3分の2強を占め、軍拡国家の様相を強めるなか、「戦争が嫌だ。怖い。そう声を上げる人々が街頭に集まり始めた」と朝日4月2日社説、戦争反対の声「デモできる社会」の意義は伝える。
自民と連立を組む維新は高市政権の「アクセル役」だ。連立合意書には、高市政権が進める軍拡・福祉切り捨て政策とともに、「副首都法案」にも触れている。
自維が合意した副首都関連法案の骨子案によると、副首都の指定要件として、政令市+県(連携協約等)と特別区の設置等を挙げる。骨子案の附則に「大都市法」、政令市を廃止して特別区を設置する法律の改正も盛り込まれた。副首都構想と大都市制度は、別問題のはずだ。
大阪府の吉村知事は、副首都法案が成立すれば、大阪市廃止・分割の賛否を問う住民投票の対象は、従来の大阪市民から大阪府民に拡大できるとの見解を示した。維新大阪市議団は拙速な法定協議会設置に慎重な姿勢だ。3度目の住民投票をめぐり、大阪は「吉村維新」の暴走に揺れ動いている。鋭い報道を期待したい。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月08日
【リレー時評】「頑固」もいい加減にせよ=白垣 詔男
高市早苗首相は、非常に頑固だ。
自ら国会を解散した時期から計算したら、予算の年度末成立は無理だと誰が考えても分かる。しかし、高市は、年度を越えて予算審議が続いた際も、「出来るだけ最短で成立させよ」と側近に告げたと新聞で報道されている。「独り相撲が際立つ」との見出しも付いているほどだ。
高市の「頑固さ」は最近、多く表面化するようになってきた。
私がこの間、高市の「頑固さ」を感じたのは、「憲法」「アジア太平洋地域」という言葉を、自ら話すときには絶対に使わないことに気付いたからだ。
日米首脳会談のために訪米する前、国会審議で野党から「トランプ大統領から、自衛隊をホルムズ海峡の安全通行のために派遣してほしいと言われたら、どうするのか」と質問され、高市は「法律の範囲で、できることとできないことがあるので、それを大統領に説明する」と答弁した。「憲法の許す範囲で」とは決して言わなかった。まして「憲法9条があるから、それは出来ない」とは口が裂けても言わないのだろう。公務員に順守義務を課している憲法だが、高市は「9条だけは守りたくない」思いが「あからさま」である。
また、「日本は東洋の先進国として、アジア平和にどう貢献するのか」などと聞かれた際、高市は「アジア太平洋」と決して言わず「インド太平洋」と言い続けている。「アジア太平洋」と言えば、聞く人は、そこに中国が入ってくることを、まず思い浮かべる。これを嫌って高市は「インド太平洋」としか言わないのだろう。「頑固」に、これも死守しているように思われてならない。「中国嫌い」が骨の髄まで沁み込んでいると思われる姿勢ではないか。
高市は国会答弁で「台湾有事発言」をした後、中国が大反発して日本を「敵対国」のような扱いに転じても発言撤回はしなかった。日本の貿易相手は中国が世界最大なのだから、高市は自分の発言が日本経済に大きな悪影響を及ぼすことに考えが回らなかったと思う。
また、日本の中国大使館に幹部自衛官が刃物を持って侵入した際も高市は、防衛相・小泉進次郎とともに「遺憾だ」としか言わなかった。これこそ、幹部自衛官が中国大使館という日本の中の「中国に侵入した」ことの重大犯罪には、誰が考えても謝罪すべきだ。
しかし、「中国嫌いの高市」は、中国に頭を下げることを考えたこともないのだろう。一議員ならそれも「思想」として許されるだろうが、首相では決して許されない。
そもそも日本はアジア・太平洋戦争時、中国に何をしたのか。その反省する姿勢を、みじんも感じさせない高市の姿勢は世界各国から、「日本は80余年前の蛮行を忘れたのか」と指弾されているのではないか。「頑固」は「個性」とも言えるものの高市には「反省」する「謙虚さ」のかけらも見えない。(敬称略)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
自ら国会を解散した時期から計算したら、予算の年度末成立は無理だと誰が考えても分かる。しかし、高市は、年度を越えて予算審議が続いた際も、「出来るだけ最短で成立させよ」と側近に告げたと新聞で報道されている。「独り相撲が際立つ」との見出しも付いているほどだ。
高市の「頑固さ」は最近、多く表面化するようになってきた。
私がこの間、高市の「頑固さ」を感じたのは、「憲法」「アジア太平洋地域」という言葉を、自ら話すときには絶対に使わないことに気付いたからだ。
日米首脳会談のために訪米する前、国会審議で野党から「トランプ大統領から、自衛隊をホルムズ海峡の安全通行のために派遣してほしいと言われたら、どうするのか」と質問され、高市は「法律の範囲で、できることとできないことがあるので、それを大統領に説明する」と答弁した。「憲法の許す範囲で」とは決して言わなかった。まして「憲法9条があるから、それは出来ない」とは口が裂けても言わないのだろう。公務員に順守義務を課している憲法だが、高市は「9条だけは守りたくない」思いが「あからさま」である。
また、「日本は東洋の先進国として、アジア平和にどう貢献するのか」などと聞かれた際、高市は「アジア太平洋」と決して言わず「インド太平洋」と言い続けている。「アジア太平洋」と言えば、聞く人は、そこに中国が入ってくることを、まず思い浮かべる。これを嫌って高市は「インド太平洋」としか言わないのだろう。「頑固」に、これも死守しているように思われてならない。「中国嫌い」が骨の髄まで沁み込んでいると思われる姿勢ではないか。
高市は国会答弁で「台湾有事発言」をした後、中国が大反発して日本を「敵対国」のような扱いに転じても発言撤回はしなかった。日本の貿易相手は中国が世界最大なのだから、高市は自分の発言が日本経済に大きな悪影響を及ぼすことに考えが回らなかったと思う。
また、日本の中国大使館に幹部自衛官が刃物を持って侵入した際も高市は、防衛相・小泉進次郎とともに「遺憾だ」としか言わなかった。これこそ、幹部自衛官が中国大使館という日本の中の「中国に侵入した」ことの重大犯罪には、誰が考えても謝罪すべきだ。
しかし、「中国嫌いの高市」は、中国に頭を下げることを考えたこともないのだろう。一議員ならそれも「思想」として許されるだろうが、首相では決して許されない。
そもそも日本はアジア・太平洋戦争時、中国に何をしたのか。その反省する姿勢を、みじんも感じさせない高市の姿勢は世界各国から、「日本は80余年前の蛮行を忘れたのか」と指弾されているのではないか。「頑固」は「個性」とも言えるものの高市には「反省」する「謙虚さ」のかけらも見えない。(敬称略)
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月07日
【国体擁護法】「国旗等損壊罪」反対集会開く 愛国心刑罰で強要=古川英一
高市政権の元で進められている「国旗等損壊罪」は自民党のプロジェクトチームでの検討が3月末から始まり、今の国会で提出される可能性が高まっている。こうした状況に危機感を持つ市民団体や日の丸・君が代の強制に反対している教職員などが4月11日の夜、東京・文京区で「国旗等損壊罪」に反対する緊急集会を開いた=写真=。
集会には90人あまりが参加し「君が代裁判」の弁護にあたる澤藤統一郎弁護士がこの法律の意味や狙いについて講演した。
この中で澤藤さんは「国旗等損壊罪」とは、国旗が象徴する「国家」に対する冒とく行為を犯罪とするものであり、刑罰の威嚇をもって国家の権威・尊厳、国家に対する国民の敬愛の感情を保護しようとするもの、と位置づける。そのうえで、この法律は▽国権の肥大化をもたらし、それは人権の縮小をもたらすこと▽愛国心は刑罰をもって強制すべき対象ではありえず「愛国」は全体主義のスローガンとして警戒しなければならないこと▽結局のところ「国体擁護法」であり「愛国心強制法」などと言える、として戦後81年を迎え、憲法を守ろうとする人たちはこれに反対しなければならないと訴えた。
また罰則がない理念法になったとしても、それは人畜無害なものではないことは、国旗国歌法が事実上強制の根拠とされ、社会的な同調圧力となっていることからも明らかと述べ、権力が吹く犬笛に多くの「愛国者」が踊らされ表現行為が萎縮され、愛国心が強制されていくと危機感をにじませた。
さらに澤藤さんは、この問題は昨年10月の自民・維新連立合意の項目に組み入れられているのが発端だが、高市首相自身もかつて「国旗等損壊罪」の創設を目指していたこともあると指摘し、高市首相は憲法の理念で動いていた日本を、「戦争のできる国」に作りかえようとしていると批判した。
集会では最後に「表現の自由の侵害にあたり、踏み絵の効果もあって思想良心の自由の侵害にもあたる。この法律が成立してしまうと憲法改悪への一里塚となってしまう」として「国旗等損壊罪の成立を絶対に許すことはできない」とする集会宣言を決議した。そして今後、反対の署名活動や街頭でのアピールなどに力を入れていくことを申し合わせた。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月06日
【映画の鏡】もう1つのなでしこジャパン『アイ・コンタクト』東京デフリンピックで新作も=鈴木 賀津彦
アイ・コンタクト製作委員会
昨年11月、日本で初めて「東京2025デフリンピック」が開催された。これまで「デフリンピックとは何か」を知らない人も多かったが、東京開催を機に「きこえない・きこえにくい人のための国際スポーツ大会」として広く認知されるようになった。国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が4年ごとに開催する、デフアスリートのオリンピックである。
障害者サッカーを含め、サッカー界のドキュメンタリーを撮り続けている中村和彦監督は、今大会に密着した新作『デフリンピック・ストーリーズ』を製作中で、完成が間近だ。福島県のJヴィレッジで行われたサッカーほかハンドボールハンドボール競技なども取材した本作への期待を込めつつ、この機会にこれまでの氏の作品を観てほしい。
2010年に公開された『アイ・コンタクト〜もう1つのなでしこジャパン』は、09年の台北デフリンピックに初出場した「ろう者サッカー女子日本代表」の激闘と成長を捉えた作品で、監督自らが手話を学ぶなど、ろうの世界の理解につとめてインタビュー。そこには、意外にもおしゃべり好きな彼女たちの等身大の姿や、生活者としての本音が鮮やかに映し出され、観る者に「インクルーシブとは何か」を深く問いかけてくる。
知的障害者サッカーの世界を描いた『プライド in ブルー』(07年)や、電動車椅子サッカーの選手を追った『蹴る』(19年)も、ぜひ併せて観てほしい作品である。これらの作品を自主上映会などで上映し、障害者スポーツに対する時代の変化を感じ取ってみてはどうだろうか。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
昨年11月、日本で初めて「東京2025デフリンピック」が開催された。これまで「デフリンピックとは何か」を知らない人も多かったが、東京開催を機に「きこえない・きこえにくい人のための国際スポーツ大会」として広く認知されるようになった。国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)が4年ごとに開催する、デフアスリートのオリンピックである。
障害者サッカーを含め、サッカー界のドキュメンタリーを撮り続けている中村和彦監督は、今大会に密着した新作『デフリンピック・ストーリーズ』を製作中で、完成が間近だ。福島県のJヴィレッジで行われたサッカーほかハンドボールハンドボール競技なども取材した本作への期待を込めつつ、この機会にこれまでの氏の作品を観てほしい。
2010年に公開された『アイ・コンタクト〜もう1つのなでしこジャパン』は、09年の台北デフリンピックに初出場した「ろう者サッカー女子日本代表」の激闘と成長を捉えた作品で、監督自らが手話を学ぶなど、ろうの世界の理解につとめてインタビュー。そこには、意外にもおしゃべり好きな彼女たちの等身大の姿や、生活者としての本音が鮮やかに映し出され、観る者に「インクルーシブとは何か」を深く問いかけてくる。
知的障害者サッカーの世界を描いた『プライド in ブルー』(07年)や、電動車椅子サッカーの選手を追った『蹴る』(19年)も、ぜひ併せて観てほしい作品である。これらの作品を自主上映会などで上映し、障害者スポーツに対する時代の変化を感じ取ってみてはどうだろうか。
JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2026年4月25日号
2026年05月05日
【5月出版界の動き】リアル書店減と新規開店への模索
◆雑誌・書籍販売金額1118億円(前年同月比7.4%減)
書籍は743億5600万円(同8.4%減)、雑誌375億1200万円(同5.4%減)。雑誌の内訳は月刊誌が同5.5%減、週刊誌が同4.8%減。返品率は書籍が同0.4ポイント増の25.6%、雑誌は同1.0ポイント減の40.6%。
書店店頭での売れ行きは、書籍が約2%減、文芸約2%増、文庫本約2%増、学参ほぼ前年なみ、ビジネス書約3%減、児童書約2%減、新書本約4%増、書籍扱いコミックス約6%減。雑誌は定期誌が約2%減、雑誌扱いコミックスが約21%減。
なお出版科学研究所による紙書籍雑誌推定販売金額は取次ルートのみで、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。雑誌にはコミックスの約9割が含まれる。
◆苦境の書店は活路を開けるか
25年度の登録書店(リアル書店)数は前年から424店減の9,993店。ついに1万店を割り、最盛期の1998年度から差し引き1万4千もの売り場が消滅した。いかに販売拠点の数が紙出版物の売り上げに影響するか如実になっている。
リアル書店の苦境が続くなか、三省堂書店神田神保町本店が3月19日にリニューアルオープン。22年5月に閉店した旧神保町本店を地上13階建ての新ビルに建て直し、書店は1階から3階までそれぞれ特色ある売り場を展開、4階には集英社「THEジャンプショップ神保町」が入居した。
そのほかにも1月31日には紀伊國屋書店新宿本店で初の試みとなるオールナイトフェス「KINOFES 2026」が開催。チケットはXでの告知後わずか4時間で完売し、当日は関係者を含む750人が参加したといわれる。
“本屋プロレス”など個性的なイベント開催で有名な伊野尾書店(新宿区・中井駅) は、3月末の閉店が決定していたが、「BOOKSHOPトランスビュー大江戸中井店」として6月より再オープンする。店舗の半分は従来型の本屋として書籍・雑誌等を販売し、もう半分はトランスビュー扱いの出版社の商材を中心に、展示・陳列するギャラリーを設け、出版社のポップアップストアとして活用できるようにするという。(「季刊 出版指標」2026年春号巻頭言・原正昭より)
◆図書館と出版業界による新文学賞案内
47都道府県の図書館員が、地元に「在住」する作家の小説を選び、トーナメント方式で頂点を決める新しい文学賞「本の甲子園」が始まっている。直木賞作家の今村翔吾さんの発案によるものだ。今村さんが理事長を務める一般社団法人ホンミライが、図書館流通センター、日販と共同で開催している。
日本の小説に属する本で、 発売から1年以内(24年10月〜25年9月)に刊行された日本の小説。文庫の場合は文庫オリジナル作品のみ対象となる。 6月 1日に各都道府県の代表作品発表。 7月〜9月 トーナメント戦(1〜3回戦・準々決勝)。10月20日(火)〜22日(木) 準決勝戦・決勝戦にて、頂点に立つ作品が決定。
◆出版市場占有率はコミック45%
出版科学研究所が発表した25年のコミック市場推計を元に、ジャンル別の占有率を算出。コミック6925億円に対し、書籍(コミックを除く)が6173億円、雑誌(コミックを除く)が2364億円。市場占有率はコミック44.8%、書籍(コミックを除く)39.9%、雑誌(コミックを除く)15.3%となった。
◆デジタル教科書の有識者会議開始
いま小中学生に無償配布の教科書は紙のみ。政府が正式な教科書として、「デジタル教科書」を、30年度の小学校から順次導入を計画している。しかしデジタルも教科書に位置付けられると、教科書は紙のみ、紙とデジタルを組み合わせた「ハイブリッド」、完全デジタルの3形態になることが想定される。
文科省の有識者会議は4月から、デジタルを導入できる学年・教科を示す指針の策定作業を始めた。認知科学などの知見を踏まえた議論など、10項目の論点が示されている。今後、「ハイブリッド」の教科書に占めるデジタルの比重や適否についても、慎重な検討が必要となる。
◆雑誌「学研の学習」16年ぶりに復刊
1946年に創刊し、小学生向けの看板月刊誌として工作教材の付録が魅力だった。最盛期の79年には、月間発行部数が雑誌「科学」と合計で670万部に上った。ただ学校や家庭への訪問販売に陰りが出て、書店販売に切り替えたものの2010年に休刊した。
7月9日発売の第1号は「はにわの大国宝展」と題し、東京国立博物館が監修。古墳時代の特集で国宝のはにわ「挂甲の武人」を6分の1サイズで再現するキットが付く。石の粉を含んだ素材を使って素焼きのような質感を実現した。インターネットで何でも調べられるデジタル全盛期だからこそ、子供の探求意欲を高めるリアルの体験がより重視されていると判断した。価格は4290円で当面は年1回発行する。
◆村上春樹の新作小説7月に刊行
新潮社は、村上春樹さんの長編小説「夏帆━The Tale of KAHO」が7月3日に刊行すると発表。「街とその不確かな壁」から3年ぶりの長編小説となる。2024年3月に早稲田大学で開かれたイベントで朗読し、文芸誌「新潮」に掲載された短編「夏帆」が作品の出発点。その後書き継いできた作品群を加えて、新たな長編小説として刊行する。
◆「週刊文春」39万部「週刊現代」23万
スマートフォンの普及に伴い、一般週刊誌は売上の厳しさに直面している。日本雑誌協会が四半期ベースで発表している印刷証明付き部数で確認する。
「サンデー毎日」が10万部を切り「AERA」もいまや5万部を割り込み、なお部数を減らし続ける形となっている。また20年1〜3月「SPA!」が10万部を割り込み、それ以降は10万部を超えられず低迷している。
一般週刊誌の前年同期比でプラス領域にある雑誌は皆無。全誌がマイナス領域。昨今、何かと世間を騒がせている「週刊文春」だが、前年同期比でマイナス7.2%、参考までに前期比はマイナス1.8%。絶対部数の多さに支えられてはいるものの、中長期的な低迷感の中にあることは否定できない。
大きく落ち込んだ雑誌のラインアップを再確認すると、「SPA!」「週刊現代」「週刊新潮」「週刊アサヒ芸能」といった、男性向けの大衆誌、あるいはゴシップ系雑誌がほとんどを占める。
◆「ドラえもん」終了を惜しむ
1977年4月15日に創刊された月刊漫画誌「コロコロコミック」(小学館)5月号が4月15日に発売された。だが藤子・F・不二雄さんの代表作「ドラえもん」の再掲載が終了しているので、SNS上では惜しむ声が相次いでいる。
河井質店Xアカウントは「『ドラえもん』がたくさん読める雑誌として77年に創刊されたコロコロコミック。これまでも『藤子・F・不二雄名作劇場ドラえもん』として再録され続けてきましたが、本日発売の5月号で最終回を迎えました。49年続いた歴史が終わってしまうのは本当に寂しいです。復活してくれることを切に願います」と、15日午前7時18分に投稿。その投稿から2時間強で、23万インプレッションと大きな反響を呼んでいる。
書籍は743億5600万円(同8.4%減)、雑誌375億1200万円(同5.4%減)。雑誌の内訳は月刊誌が同5.5%減、週刊誌が同4.8%減。返品率は書籍が同0.4ポイント増の25.6%、雑誌は同1.0ポイント減の40.6%。
書店店頭での売れ行きは、書籍が約2%減、文芸約2%増、文庫本約2%増、学参ほぼ前年なみ、ビジネス書約3%減、児童書約2%減、新書本約4%増、書籍扱いコミックス約6%減。雑誌は定期誌が約2%減、雑誌扱いコミックスが約21%減。
なお出版科学研究所による紙書籍雑誌推定販売金額は取次ルートのみで、近年増加している出版社と書店の直接取引や出版社による直接販売は含まれていない。雑誌にはコミックスの約9割が含まれる。
◆苦境の書店は活路を開けるか
25年度の登録書店(リアル書店)数は前年から424店減の9,993店。ついに1万店を割り、最盛期の1998年度から差し引き1万4千もの売り場が消滅した。いかに販売拠点の数が紙出版物の売り上げに影響するか如実になっている。
リアル書店の苦境が続くなか、三省堂書店神田神保町本店が3月19日にリニューアルオープン。22年5月に閉店した旧神保町本店を地上13階建ての新ビルに建て直し、書店は1階から3階までそれぞれ特色ある売り場を展開、4階には集英社「THEジャンプショップ神保町」が入居した。
そのほかにも1月31日には紀伊國屋書店新宿本店で初の試みとなるオールナイトフェス「KINOFES 2026」が開催。チケットはXでの告知後わずか4時間で完売し、当日は関係者を含む750人が参加したといわれる。
“本屋プロレス”など個性的なイベント開催で有名な伊野尾書店(新宿区・中井駅) は、3月末の閉店が決定していたが、「BOOKSHOPトランスビュー大江戸中井店」として6月より再オープンする。店舗の半分は従来型の本屋として書籍・雑誌等を販売し、もう半分はトランスビュー扱いの出版社の商材を中心に、展示・陳列するギャラリーを設け、出版社のポップアップストアとして活用できるようにするという。(「季刊 出版指標」2026年春号巻頭言・原正昭より)
◆図書館と出版業界による新文学賞案内
47都道府県の図書館員が、地元に「在住」する作家の小説を選び、トーナメント方式で頂点を決める新しい文学賞「本の甲子園」が始まっている。直木賞作家の今村翔吾さんの発案によるものだ。今村さんが理事長を務める一般社団法人ホンミライが、図書館流通センター、日販と共同で開催している。
日本の小説に属する本で、 発売から1年以内(24年10月〜25年9月)に刊行された日本の小説。文庫の場合は文庫オリジナル作品のみ対象となる。 6月 1日に各都道府県の代表作品発表。 7月〜9月 トーナメント戦(1〜3回戦・準々決勝)。10月20日(火)〜22日(木) 準決勝戦・決勝戦にて、頂点に立つ作品が決定。
◆出版市場占有率はコミック45%
出版科学研究所が発表した25年のコミック市場推計を元に、ジャンル別の占有率を算出。コミック6925億円に対し、書籍(コミックを除く)が6173億円、雑誌(コミックを除く)が2364億円。市場占有率はコミック44.8%、書籍(コミックを除く)39.9%、雑誌(コミックを除く)15.3%となった。
◆デジタル教科書の有識者会議開始
いま小中学生に無償配布の教科書は紙のみ。政府が正式な教科書として、「デジタル教科書」を、30年度の小学校から順次導入を計画している。しかしデジタルも教科書に位置付けられると、教科書は紙のみ、紙とデジタルを組み合わせた「ハイブリッド」、完全デジタルの3形態になることが想定される。
文科省の有識者会議は4月から、デジタルを導入できる学年・教科を示す指針の策定作業を始めた。認知科学などの知見を踏まえた議論など、10項目の論点が示されている。今後、「ハイブリッド」の教科書に占めるデジタルの比重や適否についても、慎重な検討が必要となる。
◆雑誌「学研の学習」16年ぶりに復刊
1946年に創刊し、小学生向けの看板月刊誌として工作教材の付録が魅力だった。最盛期の79年には、月間発行部数が雑誌「科学」と合計で670万部に上った。ただ学校や家庭への訪問販売に陰りが出て、書店販売に切り替えたものの2010年に休刊した。
7月9日発売の第1号は「はにわの大国宝展」と題し、東京国立博物館が監修。古墳時代の特集で国宝のはにわ「挂甲の武人」を6分の1サイズで再現するキットが付く。石の粉を含んだ素材を使って素焼きのような質感を実現した。インターネットで何でも調べられるデジタル全盛期だからこそ、子供の探求意欲を高めるリアルの体験がより重視されていると判断した。価格は4290円で当面は年1回発行する。
◆村上春樹の新作小説7月に刊行
新潮社は、村上春樹さんの長編小説「夏帆━The Tale of KAHO」が7月3日に刊行すると発表。「街とその不確かな壁」から3年ぶりの長編小説となる。2024年3月に早稲田大学で開かれたイベントで朗読し、文芸誌「新潮」に掲載された短編「夏帆」が作品の出発点。その後書き継いできた作品群を加えて、新たな長編小説として刊行する。
◆「週刊文春」39万部「週刊現代」23万
スマートフォンの普及に伴い、一般週刊誌は売上の厳しさに直面している。日本雑誌協会が四半期ベースで発表している印刷証明付き部数で確認する。
「サンデー毎日」が10万部を切り「AERA」もいまや5万部を割り込み、なお部数を減らし続ける形となっている。また20年1〜3月「SPA!」が10万部を割り込み、それ以降は10万部を超えられず低迷している。
一般週刊誌の前年同期比でプラス領域にある雑誌は皆無。全誌がマイナス領域。昨今、何かと世間を騒がせている「週刊文春」だが、前年同期比でマイナス7.2%、参考までに前期比はマイナス1.8%。絶対部数の多さに支えられてはいるものの、中長期的な低迷感の中にあることは否定できない。
大きく落ち込んだ雑誌のラインアップを再確認すると、「SPA!」「週刊現代」「週刊新潮」「週刊アサヒ芸能」といった、男性向けの大衆誌、あるいはゴシップ系雑誌がほとんどを占める。
◆「ドラえもん」終了を惜しむ
1977年4月15日に創刊された月刊漫画誌「コロコロコミック」(小学館)5月号が4月15日に発売された。だが藤子・F・不二雄さんの代表作「ドラえもん」の再掲載が終了しているので、SNS上では惜しむ声が相次いでいる。
河井質店Xアカウントは「『ドラえもん』がたくさん読める雑誌として77年に創刊されたコロコロコミック。これまでも『藤子・F・不二雄名作劇場ドラえもん』として再録され続けてきましたが、本日発売の5月号で最終回を迎えました。49年続いた歴史が終わってしまうのは本当に寂しいです。復活してくれることを切に願います」と、15日午前7時18分に投稿。その投稿から2時間強で、23万インプレッションと大きな反響を呼んでいる。


