日米両政府が、在沖米海兵隊のグアム移転協定で「ロードマップ(行程表)の順守」 を明記する方針だという。沖縄タイムスは9日付の社説<[グアム移転協定]住民不在の露骨な策だ>で、<なぜ今、協定を締結するのか。なぜ、 「ロードマップの順守」をあえて協定に盛り込まなければならないのか>と厳しく追及している。(JCJふらっしゅ:Y記者のニュースの検証 「DailyJCJ版」)
――不信の土壌の上に、「アメとムチ」の交付金をつくり、 さらにロードマップの順守を衆院選前に協定化する―それが「沖縄の負担軽減」のための政策といえるのだろうか。 普天間問題のそもそもの出発点は普天間飛行場の危険性除去である。その具体策も示さないまま、ロードマップ順守の協定を「駆け込み締結」 するのは納得できない。――
そのとおりだと思う。この意見に賛成である。
<次期衆院選を控え、政権交代の可能性が取り沙汰される中で、「選挙の結果にかかわらず、
米軍再編は最終報告に盛り込まれた合意案通りに進める」との姿勢を明確にする狙いがあるのは明らか>(同)であろう。
また琉球新報は11日付の社説で、仲井真知事の2009年度の県政運営方針を取り上げ、普天間飛行場の代替施設の問題にふれている。
――これまで実施された、多くの世論調査でも、県民の意思は明らかだろう。 県内への移設には大多数の県民がノーを突き付けている。県議選でも移設反対を訴えた野党議員が過半数を占めたことを、再認識してほしい。 知事はこの現実を謙虚に見つめるべきだ――と提言。
――冷戦時代が終わり、さらにこれだけ軍事技術の発達した今、 なぜこれほど巨大な軍事基地が沖縄に必要なのか。在沖海兵隊の一部をグアムに移転するというなら、なぜ普天間飛行場も一緒に移せないのか。 あるいは米本国を含む県外では駄目なのか。県は日米両政府に対し、あらためてこの疑問を粘り強く突き付けていくべきだ。―― との具体的な提起。いま日本社会が米国の新たな外交の流れとつきあっていくうえで、国民的な声として大きく広げていくべき内容だと思う。
沖縄では、米海兵隊員が使用しているのと同じ弾丸が、 昨年12月に駐車していた車のナンバープレートに突き刺さった状態で見つかり、地域社会に衝撃を与えていたが、海兵隊側の調査によると 「最近の訓練とは直接的な関連がない」との結果が出されたという。
2008年12月、銃弾の金属片が、 駐車していた車のナンバープレートに突き刺さった状態で見つかったのは沖縄県、金武町伊芸。沖縄県警の鑑定の結果、「M33普通弾」 (50口径、12・7ミリ)の弾芯とわかった。海兵隊が試料として提出した弾丸と一致したという。 陸上自衛隊は県内で使用していないこともわかった。
この件について米海兵隊は、海兵隊訓練教育司令部(バージニア州) から弾道専門家を送り込み調査にあたらせた。その結果として出てきたのが「最近の訓練とは直接的な関連がない」との調査結果だ。
沖縄タイムスは13日付の社説<[流弾事件調査]これでは納得できない>で、 <奇々怪々とはこういうことを言うのだろう。「訓練とは関係がない」という結論だけを、具体的な説明もなしに一方的に示されても、 納得できるわけがない。最終報告が明らかになっていない段階で、訓練との関係を示す「十分な証拠がない」ことを理由に、 射撃訓練の継続を主張するのも、説得力に欠ける>と厳しく論じている。
琉球新報も同日社説「伊芸被弾事件 訓練以外なら何が原因か」で、 以下のように整理している。
――事件当日、 射撃訓練を実施していた部隊が銃弾流出防止の安全手順をすべて順守していたことが理由だという。米軍側の一方的な見解にすぎず、 到底納得できるものではない。<中略>海兵隊は「物的証拠も状況証拠も、銃弾の出どころがわれわれの射撃訓練場だということは示していない」 と強弁するだけで、県民を納得させるだけの根拠を一切明らかにしていない。これでは、 訓練に携わった兵士の言い分を都合よくうのみにして責任を回避しようとしている―と疑われても仕方あるまい。――
沖縄タイムスのいうように、「キャンプ・ハンセンでの実射訓練は、 根本的に見直す時期にきているのではないか。惰性の思考で訓練を当然視するのではなく、現実に即して、 日米双方であらためて問題点を洗い直すべき」だろう。
そして琉球新報が言うように、「被弾の原因が海兵隊の訓練でないのなら、一体、誰が、 何の目的で銃弾を発射したのか。肝心な点がうやむやにされたままでは住民は安心して生活できない。そんな中で演習を継続するなど言語道断だ。 海兵隊が何と言おうと、現時点で発射元として最も疑わしいのは米軍だ。県警は、演習場への立ち入りを要求し、 誤射の可能性がなかったか徹底的に捜査すべき」である。
「沖縄の負担軽減」のための政策と称して、在沖米海兵隊のグアム移転協定に
「ロードマップ(行程表)の順守」を強引に盛り込もうとする。射撃訓練を実施していた米海兵隊の部隊は、
銃弾流出防止の安全手順をすべて順守していたとして、車のナンバープレートに撃ち込まれた銃弾の件は「訓練とは関係がない」
という結論を強引に出す。その上、それをもとに何もなかったように射撃訓練の継続を打ち出す。「対等なパートナーシップ」
と日本政府は言うが、ブッシュの戦争の時代、住民負担の軽減を名目に、米軍と自衛隊の「融合」が進められ、
沖縄の人権も環境もないがしろにされるままである。さらに政府は今月はじめ、全額国庫負担による不発弾処理について「実現は困難」
との答弁書を閣議決定するなど、国が背負うべき責任に「他人事」の姿勢を示している。
自民党の政治とはいったい何なのか。だれのための、何のための政治なのか。その本質がいま根本的に問われるべきときをむかえている。
(JCJふらっしゅ:Y記者のニュースの検証「DailyJCJ版」=小鷲順造)
[グアム移転協定]住民不在の露骨な策だ(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-02-09-M_1-005-1_001.html?PSID=d9715c31393272b5220bc6a044610f4d
県政運営方針 今こそ知事の指導力を/「普天間」解決は県民目線で(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-140698-storytopic-11.html
[流弾事件調査]これでは納得できない(沖縄タイムス)
http://www.okinawatimes.co.jp/news/2009-02-13-M_1-005-1_001.html?PSID=d9715c31393272b5220bc6a044610f4d
伊芸被弾事件 訓練以外なら何が原因か(琉球新報)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-140736-storytopic-11.html


