2013年02月03日

【今週の風考計】2.3

<大津いじめ自殺問題>の報告書には、「いじめが原因だった」という結論に至る、同級生ら延べ56人・95時間に及ぶ聞き取りなど、貴重な議論の経過が記されている。見逃せないのは、メディアの「報道合戦は異常でセンセーショナルなものであった」と、痛烈な批判が加えられていることだ。昨年12月23日付の読売新聞社の報道が原因で、加害者とされる生徒からの聞き取りが拒否され、また別の報道関係者が生徒に現金をちらつかせ情報を得ようとした例も併記されている。過熱した報道は、当事者や家族が地域内で生活できないばかりか、無関係の同級生や家族まで平穏な日常が脅かされる事態に追いこんだと指摘する。メディアは「何のために、いじめに関する報道をしているのか」と厳しく問う。その後の桜宮高校の体罰自殺、柔道界の暴力しごきなど、センセーショナルに扱うばかりで、その本質を衝く調査報道はなされていない。年齢・性別・分野を問わず、お互いに、人間の尊厳を守る、この基本が確立されていない日本社会の構造の歪みに、メスを入れなければならない。(2013/2/3)
posted by JCJ at 11:06 | TrackBack(0) | Editorial&Column | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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