2013年04月29日

自覚した国民の次の闘いは既に始まっている/日本再生へ更なる力を=太田武男

 改憲論が復活する状況下での代表委員退任は心苦しいが、JCJはいま民主勢力の要の組織。期待と信頼に応えて活動を発展させて頂きたい。
 バブル再現を懸念しながらもアベノミクスが、株高・円安のにわか景気を演出している。基地負担を押し付けられた沖縄県民の感情を逆なでする「主権回復の日」や辺野古埋め立て申請、嘉手納以南の「基地返還合意」など、政権のパフォーマンスも7月の参院選を意識して繰り出している。その一方で、原発の再稼働やTPP交渉参加、「96条改憲」、あたかも安倍政権の既定路線・決意と言わんばかり。報道もチェックどころか露払いのようなものが目立つ。

 最近の中国新聞に参院選で「ねじれ解消期待68%」「改憲可能に」65%―と、全国世論調査会の記事が載った。見出しからはまるで「改憲OKが65%」とさえ読めるが、参院選の争点に「改憲」を挙げた回答は全体のわずか9%。なのに衆参の「ねじれ解消、決められる政治」の是非と絡めた設問と分析の数字か。こうした報道が読者の批判と失望を大きくする。
 「ことば遊び」というか、空気づくりというか、最近は、刺激的政策を採り上げて「政府は…」「首相は…」と政権幹部のメディア露出を増やし、専ら説明と解釈、対応を語らせる。発言ジャーナリズム≠フオンパレードだ。監視はおろか政策や現状追認にしかなってない。
 東電福島原発の事後対策では欠陥発覚が相次ぎ、放射能漏出はいつ止められるかメドさえ立たない。そんな原発の再稼働や「9条改憲」とは、決定の瞬間から国民の平和的生存権そのものを脅かす危険も大きい。
 「96条改憲」案も同じ。発議条件を緩めれば政権交代の度に改憲となりかねない。近代立憲主義、憲法思想の否定であり、発想自体が噴飯もの。大日本帝国憲法でさえ73条2項の改憲条項に「出席議員3分の2以上」の壁を設けている。議員も政党も知らぬはずはない。
 国会は司法から「選挙無効宣告」を突きつけられた。憲法を日米安保の下に置き、アメリカと財界言いなりの政治を続けた新自由主義、利権政治、それを支えたのが小選挙制度――その結末である。
 こう見ると現状の危機は広く傷口も深い。7月の参議院選は確かに転機と意識せざるを得ないが、これで決着とはならない。自覚した国民の次の闘いは既に始まっている。常に読者・視聴者・市民と共に歩んだJCJの組織と運動である。戦後史の大きな分岐点に立って、ジャーナリズムと民主主義の再生・発展の新たな闘いに力を発揮したい。

(JCJ代表委員退任にあたって=おおた・たけお)

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」4月25日号2面

posted by JCJ at 12:24 | TrackBack(0) | メディアウォッチ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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