2013年09月29日

「日本はいまだ米占領下と同じ」 広島不戦のつどいで前泊博盛氏が指摘=井上俊逸

 JCJ広島支部恒例の「不戦のつどい」が9月1日、広島市中区の平和記念資料館で開かれた。 一般市民を含む約110人が参加。元琉球新報論説委員長で、現在は沖縄国際大教授の前泊博盛氏の「安倍政権と日米安保―沖縄からみた平和、憲法、有事の危機―」と題する講演に耳を傾けた。
 前泊氏はまず、米軍の新型輸送機オスプレイの沖縄への強行配備に関し「尖閣諸島をめぐる中国との軋轢で『抑止力』を言う人がいるが、海兵隊の運用実態やオスプレイの機能などを考えればそうなりえないのは明らか。むしろ日常の低空飛行訓練の方が沖縄県民はもちろん、日本の全国民に及ぼす危険が大きい」と強調。そのうえで「国民がどんなに反対しても、日本政府としては(オスプレイ配備に)どうこう言える立場にない。これは昨年7月、当時の野田首相が言ったこと。すなわち、日本は主権国家ではない、と首相自ら表明したわけで、これほど理不尽な話はない」と批判した。

 続けて前泊氏は、2004年の沖縄国際大へのヘリ墜落事件で「米兵が制圧した」と言われた現場の驚くべき実態を紹介し、「日本はいまだに米国の占領下と同じ状態にある。米国と日本はいわば宗主国と属国の関係。だから、国内に駐留する米軍がどう行動しようと日本政府には何ら規制したり拒否したりする権限はない。それを認めたのが安保条約と地位協定で、これがある限りこの関係は続く」と指摘した。
 さらに、米軍基地依存と言われ続けてきた沖縄経済の現状にも言及。「今や雇用などによる基地の経済効果は薄れている。例えば普天間基地の1ヘクタール当たり収入よりも基地外の生産額の方が4倍も大きい。保守の仲井真知事でさえ、沖縄に基地が存続することによる逸失利益は1兆円を超えると言っている。基地がない方が沖縄の経済発展をもたらす可能性は広がる」と論じた。
 最後に前泊氏は、米軍基地問題と原発問題の共通点にも触れ、「安全神話」や被害者と受益者の分離、情報隠蔽体質などが脱基地・脱原発を阻んでいるとして、もっと国民全体の関心を喚起し、議論を巻き起こす必要性を説いた。
 同支部は、第二次世界大戦終結後の1945年9月2日、日本が連合国との間で降伏文書に調印したのにちなみ、ジャーナリストとして「二度と戦争のためにペンを執らない」決意を新たにしようと毎年、この日につどいを開催。今年は2日が平日のため1日早めて休日の1日に催した。

(広島支部)

*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2013年9月25日号より


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posted by JCJ at 10:56 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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