2013年09月29日

東京五輪 国際公約を果たす重大な責任=隅井孝雄

 ブエノスアイレスで開かれていたIOC総会は、2020年のオリンピックを東京で開催することを決めた(9/7)。8日早朝のテレビ中継でこのニュースが伝えられたあと、日本全土に喜びの声が広がった。日本のプレゼンターのうち、自身が被災者でもあるパラリンピック陸上の佐藤眞海さんの発言はIOC総会参加者の心を打った。
 テレビやスポーツ紙(9日は日刊紙休刊日)など日本のメディアは「総会で安倍首相は、海外メディアに広がった福島原発の汚染水漏れについての懸念を、明確な演説で打ち消し、勝利に貢献した」(9/9スポーツ報知)など、G20を途中退席して駆けつけた首相の"活躍ぶり≠伝えた。

 安倍首相はスピーチで次のように述べた。「フクシマについてお案じの向きには、私から保障をします。状況は統制されています。東京にはいかなる悪影響も、及ぼしたことはなく、今後とも及ぼすことはありません」。これに納得しない委員から説明を求められ、次の発言を付け加えた。「汚染水による影響は、福島第一原発の港湾内の0・3平方キロの範囲内で完全にブロックされている。近海でのモニタリング数値はWHO水質ガイドラインの500分の1。健康問題については今も将来も全く問題ない」
 しかし300トンの汚染水が海に流出していることにはふれなかった。出漁中断のいわき市漁民は「対策が後手に回り悪化している、(首相発言に)違和感がある」(9/9スポーツ報知)と語り、「被災地置き去りを国際社会が追認した」(9/9デイリースポーツ)の声も。
 ニューヨークタイムスは開催地決定に先立って、「日本政府は汚染水流出くいとめのため5億ドルの支出を決めたが、これはIOC向けではないか。日本政府と東電は事態を解決する能力があるのか」(9/3ニューヨークタイムス)と厳しい報道を行った。だが東京開催決定直後「この決定は長期にわたる経済と政治の衰退、地震、津波、原発事故の苦難を克服しようとする日本の人々の努力に対する国際社会の支援の表れである」(9/7ニューヨークタイムス)と伝えた。
 汚染水を封じ込めることは日本にとってもはや国際的公約となった。アジアで開かれるオリンピックはまた中国や韓国との新たな連携を生むきっかけともなるだろう。3兆円の経済効果、アベノミクス第4の矢、消費税引き上げの好機などと矮小化するのは、世界からの日本に対する温かい支援を冒涜することになる。
 東京でのオリンピック開催まで7年、安倍政権の進路のゆがみを正し、被災地の復興、原発事故からの脱却を推し進め、アジア各国との友好を築き上げることを私たちの最大の課題とする必要がある。

(JCJ代表委員)


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posted by JCJ at 11:01 | TrackBack(0) | 政治・国際情勢 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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