欧米など6カ国とイランは1月20日、昨年11月に合意したイラン核問題の段階的解決の第1段階――イランがウラン濃縮活動を制限し、その見返りとして欧米側が経済制裁の一部を緩和する――の履行に踏み切った。これは中東情勢の転機につながる重要な一歩だ。
イラン核問題は2002年に海外亡命中の反体制派が、イラン政府が秘密裡にウラン濃縮を進めていることを暴露したことから国際問題化した。原子力発電や医療用アイソトープなど、核の平和利用にはウランを濃縮する必要がある。平和利用は5%程度の低濃縮ウランで賄えるが、ウランを90%濃縮すれば核兵器の原料になる。
原料のフッ化ウランを高性能の遠心分離器に掛ければ濃縮が進み、5%から90%までの濃縮ウランを生み出すことができる。イラン側はあくまで平和利用のための濃縮だと主張するが、欧米側はいずれ濃縮度を高めて核兵器を作るつもりではないかと疑う。
この問題をめぐり2006年から、米英仏ソ中の国連安保理5常任理事国とドイツの6カ国がイランと断続的に交渉したが昨年11月、6年ぶりにやっと暫定合意が成った。 ――合意後6カ月間はイランが濃縮度5%超のウラン製造を凍結、同約20%の備蓄ウランを兵器に転用できないようにする。プルトニウム製造に通じる実験用重水炉の稼働も止める――。
これに対し、欧米側は自動車などの禁輸を一時的に停止、原油売上金のイランへの一部送金を認める。これが暫定合意の骨子である。合意事項の履行状況を検証しながら双方は交渉を続け、1年以内に包括的な解決策をまとめることで一致した。
1979年のイラン革命以来、米国とイランは「犬猿の仲」だったが、昨夏のイラン大統領選挙で穏健派・対西側協調派のロウハニ大統領が登場。以来米国とイランの秘密交渉も進展、昨年11月の暫定合意が成立した。
しかしイスラエルはこの合意に反対だ。イランは核兵器を断念していないとしてイランを空爆するかもとの姿勢を崩さない。だがオバマ米大統領はイランとの和解に踏み切った。中東情勢の転機である。
*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2014年1月25日号5面
☆ JCJ機関紙「ジャーナリスト」購読申し込みは、下記頁からどうぞ ☆
お名前、ご送付先、連絡先などをご記入の上、「希望内容」のプルダウンメニュから、「機関紙購読申し込み」を選択のうえ、最下部の通信欄に「●●月号から」と購読開始希望月号を明記してください。会員加入申込みもできます。
<JCJ機関紙購読・会員加入申込みHP>
http://jcj-daily.sakura.ne.jp/postmail/postmail.html
・「ジャーナリスト」はタブロイド判8面、毎月25日の発行です。
・年間購読料:3000円(12号分)です。
※会員の場合、機関紙購読料は会費に含まれています。(←いまなら郵送料込み)


