最新作の『緑はよみがえる』は1917年、第一次世界大戦下のイタリア・アジアーゴ高原。冬の山中にイタリア、オーストリア両軍とも塹壕の中に立てこもっていた。劣悪な状況の下で、彼らの唯一の楽しみは家族・恋人からの手紙だ。
戦況を理解していない司令部から理不尽な命令が届き、その任務に選ばれた一兵卒が塹壕から出たとたんに狙撃され、命を落とす。
激しい爆撃が止み、司令部から後退の命令が届く。若い中尉は戦争の酷薄さに打ちのめされながら、母にこう綴る。
「愛する母さん、一番難しいのは人を赦すことですが、人が人を赦さなければ、人間とは何なんでしょうか」と。
オルミ監督は「父はヒロイズムに駆られて19歳で第一次大戦に従軍したが、過酷な戦場での体験はその後の父の人生を変えた。父が涙するのを見たのは一度ではありません」とこの作品を亡き父に捧げている。
(公開は4月23日より東京・岩波ホールにて)
*JCJ月刊機関紙「ジャーナリスト」2016年4月25日号
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