にもかかわらず安倍政権は環太平洋経済連携協定(TPP)の早期国会承認と全国農業組合連合会改革など「農業改革」を一層強硬に推進しつつある。生産者との矛盾と対立が激化することは必至。
◆1道9県で野党10議席
北海道や東北、甲信越の1道9県では、12議席中10議席を反改憲勢力が占めた。背景には、農業改革と国会決議を無視しTPPの大筋合意にひた走った安倍政権に対する農業生産者の大きな怒りがあった。これらの地域は、TPPが実効されるとコメや乳製品、青果物などが大打撃を受けるからだ。
第2次安倍政権が成長戦略の大きな柱としたのが農業分野。改革の旗印の下、JA全中など農協組織の実質的な解体と農業委員会の形骸化、農業の企業化・大規模化など、戦後70年「食料安全保障」を支えてきた農林水産業と農村社会の基盤を根底から覆す諸政策を強硬に推進してきた。特にJA解体の動きは熾烈さを極めた。萬歳章前JA全中会長を農協法改悪強行によって退任に追い込み、「(政府との)対話路線」を唱える奥野長衛会長体制を構築し、全中がTPP反対の柱になるの削ぐことに一応成功した。
◆食の安心安全を脅かす
自民党の小泉進次郎農政部会長が「全農改革が今後の改革の本丸」と述べたように、全農の株式会社化をはじめ農協から金融・共済部門の切り離しなど、安倍政権は農業改革を一層強化しつつある。そこに貫かれているのは、営利最優先の企業の農業参入への門戸開放、そして日本の農業市場での権益拡大を求める米国への便宜供与である。改革とTPP参加が結合されれば、地域から人も土地も経済も奪われかねない。それは日本の食料安保と国民の「食の安心・安全」への重大な脅威にもなる。
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