そこへ、フランスからインターンのザジを迎える。彼女は迎えの車がベンツと知ると怒り、ユダヤ人の祖母がベンツのガストラックでナチスに殺されたとトトに食ってかかる。
「アウシュヴィッツ会議」のスポンサー探しのためにトトとザジはホロコーストの生還者である女優のルビンシュタインに会うことを命じられるが、ここでもトトが女優を怒らせてしまう。彼女は会議のスポンサーを降りてスピーチもやめると言いだし「被害者の苦しみより人生の成功話をしたいわ」というのに腹をたてて、「あの悲劇がわかっていない」と暴言を吐いてしまったのだ。
思わぬ展開から、二人はかつてナチスに支配されたラトビアのリガへ向かう。このリガのギムナジウム(学校)でトトとナジの祖父母は同級生だったことがわかったのだ。映画は殺された者と殺した者との和解が成り立つのかを問う。
監督のクリス・クラウスはホロコーストについて沢山語られてきたが、誰もそれを自分の家族のこととして考えていない。戦争における犯罪の再検証はもういい。それよりも今を生きる我々がどう前向きに生きるか、それが映画の果たすべき社会的役割でもあるのだと語っている。(9月30日より渋谷ル・シネマで公開)


